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大英博物館を辞めたコンサバター(修復士)、スギモト。彼の工房に行方不明になっていたゴッホの十一枚目の《ひまわり》が持ち込まれる。時を同じくしてオランダ・ハーグでフェルメールの知られざる「真作」を示す古文書が出現。スギモトはロンドン警視庁美術特捜班の刑事マクシミランと調査に乗り出すが――。壮大なスケールで描く、アート・ミステリー。
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背後設定が甘い
アート・ミステリとしての出来は2作目以降徐々に向上していく。登場人物のからみ合いも同様だが、2作目ではまだ最初の構想の細部が詰まっていなかったのこか、スケッチ風のままで、人物設定に奥行きがなく、そのためどの人物のイメージもぼんやりしている。政治的背景を絡めたのはトライアルだろうが、実のところアイディアに頼っているだけで書き込みが足りない。おそらくこの作家の手に余る問題だっただろう。
3作目あたりから、アートそれ自体を焦点とする扱いになっていく。描かれる世界は狭くなるが、むしろ作家の美術と美術史に対する関心と調査が表面に出て、作品としての凝集度は上がっていく。BMとのつながりをさっさと切ったのは、おそたく当初からの構想ではなく、作家自身がBMとロンドンについての知識不足を感じて、BMを舞台とするシリーズものとすることを断念したからだろう。そのために登場人物の関係性に集中する度合いが上がったのは良かったと思うが、2作目まではまだ、トライアルとしての色彩が強い。
アート・ミステリ好きで、シリーズでまとめ買いしていなかったら、2作までで「実力不足がひどい」として、放りだしていたと思う。
Posted by ブクログ
コンサバターシリーズ第2弾はゴッホの幻の「ひまわり」をめぐる事件。そこにアフガニスタンから持ち出された美術品の行方が絡みミステリに深みを加える。
ゴッホやフェルメールの幻の作品の話はさておき、戦争で破壊された博物館から持ち出された美術品が正当な持ち主である国に戻されることなく出回り、あるいは盗品として警察の管理下で死蔵されているという話に考えさせられる。
美術品は誰のものか?どのように扱われるべきものなのか?考えさせられる。少なくとも一部の富裕層の投機の対象ではあってほしくない。
シリーズのお楽しみスギモトと晴香の関係は少しずつ深まり、そこにスギモトの元カノ、従兄のマクシミランが絡んできて面白くなって来た。
ラストはスギモトの父も登場し、次作が楽しみになって来た。
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