高瀬隼子のレビュー一覧

  • うるさいこの音の全部

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    本名「長井朝陽」としてゲームセンターで働きながら、ペンネーム「早見夕日」として小説を書く主人公。文学賞を獲り、職場や地元に兼業作家であることが知れ渡ってしまい、朝陽として勤めていれば職場の人から小説家の顔ばかり注目され、夕日としては取材陣やネットから作家の素顔つまり朝陽のことばかりに注目され、相手の求める解答ばかり話しているうちに段々、現実と小説の境界が曖昧になっていく。

    強烈なタイトルに惹かれて手に取った作品。息苦しくてめんどくさくて、共感のしようがないのになんか共感してしまうような自分の傲慢さに笑ってしまいました。

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    2025年09月21日
  • 犬のかたちをしているもの

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    私の心の中の、
    言語化できない“それ”が
    はっきりと書かれていてぎくっとした。

    女性の中の一つの期限。
    それにとことん向き合う小説。

    しばらく性行為をしていない恋人が他で子供を作ってきた。
    許せるか許せないかを超えて、
    その産まれてくる子をもらうか別れるか。

    そんなことある?って内容。でもあるかも。

    犬のが可愛い。本当にそう思う。
    でも娘が子どもを産めば親が喜ぶかも。

    そんなことで産めない。産み落として幸せな世界になるかなんて責任を取れない。

    葛藤葛藤。
    そんな感じの私の心を代弁してくれるようで
    一気に読んだ。

    答えはでなかったけど、お守りみたいな一冊。
    私、このままでいいって思

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    2025年09月13日
  • 犬のかたちをしているもの

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    犬の話だと思って読み始めた。
    そうしたら、犬はあんまり出てこなくて、あまりにも私の頭の中を言語化したものがそこには書かれていた。

    薫も郁也もミナシロさんも、皆私だと思った。
    子供が欲しくて、でも可哀想だから産もうとは思えなくて、でも女として産んでみたいという願望はある。
    全員が全員を傷つけていて、痛くて、血なまぐさくて、可哀想なお話だと思った。絶対に手元に置いておいて何回も読み返したい本。

    好き嫌いが明確に分かれる本だと思うし、好き嫌い以前にこのお話を「理解できるか、受け入れられるか」というところからかなり分かれそうだなと思った。

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    2025年09月07日
  • 犬のかたちをしているもの

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    「私のほしいものは、子供の形をしている。けど、子供ではない。子供じゃないのに、その子の中に全部入ってる。」

    なにかの形をしているけど、それを通して欲しいのは、それを持っていると苦しくても、苦しさですら周りから正当化されて世界がやさしくなるもの 
    私にとってのそれは子供ではなくて、向上心とか社会的成功とか成長とかそういうものだけど。 
    生きやすくなるために効率的なコスパのいい悩みが欲しいという自覚と重なるものがあって、「ーのかたちをしているもの」という語彙をこの本を通して手に入れられてよかった

    「当たり前のように傷ついた、ことを自覚してまた傷ついて、なに傷ついてんだわたし、とまた‥トイレの個

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    2026年05月12日
  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    2人で意地悪しませんか?

    このセリフ。怖いくないっすか?
    下手な暴言より、こっちの方がなんか怖いというか、じっとりしてる。

    じんわりと嫌な感じが染み込む感じのこの作品。
    決定的な悪人はいないが、鼻につくという人に意地悪したい。いけない事だが気持ちはちょっと、わかってしまう。。。。

    芥川賞は基本的に合わない作品が多いかったけど、
    初めてメチャクチャ面白いと思った!!
    でも、これ純文学というよりエンタメよりじゃない?
    直木賞もいけそう。

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    2026年05月17日
  • 水たまりで息をする

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    高瀬さんの文章は本当に人間を捉える力がすさまじいなと思う。
    世の中のいろいろな小説を読んでいると、登場人物は大抵、悪人以外はまともな人間に描かれることが多く、私はたまにうっすら白けてしまうことがあるのだが、高瀬さんの作品の登場人物は誰もがみんなまともではなく、でも人間ってみんなそれぞれどっか変なんだよなと思わされる。
    高瀬さんの紡ぐ文章がどこまでも冷静でシビアなところが好きだ。

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    2026年05月17日
  • いい子のあくび

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    歩きスマホをする人をよけないで「ぶつかったる」
    “割の合わなさ”に抵抗を試みては辻褄を合わせる、
    日常に潜む不条理を抱える直子[いい子のあくび]
    職場のデスクに創業者のフィギュアを置き、
    そこにお菓子を「お供え」し始める同僚達[お供え]
    結婚式の慣習を気持ち悪いと思ってしまう主人公、
    友人の結婚式も祝福と嫌悪とで葛藤[末永い幸せ]
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    顔を顰めるほど不快で気分が悪い毒の強い文章。
    でも最初は嫌悪すらした主人公の猛烈

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    2026年05月17日
  • 水たまりで息をする

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    文章を読んでいて何か掴めそうって思えたりもしたけど、結局何も分からないまま終わってしまった。いつかこの感情の答えが見つかるようになるのだろうか。不思議な読後感を味わえた。白黒をつけすぎないことも、きっと人間には必要なことだ。

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    2026年05月15日
  • 水たまりで息をする

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    一年以上積読にしてた本。最近父にお風呂に3日以上入らないのはちょっと…って話をしたばかりだった。この本を読んだあと父はもしかしたら…と思ってちょっと怖くなった。読むタイミングがバッチリすぎてちょっとから更に怖くなった〜

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    2026年05月14日
  • いい子のあくび

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    いい子を演じていても、いい子であっても、あくびという反射的な高度、また弛緩する行動が出てしまうというような意味で、題名を受け取りました。あくび的な行動というのが、出てしまうというか、必要というか。だから、主人公の行動を理解できる。非常にリアルな感じで楽しく読めました。

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    2026年05月14日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ほかほか平和小説かと思いきや、ドロドロ人間小説でした。か弱い女性で守ってあげなきゃの雰囲気って居心地わるいよね。でもその人も頑張ってるんだよね。でも心の落とし所がつかないなドロドロって感じ。誰が良いとか悪いとか白黒はっきりつかないからこそおもろいだよな人生。

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    2026年05月11日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    全員不快!!なんだけど、要所要所で自分にも当てはまってそうなのが怖い。

    食を通して、人間関係に生じる心の闇を描いた作品。
     タイトル、表紙とは裏腹にイヤーな話で、社会人としてこれからを生きていく自分にとっても、他人事にはできない話でもあった。

     読んでいて共感ができる部分が多い反面、それと同時に人間関係ってめんどくさっ!と感じてしまう。共感はできても、物語に登場する人物たちは誰一人として好きになれない。特に、芦川さんみたいな人種はキツい。長く仕事を共にしていく中で、付き合っていけない人だと感じた。こういう人は、何かと得をして生きているんだろうなぁ。良く言えば、自分のことを理解できてるんだと

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    2026年05月11日
  • 犬のかたちをしているもの

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    高瀬さんの作品を読むのは2回目だが、本当に文章が生々しくて大好き。同じ女性として経験しているものがそのまま載っているのでスイスイ読める。
    性行為と愛の繋がりは切っても切れない関係であるが、愛の伝え方が必ずしも性行為にはならない。でもそれ以外でどう愛を伝えればいいのか。自分も同じような考えを持っていたので共感しながら読めた。

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    2026年05月09日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    言葉にして他者と共有し合う中で、いかに個人の純粋な感覚が押し殺されているのか、ということが生々しく描かれていて面白かった。

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    2026年05月09日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ホラー小説かよ、と思う終わり方だった。
    芦川さんは妖怪の類では?と思うし、二谷には腹が立つ。押尾さんには同情の気もあるけど意地悪したのは事実なのでしょうがない。
    どの登場人物にも嫌な感情を抱くのは、同族嫌悪かな。
    芦川さんの謙虚にみせた図々しさも、
    二谷の諦観した思考・物言いの癖にどこか被害者意識を持ってるところ、姑息さも、
    押尾さんの押し付けがましい真面目さも、
    全部自分の中にも見えるもの。

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    2026年05月06日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    祈りのような、前向きなタイトル
    に反する内容だとは聞いていたので身構えていたが、読後感はさほど悪くなかった。
    わかるわかる…と読み進めたが、いや全然分からんな??
    丁寧な生活をするが仕事は周りが配慮してくれる環境を作り出す芦川は全く分からないが、二谷が1番不気味だった。芦川と付き合う割にケーキを踏み付けて捨てる。嗜虐的な、残酷な面がチラチラ見えてくるが、本人がそれを自覚していなさそうなところがぞわぞわする。
    捨てられたケーキを机の上におく押尾も大概。
    誰も彼も結構やな奴なのに、誰にも少し共感してしまう自分が怖い

    仕事しない奴は要らないと言える環境、
    何も考えず美味しいものが食べられる自分の心

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    2026年05月05日
  • 水たまりで息をする

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    『おいしいごはんが食べられますように』がとても良かったので読んだ。
    神の視点から描いた『おいしいごはん〜』に対して、衣津実の主観のみで描いた本作は思考の転換についていくのがしんどくて、テイストがちょっと違った。
    読後感は良い。愛だけで片付けられない社会の欠陥を描き出すのがうめえ。

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    2026年05月05日