一色さゆりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『コンサバター』シリーズの五巻目ですね。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ?」
晴香がそう呟いだ!
「そのために、俺はここルーヴルに来たようなものだ」スギモトは《モナリザ》に視線を向けたまま、静かに肯(うなず)いた。
前巻の続篇は、いよいよルーヴル美術館の至宝の謎解きに………?
晴香とスギモト、そしてイタリア・ルネサンス専門のキュレーターのルカの三人に調査を依頼されたのは、ルーヴル美術館の地下の貯蔵庫に、落とされていた一枚の素描だ。
ダ・ヴィンチの《大洪水》によく似た一枚の素描の謎を探る物語が始まる………?
目次
プロローグ
第一章 指紋《荒野の聖ヒエロニムス》
第二章 血筋《最後の晩餐》
第三章 遺骨《モナリザ》
第四章 来歴《大洪水》
エピローグ
レオナルド・ダ・ヴィンチは、謎の多い人物ですが、その生涯にも迫る。作品も生涯で十六点余りしか絵画を残していない。完成品もごくわずかだ。
その作品の魅力も語りながら、一色さゆりさんの持てる力をふる動員してのフィクションです。
フィクションながら、物語に引き込まれる謎解きに、感心しながら頷きつつ愉しく読みました。
晴香とスギモトの恋の行方も気になるシリーズは、美術の世界観も知れるので、幾重にも楽しみですね。 -
Posted by ブクログ
コンサバターシリーズの四冊目ですね。
スギモトが行方不明になって、一人でロンドン・ベイカー・ストリートにいた晴香のもとに、封筒で絵はがきとパリ行きの航空券と宿泊先らしきアパルトマンの情報が届いた。
今度の仕事は、ルーブル美術館のようだが、晴香はケント・スギモトへの憤懣をぶちまける。相変わらずのどこ吹く風。物語が始まる……?
短編連作の四話
contents
第一章 ニケの指輪
第二章 芸術家たちのカフェ
第三章 汚された風景画
第四章 ショパンと雨
サモトラケのニケの像の修復が、今度の仕事になりそうだが、ルーブル美術館の修復師はフランス人という暗黙の了解があって、スギモトと晴香は異端児扱いの雰囲気がある。そこで、次々に事件が起きて、スギモトの洞察力と晴香のアシストで解決に結びつけて、信頼を勝ち取るようになるが……?
「ニケの指輪」、ニケの像から不思議な指輪が見つかる。スギモトは密かにそれを手元にいれて、謎を探る。指輪の持ち主を突き詰めると、意外な物語が浮上する。
「芸術家たちのカフェ」、宿泊先の近所のカフェで、カフェの主から、カフェに飾ってあるタブロー(油絵)の修復を依頼される。タブローの修復は、晴香が行うが、晴香は不思議な夢を見る。謎が深まっていく…?
「汚された風景画」、カミーユ・コローの《カステル・ガンドルフォの思い出》が、環境活動家の手で黒い液体をぶちまける被害に遭った。幸い絵はガラスが施してあって無事だったが、額縁が汚れてしまったので修復することに…?
スギモトは、その事に違和感を感じて調査をすることになり、晴香と奔走するが……?
「ショパンと雨」、ドラクロワの作品《フレデリック・ショパン》の作品を修復することになるが、実は《ジョルジュ・サンド》と本来は一つの作品だったのだ。《ジョルジュ・サンド》はコペンハーゲンにあり、長い間確執があって一枚の絵に復元することに難色を示してきたが、持ち主がどういう訳か復元を許可して、ルーブル美術館に持ち込まれる。その謎を、スギモトが晴香と共に解き明かす。
スギモトと晴香の活躍に、ルーブル美術館の修復師達は信頼を持つようになり、次の謎はレオナルド・ダ・ヴィンチに……? それは次巻に続く
引き込まれて、するする読み進めました。謎解きの人間模様がよく書き込まれています。美術品の魅力も引き出されて幾重にも楽しめる作品です。
次巻が楽しみですね。 -
Posted by ブクログ
地方在住の学芸員が担当する80歳の女性作家の展覧会を行うまでのお話ではあるが、女性が生きていく上で必ずぶつかる問題。
仕事とお金と家庭と子ども。
どれもこれもうまくやりたいのに、どこか妥協したり、諦めたり、選択していかなくてはいけない。
フェミニズム的思想が強いわけではないけども、実際直面したときは不公平だと思ったもんだ。
だが、ヨシダの「男女関係なく若い人は置かれた境遇と葛藤し続けるもの」という言葉は、頭ではわかっていたことだけどハッもさせられた。
男性は男性特有の大変さがあるのに、女性だけが大変なように言われる昨今、一石を投じられるように感じた。
それはそれとして、ヨシダの絵がとても興味深い。実際に見られたらいいのに!と心底思う。 -
Posted by ブクログ
アートを観るツアー、素敵です。行ってみたいけど、実際ここまで至れり尽くせりだったらお値段も張りそうな…。香川県直島、訪れてみたいです。地中美術館だけでなく、草間彌生さんのかぼちゃや、ベネッセハウスミュージアムとかあちこち楽しそうでした。千葉県のDIC川村記念美術館とかいつか行けたらいいなあ。たとえ行けなくてもこうして本の中で訪れた経験らしきこともできて良かったかな。
『女』は切手わ購入したことがあり作者名碌山じゃなかったように記憶してたんですが、守衛と名乗ってたころもあったことがわかり腑に落ちました。
これからも自分を見つめながら、楽しんでたくさんたくさんアート鑑賞していきたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
アートを観るツアー。申し込んでみたい。ここまで手厚くガイドさんが一緒に来てくれるとなると値段は相当高くなりそうではあるが。
優彩や桐子のようなガイドだったら癒される旅となりそうだ。
アートは、観るときの自分の状態によってどのように見えるかが変わる。碌山美術館にある『女』のエピソードで、アート旅に来た客がまさにその体験をする。
昔は『女』の像は苦しんでいるようにしか見えなかったが、今はたくましく強く見えると。
そういう体験をしてみたいと思う。
過去に苦手と感じてしまったアートも、なぜ苦手と感じたのか深掘りしていけば、自分の当時の精神状態が関わっていたことに気づくのかもしれない。
自然風景や美術を前にして、不意に何かを思い出したり、誰かとの思い出を振り返ったりすることは誰しもあると思うし、素直になれる時間でもある。
アート旅は生きていく上で必須では無いかもしれないが、間違いなく素敵な体験になるだろう。