高瀬隼子のレビュー一覧

  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    夫が「お風呂には入らないことにした」と言った。
    妻は、先週、夫が全身ずぶ濡れで帰ってきた日のことを思い出す。会社の後輩が、酔った勢いで水をかけたらしい。

    それ以来、夫は2Lのミネラルウォーターで頭と体を軽く流すだけになった。しかし、それさえもしだいに拒むようになり、最終的には大雨の日に外へ出て、全身で雨を浴びるようになった。
    もちろん、石鹸も使わない。
    お風呂に入らなくなって五ヶ月。夫の体からは、雨では洗い流せない汗と尿と垢が混じったような、形容しがたい悪臭が漂っていた。

    妻は考える。
    狂ってしまった夫を許したい。でも、許せない。
    お風呂に入らないだけで、それは病気と言えるのだろうか?

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    2025年09月09日
  • うるさいこの音の全部

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    面白かった。小説のなかのことが嘘か真実かあり得ないのか有りうるのか考えるときりがない。そのキリのなさにどんどん吸い込まれる感覚

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    2025年01月08日
  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 新しい恋愛

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    切ない恋やどうにもならない恋を経験すると、ひとつひとつの描写に敏感になる、その感覚を見事に呼び起こすような文章でした。短編集なので、さくさくと読み進められました。あと僕、とか私とかではなく客観的な書き方も好みです。


    歳の差婚について、自分の場合、きっと、私に関係のない人たちがそれをするのであれば、当然自分の人生には全くもって関係ないので、どうぞお好きなように、と言える。だけど、自分が長く関係を築いてきた人、好きな人、魅力的に感じている人など、ある意味で性的な魅力を感じる相手であればあるほど、受け入れることは難しいのかもしれないなー、と。
    歳の差について嫌悪感を感じるというより、その人の趣向

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    2025年07月29日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    私小説のように思えてくるけど、だとしたら高瀬さんもそうやって詮索されることにうんざりしているから私小説だと思ってはいけないような気がしてきて、絶妙。
    高瀬さんの実際のサインが楷書ということがアツい。

    "言いかけて止めるためだけに、言いかけたのだと思った"というところ、どうやったらこんな文が思いつくのか、、

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    2024年07月10日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    なんか、なんか、理解したいのに理解できないこと、どうしても世間とか周りとかの''一般常識''からズレてると受け入れ難いこと、最愛の人で大切だからこそ信じて一緒にいたいのに最愛の人で大切だからこそ、それが出来ない。人間の矛盾とか葛藤とかがすごく上手に表現されてるなと思った。悩んで怒って葛藤して、その上で夫と一緒にいることを選んだのは本当に凄いことだと思う。研志さんが川で水浴びをしているところの描写がすごく綺麗で素敵だと思った。私も水が大好きで、もちろん川も大好きだからいいなぁと思った。研志さんの最期が濁されていたけど、死んだって言うよりは川と一体になったっ

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    2025年12月28日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    押尾と芦川、どちらにもやもやするかで意見が分かれそうだ。
    私は芦川にもやもやした。
    非の打ち所がない善意で、文句を言えばこちらが悪者になってしまうが、押し付けられるのが辛い善意というものがある。
    女らしさを嫌な形で具現化したともいえる。
    そのモヤモヤする感じが上手く描かれていると思った。

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    2025年12月27日
  • いい子のあくび

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    「スマホを見ながら歩いている人は存在しないっていうことにした──」
    自分を取り巻くすべて、そして自分自身に辟易していた直子は、ある日、破滅願望とも言える行動に出る──。
    これは、閉塞された社会、抑圧された日常を生きる女性が登場する3つの短編集。
    彼女たちは現代社会を生きるわたし、あるいはあなたなのかもしれない。

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    2025年12月27日
  • GOAT Winter 2026

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    朝の情報番組で紹介されてて早速購入
    GOATにちなんで510円!
    表紙がキラキラしてて、ひとつひとつが読みやすい
    名前は知ってても、初読み作家さんが盛りだくさん
    「父の輪郭」はなるほどです

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    2025年12月24日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ




    『おいしいごはんが食べられますように』


    第一六七回 芥川賞




    はじめまして 高瀬隼子さん♪



    こちらの作品は、タイトルの "ほっこり"感?
    とは全然違うというのは知っていたんです


    読みはじめ…から
    読んでる途中…
    そして読み終わったあと……という具合に
    ひとの嫌な部分が ちょっとずつ見えたり
    「あ〜 あるかもね…」なぁーんて感じたり
    ちょっと考えさせられる作品でした。



    「ちょっと性格悪くね?」と 思ってしまったり
    「そこまで する?」って思ったり…

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    2025年12月23日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    自分はごはんが楽しみ、おいしいごはんが大好き、だけどそうじゃない人もいておかしくないんだな…と思った
    幼稚な感想だけど
    芦川さんはちょっとうらやましい、、イラっとするとこもしないとこもわかる
    押尾さんは嫌だと思ったけど気持ちは分かるし最後の方はすっきりしてた
    二谷さんはめんどくさい…本当に結婚したらどうなるんだろう…?

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    2025年12月22日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    無邪気な善意で周りが一部疲弊しつつも職場の大半の人は「好意を無碍にはできない」と倫理観を守っていて、正しいけどなんか疲れるな…と思った。

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    2025年12月21日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    風呂に入らなくなった夫。
    妻も最初は気にかけて対処しようとしていたが、水が苦手になったのだという意見を次第に尊重するようになっていく。
    そして、社会から逸脱する夫に合わせるように一種の逃避行をする。
    「水たまりで息をする」とは。
    決して綺麗な水ではないがそこで快適に生きられる魚がいるように。
    俗世から外れた2人も水たまりで息をするということなのだろうと解釈した。

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    2025年12月17日
  • 水たまりで息をする

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    ある日夫が風呂に入らなくなった。気になるフレーズと、ラストが気になり一気読みでした。日に日に臭いと汚れが酷くなる夫への妻の向き合い方、声を荒げずに見守る妻の心情に共感しづらかった。どうにもならない相手と対峙する自身への問いが残る気がした。

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    2025年12月17日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    私の職場に芦川さんいるんですよね。
    だからより共感できて面白く読めました。

    そして二谷の食への考え方もわかるところがある。
    食に翻弄されている人への嫌悪感が特にわかる。

    食事を丁寧に大切にすることはどう考えても大切。
    素敵なことで、こだわれることは正しい。
    ただ、それを強要することは違う。
    けど現実社会避けて生きることはできない~

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    2025年12月14日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ


    最初は読後の感想がぼんやりしていたけれど、夫と話すうちに、この本から受けたやるせなさの根源みたいなものが、輪郭を帯びてきた。

    多くの人が、夫を無理やり精神科に連れて行くなり、見切りをつけて別居するなりしたと思う。でも私はしなかった。理解しようと寄り添っているとも言えるし、依存しているようにも思う。

    自分が風呂に入れなくなるのではなくて、夫が入れなくなるという設定がしんどい。夫だから他人とも割り切れない関係なのがもどかしかった。自分が電車とかで周りに臭い人がいたら耐えられないタイプの人間だから、愛する夫がどんどん社会から切り離されて行く描写が特にきつかった。

    東京から出て行く時に、彼女に

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    2025年12月13日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    あいは、美味しいもん目がけて出掛けるし、偏頭痛で仕事休むやつうざいし、仕事できないやつが可愛からって許される世界なんて滅びしまえ!と思う。でも、辞めるからってあんな堂々と本音は言えません。

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    2025年12月12日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    面白かった。ずっとモヤモヤを抱えつつ、それでも面白くてグイグイ読めました。
    「わかるけど分かりたくない」な登場人物たち全員のどこか一部分に、自分にもこういうとこあるわ…って思ってしまうのが嫌なんだろうと思う。
    それをまざまざと見せ付けられるのが…

    (体調悪くて定時で帰るのに、お菓子作る時間はあるのかよ…)
    お菓子作りで職場に貢献してるつもりなのかもしれない、そういうところを見て見ぬふりされてるのにも気付いた上でやってそうなところが……!!という訳で、わたしも芦川さん嫌いです。
    でも、芦川さんが「一番出来ない人」ポジションでいてくれることで救われる気持ちもある。「この人よりマシ」というのは甘美

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    2025年12月09日