高瀬隼子のレビュー一覧

  • いい子のあくび

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    「おいしいごはんが食べられますように」は読むのが少ししんどかったですが、こちらはもう少し読みやすかったです。
    私はこちらの話の方が好みでした。

    この作者は不平等な世界に対する気持ち(割に合わない)の書き方が凄いなぁと思います。

    私の会社にいつも怒っている人がいますが、気持ちが少し分かりました。
    生きづらいだろうなぁと思います。
    でも、そういう気持ちになるのも分かる。
    分かるけど、どうしようもない。

    読み終わったら不思議と強くなれた気がした。

    あと、歩く時は前を向いてきちんと歩きましょう(笑)

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    2026年09月26日
  • いい子のあくび

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    2026/9/10
    子供の頃からいい子だった主人公の直子。
    人より早く気付いて誰かのフォローもしたし、先生の話はちゃんと顔をあげて聞いていた。
    それなのに。いい子なのに。なぜ理不尽な目にあうのか。
    そんなの割に合わない…!

    すごい作品だった。
    日々感じるちょっとした理不尽さや怒りを、こんなにも掬い上げてくれる作品があったとは…!
    誰もが感じたことのあるモヤモヤが見事に描かれていて、共感しっぱなしで付箋を貼りまくった。

    ここまでいくといい子なんだか悪い子なんだかって感じはするけど、そのモヤモヤわかるよ、って肩を叩いてあげたくなった。

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    2026年09月25日
  • いい子のあくび

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    常にあるふつふつとした自分に嫌悪感を抱いてしまうような怒りと、何も感じてないようにふるまう毎日との相反する感情との隣り合わせで生きてるよなぁと思った。絶妙なセンス。

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    2026年09月24日
  • 新しい恋愛

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    会社員を経験されている高瀬さんの綴るオフィスの様子はいつも生々しいほどにリアルである。この点においては「花束の夜」が絶妙だ。

    ー倉岡さんのほころびなんて可視化しないでいてくれたら、よかったのに。

    表題作「新しい恋愛」も当事者の男女2人のやりとりというよりは、その殆どが主人公と中学生の姪っ子との会話で完結しているところが面白い。 

    ーわたしは言葉が通わない人と暮らすのはさみしい。お互いに通じ合う言葉で、お互いの話がしたかった。


    本書には共感できる言葉たちが随所に散りばめられている。ドラマのように甘ったるくなく、苦すぎない。現代の生きた恋愛小説だ。

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    2026年09月23日
  • 水たまりで息をする

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    読み始めて一気に物語に引き込まれた。人がお風呂に入らなくなると、どうなっていくのかがリアルに描かれていた。そのわりには夫がどうしてこのようになってしまったのかを、深く探ろうとはしない妻がいて、はじめはそれが妻の優しさなのかと思った。けれど、台風ちゃんのエピソードが出てきたあたりから、妻にも何かひっかかる事あるなぁと思った。風呂に入らない夫に対して、イライラするわけでもなく、言葉を選んで会話するあたりはいい夫婦だなと思った。けれど、夫に対して愛があるのか無いのかを、自分でも分からず、愛があると信じたいと思うあたりが人として生々しい部分で、綺麗事では片付けられない部分だなと思った。
    最後夫がどうなったかはわからず終わってしまったけれども、夫が息をするのが楽になったのかなと思ったら少しだけ救われた。

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    2026年09月23日
  • 新しい恋愛

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    大人になるとどうしてこうも恋する気持ちが複雑になっていくんだろう。ただ、好きなだけでは一緒にいられないのはもちろん当たり前で、それ以上に周りの目とか自分の「貴方にはこうしてほしい気持ち」とか、あるいは貴方に向ける感情そのものまで悪意のない人に黒く汚されていってしまう。自分の力だけではそんなのどうしようもないし、それに抗えるだけの好きが減っていく。好きを増やすことに努力がどうして必要なのだろう。

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    2026年09月22日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    終始、息苦しい作品だった。

    夫婦の外側の人間たちの描写に救いがなくてとてもリアルだった。
    普通、では息ができなくなってしまったのに壊れた心と身体のまま仕事をし続けていた夫の気持ちを想像すると辛すぎる。
    正常な判断ができていないのに、頭からミネラルウォーターかけたり雨水で頭洗ったり。目を背けてしまう、、
    そんな時、やっと息ができる場所を見つけることができた。最後の描写も、生死はわからないけれど彼はやっと息ができるようになったんだと思う。そこに辿り着くには死ななければならなかった寂しさ。

    母親からの電話に何度も大丈夫という彼。大丈夫ではない人間に大丈夫と言わせる残酷さと、大丈夫か聞く側の想像力の浅さ。でも親ってそうなんだよなぁ。憎みきれないところがある。

    私は夫側に感情移入してしまったため、妻側の気持ちがなかなか理解しきれないけれどこういう感じ方があるのかと感心した。

    厳しいほどにリアルな小説でした。

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    2026年09月18日
  • 新しい恋愛

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    「おいしいごはんが食べられますように」でも感じた、思わず「うっ」となるような感覚。

    それでも共感できないわけではなくて、普段は隠しているような気持ちが、ふと露わになったような。
    自分でもどこかで感じてたけど、敢えて見ないようにしていたものを、この作品によって可視化されたような感覚になる。
    これも高瀬さんの作風なのかな、、
    他の作品も気になったけど、元気な時じゃなきゃ読めなそう。

    綺麗事だけで終わらないところが好き。

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    2026年09月17日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    ものすごく面白かった。こういう、現実世界に絶妙に空想が混じったシュルレアリスムっぽい雰囲気は、どこまでも空想と解釈が広がるので大好きです。

    「夫が風呂に入らなくなった」という問題は、パートナーが世間的に批判されるような状況になったとき、あなたはどこまでその人を愛せるか?と問うているように感じた。義母から批判され、職場を失い、それでも風呂に入らない(入れない)夫を、あなたは責めるのか、それとも寄り添うのか。

    ところどころ妻の圧倒的な生活に結びついた愛情を感じる言動があり、でも責めたい衝動と葛藤し、この人はほんとうに夫のことを愛しているんだなあと切ない気持ちになった。

    終盤の台風の後のシーンは解釈がむずかしいなあ。夫が出てこないのも不思議だし、魚をまた飼おうとしているのも。捉え方によってはものすごくダークなように解釈できそう。

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    2026年09月15日
  • 新しい恋愛

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    とてもおもしろかった。高瀬さんの小説は普段自分が思ったらだめなんだろうな、言わない方がいいだろうなと心の中でこっそり思ってることを主人公たちも思っていてそこが好き。恋愛は苦手だし恋愛小説も共感できるものではないけど、どこか引いて見ているのが新しい恋愛でこれまで読んできた恋愛小説とはまた別でそれがよかった。表題作の新しい恋愛の主人公のロマンチックが苦手なのもすごく共感したし、オチに驚いた。いくつも数えるもハッとして好きでした。 26/9/12

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    2026年09月12日
  • 犬のかたちをしているもの

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    一気読みした。
    最初は、淡々と短い文章が詩を読んでいるかのように進むけど、内容とのギャップがすごい。

    ここ何年も言語化できなかったことを言語化してもらった感じ。これは私の内面見られてる?って。

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    2026年08月24日
  • 水たまりで息をする

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    次々にページをめくって読んでしまったー
    耐える人と自由な人、偽善者、
    ガチ風呂キャン界隈になる夫が、自然界隈になるところ、とても丁寧にこんな話があるんじゃ無いかと、思ってしまうようなファンタジーが現実味を帯びてくるところにすごく興奮した。

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    2026年08月24日
  • 犬のかたちをしているもの

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    「子ども≠愛の形」ということが言語化された作品です

    30代の女性が独身のまま過ごすか、それとも結婚して家庭を持って過ごすかについて、外野の立場では個人の自由だ、全くもって強制される理由はないと主張するだろうが、当事者となってはどうだろうか?
    親は独身の私をどう思っているだろうか、結婚して育児をしている同級生、同僚をはじめとする職場の雰囲気を無意識に感じ取り、同調圧力とは違うが、不思議と独身でいることへの劣等感に苛まれはしないだろうか?

    本作は人の嫌な内面をポツポツ、ツンツン、チクチク…いやいや縁を囲い込むようにグサグサと刺してきます、同時に読後は深い余韻に包まれて、膿を摘出したようなストンと落ちる感覚を得たことは確かです。

    最後に表紙にも注目しちゃいました
    白と黒基調がいいですね!
    ぱっと見、犬のかたちをしたふわふわの毛か綿のようなまとまりしか見えないですよね。ちょうど折り返してある部分にうまく隠れるようにそれが描かれており、細かい工夫が施されておりますよ

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    2026年08月23日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    妹から誕生日プレゼントで貰った1冊✩.*˚
    「自分の夫だと思って読んで」と言われたので、旦那に置き換えながら読んでみました。
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    ある日突然お風呂に入らなくなった夫。
    はじめは、会社で嫌な処遇を受けていて、後輩にかけられた水がトドメになったのかな?読み進めてくと語られるのかな?って思ってたけど、最後まで特には触れず。
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    本人は、自分自身が不潔なことに気がついてはいるが、それでも入れない。
    自分の夫がもし、そうなったら私はすぐに精神科に受診させるだろう。
    主人公の何もしていない感じが私には理解できなくてイラッとしてしまった。
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    最後は、え!?夫どうなった!?とすごく気になり余韻がすごい。

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    2026年08月09日
  • GOAT Winter 2026

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    このお値段にこのクオリティ。
    た、たまんねー!!!!
    出版社さん、ありがとう。
    中でもルリいろのハねがあまりにも良すぎて、何度も何度も読み返してしまった。
    1番大好きな話。
    短編でここまで心揺さぶられたのも初めてである。

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    2026年08月06日
  • GOAT Winter 2026

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    ✎︎____________

    この世界には目に見える美もあれば、見えない美もある。
    誰かにとっての美が、誰かにとっての醜であることもある。
    最近あなたの心を震わせた美は何ですか?
    ✎︎____________

    GOAT第三弾!!
    今回は"美"をテーマにした特集。
    表紙がキラキラでめっちゃ綺麗〜♪
    もちろん中味も色合いや紙質なんかにもこだわられてて素敵だった

    短編小説、エッセイ、対談などなど 今回もめちゃくちゃ盛りだくさんな内容で、しかも豪華ラインナップ!
    これで510円だなんて、ほんと いいんですか?って感じ。

    時間はかかったけど、とても楽しめた〜!
    小説で特に好きだったのは、間宮改衣さんの「ルリ色のハね」、大前粟生さんの「いつになったら大人になれる?」、蝉谷めぐみさんの「蜻蛉の衣」、佐原ひかりさんの「魔法の咲く丘」あたり。
    あと対談もどれも面白かった◎
    大満足♡


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    2026年07月21日
  • うるさいこの音の全部

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    好きな作風。社会が押し付けてきた価値観に対する憤りや諦めが作品に現れているように感じた。

    人は誰しもがペルソナを使い分けて生きていると考えるのだが、発言したことに一貫性を求める風潮がある。その場その場で求められそうな発言をしていると、いつの間にか過去と現在の発言内容に乖離が生じてしまい、その点を人々は糾弾する。けれど、空気を読まずに言葉を発すると無愛想な人間だと烙印を押されたり、空気を読めずに発言する頭の良くない人間であると思われてしまう。そういったことがあるから、人とのコミュニケーションに疲れてしまうのかもしれない。そういったことが頭に思い浮かぶ作品だった。

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    2026年07月06日
  • GOAT Winter 2026

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    とになく綺麗な雑誌!装丁が美しい!
    紙にもこだわっているから、ページをめくる楽しさを指でも感じられて、なんとも味わい深い最高の読書体験を得られる!
    そして中身は、多様な作家さんたちの美を見られるお話たちがたくさん、たくさん。
    GOAT、510円で得られる幸せな時間の中で1番といっても過言じゃぁないッ!

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    2026年06月18日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    読み終わったあと、すごく苦味がした。
    最後の解説まで面白くて、こんなにもご飯が美味しく想像できない表現が本当にすごい。
    普段甘いものは、好きなのに、気持ち悪い感覚で、甘いものが苦手な人たちはこのように感じているのかなと読みながら思った。

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    2026年10月28日
  • め生える

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    ネタバレ

    こんなユーモラスなテーマでこんなに人間の感情をシリアスかつリアルに描けるんだと思った。でも、ユーモラスとか言ってるのもまだ禿げていなくて、当事者意識がないからなのかも。もし、自分が薄くなるとかではなく、一般的な「ハゲ」の状態になったら果たしてどうなるか。ユーモラスと言えるのだろうか。「倫理観」でいろいろな言論統制がされてきているこの時代、禿げいじりだけがそのタブーから取り残されている。いっそ、この作品の世界みたいにみんなで禿げてみる?でも、そうなった世界でもまだ分かり合えず、歪み合い、新たなコンプレックスがすれ違う。そんな人間のリアルが描かれている。凄い好きです。

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    2026年05月31日