一色さゆりのレビュー一覧

  • 神の値段

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    ネタバレ

    現代アートとミステリーを題材にした「このミス大賞」。姿を見せない作家の謎に引っ張られて一気に読みました。ギャラリーと作家の関係性や、アートビジネスについても勉強になりました。
    しかし、作品を描かない作家って…映画の監督みたいなものなのでしょうか。それを何億円で売るというのがギャラリーの手腕なのでしょうか。よく分からないのでもう少しこの業界について知りたくなりました。
    もし、ピカソやゴッホの作品がアトリエのスタッフによって描かれたらそこまで値段がついたのか…

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    2022年06月19日
  • コンサバター 失われた安土桃山の秘宝

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    コンサバターシリーズの3冊目ですね。
    今回は日本の作品、狩野永徳の失われた作品「四季花鳥図」の復元を巡る歴史ミステリーとスギモトの家族に関わる謎の物語。晴香の過去も明らかになってくる。
    流石に一色さんは美術畑だけにものすごく知識欲を掻き立てられました。修復のメカニズムにも微に入り細にわたりため息が出るくらいですね。
    キャラクターがかなりのリアクションをするようになり、物語が生き生きしてきましたね。
    永徳と光信父子と京都狩野の山楽の歴史背景はとにかく面白くて興奮しました。
    スギモトと晴香の恋愛の方はどうなるのか、期待が高まってところで予期せぬラストに唖然です。
    次回作まで引っ張るとは一色さん、な

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    2022年06月12日
  • 神の値段

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    2016年、第14回「このミステリーがすごい!」
    大賞受賞作品。

    現役の学芸員が描く美術ミステリーということで、
    アート業界の裏側がこと細かに描かれています。
    個人的にアートや美術館も好きなので、
    これまでに知れなかった実情に触れられて面白かった!

    説明・解説的な内容が多いのですが、
    読みやすく細やか、するりと入ってくる文章表現のお陰で
    主人公に感情移入でき、
    どんどん物語の中に引き込まれていきました。

    ミステリーとしてとなると★3ですが、
    作品としては大変面白かったです!
    次回作もぜひ読んでみたいと思います。

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    2022年04月27日
  • 神の値段

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    また、美術とか分かってへんのに美術ミステリー読んでしまった…^^;
    何か、あらすじとか読んでると、つい…(^^;;
    なので、絵画に関する解説とかは、こういうもんか…としか分からない…
    でも、これは、オークションとか、アートのビジネス側からの話も多くて、結構、勉強になる。アートビジネスとか分かってない以前にそんなん買うお金が…

    美人でやり手のギャラリスト唯子さんが急に!
    犯人は、誰?
    基本、唯子さんしか会っていない芸術家 川田無名か?生きてるんか?
    ほんまに?
    絵の描き方も独特で、自分で描くより、指示して描かせるんやな。めっちゃ細かい指示みたいやけど。
    大きなお金が動くだけに、善人ばっかりの集

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    2022年02月11日
  • 神の値段

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    現代アートの裏側を描く美術ミステリー。

    現代アートって、幅が広すぎて僕には難しく、守備範囲でないのですが、この小説は楽しく読めました。
    アート小説と言えば、原田マハさん!
    な僕ですが、昨年くらいに読んだ一色さゆりさんの「熊沢アート心療所の謎解きカルテ 絵に隠された記憶」が良かったので、今回はデビュー作でもあるこちらの小説を読んでみました。

    アートは、純粋に観て楽しむものというだけでなく、ビジネスとの繋がりも強く、特に現代アートでは、レディメイドやアーティスト自身が手掛けていない作品など、言いようによっては、芸術的価値があってないようなものに目の回るような値段がつけられたりするようです

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    2021年12月05日
  • コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの

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    アート系ミステリーを読んで、戦争と平和、国とは何か、文化を継承して守ること、を考えさせられました。
    晴香が必死で美術品を守ろうとする姿が、とても格好良かったです。
    ここからはちょっとネタバレですが、スギモトさんが晴香をパートナーにした理由、自分にない美徳を持っているから、ということが美しいと思いました。
    また他の登場人物が、その国の文化が生きながらえているうちは、その国は生きている、ということに、国としての誇りを考えました。
    次巻も楽しみです。

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    2021年09月19日
  • 神の値段

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    川田無名の作品を独占的に扱うギャラリーを経営する永井唯子.無名はニューヨークで活躍し名声を博したが帰国後はぱっとせず、最近になって人気が爆発した.田中佐和子は唯子にスカウトされた形でギャラリーで働いているが、無名のNY時代の作品が届いて話が展開する.中国人のグループなどが訪れ商談が始まるが、突然唯子が死んでしまう.唯子だけが無名との接触が可能で、途方に暮れる佐和子.犯人の目星は立たず女性捜査員の金谷とだけ僅かな接触がある.例の作品は無名の謎の指示で香港でのオークションへ出品するが、唯子の夫 佐伯章介の支援で何とか乗り切るが、佐和子は犯人の目途をつける.無名がさりげなく佐和子を助ける件が良かった

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    2021年08月09日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    イギリスの街並に実際に行ったみたいでワクワクした。博物館の中の迷路やエジンバラでのドライブなど楽しい。
    各話のメインキャラクターのその後が想像できるのも良い。小出しされるとニクイ。和時計というものは恥ずかしながら初めてその存在を知ったので、実際に見てみたいな。できれば小さくなって中に入ってみたい。
    晴香がケントの舌を懐柔するのかと思ったら、晴香がフィッシュアンドチップス好きになっていた。郷に入りては、と言うけど、恐るべし、ジャンクフード。
    アンジェラはぜひ晴香としまむらに行ってほしい。何ならオソロのTシャツとか買って着てほしい。多分可愛い。
    神奈川沖浪裏ほ以前美の巨人たちでVR再現された映像を

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    2021年07月28日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    好きなタイプのアートミステリーだった。
    大英博物館のキザな天才修復士と、主人公の修復士が辿るアートというよりは、その対象物に関連する周囲の人間の動きに関わる謎、というべきか。修復士というのも良い。
    印象としてはちょっとダン・ブラウンに近いような構成だが、大きな謎、というわけではないのでさっぱり目に感じるかと。

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    2021年03月30日
  • 神の値段

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    犯人がどうこうというより、現代アートの世界への興味がかきたてられた。アートに詳しくなくても、読後には深い何かが分かったような気になれる。ちょうど同じ頃にたまたま現代美術館に行ったが、それまでいまいちよくわからなかった現代アートの見方が少し変わったと思う。

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    2020年08月19日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    題名の「コンサバター」とは絵画や壁画などの修復士と言う意味。
    イギリスの大英博物館を舞台に2人の日本人の修復士が、様々な謎に挑んでいきます。
    全4章+αの連作短編集です。
    ミステリーといっても殺人事件が起きるわけではなく、章ごとに一つの実際に存在する芸術作品が登場し、「科学」を駆使して解決へと導いていきます。その芸術作品の歴史・背景も登場しますが、どっちかというと科学捜査をメインに展開するので、ちょっとしたスリル感がありました。
    壊された作品が偽物だったり、ミイラが入っているかと思いきや昔の札束だったりと興味を誘う物語ばかりでした。

    実際の芸術作品の歴史だけでなく、大英博物館の闇の部分も描か

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    2020年07月06日
  • 神の値段

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    『アートは理解するものではなく、信じるものだと思います』

    『神の値段』の中にこんな言葉が出てきます。その言葉が出てくる場面を読んだとき、これまで生きてきた中で、なかなか理解しがたかったアートとそれを求める人たちの心情を、少し身近に感じられました。

    この言葉は初めて画廊で作品を買おうとする男性と、その作品を扱う画廊のオーナーの会話の場面で出てきます。
    感銘を受けた川田無名というアーチストの作品とはいえ、予算の10倍近くするものを買うかどうか迷う男性の客。その客に対し直感を信じるべきと促すオーナー。しかしこの作品を買った後に、もっと素晴らしいものに出会ったらと考えると……、と客は話して、なかな

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    2020年05月13日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    推理を楽しむミステリというジャンルではないので、そういう楽しみを求めてる人は注意が必要。

    美術に関する蘊蓄やコンサバターやキュレターといった美術界隈の世界観を楽しみたい人だったり、
    私みたいに美術に関する知見がないけど、別世界を覗いてみたい人向けかな。

    人も死なないし、ページ数も普通で展開も早いので、サクッと楽しめる。
    ちょっと恋愛要素が気になる点だけど、つづきも読もうと思う。

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    2025年10月25日
  • ロゼッタストーンの暗号 コンサバターⅥ

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    文化財返還問題に切り込むのかー!とワクワクしながら読んだ。改めて調べてみたけど歴史と政治と文化の保護、と様々な問題が絡みあっていて複雑だ…。春画、文字、お札、と扱うアートの種類も多岐に富んでいて面白い。気になる終わり方だっので次を早く…

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    2025年10月18日
  • ロゼッタストーンの暗号 コンサバターⅥ

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    コンサバターシリーズ続編。

    2人の関係性が少し変わってきているところももどかしくも微笑ましくて楽しい。もう少しこのままの関係ででいて欲しい気も。

    それにしても、今回もいろんなジャンルのアートに関する情報が盛りだくさん。個人的には春画やお札のところが興味深かった。

    ラストはなんと大事件の幕開けのところまで。
    続編はまだ先になるのかな。2人がどう解決するのかしないのか、早く読みたい。

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    2025年09月26日
  • 神の値段

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    美術ミステリーというジャンルを初読しました。

    敏腕画商が謎の死を遂げた。
    画家、画商、コレクターの三者がマーケットを形成・拡大するというビジネス構造の中で、さまざまな利害が錯綜するが、犯人は一体??

    美術ビジネスという一般には馴染みの薄い業界を取り上げており、新鮮に読めました。

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    2025年08月29日
  • ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵

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    荻原碌山の裸婦像「女」。見る角度、季節、受け手の状態や心持ちなどといった状況の変化で、受け手の感じる印象ががらりと変わるとのことです。

    美術鑑賞は好きな方ですが、そんな玉虫色のように変化のある作品にはまだ出会ったことがありません。

    是非観てみたいと思いました。

    「大丈夫。私の人生だって、そう悪くないはずだ。胸をはって生きていこう」

    「大事なのは、誰かにどう評価されるかじゃなくて、あなたが満足しているかどうかだからね」

    私には持病があり「人生の貧乏くじ」を引いたなぁと思わずにはいられないこともありますが、他の誰のものでもない自分の人生を楽しんで、誇りを持って生きていけたらと思いました。

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    2025年07月24日
  • モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して

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    西洋美術館で購入。
    睡蓮よりも、カペの自画像や『眠る二人の子ども』への見方や感想に共感して「そうそう!」と嬉しくなった。

    モネの睡蓮を想う時、モネ展で見ることができた、行方不明の間に半分ほど破損してしまった『睡蓮、柳の反映』が蘇る。
    絵画としては壊れてしまっているのに、あれほどまでに輝いている。
    戦時下を生き延びた生命力。

    他にも、ポーラ美術館、大原美術館、大山崎山荘美術館の睡蓮を想像する。
    一緒に美術館を巡る感覚が楽しかった。

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    2025年07月19日
  • モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して

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    アートの旅に特化した旅行会社に舞い込んだ奇妙な依頼の物語。依頼人が指名した代理人が旅するモネの名画《睡蓮》を巡る旅。単純に、テーマを1つに絞って専門家にアテンドしてもらう旅は楽しそう。作中に登場した美術館に足を運んでみたくなった。絵画はどこで見るか、ではなく誰と見るか」というテーマにもなるほど、となる。

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    2025年07月17日
  • 音のない理髪店

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    日本の聾学校初の理髪科を卒業し自分の店を営んだ祖父をもつ主人公・つばさ。作家デビューしたものの次作が書けずにいたのだが、ひょんなことから、今は亡き祖父を題材に小説を書くことになる。だが、疎遠となっていた祖母をはじめ、伯母、父、ろう者をサポートする会社の代表や手話教室、ろう者などへの取材をしていく中で、自分がこの小説を書く理由を悩み探って行く。
    聞こえる側と聞こえない側のコミュニケーションの難しさ、障害者に対する偏見や差別など、改めて考えさせられた。

    私的には、想像していたストーリーと違っていたので、ちょっと肩透かしにあってしまった感がある。
    もっとタイトル通り、ろう者の理髪店の物語だったら良

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    2025年06月29日