高瀬隼子のレビュー一覧

  • 犬のかたちをしているもの

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    犬の話だと思って読み始めた。
    そうしたら、犬はあんまり出てこなくて、あまりにも私の頭の中を言語化したものがそこには書かれていた。

    薫も郁也もミナシロさんも、皆私だと思った。
    子供が欲しくて、でも可哀想だから産もうとは思えなくて、でも女として産んでみたいという願望はある。
    全員が全員を傷つけていて、痛くて、血なまぐさくて、可哀想なお話だと思った。絶対に手元に置いておいて何回も読み返したい本。

    好き嫌いが明確に分かれる本だと思うし、好き嫌い以前にこのお話を「理解できるか、受け入れられるか」というところからかなり分かれそうだなと思った。

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    2025年09月07日
  • 犬のかたちをしているもの

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    学生時代に卵巣の手術を受け、それ以来性交渉に対して消極的になった薫。彼氏の郁也ともプラトニックな関係を保っているのだが……。
    すべてが私の好みでした。私も卵巣の手術を受けたことがあるので、薫には共感します。ミナシロさんのキャラが濃くて良い。

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    2025年08月29日
  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    薄いけど重厚な読後感 
    ずーっと低め安定で物語は進む、でも面白い
    何となくどこの組織でもある でも正解は? 人によって違う余白があると思うけど 残った人 去った人 飛ばされた人 うーんなるほどみたいな変な納得もまたあるあるかな?

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    2026年05月02日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトルと表紙デザインだけだと、グルメ系ほっこりストーリーと勘違いしてしまう。
    実際は最初から最後までなんともいえないモヤモヤっとするお話だけど
    なぜか引き込まれて2時間で一気読み。
    大きな展開もなく、何かスッキリ解決するわけでもなく、共感できるようなできないような、、そんな内容でしたが私は好きでした!

    しかしこの作品は賛否両論あるだろうなー笑

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    2026年05月02日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    こんなにもごはんが不味くかけるものなのかとびっくりしました。
    芦川が作るごはんより、押尾と食べるご飯の方が断然美味しそうなのになぜそっちを選ぶんですか……
    でも確かに二谷はごはんが美味しいかどうかが判断基準にはならないわけで…
    守りたくなるし守られて当然と自覚してそうなところがタイプだからしょうがないんでしょうけども…
    二谷の気持ちは分かりませんが、わかる気がします…。

    芦川は二谷がご飯に興味がないこともお菓子を捨ててたことも理解してそうなのに、なぜ献身的に尽くそうとするんですかね。
    それもものすごく怖いです。

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    2026年05月01日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    最近恋愛小説が読めなくなった。のにこの本では読めた。
    押尾さんのようなスカッとした人間に憧れるが、実際には芦川さんのような人間が好かれて守られるんだろうと思った。
    二谷、本当にそれでいいのかとモヤモヤした。

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    2026年04月30日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    前から気になっていた作品。
    文庫フェアを理由に買ってみた。

    登場人物みんな、腹のなかにため込んでいる人ばかり。
    芥川賞っぽい。
    芦川さんですら、きっと何か我慢している。
    いい人として振る舞い、我慢することで受け入れられようとしているフシがある。

    二谷は、ずっとこのままなのだろうか。
    一生このまま、芦川さんとも表面上は上手くやりつつ、毎晩カップ麺を食い続けてブクブクになりそう。

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    2026年04月30日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    始めにこの本を読もうと思ったきっかけはネットで本を紹介している人が面白かったと言っていたのをきっかけに読もうと思いました。この本の表紙を見た時に白い背景に黄色い何かの中に人が揺らいでいて、なにやらほっこりするような、黄色からも暖かみがあるような、そんな内容をイメージしていました。しかし、それは全く真逆で中身は正直胸くそ悪いなと感じました。
    私は中学生のときに芦川さんの生き写しみたいなクラスメートが実際にいました。その子も芦川さんと同じように少し運動しただけで倒れてしまったりちょっとしたことだけですぐ保健室に行くような子でした。でも人当たりは良いのでみんなにはすぐに心配され、優しい言葉をかけられ

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    2026年04月28日
  • 水たまりで息をする

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    そこが物語のメインじゃないとわかっているのに、もうお風呂のことしか考えられん。お風呂に入っていない夫の描写が生々しくて強烈で、お風呂嫌いのワイもさすがにお風呂の大切さを痛感。途中までは他の高瀬作品に比べていまいちかなァと思って読んでいたのが正直なところなんだけど、物語の終わり方が個人的にすきだったのと、あとは解説を読んで納得した部分もあった。やっぱり刺さるところが必ずあって、相手を心配して必死になることを「愛の証明のような気がして安心する」って表現できるところとか、ほんとこの作家は…(褒め)ってなった。けど、やっぱりお風呂だ。お風呂嫌いなのに、こんなにお風呂のこと考えたことないよ。うあああ。

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    2026年04月29日
  • うるさいこの音の全部

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    最初はなんのことか?と思ったけど、読めば読むほど味が出る(笑)

    普通は言わないこと、でも思っていること。
    そしてそれはある意味とても共感できたりする。
    そんなことがたくさん書かれている。
    有名になるにつれて、苦しくなっていく朝陽の心の叫びは気の毒に感じる。

    私は言いたいんじゃなくて描きたいんです。

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    2026年04月28日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    なんかもやーっとします。
    面白くてすぐ読み終わった。あんまり誰にも共感できなかったから、うーん?ていうかんじ。

    仕事早退してお菓子作って来るのもモヤッとするし、勝手に材料費徴収したり他人のドリンク勝手に飲む上司もきもいし、正義すぎるパートのおばちゃんもだるいし、話のふたりも変な人だなて思ってしまった。

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    2026年04月28日
  • うるさいこの音の全部

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    風変わりなタイトルに惹かれ、読み始めましたが…。

    初めから25ページくらいまでの感想は、なんなん?意味わからん!
    前情報も帯すら見ずに読んだので、「芥川賞作家が書く芥川賞作家のデビューの裏側的な作品」と言うことに気づくまでそれくらいかかりました。

    主人公の生真面目さと自信のなさと相反する万能感全てがないまぜになり、他人に迎合するのを厭うのにしてしまう自分を嫌悪しつつも許容する。
    人間って複雑な生き物ですね。

    共感する部分があったり、それは違うなと思ったり。主人公の内面を100%ではないにしろ、詳らかに書いてある作品だなと、思いました。

    ほとんどの人間が、自分が傷つくことにはものすごく過

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    2026年04月26日
  • 水たまりで息をする

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    『夫が風呂に入っていない』そんな一文から始まる物語は、鬱病を描いた作品かと思いきや、もっと繊細で、簡単には言葉にできないものだった。

    地方出身の妻と、生まれも育ちも東京の夫。20代半ばで結婚し、子どもには恵まれなかったものの、穏やかに暮らしていた二人。ところがある日、夫は飲み会で後輩に水をかけられたことをきっかけに、水道水を受けつけなくなってしまう。

    風呂には入れない。でも、ご飯は食べられるし、テレビも観る。会社にも行ける。だから単純に病気と片づけられるものでもない。その絶妙な違和感が、物語に静かな不穏さを漂わせていた。

    変わっていく夫を前に、原因を追及せず、無理に変えようともしない妻。

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    2026年04月25日
  • いい子のあくび

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    読んでていい気はしない。だって自分の嫌な部分を突きつけられているように感じるから。
    私もいつかこの主人公のような結末をむかえてしまうのでは?と考えるとこわいし、でもやっぱりスマホ見ながら歩いているやつが悪い、そいつがこけたりケガしたりしてもしらねーよって思う。

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    2026年04月25日
  • うるさいこの音の全部

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    何よりタイトルが好きです。
    口に出して言いたくなるテンポの題名。
    別に実際に出しはしないけど。
    と、ちょっとだけこの本の主人公の思考に寄っています。

    果たしてうるさいのは、周囲の人々の声か、それらを含んだ職場の雑音か、主人公が想像しているだけの相手の声か、頭の中で乱反射する思考による自分の声なのか。
    きっと全部なんでしょう。
    この文章の中の全てでなくとも一部分は、作者に起こった実際の出来事なのかなとか、心の叫びなのかなと思う時点で、私も主人公の周りにいる雑音を発する人間と同類なんだなと。

    この作者の、性悪説に基づいたような人の見方だったり、どこへ踏み出す訳でもないような行き場のない思考が心

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    2026年04月23日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    文字もページも少ないのでスラリと読めた。
    確かにその人だけなんか許されるな〜ってのはある。生まれ持った才能みたいに弱さを出しても、むしろ出すことで守られる存在。芦川さんのような人がもし同じ職場だったらと考えると私もすごく苛立つだろうなと思った。
    押尾さんは素直なんだと思う。
    二谷さんみたいな食に執着がなくてエネルギー補給としか思っていない人いるよな〜と今まで出会った人たちを思い浮かべた。
    出てくる登場人物全員気持ち悪くて面白かった。

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    2026年04月20日
  • 水たまりで息をする

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    夫婦仲も良く話し合いもできるのに、「その方が良いから」だけで選択していく2人の成れの果て。
    弱い夫にイラつき共感は出来なかった。が、想像できる上で一番残酷なラストシーンは好き。高瀬隼子さんの筆力はやっぱり素敵。

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    2026年04月20日