一色さゆりのレビュー一覧
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駆け出しの作家五森つばめはデビュー後3年、新刊が書けないでいるところに、新しい編集者さんからいっしょに書きませんか?と声をかけられた。以前から自分の中で関心のあった祖父の物語についてプレゼンをする。
亡くなった祖父は、ろうだった。そして日本で初めてろうの理髪師であり、初めて自分で店をもった理髪師でもあった。
取材を繰り返し、つばめは自分の家族の歴史を掘り起こしていく。ろうの夫妻から産まれた父と伯母は健常者だった。こういうろう夫婦から産まれた聞こえる者のことをコーダとも呼ぶ。コーダの大変さを改めて知ることになる。また祖父母の戦ってきたろうへの偏見や差別、特に優生保護法などの苦しみにも直面する。 -
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美術・アート業界という、一般にはあまり馴染みのない世界が舞台。世界的に評価の高いアーティストの、何億という高値で取引される作品たち。大きな金額が動けば、そこには必ず人の欲やエゴが絡み、不穏な輩も現れてくるのは世の習い。その「やばい部分」に果敢に足を踏み入れ、テーマとして取り上げた意欲作である。
もちろんフィクションでアリ、虚実ない交ぜではあろうが、参考とした美術品のオークションや、怪しいアジアの大富豪とのやり取りなど、知らない者にも「ものすごいリアリティ」を感じさせてくれる。
「人前に姿を現さない」孤高の天才作家と、そのマネジメントを一手に引き受けているやり手美女。その美女のアシスタントを -
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日経新聞で一色さゆり氏の『モナリザの裏側』を紹介している記事を読んで、本書のことを知り、読みました。
私は、2022年から手話を学んでいますが、2024年10月に出た本書のことはまったく知りませんでした(聴覚障害者関連では『デフ・ヴォイス』がドラマ化もあって話題でした)。
聴覚障害について真摯に向き合った優れた小説です。手話が禁じられていた時代のろう者の苦悩、優生保護法により人権が踏みにじられてきた歴史、運転免許の取得が認められなかったこと、ろう者の就労環境等々、しっかりと書かれていて驚きました。
小説としてリーダビリティも高く、ろう者である五森正一が『音のない理髪店』を開くまでの経緯が -
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名画がモチーフとなった5つの短編集。
一色さゆりさん、東京藝術大学のご出身なのだそう。「音のない理髪店」しか読んだことがなくて知らなかったけど、アート関係の小説をたくさん書かれているみたい。これは、読まなくては!
今作で登場する5名は人生の岐路にたっている。そして、名画との出会いが前に進むきっかけを与えてくれる。
ここでいう名画が、あくまでその人個人にとっての大切な絵だということが重要だなと思う。
有名な画家の絵、オークションで高値がついた絵。そういう絵は素晴らしいと素人の私は思ってしまいがち。でも、自分がこの絵が好きだと思う直感をもっと信じてもいいと感じた。
好きな絵がある人は、その絵とどん