一色さゆりのレビュー一覧

  • ピカソになれない私たち

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    ネタバレ

    美術というこれといった正解がない世界でもがく大学生たちのお話だった。読んでいてずっと苦しい。

    いろいろなタイプの大学生4人だけれど、読み進める中で誰かしらに感情移入できる気がする。
    苦しいシーンが多かったけど、最終的にそれぞれが自分が納得する形で進んでいたのが本当によかった。森本先生も含めて。


    自分らしさとは何か、才能とは何かを考えさせられた。お互いにないものねだりで、他者が羨ましく妬ましく感じることもある。でも作品の中の詩乃の思いの中で、他人には他人しか描けない絵があるけれど、その分自分にしか描けない絵がある、みたいな言葉のように考えられるということが生きていく上で、美術に限らず大事か

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    2023年09月02日
  • ピカソになれない私たち

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    原田マハさんは鑑賞する側、一色さんは描く側からと全く異なる視点で美術を題材にしている。
    親や教授といった大人たちとの関係性も面白く読んだ。
    登場人物たちが描いた絵を観てみたくなる。

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    2023年08月16日
  • 光をえがく人

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     『沁みるアート。』と帯にある。見事な単語の選択。自分の中に沁みて行く、竹の様なしなやかさと確固たる生き様。
     思わず、自分のルーツを再確認したくなる。そして、自分の来し方も。こんな風に光を見上げて生きて来たか?影に向かって心を騙してはいなかったか?
     人形師のように、胡粉を乗せそっと布でぬぐい、何度も繰り返し、ほのかに光る文章を削り出している作品。『神の値段』から読んでいるが、ここまで心を動かされたのは、初めてだった。

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    2023年07月08日
  • ジャポニスム謎調査 新聞社文化部旅するコンビ

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    エンターテイメント・ユーモアお仕事ミステリー小説ですね。

    新聞社の文化部の山田(三十才)と新人の雨柳円花(二十六才)のコンビが、新連載の”日本の文化を発見する“を担当することに~。
    山田は慎重な「橋を叩いて渡る性格」
    円花は自由気儘天衣無縫の性格。民俗学の権威の祖父を持ち、小さい頃から可愛がられ、共に取材の旅をした経験を持つ。並々ならぬ慧眼の持ち主。
    そんな凸凹コンビが、日本の奥深さを求めての物語。
    美味しい食べ物と、文化遺産、そして人びととの出逢い。
    バラエティー豊かに、作家の一色さんの美術知識に裏打ちされて、ユーモアたっぷりに綴られています。

    とにかく、面白い、エンタメたっぷりで、円花

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    2023年07月06日
  • コンサバター 失われた安土桃山の秘宝

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    日本の狩野派の美術品の修復にまつわるお話。ケントと晴香のコンビにヘルも加わってケントの家族の過去も明らかになっていく。

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    2023年06月22日
  • コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの

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    アフガニスタンの博物館から持ち出された美術品はイギリスに行っていた。壮大なスケールで現代の政治の闇に巻き込まれた美術品。闇の取引社会の怖さも感じた。

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    2023年06月14日
  • ピカソになれない私たち

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    美大の大学生の青春物語ですね。
    国立の東京美術大学油画科の四年生で、厳しい指導で知られる森本ゼミの四人の青春群像です。

    作者さんが、東京芸大の出身ということもあり、美術の世界の仕事を経験した、一色さゆりさんの渾身の一冊です。

    美術家を目指す四人が、個性豊かに描写されています。
    作品を作り出す苦悩や、それぞれのトラウマと格闘しながら、自分を見つめ直す成長物語ですね。
    美大生の生活の一面も興味深いですね。
    芸術家として、大成できるのは、一握りに過ぎない。自分には才能は、本当に有るのか、そもそも「才能」とは何?
    芸大生の苦悩と挑戦も浮き彫りにしています。
    教授の森本の強引な指導の影に有るものは、

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    2023年06月12日
  • コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの

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    最後が意外な感じで、よかった。各章が少しずつ繋がりがあったり、ゴッホやフェルメールの作品のお話もおもしろかったりで、楽しい小説だった。修復士の仕事を知ることができて、興味深かった。

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    2023年05月01日
  • ピカソになれない私たち

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    自分が美術を学んでいることもあり、すごく惹き込まれる作品であった
    リアリティがあり登場人物一人一人の心情が細かに伝わってきて感情移入できる作品だった
    故に結末が想定内のもので拍子抜けした

    アニメや漫画で美大が舞台になる場合と違い、挿絵もない小説で美大をテーマにするのは珍しいと思った

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    2023年03月22日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    大英博物館の天才修復士、ケント・スギモト。
    彼の元に持ち込まれるのは、難事件ばかり。

    ・パルテノン・マーブル
    ・和時計
    ・古代エジプトのミイラ
    ・HOKUSAI
    の4篇。

    すり替えられたパルテノン神殿の石板。
    なぜか動かない和時計。
    札束が詰め込まれたミイラの木棺。
    などなど

    知らず知らずに、美術品のうんちくも身に付きますね。なかなか面白いです。

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    2023年03月21日
  • コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの

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    ゴッホやフェルメールについての考察が面白かったし、アフガニスタンの美術についてももっと知りたくなる。

    結末はびっくりするけれども、このパターンが続くと今後はミステリーとしての楽しみは減っちゃうかも。

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    2023年03月21日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    大英博物館に行きたくなるし、北斎も見たくなる。Arts & Humanitiesが衰退してしまうことがないように自分も何かしなきゃと思わされます。

    ミステリー要素がメインというわけではなくて、誰がやったのかは予想がつくのだけど、博物館や美術に関する問題や課題はリアリティがあって面白かったです。

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    2023年03月16日
  • コンサバター 失われた安土桃山の秘宝

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    小説誌で読んだ一色さゆりさんの短編が面白かったので他の作品も読みたいと思い、まずこれを読んでみました。これはシリーズの第3作なので読む順番を間違えた感はあるけど、単独の作品としても充分楽しめました。

    日本史好きとしては狩野永徳・光信親子の話だけで充分一作品になるくらい面白かったし、最後の審査のところもドキドキした。

    ジャンルはなんであれ芸術に関するものは心を豊かにしてくれるから好きです。

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    2023年02月23日
  • ピカソになれない私たち

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    原田マハさんの本を読んでいて、
    ピカソ、ゴッホ、モネをネットで検索した時に
    偶然見つけた一冊です。

    表紙が衝撃的で。

    最寄りの駅中の小さな本屋で見つけました。
    この書店の仕入れ担当、
    私と趣味一緒なのでは、と思ってしまう品揃えなんです。
    少ない商品数なのに、遭遇率高いです。

    本書は、国立の美術大学が舞台です。
    厳しくて有名な森本ゼミに集まった、4人。
    それぞれが、事情を抱え、悩み、葛藤します。
    学生たちの内側を引き摺り出そうとする森本の真意は?
    過去が明かされたりと、少しだけミステリーのような要素も。

    嫉妬と自己嫌悪と自己防衛。
    描かずにはいられないのに、知らないうちに見失って迷子にな

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    2023年02月10日
  • 神の値段

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    結構前なのですがΣ(-᷅_-᷄๑)このミスは好きで読んでますが、これもまた面白かった。絵画をモチーフにした作品は初めてですが専門的な言葉も少なくわかりやすかった。つかめそうで中々つかめない作家がどんな人物なのかものすごく気になったいい作品です!

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    2022年12月22日
  • ピカソになれない私たち

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    美大4年生の1年を描いた物語。芸術をどのように教えるか、どのように教わるか、教わった先に何があるのか、そんなことを考えさせてくれた。芸術の世界では才能の2文字で片づけられてしまうことも多くあるけれど、この本では「才能とは何か?」ということも考えさせてくれる。
    登場人物が描いた絵を実際に見てみたいなあと思う。文章しかないので、読む人の想像力によって読後の爽快感が変わってくるんだろうなあ。でもいい本。

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    2022年11月01日
  • ピカソになれない私たち

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    4人それぞれが真剣に絵に向き合ってある姿に感動しました。
    私も何かにここまで真摯に向き合いたいです。

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    2022年10月02日
  • コンサバター 失われた安土桃山の秘宝

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    コンサバターシリーズ第3弾は、安土桃山時代の狩野永徳の落款が記された屏風絵の修復にまつわる物語。

    永徳の屏風絵「四季花鳥図」の復元を賭けて3組のチームによるコンペが行われることになる。完全に失われた春の部分を復元するため、日本に飛ぶスギモトと晴香。
    何が描かれていたのかすらわからないものを修復(すでに創作に近い)するための調査。以前の持ち主を辿り、画に関する記録を探し求めるという気の遠くなるような作業。修復士ってこんなことまでするのかと驚きの連続。
    そんな時、恩師から日本に帰って自分の工房で働いてくれないかと誘われ迷う晴香。引き止めて欲しいのにつれないスギモト。すれ違う2人の心。
    そしてコン

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    2022年09月11日
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士

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    イギリスを舞台に天才修復士が助手と美術館と関係のある謎を解いていきます。

    昔、テレビで少し見たことあるくらいしか修復士という仕事を知りませんでしたが、とてつもない専門職であり職人といった職業です。

    天才スギモトの頭の中で推理が進んでいくので、読み手は第三者的に話が進んでいきますが、イギリスの雰囲気だったり美術や修復にまつわることがたくさん出てくるので、ワクワクしながら読めました。

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    2022年08月30日
  • 神の値段

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    途中まではちょっと退屈やったけど、後半グイグイ面白くなってきた。
    アートの世界の奥深さを知れた気がした。
    大変な世界なんやなぁ。
    無名先生がめちゃくちゃカッコよくて、もう1回読もうかなぁと思ってしまった。

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    2022年07月06日