一色さゆりのレビュー一覧
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一色さゆりさんの美術ハートウォーミングストーリーですね。
碧波市にある白石美術館に勤務する貴山史絵は嘱託の学芸員だ。独身の三十一歳になる。
白石美術館の展覧会の企画で、碧波市出身でかつ在住するヨシダカヲルという八十歳の女性画家の個展を開く事が決まった。
その担当を、史絵がすることになる。サブに深瀬真子が付くことになる。真子は週四日勤務の時給制で、“補佐役”という肩書のアルバイトだ。
物語は、白石美術館の創立者の七十歳になる理事が、ヨシダカヲルの個展を開催したい強い希望を実現したいというのだ?
史絵は、白石美術館の仕事にやりがいを持っているが、正規の学芸員になる見込みが薄いことに不満を抱えている。付き合っている彼氏は、東京の美術館の正規学芸員なのだが、碧波市からはかなり離れているのでなかなか会うことが出来ないのも不満の一つだ。
ヨシダカヲルと接触するようになって、史絵は少しずつ彼女の絵と人柄に魅力を感じるようになる。
史絵は、自分の中で考え方が変わっていくのを感じ始める。
そして、白石理事とヨシダカヲルの過去の友情が明かされていく。
美術館の現状がよくわかり、展覧会の準備の様子が描かれているのが興味深く感じました。
作家との交流の人間模様が、史絵の人間としての成長に深まりを増していくハートウォーミングに、感動をしました。一色さゆりさんの、軟らかな文章が、美術館内部の軋轢を、史絵の成長の階段に変化していく構成に拍手です。
そして、白石理事とヨシダカヲルの絆も感動を呼びます。
一色さゆりさんの魅力がよく出ている物語ですね♪ -
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一色さゆりさんの美術サスペンスミステリーですね。
『コンサバター』シリーズの六冊目です。
ルーブル美術館での仕事を終えて、ロンドンに帰ってきた、晴香とケント・スギモトは、大英博物館の副館長のウィンストン・キースに呼び出される。
キースは、二人に大英博物館に戻って来るように懇願する。晴香は元の部署に、ケントは大英博物館が抱える大英帝国時代の“略奪品”の返還問題に取り組んでほしいとの事だった。キース副館長は、返還プロジェクトとの責任者として、この最重要課題に取り組んでいる。
そこへ、ケントの元恋人のアンジェラが外部参加で、返還部門のチーム長として乗り込んでくる。
大英博物館では、職員は“返還”に反対が多いなか、様々な問題があり、アンジェラは苦戦する。
既に既婚者で、十歳の娘ジュリーもいるアンジェラは、ケントとジュリーも親しくしている晴香に相談する。
そんななか、レジストラー(収蔵品管理者)として、中国人の陽(ヤン)が、新しく雇用されたが、実は陽はある組織から「ある計画」を携えているのだ。
ケントは、うすうす陽が怪しいと警戒するのだが?
contents
第一章 性の歴史ーー春画
第二章 ペットの歴史ーー猫のミイラ
第三章 文字の歴史ーー楔型文字
第四章 カラヴァッジョの肖像ーーお札の歴史
晴香とケントは互いに引かれ合っているのだが、お互いになかなか踏み切れないでいる。互いの気持ちを気づく気配がない物語展開に焦れったさを感じるが、物語の進展上(このシリーズはまだまだ続きそう)、読者に期待を持たせている。
物語は、大英博物館の最大の遺産ロゼッタストーンをめぐり、陽が行動を起こす所で終わっている。
次巻に続く………?
とにかく、様々な要素が有るので、するすると物語に引き込まれて面白く読み進めます。
次巻が楽しみですね!
と言うか、一色さん待たせずに頑張って早く次巻をお願いします………(=゚ω゚=) -
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一色さゆりさんのアートサスペンスですね。
オークション会社のオークションを巡る悲喜交々の人間模様を描いた作品です。
強烈な個性の持ち主で有りながら、仕事はきちりとこなすエレガントな冬城美紅と入社三年目の小洗凛太郎のコンビが、オークションの準備に余念がないところへ「オークション会場を爆破する」との警告が……?
Action list
第一章 ウォーホルの死
第二章 ポロックの妻
第三章 ダリの葡萄
第四章 ピカソの壺
第五章 オークションの女神
エピローグ
一色さゆりさんの筆はかなり作品をコンスタンスに産み出している。
アートに関する様々な要素を巧みに見出だして、身近な話題に置き換えて描き出している。何れも「自分探し」の心温まる物語展開になっているので楽しく読んで、読後感が爽やかになるのが心地よい。
一ファンとしてますます、次の作品が楽しみですね
(=^ェ^=) -
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ネタバレアート×旅小説第2弾。前作と比べて「余命宣告された病人が恩人たちに旅をプレゼントしつつ、思い出の睡蓮を探す」という設定に無理を感じるものの、それぞれのお話は良かった。
モネの睡蓮は日本中にあるけれど、美術館ごとに見え方が違うのが面白い。「睡蓮は鏡で、見る人の心を雑念なくうつしてくれるから、多くの人の心を打つ」という考え方になるほどと。時間や天気を想像してみるというのは面白い見方だなと思った。
・ロダンの「考える人」は「地獄の門」の一部。本当は「詩人」という題名。ロダンは写実的な肖像彫刻が主流だった時代に、自分の心を人体像として表現したことで、近代彫刻の父と言われる。
・ポーラ美術館は原生林と調和し、共生するというテーマで設計。建物の大半はおわん型の濠に収められている。
・草間彌生の実家は植物の種や苗を扱っていた。
・大原美術館の睡蓮はジヴェルニーから株分けされたもの。
・オランジュリー美術館は東西二つに分かれている。朝晩の動きを展示室に重ね合わせていて、東で1日が始まり、西で終わる
・ボタニカルアートは、学術的に誤りなく、植物の種名を特定できるほど正確に描写されていることが大切。 -
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ふわっと心に染みる、アート×旅小説。「現代アートはもっと気楽に、これまでの人生や生きることについて、ふと立ち止まって考えるためのきっかけにすぎない。旅行とも相性がいい。(略)」という言葉が良かった。自分としてもとても思い出深い川村記念美術館が最後の章だったのが嬉しい。
・ユリイカはギリシャ語で「わかった」というひらめいた瞬間を指す言葉アート鑑賞はユリイカの連続。心や感情を知的に揺さぶられ、腑に落ちる瞬間がある。
・ウォルターデマリア《ライトニングフィールド》体験してみたい。
・河井寛次郎は民藝(無名の職人の手仕事にも美しいものは宿る)の中心
・京都タワーは瓦屋根の波を照らす灯台のイメージで作られた -
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わたしは、一色さゆりの文章が好きだ。
この小説のシリーズには、志比桐子(しび きりこ)という女性が出てくる。彼女は梅村トラベルに勤務し、姿勢がよく背が高いスタイルで、細身の黒いパンツスーツを着こなし、てきぱきと仕事をこなす凛とした女性だ。
一色さゆりの文章は、志比桐子を体現しているかのような文章である。表現に一切無駄は無いが、けしてぞんざいではなく、品があってキレが良い。淡々と話を書き連ねているようでいて、各段落はきちんと均整がとれている。
まるでミケランジェロやロダンの大理石の彫像のような、滑らかなプロポーションと凛とした趣きがある。
姿態や仕草がきりりとして、小粋で魅力的な女性の様子を「小股が切れ上がった」という言い回しで表すが、一色さゆりの文章は「小股が切れ上がった文章」なのだ。
そんな文章で綴られるこの小説は、アートの旅「宝箱」シリーズの2作目である。
この小説の主人公 桜野優彩(さくらの ゆあ)は、1作目の「ユリイカの宝箱」で、桐子に誘われて4箇所のアートの旅に出かけるうちに、梅村トラベルで、自身もアートの旅を顧客に紹介する職に就くことを決めた。そして、子どもの頃の桐子との関係の記憶も甦った。
2作目では、資産家の柳橋友哉(やなぎばし ともや)から、彼の人生の大事なタイミングで見たモネの睡蓮の絵を探して欲しいという依頼を受ける。
モネは、生涯で三百点にも及ぶ睡蓮の絵を残したと言われており、その他にも五百点近くの睡蓮を破棄したと言われている。
柳橋氏の話から、探す睡蓮は、4箇所の候補地
のいづれかにあると絞られたものの、旅をするのは柳橋氏が指定した4人の代理人という謎の旅だった。
「好きなものがある人生は、それだけで幸せだよ。」
モネの旅を続けるうちに、旅の真の目的が明らかになっていく。
様々な美術の知識や知見が得られる本書の旅は、文字通り「リベラルアーツ」(自由学芸)の旅でもある。
皆さんにも、このモネの宝物の旅を一緒に味わって欲しい。♡
ご自身の頬に、美しい宝物のような涙も見られることでしょう。♡
【目 次】
第一章 国立西洋美術館、東京「過去と今をつなぐ睡蓮」
第二章 ポーラ美術館、箱根「夢をあたえる睡蓮」
第三章 大原美術館、倉敷「友情をとりもどす睡蓮」
第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館、京都「愛する人の睡蓮」 -
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初めて飛行機に乗ろうとする桜野 優彩(さくらの ゆあ)の羽田空港第二ターミナルの印象はこうだ。
「そこは明るく、清潔な空間だった。」
そして、場所の描写が続く、
「吹き抜けになった天井は、距離感をつかめないくらい高い。白いポールが網目状に張りめぐらされた、近未来的なデザイン。ガラス越しに、初夏の日差しがふり注ぐ。くもりのないフロアも、階段や手すりも、ピカピカに光っていた。」
思い起こしてみよう。わたしたちが初めて羽田空港を訪れた時のことを。果たして、これほどまでの新鮮な印象を受けただろうか。
これは、優彩が新しい人生へ踏み出す瞬間の描写。これから始まるアートへの旅と、そしてそれを生業としていく彼女の第一歩の描写である。
高校卒業から7年勤めた画材店が店じまいし、半年間、自分の将来に不安を覚えながら過ごしてきた優彩は、あるDMを受け取る。それは旅行会社からのもので、「アートの旅」への招待状だった。半信半疑で、だが、ままよ、と思い、招待に応じて羽田空港へ赴く優彩。そして、冒頭の描写となる。
羽田空港第二ターミナル出発ロビーのAゲート前には、梅村トラベルの志比 桐子(しび きりこ)が優彩を待っていた。
この作品の著者 一色さゆり(いっしき さゆり)は、1988年、京都生まれで、東京藝術大学美術学部芸術学科卒業の作家。先の描写に表れるとおり、表現は緻密で美しい。
美術作品という言葉を使わない芸術を言葉で描写する。そこには、著者の人生経験と感性が否が応でも露呈する。一色さゆりの表現は、どこまでも明るく前向きだ。自然な語り口と分かりやすい表現が、わたしたちをアートという宝箱へと誘う。
「アートの旅」をとおして、わたしたちは、日頃は何気なく眺めている建造物が、実は著名な建築家によるアートであることに気づかされる。まさに「ユリイカ」(ギリシャ語で「わかった!」の意味)の瞬間である。
日常から非日常への転移が旅であるならば、アートの気づきも、旅そのものと言えるだろう。
そんな旅を、優彩と一緒に、みなさんにも体感して欲しい。そう願ってレビューとします。
ボンボヤージュ、良い旅を!
【目次】
第一章 地中美術館、直島「私を見つめ直す旅」
第二章 河井寛次郎記念館、京都「日常を好きになる旅」
第三章 碌山美術館、安曇野「過去とサヨナラする旅」
第四章 DIC川村記念美術館、佐倉「一緒に未来へ向かう旅」 -
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アートの旅と日常の謎が織り成す物語ですね。
『ユリイカの宝箱』の続篇です。
梅村トラベルに、旅行の依頼があって、社長と桐子優彩の三人は世田谷にある資産家の柳橋友哉の家に訪れる。
依頼は奇妙なもので、モネの名画『睡蓮』を巡る旅を組んでほしいと言う。しかも旅をするのは柳橋本人ではなく、彼が指名した四人の代理人でとの事?
旅に隠された真の目的とは………?
もくじ
第一章 国立西洋美術館 東京
「過去と今をつなぐ睡蓮」
第二章 ポーラ美術館 箱根
「夢をあたえる睡蓮」
第三章 大原美術館 倉敷
「友情をとりもどす睡蓮」
第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館 京都
「愛する人の睡蓮」
大好きな一色さゆりさんの作品なので、ワクワクしながら読みました。
この作品は、アートの旅をしながら、旅の依頼人との古い関係を呼び戻しなから、代理人が『睡蓮』を通して、自分探しをするというストーリーです。
心温まるしみじみとした物語に、なぜこの旅が仕組まれたのかが次第に明らかになっていきます。
旅先案内人の桐子や優彩も、自分達の心の悩みを解決していく成長物語でも在るのが、物語に深みをもたらしますね♪
最後は涙無しには読めませんから、感動のハートフルストーリーに、期待以上の満足感がありました。
続編が、待ち遠しいですね(=^ェ^=) -
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前作があるのを知らずに読み始めてしまったが楽しめた。
とにかく美術館に行きたくなる本。
西洋美術館は年に一回は行きます。何度行っても飽きない。企画展やってなくても常設展だけでも大満足です。
大原美術館は子供が小さいときに行ったのでゆっくり楽しめなかったのでいつかまた行きたいなぁ。
アサヒグループ大山崎山荘美術館が一番行けそうな場所だな。建物も素敵そうなのでぜひ行ってみたい!
でも、なんと言っても本好きとしては箱根本箱に泊まってポーラ美術館に行きたい。箱根本箱高いなぁ。でも泊まりたいなぁ!
…と、内容に関係ないレビューに走ってしまいました。 -
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お仕事のハートフル小説ですね。
勤め先の画材会社が倒産して、失業した桜野優彩のもとに、見知らぬ旅行代理店から「アート旅」のモニター参加の案内状が届く。もともと、美術に好きで画材会社に勤めていたので、興味がわいて募集に応じる。
旅行代理店の「ツアーアテンダント」は、志比桐子と名乗って、一緒に旅をすることになるが………?
目次
第一章 地中美術館 直島
「私を見つめ直す旅」
第二章 河井寛次郎記念館 京都
「日常を好きになる旅」
第三章 碌山美術館 安曇野
「過去とサヨナラする旅」
第四章 DIC川村記念美術館 佐倉
「一緒に未来へ向かう旅」
自分や家族との関係修復の旅でもある、心温まる物語です。桐子の言葉に「旅って、日常から離れて素直に盛りあがれるときだと思うんです。想像もしなかった興味深いことにも出会える。だから今回の旅では、そういうユリイカな瞬間こそ、味わっていただきたいです」とありますが、これがこの本のテーマですね。
「ユリイカ」と言うのは、ギリシャ語で「わかった」という意味だそうです。
最初のモニター旅行で親しくなった桐子から、「私の旅行代理店に勤めてみませんか?」と誘われて、優彩は、迷うが母の進めにも応じて「梅村トラベル」に勤務することになる。
第二章からは、桐子と優彩の二人が、お客さんとの旅をする話になります。様々な思惑が入り交じっての人間模様が、心のわだかまりを解きほぐす旅になる素敵な物語です。各美術館の魅力も、しっかりと味わえます。
そして、実は桐子は、優彩と小学生の時に知り合っていると言うのですが、優彩は思い出せません?
「私を思い出して……?」と言うのですが?
これが、この本の第二のテーマです。
謎が出てきて、物語はさらに面白くなります。
一色さゆりさんの読みやすい爽やかな文章に馴染みながら、物語を堪能しました♪