高瀬隼子のレビュー一覧

  • 新しい恋愛

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     自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
              ◇
     送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
     今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。

     倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
     店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり

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    2024年12月15日
  • 水たまりで息をする

    QM

    購入済み

    おもしろい

    話題になっていたから気になって手に取ってみた。始まり方といい、途中の描写もすごく引き込まれたけどラストはちょっとよくわからなかった。急に風呂に入らなくなった夫を目の前にして、入ってほしい気持ちと、もうそれでもいいじゃない、と奥さんもどうしたらいいか途方に暮れたに違いない。心の葛藤がよく分かる内容だった。

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    2024年09月16日
  • いい子のあくび

    QM

    購入済み

    おもしろい

    周りに所謂”いい人””物分かりがいい人”って思われてる人の心の底を覗いたようで、共感もしたしここまで言語化されてゾクっともした。外の顔を演じてるのはそうした方がいいと自分で思っているから。でも人間そんな常に優しい気持ちでいられない。ひどいことをしてみたくなったり心無い言葉をかけたくなったり、誰にでもあることだよなぁと。読んで所々清々しいとすら感じてしまった私は性格が悪いのかもしれない。

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    2024年09月15日
  • いい子のあくび

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    おいしいごはん〜、め生える、新しい恋愛に続いて読んだけど、なんというかずっと自分の中で静かに奥で眠っていた感情を引き出され、グワッと抉ってくる作品だった。「いい子のあくび」はもちろんだけど、「末永い幸せ」がこういう事を言葉にしたことも考えたこともなかったんだけど、すごく共感したんですけど。密かに自分の中でそういう気持ちがあったということ?

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    2026年03月16日
  • GOAT Winter 2026

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    新潟国際アニメーション映画祭に行った際に、古町の書店で買った。1ヶ月ほどで読み終えた。良い買い物だったと思う。前号も買おうかな。以下好きだったのメモ。

    小説
    『いつになったら大人になれる?』大前粟生
    『ハッピーエンドの小説』金子玲介
    『家になった男』八木詠美
    『少女は椅子に座っている』遠田潤子

    エッセイ系
    『わたくしは猫です 世界一の』北大路公子
    『待ち焦がれたね、こんなもんだね日記』ゆっきゅん

    対談系
    『生き直すパイプ椅子と人間の生き様』
    『日本社会再定義 排外主義・鬱漫画・AI』平野啓一郎×マライ・メントライン

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    2026年03月15日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    弱い存在でみんなに守られ、休んだ日には手作りのお菓子を持ってきてみんなにチヤホヤされる芦川さん。そんな芦川さんと同じ職場で、仕事に真面目な押尾さんは嫌悪感を抱く。食を食べる行為に不快感のある二谷は芦川さんのお菓子を無理して食べたり、時には捨てる。職場における人間関係を描いた話。
    学校や職場に1人はいる自分は許されないのに何でも許されてしまう存在。
    その人なりの事情や考え、時代的なものがあったとしても、真面目に必死に働き休みづらい側からしたら確かに嫉妬の感情は出てくるし、その嫉妬や嫌悪感が短い物語の中で溢れ出ていた。
    押尾さんと組んで芦川さんに嫌がらせしようとする二谷だけど、芦川さんと付き合って

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    2026年03月09日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    「美味しいご飯がたべられますように」このタイトルでこの本を手に取った。これは常々私が思っていることだ。美味しく食べれる時と美味しく食べれない時の差が激しく、ストレスが多いとひとつも美味しく食べれない。そんな思いが消化できそうで読んだ。
    読むと止まらなかった。どこにでもありそうな日常で。回想も確かに考えることで、事細かに説明してあるけど、感情の微妙な表現もあって、くどくない。
    結末がもう少し欲しい気はした。

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    2026年03月08日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    おいしいご飯を食べようとする話かと読み始めたが主人公はご飯をおいしく食べる気が無かった。

    恋人にマイナス感情を持ちつつかわいいと思うところは理解できた。けど、マイナスが過ぎる。ここまで思っててよく結婚まで意識できるな。

    自分も食事をした時に、関係を深めるため大して美味しくなくても美味しいという言葉を言ってるところがあった。食べ物に真剣に向き合って無かった。他人に気を遣いすぎてた。これからはもっとフランクにごはんを食べようと思う。

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    2026年03月14日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    芦川さんのことが嫌いという感想が多いようですが、ここまで極端じゃなくてもこういう人って結構いるような気がします。私も芦川さんぽくなったことあると思うし。
    それより藤さんの方が気になる。
    職場で部下のペットボトルの飲み物を飲む人いないでしょう。それは絶対アウトでしょう。

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    2026年03月06日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    これはムラで生きる人々の話である。

    『おいしいご飯が食べられますように』は切り取る場所によって、上に乗っかっていたり中に入っている果物が変わるフルーツケーキのようなものだ。読み手によって受け取り方は変わるだろう。しかも、どんな切り方をしてもべとっとしたクリームが”ナッぺ”されている…

    さて僕は同じく芥川賞受賞作の『コンビニ人間』を物差しにしたい。

    あの作品はムラ社会の外に出た人間が描かれていた。

    一方、この作品はムラ社会を描いている。ムラの掟はこれだ。「困った時はお互い様」で、強者は弱者を助けないといけない。弱者は弱者として、強者に愛される努力をすべきだ。かわいくて優しくて明るく、気持

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    2026年03月07日
  • いい子のあくび

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    私も虫の居所が悪いと憎悪に支配されて腹の中で汚い言葉を吐いてこの世のすべてを呪ってやるみたいな気持ちになったりするけれど、もちろんそれを表に出すことはない。すべてを飲み込んでいい子を演じている。

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    2026年03月04日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    編集者さんが自分の親指でもう片方の親指の爪をさすっていた。という文章で終わるのが印象的だった。
    この行為にどんな意味が込められているのか考えたくなって調べてみたら
    1.不安や緊張の暖和
    2.退屈しのぎ
    3.神経質・完璧主義
    4.無意識のリラックス
    この4つの意味合いがでてきた。
    主人公自身はどう捉えたのだろう
    この主人公というより、高瀬さんが書く人物って
    相手の様子を伺いすぎて生きるのがしんどそうだなと感じる人物が多い気がする。
    そして、自分の思考を人に伝える事が苦手で求められた言動を常に意識してしまう人という印象。
    求められた自分でいようとする事で本当の自分ってなんなんだろう。
    自分の本当の

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    2026年03月04日
  • いい子のあくび

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    それを感じている自分に罪悪感を覚えるから、心の表層に出さないようにしている皮肉やら嫌味やら悪意やら。
    それがメインテーマの本ってなかなかなくて、それを赤裸々に語ってくれる主人公の姿を見ていると、自分ここまで嫌なことは思ってないわって少し許された気持ちになる。

    今回の3編のなかで私が1番気に入ったのは、3つ目の「末長い幸せ」。
    友達が結婚して結婚式に呼ばれる話なんだけど、私も、「バージンロード」を歩いて父から夫へ渡される感じとか、ウェディングケーキのファーストバイトとか、人がやってるのを見る分には何も思わないけど、自分がやるとなったら違和感がはっきりとある。
    その違和感で、友人の結婚式を欠席で

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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     「かわいい」や「普通」にいろんな意味を込めすぎて、言語化をサボっているという朝井さんのお話が印象的。
     サボっているという見方もあるし、あえて濁してるという見方もあるんじゃないかなあと。あまりにも明瞭に表現しすぎると、あからさまになってしまうこととかある。

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    一気に読むというよりは、毎日少しずつ。

    気に入った話は、
    ◎わたくしは猫です世界一の 北大路公子
    ◎simeoウイルス 村崎キコ

    紹介と広告で気になった本は、
    ◎海の仙人・雉始雊 絲山秋子
    ◎天橋立物語 3年菊組ロリィタ先生 嶽本野ばら

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    2026年03月03日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    2時間弱で読み終わった。読みやすかった。
    朝井リョウの「何者」とかが好きな人にオススメ。

    物語は、主人公の男性とその会社の同僚の女性の二人の視点で進行していく。一人称ではなく、「二谷」「押尾」と三人称で進行していくので、読者は彼らの人間模様を俯瞰してみれる距離感で要られて良かった。
    興味のある文学部ではなく、将来性のある経済学部を選んだ二谷
    好きな訳ではないけど、ただ何となくチアリーダーを続けていた押尾
    頭痛がするときは仕事を早退して、好きなお菓子作りを極めていく芦川
    物語終盤に、「強い人間と弱い人間が居れば当然弱い人間が勝つ」という表現があったけど、本当に強いのはどちらなのだろうか。
    好き

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    2026年03月02日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ほんわかする内容かと思って手に取ったら、普段ぼんやり頭の中に過ぎる汚い感情とかイライラ感とか言葉にされすぎてて気持ち悪かった(いい意味で)

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    2026年03月02日
  • GOAT Winter 2026

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    ネタバレ

    youtubeで紹介されてて気になってたので初めて文芸誌なるものを買ってみた。
    思った以上にボリュームあってこれで510円!?大丈夫か?と思ってしまった。
    これで好きな作家見つけて長編を読むのが良さそう。
    文芸誌って連載ものがほとんどでいきなり読み始めてもついていけないことが多そうなイメージだったけど、ほぼ全部読み切りで楽しめた。

    読んだ順でメモ。記号の意味は以下の通り。
    ◎=めっちゃよかった
    〇=結構面白かった
    ×=途中で読むのやめた

    ◎永井紗耶子/そとばこまちの夜
    一応近代よりだけど時代小説。横浜にいるジャズシンガーの話。
    木挽町のあだ討ちのイメージがあったからカタカナがたくさん並んで

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    2026年02月28日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    まず「ああ、いるなあ」
    悪い人じゃないのにとても嫌悪感を抱いてしまう人
    きっとみんなにとっては「いい人」で、そんな彼女に嫌悪感を抱く私は「よくない人」なんだろう
    彼女が悲劇のヒロインで、その肩を持たない私は敵
    読み終わった後自分の中にずうんと重く残って晴れない
    でもすごく心地よくて、この感覚を忘れたくなくて、つい読み返してしまう

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    2026年02月23日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    高瀬さんの作品に通底する要素として、登場人物の心情描写の背景が、あまり多く語られない事があると思っている。

    そこに生まれる淡々としたリズムの良さが、私は個人的に好きだ。目の前の人が本当はどんな人間なのか、考える間もなく過ぎ去ってしまう、忙しない日常に近いと感じるから。

    本作でも、押尾がなぜ、他者に頼らず自分一人で生きる強さを望むのか。二谷はなぜ、生命維持ではなく楽しむための食事を嫌悪するのか。そういった生育環境や過去の関係性が描かれる事は少ない。

    ただ淡々と事実ベースで、他者や環境に依って行動選択を行なってきた歴史が描かれる。(引退後にようやく好きではないと気が付いたチア、助けたい訳では

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    2026年02月23日