高瀬隼子のレビュー一覧
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ネタバレ夫が「お風呂には入らないことにした」と言った。
妻は、先週、夫が全身ずぶ濡れで帰ってきた日のことを思い出す。会社の後輩が、酔った勢いで水をかけたらしい。
それ以来、夫は2Lのミネラルウォーターで頭と体を軽く流すだけになった。しかし、それさえもしだいに拒むようになり、最終的には大雨の日に外へ出て、全身で雨を浴びるようになった。
もちろん、石鹸も使わない。
お風呂に入らなくなって五ヶ月。夫の体からは、雨では洗い流せない汗と尿と垢が混じったような、形容しがたい悪臭が漂っていた。
妻は考える。
狂ってしまった夫を許したい。でも、許せない。
お風呂に入らないだけで、それは病気と言えるのだろうか?
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Posted by ブクログ
自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
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送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。
倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり -
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切ない恋やどうにもならない恋を経験すると、ひとつひとつの描写に敏感になる、その感覚を見事に呼び起こすような文章でした。短編集なので、さくさくと読み進められました。あと僕、とか私とかではなく客観的な書き方も好みです。
歳の差婚について、自分の場合、きっと、私に関係のない人たちがそれをするのであれば、当然自分の人生には全くもって関係ないので、どうぞお好きなように、と言える。だけど、自分が長く関係を築いてきた人、好きな人、魅力的に感じている人など、ある意味で性的な魅力を感じる相手であればあるほど、受け入れることは難しいのかもしれないなー、と。
歳の差について嫌悪感を感じるというより、その人の趣向 -
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おもしろい
話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。
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購入済み
おもしろい
周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。
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当然、弱い方が勝つ。どこにでもありそうな狭い社会のお話だから妙なリアリティを感じた。
人生無理せず生きていきたい。でも護られる対象にはなりきれない。弱い者を護りたくもない。だって、私は誰かの弱さで自分が損をしたなんて思いたくないから。思いたくないけど弱さは悪ではないから困ったもんだ。弱いより正しくない人間になりたくないから、みんな当たり前に誰かの弱さを受け入れているんだろうなと思う。
困ってしまうから芦川さんみたいな人には出会いたくない、切実に。
二谷の食に対する思考は極端すぎるが、気持ちは少しわかる。仕事で忙しい中、食べる行為に時間をかけたくない。仕事中心に自分の世界が回っている時に『食べる -
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芥川賞受賞当時バタバタしていて読み忘れたままになっていた作品をやっと読みました。良かった。
「おいしいごはんを食べること」は幸せというものを思い浮かべるときにしばしば欠かせないものとして出てくるでしょうし、食が幸せの一部になっている人も少なくないし、逆に食が欠けていること不足していることには幸せとは逆の何かを連想させるようなところがあると思います。それこそ貧困問題だったり。
一方で現代社会の目まぐるしく、そして楽しみや刺激が無限に存在する生活の中で、「おいしいごはん」への感覚や関心が薄い人というのはたくさんいますよね。実際知り合いでも何人も思い浮かびます。そして社会的には「おいしいごはん」 -
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ネタバレ本のタイトルからは思いもよらない内容でした。
お菓子をぐしゃぐしゃにしているところは読んでいて辛かったです。途中で読むのをやめようかと思いましたが、結末が気になり最後まで読んでしまいました。
「ごはん」というよりも「お仕事」、がメインかな?
どこの職場にも優遇や優先される人はいます。それが「弱い人」だと、周囲の人は不満をどこにぶつけたら良いか分からなくなります。この小説では、意地悪や嫌がらせでしたけど、最終的にどちらが負けるかなんて明らかです。小説に出てくるような「弱い人」が得をする世の中ですから。
しかし、自分がいつ病気になるか、体調不良の日が増えるか分かりませんから、とても長い目で見れば、 -
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長い余韻の中にいる。
社会で「そつなく」暮らせる人への
声なき、叫び。
夫に起きた出来事の描き方が
「病院で薬を飲めば治る」というかたちではない
本質をついた表現だな、と感じた。
個人的な器質の問題じゃない。
ひとの行動が「狂う」とき、
それは本能的な生物としての生命が
この場所で自分をフィットさせるのは無理。
と言っている。
ダムの放流みたく、
目の前の雨の量じゃなくて、
集まってしまった総量。
ささやかだけど致命的な他者の悪意のある言動。
それは、東京だからとか田舎だからとかではなくて
社会生活そのものの大変さ。
どこかで放流しないと川全体が氾濫してしまう。
台風ちゃんの描写は
主