高瀬隼子のレビュー一覧

  • 新しい恋愛

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    それが自然の摂理というように、多くの人が誰かとつがいになって生きていくことを選ぶのに
    沢山の人がそれについて言葉を尽くして語ってきただろうに
    それでもなお"正解"が見つからないのが恋愛

    この本の中では、私自身が言葉にできなかったあれこれが腑に落ちるかたちで表現されていて
    私にとっては"正解"に近いものだったかもしれないけど、他の誰かにはまったく理解し得ないものかもしれなくて
    よくもわるくも「あてられた」(毒にあたるような意味で)と思った作品集だった

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    2025年08月03日
  • 新しい恋愛

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    抉らないで。

    日菜子さんはあちこちくたびれていて、それは悪口とかじゃなくて実際にそうで、だって人間の身体は老いていくから。津野の身体も同じように老いていっている。皺とかシミとか目に見えるものだけではなくて、隣の席から漂ってくるにおいも、やっぱり昔とは違う。お気に入りの香水は何年も変わらないけれど、その奥から漂う芯のにおいが、くさいのではなく歳を重ねて深まっている。

    (花束の夜/お返し/新しい恋愛/あしたの待ち合わせ/いくつも数える)

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    2025年07月30日
  • 犬のかたちをしているもの

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    怖かった。高瀬さんの作品に出てくる「図々しいことが受け入れられて当たり前」みたいな顔をした女が本当に怖い。

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    2025年07月29日
  • 犬のかたちをしているもの

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    うわぁっていう生々しい心理描写
    なんとなくモヤモヤ思っていることを全て言語化してくれている
    ミナシロさんみたいな人いるよなあって思うし自分もその要素あるよなあって思う
    このお話の諸悪の根源は愛されたい、愛したいっていう気持ちなんだろうなと思った
    そこまでプラスにもマイナスにも働く愛という感情?物質?って不思議だと思う
    ただそこのあるものに対してそれぞれがどのように反応するか、捉えるか次第ではあると思うけど、、
    それ自体は何も変わらないという。
    なのです捉え方次第で良い方向にすることは可能なんじゃないかなと思う

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    2025年07月25日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    夫が「お風呂には入らないことにした」と言った。
    妻は、先週、夫が全身ずぶ濡れで帰ってきた日のことを思い出す。会社の後輩が、酔った勢いで水をかけたらしい。

    それ以来、夫は2Lのミネラルウォーターで頭と体を軽く流すだけになった。しかし、それさえもしだいに拒むようになり、最終的には大雨の日に外へ出て、全身で雨を浴びるようになった。
    もちろん、石鹸も使わない。
    お風呂に入らなくなって五ヶ月。夫の体からは、雨では洗い流せない汗と尿と垢が混じったような、形容しがたい悪臭が漂っていた。

    妻は考える。
    狂ってしまった夫を許したい。でも、許せない。
    お風呂に入らないだけで、それは病気と言えるのだろうか?

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    2025年09月09日
  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 新しい恋愛

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    切ない恋やどうにもならない恋を経験すると、ひとつひとつの描写に敏感になる、その感覚を見事に呼び起こすような文章でした。短編集なので、さくさくと読み進められました。あと僕、とか私とかではなく客観的な書き方も好みです。


    歳の差婚について、自分の場合、きっと、私に関係のない人たちがそれをするのであれば、当然自分の人生には全くもって関係ないので、どうぞお好きなように、と言える。だけど、自分が長く関係を築いてきた人、好きな人、魅力的に感じている人など、ある意味で性的な魅力を感じる相手であればあるほど、受け入れることは難しいのかもしれないなー、と。
    歳の差について嫌悪感を感じるというより、その人の趣向

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    2025年07月29日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    私小説のように思えてくるけど、だとしたら高瀬さんもそうやって詮索されることにうんざりしているから私小説だと思ってはいけないような気がしてきて、絶妙。
    高瀬さんの実際のサインが楷書ということがアツい。

    "言いかけて止めるためだけに、言いかけたのだと思った"というところ、どうやったらこんな文が思いつくのか、、

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    2024年07月10日
  • GOAT Winter 2026

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    いろんな作家さんの短編や対談があり、ものすごく読み応えがあった。
    中でも、貴志祐介の短編は笑わせてもらったし、平野啓一郎とマライ・メントラインさんの対談、俵万智さんと岸田繁さんの対談が面白かった。
    あと、編集後記も何処となくサークル感を感じさせてくれて親近感が沸いた。
    雑誌を読んでもあんまり自分のなかで読書の実績にはなかなか認めにくいところはあるけれど、安価でこれほどの質と量を兼ね備えた文芸誌は貴重な存在なので、コスパ最高。定期的に出してほしいな、と思う。

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    2026年02月01日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    当然、弱い方が勝つ。どこにでもありそうな狭い社会のお話だから妙なリアリティを感じた。
    人生無理せず生きていきたい。でも護られる対象にはなりきれない。弱い者を護りたくもない。だって、私は誰かの弱さで自分が損をしたなんて思いたくないから。思いたくないけど弱さは悪ではないから困ったもんだ。弱いより正しくない人間になりたくないから、みんな当たり前に誰かの弱さを受け入れているんだろうなと思う。
    困ってしまうから芦川さんみたいな人には出会いたくない、切実に。
    二谷の食に対する思考は極端すぎるが、気持ちは少しわかる。仕事で忙しい中、食べる行為に時間をかけたくない。仕事中心に自分の世界が回っている時に『食べる

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    2026年02月01日
  • 新しい恋愛

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    恋愛への個人的な倫理は人それぞれであるけど、
    恋愛に関する嗜好や結果でその人を判断出来るのか?そこに至るまでの道のりや本当の気持ちを言葉にするのはきっと難しい。
    私の価値観は私だけのものなのだ、他人には他人の価値観があり同一ではないのだ、ということを改めて感じた。

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    2026年02月01日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    てっきり美味しいごはんを取り巻くほっこりハートフルストーリー……なのかと思っていたので、肩透かしを食らった気分。笑
    食べることに結構幸せを見出している方なので、そこの共感は難しかったけど、こういう人はいるよな~と思いながら読んだ。解説にもあったように、芦川さんみたいな人には遭遇したくないな〜とも。
    正解の無いこういうモヤッとした感じ、嫌いな人もいるだろうなと思う。私は割と好きですが。

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    2026年01月31日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    芥川賞受賞当時バタバタしていて読み忘れたままになっていた作品をやっと読みました。良かった。

    「おいしいごはんを食べること」は幸せというものを思い浮かべるときにしばしば欠かせないものとして出てくるでしょうし、食が幸せの一部になっている人も少なくないし、逆に食が欠けていること不足していることには幸せとは逆の何かを連想させるようなところがあると思います。それこそ貧困問題だったり。

    一方で現代社会の目まぐるしく、そして楽しみや刺激が無限に存在する生活の中で、「おいしいごはん」への感覚や関心が薄い人というのはたくさんいますよね。実際知り合いでも何人も思い浮かびます。そして社会的には「おいしいごはん」

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    2026年01月28日
  • 犬のかたちをしているもの

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    結局女はいつかは産むか産まないか、覚悟を持って選択しなければいけない。時期やその時のパートナーにもよるし仕事にもよる。私も欲しいのか欲しく無いのかがずっとわからない、産む自信もない。でも小さい頃から子供は産むだろうという想像はやんわりあったが、それが現実を帯びる年齢になり、一気にわからなくなったし、覚悟は決まらない。かなり突拍子の無い話だが、主人公の気持ちはわかるし、かなりリアルだなと思った。

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    2026年01月28日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    シャワーに入れなくなった夫、子供を作ることが出来ない妻の間の「おままごと」のような生活は、世間の「普通」によって崩壊していく。
    シャワーに入れなくなり、体から悪臭を放ち社会から弾き出されてしまうまでとはいかなくとも、誰もが世間の「普通」によって息苦しさを感じているのではないかと感じた。
    その息苦しさの中でも、「こうした方がいい」と思う方向に進める主人公を羨ましく思う。

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    2026年01月27日
  • 水たまりで息をする

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    気付かぬ間にルールとなってる普通について改めて考えた
    どうしても嫌なこと、相手には理解できないこと人間らしさを感じた

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    2026年01月26日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    本のタイトルからは思いもよらない内容でした。
    お菓子をぐしゃぐしゃにしているところは読んでいて辛かったです。途中で読むのをやめようかと思いましたが、結末が気になり最後まで読んでしまいました。
    「ごはん」というよりも「お仕事」、がメインかな?
    どこの職場にも優遇や優先される人はいます。それが「弱い人」だと、周囲の人は不満をどこにぶつけたら良いか分からなくなります。この小説では、意地悪や嫌がらせでしたけど、最終的にどちらが負けるかなんて明らかです。小説に出てくるような「弱い人」が得をする世の中ですから。
    しかし、自分がいつ病気になるか、体調不良の日が増えるか分かりませんから、とても長い目で見れば、

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    2026年01月26日
  • 水たまりで息をする

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    長い余韻の中にいる。

    社会で「そつなく」暮らせる人への
    声なき、叫び。

    夫に起きた出来事の描き方が
    「病院で薬を飲めば治る」というかたちではない
    本質をついた表現だな、と感じた。
    個人的な器質の問題じゃない。
    ひとの行動が「狂う」とき、
    それは本能的な生物としての生命が
    この場所で自分をフィットさせるのは無理。
    と言っている。

    ダムの放流みたく、
    目の前の雨の量じゃなくて、
    集まってしまった総量。
    ささやかだけど致命的な他者の悪意のある言動。
    それは、東京だからとか田舎だからとかではなくて
    社会生活そのものの大変さ。
    どこかで放流しないと川全体が氾濫してしまう。

    台風ちゃんの描写は

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    2026年01月26日