あらすじ
ドラクロワが唯一無二の友人を描いた《フレデリック・ショパン》。切り離された恋人の肖像画と合体させるという難題に、天才修復士スギモトはどう挑むのか。さらにサモトラケのニケ、コローの風景画など所蔵品にまつわる謎を解決した時、ルーヴルの館長の「真の目的」が明らかになり ――。世界最大の「美の殿堂」を舞台にした、珠玉の美術ミステリ。
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Posted by ブクログ
今回はルーヴル美術館での修復作業のお話。サモトラケのニケやデュシャン、コローなどいくつかの美術品や画家の話を挟みつつ、最後はショパンとサンドの肖像画についての話でした。今回あらためて思ったのは、著作権上の問題とかがあるのだとは思うのですが、名前の出てくる作品の写真や、登場するロンドンやパリの地名の部分の地図も一緒に付けて欲しいなーということ。あと、細かいとこですが、マクシミラン前にハルカを家に誘ってましたよね…。離婚じゃなくて別居中だと知ってドン引き(笑)
Posted by ブクログ
コンサバターシリーズの四冊目ですね。
スギモトが行方不明になって、一人でロンドン・ベイカー・ストリートにいた晴香のもとに、封筒で絵はがきとパリ行きの航空券と宿泊先らしきアパルトマンの情報が届いた。
今度の仕事は、ルーブル美術館のようだが、晴香はケント・スギモトへの憤懣をぶちまける。相変わらずのどこ吹く風。物語が始まる……?
短編連作の四話
contents
第一章 ニケの指輪
第二章 芸術家たちのカフェ
第三章 汚された風景画
第四章 ショパンと雨
サモトラケのニケの像の修復が、今度の仕事になりそうだが、ルーブル美術館の修復師はフランス人という暗黙の了解があって、スギモトと晴香は異端児扱いの雰囲気がある。そこで、次々に事件が起きて、スギモトの洞察力と晴香のアシストで解決に結びつけて、信頼を勝ち取るようになるが……?
「ニケの指輪」、ニケの像から不思議な指輪が見つかる。スギモトは密かにそれを手元にいれて、謎を探る。指輪の持ち主を突き詰めると、意外な物語が浮上する。
「芸術家たちのカフェ」、宿泊先の近所のカフェで、カフェの主から、カフェに飾ってあるタブロー(油絵)の修復を依頼される。タブローの修復は、晴香が行うが、晴香は不思議な夢を見る。謎が深まっていく…?
「汚された風景画」、カミーユ・コローの《カステル・ガンドルフォの思い出》が、環境活動家の手で黒い液体をぶちまける被害に遭った。幸い絵はガラスが施してあって無事だったが、額縁が汚れてしまったので修復することに…?
スギモトは、その事に違和感を感じて調査をすることになり、晴香と奔走するが……?
「ショパンと雨」、ドラクロワの作品《フレデリック・ショパン》の作品を修復することになるが、実は《ジョルジュ・サンド》と本来は一つの作品だったのだ。《ジョルジュ・サンド》はコペンハーゲンにあり、長い間確執があって一枚の絵に復元することに難色を示してきたが、持ち主がどういう訳か復元を許可して、ルーブル美術館に持ち込まれる。その謎を、スギモトが晴香と共に解き明かす。
スギモトと晴香の活躍に、ルーブル美術館の修復師達は信頼を持つようになり、次の謎はレオナルド・ダ・ヴィンチに……? それは次巻に続く
引き込まれて、するする読み進めました。謎解きの人間模様がよく書き込まれています。美術品の魅力も引き出されて幾重にも楽しめる作品です。
次巻が楽しみですね。
Posted by ブクログ
幸運にもルーブル美術館には何度か行ったことがあるのに本作に出てくる展示作品についてはほとんどわからなくて、もっと教養を深めないといけないなと思わされながら読みました。
シリーズが進むにつれミステリー要素は少なくなっているけれどもそれでいいんだ、芸術を愛でる気持ちがどんどん大きくなるから。
次作もすぐに出るようなので楽しみ。
Posted by ブクログ
新章スタートかつルーヴル美術館がお話の舞台になっていて、読むから、わくわくしていた!修復士のお仕事の視点、いろいろな美術作品について、そして謎解きの要素もあって、読みやすく、そして、いろいろな楽しさが味わえた。次回は、ダヴィンチがでてくるので、今から読みのが楽しみです!
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。ルーブル美術館が舞台となり、謎と修復に挑む話。パリの描写が素敵でパリに憧れる。あと古くからの大きい美術館、やからこんな謎のひとつやふたつありそうって思えるのが良い。美術館の裏側とかこんな風になんかな。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。パリ・ルーブル美術館が舞台。
サモトラケのニケや、ドラクロワが描いたショパンとジョルジュ・サンドの肖像画をめぐった物語。
次はモナリザがテーマになることをルーブル美術館館長に暗示されて終わる。
Posted by ブクログ
ニケの指輪
芸術家たちのカフェ
汚された風景画
ショパンと雨
素敵な題名が続いていて、そして全て男女の愛の物語。
ギリシャの彫刻職人たちは
芸術の都のエジプトで技術を磨き国に戻り腕をふるって彫刻を作っていたから、ギリシャの彫刻の多くは彩色され、目には玉石、銀歯が並び、と
日光東照宮の様な色に溢れた作品だったのに、フランス人がガリガリ削って、今の白い彫刻に、でも、白い姿だからこそ魅了される?
ウーン。
ルーブル美術館で削り残された色を見つけて、青色だったんだ!と脳内色彩して楽しむのも、また一興かも。
私は晴香とスギモトは、仕事だけで、仕事の相棒としていてほしいと願います。
スギモトはそのぐらいの距離感が安全な男だと思います。
近づくな危険!
です。
でもねぇ~。
女心ってヤツハ。
Posted by ブクログ
コンサバターシリーズ4作目。
今回は各お話ごとにいろんな作品が出てきてわくわく。ショパンの肖像画の話は知らなかった。
ルーブル美術館に行きたくなりました。
Posted by ブクログ
元大英博物館のシニアコンサバターで今はフリーの修復士のスギモトと、彼の仕事上のパートナーで修復士の晴香。今回二人はルーブル美術館の要請でパリにやって来た。
四つの章ではそれぞれ小さな事件が起こり、その裏に隠された真相をスギモトの鋭い洞察力で解決に導くという流れは健在。
そして大きな秘密として隠された、今回スギモトがルーブルに呼ばれた本当の理由。
それがいよいよ明らかになったところで、次巻へ続くという終わり方。
どうりで2巻がほぼ同時期に発行されたわけだ。
いつもの美術の蘊蓄に加えて、今回はショパンとジョルジュ・サンドのロマンスに絡む音楽の蘊蓄も絡み、スマホで画像やピアノ曲を検索しながら物語を楽しめた。
そしてスギモトと晴香、マクシミランとルイーズの関係性も気になるところ。
サクッと次巻に行くしかない。