高瀬隼子のレビュー一覧

  • 犬のかたちをしているもの

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    4.3/5.0

    素晴らしかった。
    現代の女性が抱えている感覚や違和感(自分は男なので、完璧に理解出来るわけではないが)が、非常に濃く描かれていると感じた。

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    2025年10月12日
  • うるさいこの音の全部

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    読んでいるうちにこちらもどんどんその思考に飲み込まれていくような、独特の心理描写が心地よかった。やっぱり高瀬隼子の書く人間が好きだと思う。
    この小説は高瀬隼子の自伝なのか、という疑問が自ずと湧いてくるが、だとしたらこの小説の内容は全部それらしく書いた嘘なのだろうし、読者にそう勘ぐらせることを目的に書いた小説であるような気もする。いずれにしろ、高瀬隼子の手のひらの上で転がされてしまったと思った。それが心地よかった。

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    2025年10月04日
  • うるさいこの音の全部

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    本名「長井朝陽」としてゲームセンターで働きながら、ペンネーム「早見夕日」として小説を書く主人公。文学賞を獲り、職場や地元に兼業作家であることが知れ渡ってしまい、朝陽として勤めていれば職場の人から小説家の顔ばかり注目され、夕日としては取材陣やネットから作家の素顔つまり朝陽のことばかりに注目され、相手の求める解答ばかり話しているうちに段々、現実と小説の境界が曖昧になっていく。

    強烈なタイトルに惹かれて手に取った作品。息苦しくてめんどくさくて、共感のしようがないのになんか共感してしまうような自分の傲慢さに笑ってしまいました。

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    2025年09月21日
  • 犬のかたちをしているもの

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    私の心の中の、
    言語化できない“それ”が
    はっきりと書かれていてぎくっとした。

    女性の中の一つの期限。
    それにとことん向き合う小説。

    しばらく性行為をしていない恋人が他で子供を作ってきた。
    許せるか許せないかを超えて、
    その産まれてくる子をもらうか別れるか。

    そんなことある?って内容。でもあるかも。

    犬のが可愛い。本当にそう思う。
    でも娘が子どもを産めば親が喜ぶかも。

    そんなことで産めない。産み落として幸せな世界になるかなんて責任を取れない。

    葛藤葛藤。
    そんな感じの私の心を代弁してくれるようで
    一気に読んだ。

    答えはでなかったけど、お守りみたいな一冊。
    私、このままでいいって思

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    2025年09月13日
  • 犬のかたちをしているもの

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    「私のほしいものは、子供の形をしている。けど、子供ではない。子供じゃないのに、その子の中に全部入ってる。」

    なにかの形をしているけど、それを通して欲しいのは、それを持っていると苦しくても、苦しさですら周りから正当化されて世界がやさしくなるもの 
    私にとってのそれは子供ではなくて、向上心とか社会的成功とか成長とかそういうものだけど。 
    生きやすくなるために効率的なコスパのいい悩みが欲しいという自覚と重なるものがあって、「ーのかたちをしているもの」という語彙をこの本を通して手に入れられてよかった

    「当たり前のように傷ついた、ことを自覚してまた傷ついて、なに傷ついてんだわたし、とまた‥トイレの個

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    2026年05月12日
  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    多様性!働き方改革!ハラスメント!と叫ばれる時代は、弱者の権利を拡大するけど、表面上だけの配慮を浮き彫りにもする。周囲から守られる/受け入れられる少数派とそうでない少数派との間に生まれる歪を描いた作品は他の作者でもよく読むが、この作品は全ての登場人物の嫌な部分を描くのがうまい。身に覚えのある不快感を刺激されて、心がざわつく。

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    2026年06月06日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    おいしいごはんがたくさん登場する小説かと思い購入。裏切られた。登場人物全員がそこはかとなく気持ちが悪い。だけど、そこがすごくリアルで人間らしい。近い感覚の人たちと働ける環境にあることに感謝。

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    2026年06月06日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    自分は今新卒だけど、これからこうゆうことが起こっていくんだろうなという絶望感とどこでも一定数芦川さんみたいな人はいるんだろうなと思った。だからといって他の人が素晴らしくいい人か、と言われればそうではないところが妙に現実的だった。共感と嫌悪感の嵐のような一冊。

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    2026年06月04日
  • 水たまりで息をする

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    ”普通”に生きる事の圧力に耐えながら生きる事の難しさ、現代社会では誰しもがその圧力の中に生きていて、何かをきっかけに人は簡単に狂ってしまう、そういった怖さを感じる小説だった。

    東京に住むどこにでもいそうな中年の夫婦の夫がある日職場での些細な出来事をきっかけに風呂へ入らなくなる。
    次第に体臭も尋常ではないほどのものとなり、仕事を辞めざるを得なくなり、地方へ移住することとなるが・・・という話。

    社会では"普通"に生きる事を求められる。
    例えば、ある程度の年齢になったら結婚をして、結婚をしたら子供を持つもの、それが当然だと言うように。

    そこからずれてしまうと異端扱いで生き辛

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    2026年06月03日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトルからは食を絡めたハートフルな物語を想像しましたが、その真逆でした。
    会社内というコミュニティの中で生じる人間関係の湿っぽさが丁寧に描かれていて、自分自身が関わったことはないけれど「こういう人いそうだな」と妙に納得しながら読み進めました。
    なかでも、主要な人物でありながら視点描写がなかった芦川さんが印象的でした。ある意味で強くて、社会を生き抜くための確固たる術を持っているなと感じます。それが無意識のものなのか、芦川さんの目論見通りなのかは分からないけれど。

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    2026年06月01日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    私は食事と健康に関連した仕事をしていますが、それでも自分のためだけに人参をみじん切りしている時に、「時間をかけて調理しても食事なんて数分で終わるのに何やっているんだろう」と思うことがありました。しかし、食事に手をかけていた方が心や身体が調子が良いのも事実としてある気がします。
    芦川さんのように仕事ができず芦川さんのような可愛げを持ちあわせない私は、芦川さんを許すことができず職場てイライラを溜め込むだろうな。

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    2026年05月31日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    思ってたのと違くて良かったんだ、と人に言われて貸してもらった本

    なるほどねぇ
    いい温度感といいグロさだね
    自分は所謂会社に勤めたことはない人間なので完全に理解したわけではないかもしれないけど、それでもびしびし来るくらいリアル。
    いるんだよなあそういうやつ。
    いるんだよなあそういう歪な自分。

    自分の実生活とはかなり別次元の話なので、ぐろいなぁ、くらいで読み進めてしまったけれど、日常的に身に覚えのある人からしたらかなり抉られそう。

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    2026年05月30日
  • GOAT Winter 2026

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    私は紙の本も電子書籍も読む。
    媒体にあんまりこだわりはない。
    でもこの文芸誌を作る過程の様子をYouTubeで見て、いまだに紙の本好きが一定数いる理由がわかった。
    私にとって読書は文字を情報として捉えるだけだった。でも本当に本が好きな人は、ページをめくるという行為そのものも読書体験の中に含んでいる。
    作り手はそこをいちばんわかっていて、こだわり抜いてできたのがこの文芸誌。
    本屋で見つけて手に取ったらすぐに理解できた。

    内容も、普段本をあまり読まない層にも届かせようと完結型の短編にしている。
    派手な展開はなくとも日常の中でじわじわ人の心理に訴えかける話が多くて楽しめた。
    ミステリー好きとしては

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    2026年05月28日
  • 新しい恋愛

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    どの作品も愛の形は違うけどどこかプラトニックさを感じた。
    高瀬さんは「おいしいごはんが食べられますように」で初めて読んだが、淡々と物語が進んでいく作風が個人的にとても好きで面白い。
    村田沙耶香さんが好きな人は高瀬さんも好きになると思う。
    一番好きな話は新しい恋愛で、いつかこの物語も手かがれているような恋愛をしている未来が来そうだと読んでいて感じた。

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    2026年05月28日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトル・表紙と内容のギャップがすごい、とのことで気になり読んでみた。
    なるほど、おいしいごはんにまつわるほんわか物語かと思いきや、職場内における人間関係のリアルを抉り出した、心がざわつく本だった。

    学校や職場で必ずいるような、「"普通"レベルが難しい人」、「みんなと同じようにできない人」、「なんかいつもズレてる人」。そんな人たちほど気遣われて、配慮されて、優遇されて、"普通"にやっているこっちが損をしている気分になる。

    【正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、強いか弱いかを比べる戦いだった。当然、弱い方が勝った。そんなのは当たり前だった。】

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    2026年05月25日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    読みやすい厚さの本でかわいらしいタイトルでてにとったけど、内容はまるで違った。

    よくある会社のよくある人間関係、の中の繊細な感情描写。
    人間の心理ってここまで見事に描けるんだって思わされた。
    100%善みたいな人間のしんどさを個人的には日々痛感しているので、押尾さんに共感しつつ二谷には共感できなかった。
    読んでスッキリしたり心が暖かくなるものではないけど、面白かった。

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    2026年05月24日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    芥川賞受賞した高瀬隼子さんの作品とのことで、読んでみた。
    本の柔らかな装丁と、穏やかに思えるタイトルから、ほんわかしたような内容かと思っていたら、全く違った。

    タイトルから、おいしいごはんの話かな、美味しそうな表現がたくさん出てくるのかな、と想像していたが、正反対の話だった。よくもまあ、うまそうなケーキをそんなにおいしくなさそうに表現できるものだと、逆に感心した。身体にもよくて、おいしい食べものを受け付けなくなっていく主人公の様子(いや、最初から受け付けなかったのかも)が、痛々しくもあり、もやもやもする。
    ただし、この物語の主人公はかなり嫌なやつなので、ほとんど共感できないし、「なんだこいつ

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    2026年05月24日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    年々積み重なっていく、うっすら抱いている違和感や不快感を全部言い表してくれていて驚いた。
    色んな方の感想を見ていると、共感の程度はあれど、これもしかすると同世代のそこそこ多くの女性が感じていることなのかなと思う。
    それにしても私は、そんなやつさっさと別れてその人たちと関わるのやめたほうがいいよ…と思ってしまう。

    きっと女性の読者が多そうだけど、男性が読んだら何を感じるのかなと気になった。
    女性が選択を迫られるたくさんのこと、身体にかかる負担のこと、それによって諦めたり、諦めることで他人と比べてしまうこと、それらについて少しでも考えを深めてもらえたらと思った。

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    2026年05月22日