一色さゆりのレビュー一覧
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ネタバレ東京芸術大学。最難関であり、就職にいちばん遠い大学…。
入学するときは芸術のエリートなのに、その後の生活の保証なし。
そんな学生生活をおくる4人の若者の群像劇。
作者さんが藝大ご出身なので、中のことが知れて面白かった(興味本位で読むには)。
しかし才能で淘汰される世界、しかも選び抜かれた者たちのなかで、嫌というほど自分を思い知らされる…。
友でありライバル、才能に嫉妬し嫉み苦しみ。個性を見出すために七転八倒する。若いからできるバカや苦労もある。
それでも自分の道を進むしかない。
読後はスッキリしてよかったが、小説としてはもうひと超えほしかった。 -
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美術の世界は詳しくないけれど、
美術展開催までの裏側ってこうなのかな、と想像が膨んで楽しい。
美術館に行くあのわくわく感が身に覚えのある人なら、この世界観を楽しめるはず。
でも、ここまでハードとは…
本の中にもある、生きた作家との準備というのが印象的だった。まさに伴走なんだろうな。
テーマはセンシティブでもありリアルで、なかなか挑戦的にも感じる。
働くことと私生活のせめぎ合いのような描写は特にリアルで、三十代には刺さるのでは。
女性目線の話なので、男性側から見たらどうなんだろうか。友人との会話なんてリアルそのもの。
ただ、最後の方、もう少し丁寧に描いてほしかったなと思う部分も正直ある。それ -
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葛藤の先に見える自分の道へ - 一色さゆり「ピカソになれない私たち」★★★☆☆
このミス大賞の一色さんの作品ですがミステリーではなかった。著者は美術館に勤務しているという筋金入りの美術家。自身のバックボーンに近い感じなんだろうな。
4人の群像劇としては、よかったんだけどなんか結局それぞれが自分と向き合った結果に終止しちゃたかなぁ。題材は悪くないんだけどな。このミスの看板が邪魔だったな。中途半端に謎っぽいものを入れるくらいなら謎に全振りするか、青春に全振りするべきだったよね。
#引用
・誰かが本気で取り組んだものって、きっと誰かの背中を押すもの
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コンサバターシリーズ第2弾はゴッホの幻の「ひまわり」をめぐる事件。そこにアフガニスタンから持ち出された美術品の行方が絡みミステリに深みを加える。
ゴッホやフェルメールの幻の作品の話はさておき、戦争で破壊された博物館から持ち出された美術品が正当な持ち主である国に戻されることなく出回り、あるいは盗品として警察の管理下で死蔵されているという話に考えさせられる。
美術品は誰のものか?どのように扱われるべきものなのか?考えさせられる。少なくとも一部の富裕層の投機の対象ではあってほしくない。
シリーズのお楽しみスギモトと晴香の関係は少しずつ深まり、そこにスギモトの元カノ、従兄のマクシミランが絡んできて -
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大英博物館の天才修復士ケント・スギモトと、彼の助手で大英博物館で修復士として働く晴香が、実在する美術品の謎を解いていくコンサバターシリーズの第1弾。
今回のテーマは
①パルテノン・マーブル
②和時計
③古代エジプトのミイラ
④北斎のグレート・ウエーブ
各章の美術品の謎と、行方不明になったスギモトの父の謎という二重の謎解きが並行して進むミステリは、その過程で修復のあれこれや美術品の蘊蓄だけでなく、イギリスの街や暮らしも垣間見えるのが魅力。
途中ややこんがらがってくるけど、スギモトの造形が魅力的だし、晴香との関係にも目が離せない。
この作品、どこか大好きな黒猫シリーズの黒猫と付き人の関係を彷彿 -
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こちらが勝手にダ・ヴィンチ・コードのような感じを期待していたのですが、ライトな人の死なないミステリでした。ミステリと言ってもこちらが推理する余地はなく、主人公達の冒険を追う形となります。
大英博物館やイギリスやスイスの情景が丁寧に描かれていて、旅情気分も味わえ知的好奇心も満たされます。登場人物たちもみんな清潔感がありクレバーで好感が持てます。
ただコンサバターとしての仕事ぶりが見たかったのと、主人公に芽生えつつある甘い感情が不要だったのではないかと個人的には思っています。
男前でプレイボーイになった山岡士郎と栗田ゆう子という構図です。
悪くはないけど次作も読まないと!という気持ちにはなら -
Posted by ブクログ
ちょうど「ブルーピリオド」の1巻を読んだあとに読み始めたので作者さんの経歴を見て「おおお」となりました。
癖のある修復士と実家元和紙職人のアシスタントの組み合わせが面白かったです。
美術関連のお話も勿論ですが個人的に日本人視点からの英国生活の描写が特に面白かったです。
イギリスに留学した知人たち9割が世代問わず「ご飯まずい」「茶はうまい。茶は」と言っていたのを思い出しましたし、イギリス人彼氏と彼氏実家に滞在してた後輩が、滞在中に彼氏に「元」がつき、現地で新しい彼氏を探したけど「いい男は全部ゲイなんだよ」ってキレ気味にぼやいていたのも併せて思い出しました。イギリス、いつか行ってみたいです。
カテ -
Posted by ブクログ
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その姿を見せない謎の画家、川田無名。
その無名と唯一会うことができる唯子は、
無名の画家としての知名度を上げて、
その絵を売ることに心血を注いでいたが
突然死んでしまう。
唯子のギャラリーに勤める佐和子は、
彼女が殺されたと知り愕然とする。
佐和子は唯子がいなくなったあと、
その意思を継ぎ残された業務に忙殺される中、
何故、唯子が殺されなけばならなかったのか
犯人は誰なのか知るために無名という
画家の秘密に近づいていく。
絵画の世界、アートオークションなど、
見ることのない世界が描かれるので、
馴染みが無さすぎて途中読み疲れしたが、
犯人、動機、方法など最後後味はよかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーというには謎解きの要素が少なく、サスペンスにしてもスリルが少ないため、その中間? そえゆえちょっと中途半端な感が否めません。
無名は結局その姿を現さないし、1959年の作品の行方がメインかといえばそうでもない、唯子を殺した犯人の捜索に血道を上げるわけでもなく…。物語のラストで唯子殺しの犯人がわかる場面でそれらが一つにつながるわけですが、そのタネあかしのシーンもちょっと急ごしらえな印象が拭えません。読んでいてもなんだか唐突な感じなんですよね。「あれっ、なんだか急にそんな展開なの?」 って思ってしまいました。
とはいえ、現代美術のマーケットに関することや、オークションの雰囲気を味わうこと