一色さゆりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一色さゆりさん初読です。東京藝大出身、アート・ミステリーで主に活躍されているそう。
本作は、一色さんの実の祖父(日本初の聾学校理髪科を卒業し理髪店を開業)をモデルに、孫娘の新人作家が「親子3代にわたるつながり」を綴った物語です。
ただし、主人公は祖父ではなく作家の〈私〉で、祖父の半生を小説に仕立てていく過程を描いた作品です。祖父母(聾者)の理不尽な差別や自立への壮絶な苦労、その子ども(コーダ:聾者の親の聞こえる子ども)の孤独や寂しさ、孫である〈私〉の作家として産みの苦しみとルーツを辿る苦悩まで、過去と現代を行き来しつつ描き、深い内容となっています。
聾者・コーダそれぞれが感じている -
Posted by ブクログ
美術・アート業界という、一般にはあまり馴染みのない世界が舞台。世界的に評価の高いアーティストの、何億という高値で取引される作品たち。大きな金額が動けば、そこには必ず人の欲やエゴが絡み、不穏な輩も現れてくるのは世の習い。その「やばい部分」に果敢に足を踏み入れ、テーマとして取り上げた意欲作である。
もちろんフィクションでアリ、虚実ない交ぜではあろうが、参考とした美術品のオークションや、怪しいアジアの大富豪とのやり取りなど、知らない者にも「ものすごいリアリティ」を感じさせてくれる。
「人前に姿を現さない」孤高の天才作家と、そのマネジメントを一手に引き受けているやり手美女。その美女のアシスタントを