あらすじ
ルーヴルでの任務を終え、再び大英博物館に呼び戻されたスギモトと晴香。館内ではロゼッタストーンに代表される、大英帝国時代の〝略奪品〞を巡り意見が対立、返還部門のチーム長・アンジェラに脅迫メールが届く。そこへ「ある計画」を携えたレジストラー(収蔵品管理者)の陽が晴香の前に現れ――。世界最大級の博物館にかつてない危機が訪れる。
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Posted by ブクログ
今回は初めて一巻完結となりませんでした。
続刊が楽しみで仕方ありません。
スギモトと晴香の関係性が微妙に代わりつつあるものの、なかなか踏み出せないもどかしさがよく伝わってきました。
また2人を取り巻く人間模様も忙しく動いていて、今回はアートミステリーよりも登場人物たちの心情に重きが置かれているように思いました。
いつもは有名な画家や作品がテーマとして中心にありますが、今回は各章のテーマにミイラや文字などが扱われていて興味深かったです。
Posted by ブクログ
一色さゆりさんの美術サスペンスミステリーですね。
『コンサバター』シリーズの六冊目です。
ルーブル美術館での仕事を終えて、ロンドンに帰ってきた、晴香とケント・スギモトは、大英博物館の副館長のウィンストン・キースに呼び出される。
キースは、二人に大英博物館に戻って来るように懇願する。晴香は元の部署に、ケントは大英博物館が抱える大英帝国時代の“略奪品”の返還問題に取り組んでほしいとの事だった。キース副館長は、返還プロジェクトとの責任者として、この最重要課題に取り組んでいる。
そこへ、ケントの元恋人のアンジェラが外部参加で、返還部門のチーム長として乗り込んでくる。
大英博物館では、職員は“返還”に反対が多いなか、様々な問題があり、アンジェラは苦戦する。
既に既婚者で、十歳の娘ジュリーもいるアンジェラは、ケントとジュリーも親しくしている晴香に相談する。
そんななか、レジストラー(収蔵品管理者)として、中国人の陽(ヤン)が、新しく雇用されたが、実は陽はある組織から「ある計画」を携えているのだ。
ケントは、うすうす陽が怪しいと警戒するのだが?
contents
第一章 性の歴史ーー春画
第二章 ペットの歴史ーー猫のミイラ
第三章 文字の歴史ーー楔型文字
第四章 カラヴァッジョの肖像ーーお札の歴史
晴香とケントは互いに引かれ合っているのだが、お互いになかなか踏み切れないでいる。互いの気持ちを気づく気配がない物語展開に焦れったさを感じるが、物語の進展上(このシリーズはまだまだ続きそう)、読者に期待を持たせている。
物語は、大英博物館の最大の遺産ロゼッタストーンをめぐり、陽が行動を起こす所で終わっている。
次巻に続く………?
とにかく、様々な要素が有るので、するすると物語に引き込まれて面白く読み進めます。
次巻が楽しみですね!
と言うか、一色さん待たせずに頑張って早く次巻をお願いします………(=゚ω゚=)
Posted by ブクログ
文化財返還問題に切り込むのかー!とワクワクしながら読んだ。改めて調べてみたけど歴史と政治と文化の保護、と様々な問題が絡みあっていて複雑だ…。春画、文字、お札、と扱うアートの種類も多岐に富んでいて面白い。気になる終わり方だっので次を早く…