高瀬隼子のレビュー一覧

  • いい子のあくび

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    本当はそんなこと思っちゃダメなんだろうと、心の奥底にしまってきた感情を表現してくれた。すごく心が楽になった。

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    2025年10月05日
  • うるさいこの音の全部

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    読んでいるうちにこちらもどんどんその思考に飲み込まれていくような、独特の心理描写が心地よかった。やっぱり高瀬隼子の書く人間が好きだと思う。
    この小説は高瀬隼子の自伝なのか、という疑問が自ずと湧いてくるが、だとしたらこの小説の内容は全部それらしく書いた嘘なのだろうし、読者にそう勘ぐらせることを目的に書いた小説であるような気もする。いずれにしろ、高瀬隼子の手のひらの上で転がされてしまったと思った。それが心地よかった。

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    2025年10月04日
  • いい子のあくび

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    いい子のあくびを含む3作が収録されている本作、やっぱり私は高瀬隼子さんの作品が全部好きだろう。

    人の悪意を書くのが本当に上手で、しかもその悪意はとびっきりの悪意ということではなく、本当に嫌な、犯罪者とかの悪意とかではなく、これ私のことって思う人が多数いるような。そして私もその1人である。

    描いてる悪意を、持っている側の苦悩というか、そこまで書いてくれるので、これ私だ。と思った私も救われる。
    次の高瀬隼子さん作品も早く読みたい…
    自分の心を言語化してほしい。

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    2025年10月04日
  • 新しい恋愛

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    恋愛小説として素晴らしいと思います。

    私が思うに一般的に読み物は、しばしば起承転結に進みます。しかし恋愛小説にはその形にハマらないこともあり、この作品もまた、感情移入できる感情の情景や登場人物達の関係性を次第に読み解いていくことを基礎として、先の読めない不安定さと、それとは逆にその不安定さをバランスよく紡がれていく様が読み取れます。そして登場人物達がそれぞれ衝動を駆り立てられる様がこの作品には描かれています。
    もちろん、人それぞれなのでどうしてそんな選択をしてしまったのだろう。と、思わせる登場人物もいますが、それも“恋愛”らしさとして私の中では落とし所についています。

    新しい恋愛。とは、誰

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    2025年09月30日
  • いい子のあくび

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    私は共感の嵐だった。
    普段心の中にどろどろと溜まっていく“言えないこと”を言語化してもらったような気分。
    表題作の彼女は私だ。
    「ぶつかったる」って思うしこっちばかりがいつも避けて「割に合わない」と思う。
    歩きスマホをすれば、前を見てなければ、みんなお前を避けてくれると思うな、甘えんな、期待すんなよって思う。
    来世は絶対高身長で体格のいい強面の男に生まれ変わりたい。
    女ってだけで舐められて、ぶつかられて、舌打ちされて、そんな思いばかり。
    このどうしようもない感情を分かってもらえたような嬉しさと同時に、醜い自分を見せられたような感覚。
    時々、芯の突いた言葉で刺してくる鋭さ。
    彼女は私だ、また読み

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    2025年09月29日
  • 新しい恋愛

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    確かにこれは恋愛小説なんだけど、ときめきに限らないさまざまな感情の機微がたくさん書き記されていて、逆にときめき以外のすべてがここにあるんじゃないかと思った。

    【読んだ目的・理由】高瀬隼子さんの他の作品を読んで好きだったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.5
    【一番好きな表現】それはまばたきから次のまばたきへの間だったり、息の吐き方だったり、吐かれなかった息のことだったり、津野がメニューへ注意を向けている時に注がれる眼差しが、視野の端ぎりぎりで捉えられること、その感覚に日菜子さんが気付いてないわけがないと思うことだったりした。(本文から引用)

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    2025年09月23日
  • うるさいこの音の全部

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    本名「長井朝陽」としてゲームセンターで働きながら、ペンネーム「早見夕日」として小説を書く主人公。文学賞を獲り、職場や地元に兼業作家であることが知れ渡ってしまい、朝陽として勤めていれば職場の人から小説家の顔ばかり注目され、夕日としては取材陣やネットから作家の素顔つまり朝陽のことばかりに注目され、相手の求める解答ばかり話しているうちに段々、現実と小説の境界が曖昧になっていく。

    強烈なタイトルに惹かれて手に取った作品。息苦しくてめんどくさくて、共感のしようがないのになんか共感してしまうような自分の傲慢さに笑ってしまいました。

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    2025年09月21日
  • いい子のあくび

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    ネタバレ

    *公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作*

    とてもとても不思議な読後感。

    「いい子」でいることの必要性や優位性は十分わかっているけど、「いい子」でいることの割に合わなさ、理不尽に摂取され、消費されることに対して疲れ果ててしまう気持ち…わかるなあ。
    我慢の限界と静かな怒りがじわじわと沁みてくる様がリアル過ぎて痛い。

    決してキレイなお話ではないけど、読んで

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    2025年09月18日
  • 犬のかたちをしているもの

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    私の心の中の、
    言語化できない“それ”が
    はっきりと書かれていてぎくっとした。

    女性の中の一つの期限。
    それにとことん向き合う小説。

    しばらく性行為をしていない恋人が他で子供を作ってきた。
    許せるか許せないかを超えて、
    その産まれてくる子をもらうか別れるか。

    そんなことある?って内容。でもあるかも。

    犬のが可愛い。本当にそう思う。
    でも娘が子どもを産めば親が喜ぶかも。

    そんなことで産めない。産み落として幸せな世界になるかなんて責任を取れない。

    葛藤葛藤。
    そんな感じの私の心を代弁してくれるようで
    一気に読んだ。

    答えはでなかったけど、お守りみたいな一冊。
    私、このままでいいって思

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    2025年09月13日
  • 犬のかたちをしているもの

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    犬の話だと思って読み始めた。
    そうしたら、犬はあんまり出てこなくて、あまりにも私の頭の中を言語化したものがそこには書かれていた。

    薫も郁也もミナシロさんも、皆私だと思った。
    子供が欲しくて、でも可哀想だから産もうとは思えなくて、でも女として産んでみたいという願望はある。
    全員が全員を傷つけていて、痛くて、血なまぐさくて、可哀想なお話だと思った。絶対に手元に置いておいて何回も読み返したい本。

    好き嫌いが明確に分かれる本だと思うし、好き嫌い以前にこのお話を「理解できるか、受け入れられるか」というところからかなり分かれそうだなと思った。

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    2025年09月07日
  • 水たまりで息をする

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    あらすじを見てずっと気になっていた本。
    主人公の気持ちはわかるようでわかりたくない…と虚しさを感じて、読後は「うわぁ…なんだこの読み終わった後の感情…むずいぞ…」と呟いてた…笑
    ただ、この手のお話は自分は好きで、話自体はアブノーマルなように感じるけれども、ふとノーマルな人間の理性について述べられる箇所があって、現実とリンクしてハッとする、本作はそういうイメージ。読んでいて苦しいときもあるけど、「それが人間だよね」って楽にさせてくれる時もある。

    夫婦によってそれぞれの愛の形はあるんだろうし、というか愛があると信じながら生きていくんだろうし、本当に人と人が生きるって、第三者も絡んできて、難しいと

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    2025年09月05日
  • 犬のかたちをしているもの

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    学生時代に卵巣の手術を受け、それ以来性交渉に対して消極的になった薫。彼氏の郁也ともプラトニックな関係を保っているのだが……。
    すべてが私の好みでした。私も卵巣の手術を受けたことがあるので、薫には共感します。ミナシロさんのキャラが濃くて良い。

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    2025年08月29日
  • 新しい恋愛

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    恋愛にまつわる短編集。
    各作品に「こういう一文のために小説を読んでるんだ」と思うような文章があった。
    どの話も、ラストがよい。そこにたどり着くまではずっともやもやしたり行ったり来たりしている思考が、最後そうやって締めるのかという感じ。

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    2025年08月23日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    会社という狭いコミュニティで、二人の主人公二谷と押尾さんが、一人の女性芦川さんに翻弄される話。

    タイトルの印象と読後感が全く違います。
    そして、おそらく勤め人はみんな共感する作品かと思います。
    僕はこの作品ものすごく好きでした。
    そして、芦川さんにものすごく嫌悪感を持ちました笑
    こうゆう弱さを盾にする図々しい人っているんだよな。。
    だけどやっぱり一番良くないのは取り巻きの、藤さんと原田さんだよね。藤さんはわかりやすくアウトな人だけど、原田さんのような自分の善意を押し付けてくる人は怖い。自分が正しいと疑わない感じで。

    ストーリー通して面白くて、没入する感覚がありましたが、最後の二谷の気持ちが

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    2025年12月21日
  • 新しい恋愛

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    それが自然の摂理というように、多くの人が誰かとつがいになって生きていくことを選ぶのに
    沢山の人がそれについて言葉を尽くして語ってきただろうに
    それでもなお"正解"が見つからないのが恋愛

    この本の中では、私自身が言葉にできなかったあれこれが腑に落ちるかたちで表現されていて
    私にとっては"正解"に近いものだったかもしれないけど、他の誰かにはまったく理解し得ないものかもしれなくて
    よくもわるくも「あてられた」(毒にあたるような意味で)と思った作品集だった

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    2025年08月03日
  • 新しい恋愛

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    抉らないで。

    日菜子さんはあちこちくたびれていて、それは悪口とかじゃなくて実際にそうで、だって人間の身体は老いていくから。津野の身体も同じように老いていっている。皺とかシミとか目に見えるものだけではなくて、隣の席から漂ってくるにおいも、やっぱり昔とは違う。お気に入りの香水は何年も変わらないけれど、その奥から漂う芯のにおいが、くさいのではなく歳を重ねて深まっている。

    (花束の夜/お返し/新しい恋愛/あしたの待ち合わせ/いくつも数える)

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    2025年07月30日
  • 犬のかたちをしているもの

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    怖かった。高瀬さんの作品に出てくる「図々しいことが受け入れられて当たり前」みたいな顔をした女が本当に怖い。

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    2025年07月29日
  • 犬のかたちをしているもの

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    うわぁっていう生々しい心理描写
    なんとなくモヤモヤ思っていることを全て言語化してくれている
    ミナシロさんみたいな人いるよなあって思うし自分もその要素あるよなあって思う
    このお話の諸悪の根源は愛されたい、愛したいっていう気持ちなんだろうなと思った
    そこまでプラスにもマイナスにも働く愛という感情?物質?って不思議だと思う
    ただそこのあるものに対してそれぞれがどのように反応するか、捉えるか次第ではあると思うけど、、
    それ自体は何も変わらないという。
    なのです捉え方次第で良い方向にすることは可能なんじゃないかなと思う

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    2025年07月25日
  • 新しい恋愛

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    ネタバレ

    色んな恋の形についての短編集。どの話もあまり共感できなかった。

    表題作は、登場人物の1人が実はソシオパスで倫理観がズレており、結末がホラーだった。と、書いていて認識したが、全編で倫理観は欠如してる人物は多いかも。その目線で読めば面白いかな。どちらにせよ共感できないが。

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    2025年07月09日
  • うるさいこの音の全部

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    評価低くて驚き、めちゃくちゃ面白いやろ…
    でも、主人公の属する社会の嫌な感じとか、理解できない登場人物とか、の要素が少なめで高瀬さんらしくない作品かもしれない

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    2025年05月03日