高瀬隼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこんなユーモラスなテーマでこんなに人間の感情をシリアスかつリアルに描けるんだと思った。でも、ユーモラスとか言ってるのもまだ禿げていなくて、当事者意識がないからなのかも。もし、自分が薄くなるとかではなく、一般的な「ハゲ」の状態になったら果たしてどうなるか。ユーモラスと言えるのだろうか。「倫理観」でいろいろな言論統制がされてきているこの時代、禿げいじりだけがそのタブーから取り残されている。いっそ、この作品の世界みたいにみんなで禿げてみる?でも、そうなった世界でもまだ分かり合えず、歪み合い、新たなコンプレックスがすれ違う。そんな人間のリアルが描かれている。凄い好きです。
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Posted by ブクログ
こういう自分迷走系・周りを俯瞰系の話大好き。
薫の彼氏の郁也はある日、
浮気相手を連れて薫に話があるとドトールに呼び出す。
浮気相手のミナシロさんは、
「郁也との子供ができたから、私が産むので、あなたが育ててくれませんか?」と。
この時点で、は?となるところだが、
薫はそうはならなかった。
もう、頭が回ってないというか、
日頃から考えに考えすぎて、考えられないのだ。
薫自身、病気のことや、世間体に
押しつぶされそうになりながらも、
ミナシロさんの提案が無しよりのあり。にもなっていく。
犬は心から愛せるのに、人は上手に愛せない。
薫の辛さ、生きにくさ、
可能であれば共有したい。
最後の郁也とのシーンはズキっとした。
好きとか、嫌いとか、
そういう話ではなくて、
情はそこにあるのだ。
薫の枝分かれだらけの選択を
そっと背中を押して応援したいと思えた。
がんばろう。
追記だが、38ページから39ページにかけて凄かった。
あ、高瀬準子先生だなぁ。。ってなって。
是非、他の作品も読んでみたい! -
購入済み
要領良いヤツってどうよ。
凄く読みたかった芥川賞小説だ。文庫化したので、喜んで手に取った。🥘要旨は、職場で要領良く煩瑣事から逃れるどうにもイケ好かない奴とのつきあい方を考えるものだ。🥘そんなヤな奴はイジメて大人しくさせるのか。それは得策でない。要領の良い相手だから当方が悪者になる。🥘実際のところ、上司に可愛がられることも、同僚達に上手く厄介事を振ることも、なかなか難しい。要領良く立ち回るには、才能も努力も必要なのだ。職場では「誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってる」ことを念頭に置きつつ、世渡り上手には、その才能と努力を認めて、つきあうことが正解なのだろう。🥘
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Posted by ブクログ
ネタバレつまみ読み中
藤ヶ谷くんと朝井リョウさんの対談、大笑いした上に勉強になった。
私もサバ番好きの端くれ、「イン・ザ・メガチャーチ」読もうっと。
九段理恵「Beauticide」
ちょうど、海部陽介著「人間らしさとはなにか」を読んだ直後で、これもシンクロニシティというのか?と不思議な想いを抱えながら読んだ。
重たい衝撃を受けた。
間宮改衣「ルリ色のハね」
朝霞の言葉にどんどん引っ張られて行動する陽菜を応援していたので、朝霞の正体を知った時にはショックだった。
ただ、これは残念とは言い切れない受け取り方もできるので、折り合いのつく自分なりの受け取りを採用したい。 -
Posted by ブクログ
芥川賞を受賞して華やかに作家デビューするはずが、自分以外の人があれよあれよと変化していき巻き込まれていく。変化があったのは自分のはずなのに、周囲が変わってしまったように感じられる。手の平を返したかのように態度を変える人もいれば勝手に期待して勝手に失望して勝手に離れていく人もいて、その渦の中で苦しい表情を見せないようにして何とか息継ぎしている感じ。頭の中の自分と作家の自分とが同時に存在して本当の自分が分からなくなる感覚の描写がリアルで、劇中劇みたいに「これも高瀬さんの体験談かも…」というメタ視点になってみたりした。
高瀬隼子さんの作品の中でも特に好きかもしれない。 -
購入済み
うわあこんな職場やりづらいな。
誰が悪いとかって言うよりはそれぞれの価値観って言うか、ちょっと立場弱かったり能力低い人を前にしたときどんな風な扱いをするのか、たしかに「嫌い」というのはなんか違う、でも苦手。できれば関わりたくない。
芦川さんはまさしくそんな感じの人。
私がもし同じ職場にいたらサッとお菓子を受け取ってそれ以上も以下もないような関係性を維持できるように努めちゃうかもしれない。
平均より少しデキが悪い人、それを理解して先回りして守ろうとする周りの空気、そのしわ寄せが他の人にいくところとか、なんて描写がリアルなんだろう。読んでてもどかしい、こんなにむず痒くなるような書き方、すごい。
あと二谷が、「生きていくための食事」にやたらと意味づけしようとしたりする世の風習に抗おうとするところも少々胸が痛かった。
可愛い表紙なのに、こんなギッスギスした内容と思わなかった。
最高に面白かったです。 -
Posted by ブクログ
賞を受賞して拗れてしまう作家のお話だった
作家とゆう生き物がどんな思考で物語を紡いでいくのかが垣間見える
これはフィクションで高瀬準子の純粋な経験ではないのだろうが ‘垣間見える’とゆうだけでも作家って面倒くさくて大変で苦しい生き物だ 作家に産まれなくて本当によかった…と思った
作家とゆう主人公の職業と高瀬準子の複雑人間への描写の巧みさが親和性を持って織り交ぜられて、緻密な高技術タペストリーの様に複雑繊細腹黒人間が出来上がってしまっている
高瀬準子は本当に 腹の中と行動がちぐはぐな人間を描くのが上手だ
今作の共感ポイント
ー分かられてたまるかとゆう気持ちと、分かってほしいとゆう気持ちと、分かり合ったつもりでいても芯のところで分かり合えるはずがないから別の人間なのだとゆう確信ー の一文
自分も何度もこの矛盾を感じた事がある
作家とゆう生き物を想像するのによき物語
作家を消費してしまう自分への自戒の念もちょっと沸きました
主人公はこの後どうなってしまうんだろう…と感じる終わり方もうまく収まっていたと思います -
Posted by ブクログ
「私のほしいものは、子供の形をしている。けど、子供ではない。子供じゃないのに、その子の中に全部入ってる。」
なにかの形をしているけど、それを通して欲しいのは、それを持っていると苦しくても、苦しさですら周りから正当化されて世界がやさしくなるもの
私にとってのそれは子供ではなくて、向上心とか社会的成功とか成長とかそういうものだけど。
生きやすくなるために効率的なコスパのいい悩みが欲しいという自覚と重なるものがあって、「ーのかたちをしているもの」という語彙をこの本を通して手に入れられてよかった
「当たり前のように傷ついた、ことを自覚してまた傷ついて、なに傷ついてんだわたし、とまた‥トイレの個室くらいの狭さのところで両手にナイフを持って振りまわしているみたいな傷つき方だった。」
感じたであろうものを自然発生的に受けとめるのがどこまでも苦手で、感情を自覚して、その自覚すらも怪しんで、のループから無限に抜け出せず、もういいや、と感じることを放り出してしまう。
「目の前に本物がいるのに、待ち受けまで子供にしておく意味あるのかな?そういう親っぽさって、どこまてが本気のものなんだろう。わかんないな全然。わかるわけない」
その感情や行動は純真なものなのか、という辿り着けるはずのない問いに気づかないこともできず、どうしても気になってしまう様子の描写に救われる。
みんな本当に心からの気持ちでそういう言動に至ってるのかな?そういう時にはそう感じるべきっていうヘブ則的学習に騙されてるだけなんじゃないの?本当はこうなんじゃないの?っていうのも過剰な逆張りで私の中の予測符号化にすぎないんじゃないか?っていう、疑念すらも疑念にかわる、輪郭のないものを追っている自分の輪郭のなさに絶望する、それがトイレでナイフを振り回す様子と重なる。
「彼らの期待値とわたしの理想値はいつだって似通っている。そうありたいと、やはり思う。愛され承認され、ぐるぐる巻かれてあったかくなるために。」
世界の感触がやさしくなりますように。
欲しいのは子どもの形をしているものと犬そのものでは?とは思った -
購入済み
おもしろい
話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。