高瀬隼子のレビュー一覧

  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    私小説のように思えてくるけど、だとしたら高瀬さんもそうやって詮索されることにうんざりしているから私小説だと思ってはいけないような気がしてきて、絶妙。
    高瀬さんの実際のサインが楷書ということがアツい。

    "言いかけて止めるためだけに、言いかけたのだと思った"というところ、どうやったらこんな文が思いつくのか、、

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    2024年07月10日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ずっと気になっていた作品。
    リアルな会社のお話。

    出てくる人物が本当にいるよねぇーって人達。
    そして、こういうタイプの人が苦手だし、でも理解しなきゃっていう、この矛盾もわかる。

    食べ物に関しても、理解できる部分がある。
    食に関して好き嫌いをざっくり分類してもあるけど、その他大勢で食べたくないとか、強要されるのが苦手とかもっと分類したら沢山あると思う。

    複雑な食への思考を持っている彼が真逆の人とこれから食をどう共有していくのかが気になった。

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    2025年12月07日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    芦川さん嫌い。イライラした。
    そういう私は押尾さん側の人間だからだ。
    繊細ヤクザ的な、弱い人間が周り人に気をつかうのを強要してくるのが辛い。

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    2025年12月06日
  • 水たまりで息をする

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    私は好きだった。なかなか他の小説にはない人間の部分が描かれていて。どうしても無理なものができたとき、それを近い立場として、遠い立場として傍観するとき。自分にとって大切な存在なのか、ただの義務感なのか。。。

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    2025年12月03日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    もやもやする、みんなのもやもやの気持ちもわかるけど、この捻くれてる主人公たちと同じ思想を持っていないと、世間から軽蔑するような目で見られるのではないだろうか、ということにもやもやする。物語は主観で書かれているから、やっぱり本当に世間から外れているのは二谷と押尾だろうに、、と思いたい。
    芦川さんのような人は私に心当たりがある。1番高校の時に仲良かった子。大学になってからは1回しか会ってない。みんなの保護の対象のようになっていて、カワイイ〜と言われ、無理はしない女の子。私もみんなのようにカワイイ〜、といいつつ、本心は社会人になったらどうやって生きていくんだろう、どうやったらこのポジションを手に入れ

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    2025年12月02日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    高瀬隼子の本はわたし至上、最もなめらかに読むことができる。それはなぜなのかを考えてみた。

    高瀬隼子の世界には、たくさんのリアルな“人間の嫌なところ”が存在する。
    それは、丸かったり、角ばっていたり、トゲだらけだったり、棒状だったり、霞のようだったりと、かたちはさまざまだ。

    言葉にするならば、したたかさ、意地の悪さ、依存心、偽善、利己心と言ったところだろうか。

    人間が集団で存在するような場所では、それは人間の数だけ存在し、ひしめき合い、その場をどんよりと埋め尽くしているだろう。

    ふと、我に返ってみる。
    当然、私の心のなかにもさまざまな“嫌なところ”がある。
    もしくは、これまでの集団生活の

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    2025年12月02日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ごはん系ほのぼの小説かと思って読み進めたら、不穏。人のお茶勝手に飲むとか何これと思って、裏表紙のあらすじ見たら芥川賞だった…そうだった…。

    文学部に行きたかったのに経済学部に行ったように、二谷は自分の主張を受け入れてもらえた経験が乏しく、親の価値観に沿って生きてきたのではなかろうか。妹が芦川さんを義姉にちょうど良さそうと言ったように古い価値観の親に育てられている。
    我慢我慢の人生で、特に嫌なことを主張するのは苦手でありそう。
    ところが、押尾さんに芦川さんは苦手だとこっそり言われる。さらにいじわるをしようと言われる。芦川さんはみんなに好かれているのに、だからこそ彼女にしたのに。
    押尾さんのよう

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    2025年11月29日
  • 水たまりで息をする

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    原因とか解決策とかそんな単純な話じゃなかった。自分にとっての"魚"はなんだろうかと考え、怖くなってやめた。

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    2025年11月29日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    職場のあの何とも言えない人間関係や会社という社会の縮図をえげつない解像度で書いている、知らず知らずのうちにに飲み込んでいた違和感やあの時押し殺した感情がどっと込み上げてくるような、苦虫を噛み潰すような感覚。
    この中の誰にもなりたくないし、誰にも感情移入はできない。正義が勝つのではなく、弱い人が守られることで勝つ社会、130ページそこそこの本でぎゅっっっと凝縮された濃すぎる内容に胃もたれしてしまう。
    この可愛い表紙と優しいタイトルがどれだけの皮肉を孕んでいるのか、これを買った時は想像もつかなかった、かなり好きな作品

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    2025年11月27日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    まずこの本はめちゃめちゃ薄いんですよ。すぐ読めるかなって思って買ってみた。この薄さにこれだけ濃い内容詰めれるのすごい。舞台も本当に狭いで身近すぎる。自分の席の隣で起こっててもいいくらいな。二谷には感情移入できないし、芦川さんまじで身近にいてほしくない。押尾さんの最後にメンバーに放った言葉にはガッツポーズ。書評の通り、このタイトルが良い意味じゃないことってあるんだ。

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    2025年11月26日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    72点:「まあ、でも、そういう時代でしょう、今」
    「わかってます。でもむかつくんです」

    よくあるようなことを意地悪い目線で描写しながらブンガクっぽい文章を連ねていく純文学、という感じで読み進めていて、こういうのってエッセイコミックとかのほうが解像度高いような気がするし、単純なおもしろさもそっちの方が上なんじゃないかと思いながら前半は読み進めました。
    ただ後半にいくにつれ、こういうのは劇的にせず淡々と書くからじわじわきてそこがいいのだ、という結論になり点数上げました。

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    2025年11月23日
  • 水たまりで息をする

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    「普通」から外れると、段々社会からも外されていく、そんな夫と生活を共にする妻の視点から人間の残酷さを描いた話。

    劇的な暴力性があるわけではない。しっとりと、現実感を伴って五感に訴えるように緻密に描かれた文章から本能的な恐ろしさを感じさせる。

    結局、考えて生きてきたつもりでも多分「普通」の流れに合わせて生きてるだけで、目の前で重大な出来事が進んでいてもどこか他人事の様に受け入れてしまうのだと思う。

    だから今後どうするっていう訳ではなく、そんな傾向があると再確認できて良かった。

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    2025年11月22日
  • いい子のあくび

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    人によっては、捻くれて意地悪で冷たい主人公たちに思えたかもしれないけれど、私の中にも同じような、人には曝け出せない暗い感情が芽生えることがあるので、この感覚分かる、知ってる、思い当たる、でもそんな気持ち話せないと思ってたから、安心したというかそう思って良いんだとほっとした。悪態たっぷりで思わずふ、と笑ってしまう時もあった。終わり方も好きだった。特に二つ目、Aがあれを見たら腰抜かして震えるに違いないと思うとゾッとしたし秀逸な仕返しだと思った。生きづらさや閉塞感、人に言えない感情を抱えてる方におすすめです。いい子のあくび/お供え/末永い幸せ

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    2025年11月22日
  • 水たまりで息をする

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    結婚生活10年が立ち、このまま子どももいないし普通の安定した毎日が送れると思っていたが、夫がいきなりお風呂に入れないと言い出した‥
    ストレスばかりの生活だが、それでも2人で上手くやってきたのに。
    精神科も考えるが、夫が嫌がるだろうし、傷つくのも見たくない、お風呂に入らない以外は特に問題がない、と後回しにしてしまう。
    結果、周囲の人達との板挟みになり、夫の発する悪臭のこともあり自分の田舎に2人で移り住む。
    「自分も狂ってしまえればどんなに楽か」
    「平気じゃないけど平気に見えてしまう」
    主人公は、母から譲り受けた鈍感力ともまた違うこの精神力で、自分をなんとか繋ぎ止める。
    なんとかなってしまう人の方

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    2025年11月17日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    私は「食べること」は人生を豊かにするものだと信じてやまない側なので、二谷には共感できなかった。
    でも、善意でお菓子を持ってくる芦川さんにも、嫌悪感を抱いた。
    それってなんか、旅行に行ったらお菓子を買ってこなきゃいけないみたいな、半ば強制的な、そういう感覚ともちょっと似ているんじゃないか。
    一人暮らしだと、同じものや大したものではないものを「摂取する」という行為だけど、誰かと一緒の時は「おいしい」を共有できる「食べる」という味わう意味合いになると思う。
    「食べること」を共に楽しめる人との関わりを大切にしていきたいと思った。

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    2025年11月17日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    第167回芥川賞受賞作

    ということで。

    ポップなカバーとタイトルとは裏腹に。
    今のご時世、いや典型的とも言える、
    偽物?の弱者の完全な勝利を、ラストの笑顔に見る。
    お腹は空かない……。

    構成もかっちりしていて、読みやすかった。

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    2025年11月17日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    特別にグロテスクな場面があるわけではないのだが、愛や性の生々しさにじかに触れさせられるような感覚があり、どこか直視することに抵抗がある作品だった。
    読みやすく、物語に引き込まれるし、質の高い作品だとは思う。
    うまく感想を書けないので単行本の帯のコピーを転載しておく。
    「どうしたら、証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで愛しているのだと——。」
    「わたしたちがセックスを手放したあとに、やってきた『彼の子ども」。それでも二人でいつづけられるのだろうか、互いの身体を重ねることなしに……。」
    「小説でしか表現できない、思考と文体を駆使しなければならない『複雑』さが、この作品の一番いい

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    2025年11月16日
  • 水たまりで息をする

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    なんだろう…

    短いページ数の作品なのに、1ページがズシンと鉛のように重たい。
    重たいし、何度も考えさせられた…

    独特の表現で、他の作家さんからは聞いたことない言い回しが印象的。

    私にもっと理解力があれば!!!くそー!!!
    とても面白かったです!!

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    2025年11月16日