高瀬隼子のレビュー一覧

  • 水たまりで息をする

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    ”普通”に生きる事の圧力に耐えながら生きる事の難しさ、現代社会では誰しもがその圧力の中に生きていて、何かをきっかけに人は簡単に狂ってしまう、そういった怖さを感じる小説だった。

    東京に住むどこにでもいそうな中年の夫婦の夫がある日職場での些細な出来事をきっかけに風呂へ入らなくなる。
    次第に体臭も尋常ではないほどのものとなり、仕事を辞めざるを得なくなり、地方へ移住することとなるが・・・という話。

    社会では"普通"に生きる事を求められる。
    例えば、ある程度の年齢になったら結婚をして、結婚をしたら子供を持つもの、それが当然だと言うように。

    そこからずれてしまうと異端扱いで生き辛

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    2026年06月03日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトルからは食を絡めたハートフルな物語を想像しましたが、その真逆でした。
    会社内というコミュニティの中で生じる人間関係の湿っぽさが丁寧に描かれていて、自分自身が関わったことはないけれど「こういう人いそうだな」と妙に納得しながら読み進めました。
    なかでも、主要な人物でありながら視点描写がなかった芦川さんが印象的でした。ある意味で強くて、社会を生き抜くための確固たる術を持っているなと感じます。それが無意識のものなのか、芦川さんの目論見通りなのかは分からないけれど。

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    2026年06月01日
  • いい子のあくび

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    わかる。不公平な世の中、正しく、真面目に生きてきたのに損ばかりする。ルールを守っているのに尊重されないことなんて山ほどある。ルールを無視して自分だけの利益を得ていく人たちのことを、心の中で、心の底から、口汚く罵っている。時折批判するような視線を向けたりしながら。でも、目が合った時に逸らさずにいられるほどの覚悟は持っていない。

    さすがに私は痛いのは嫌なので、歩きスマホをしている人への断罪として「避けない」という選択肢は取らないけど、でもやっぱり、わかる。そっちが悪いじゃん。痛い目見なきゃわからないでしょう?と、思ってしまう。
    だからこそ、主人公に対して嫌な気持ちを抱けない。歪で、孤独な考え方か

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    2026年05月31日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    私は食事と健康に関連した仕事をしていますが、それでも自分のためだけに人参をみじん切りしている時に、「時間をかけて調理しても食事なんて数分で終わるのに何やっているんだろう」と思うことがありました。しかし、食事に手をかけていた方が心や身体が調子が良いのも事実としてある気がします。
    芦川さんのように仕事ができず芦川さんのような可愛げを持ちあわせない私は、芦川さんを許すことができず職場てイライラを溜め込むだろうな。

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    2026年05月31日
  • いい子のあくび

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    周りと同じ感想を持てない、なんかズレてるという感覚はあるけど、それを周りに気付かれないよううまく合わせて立ち回る感じ。隠しておきたい自分をこれでもかと引きずり出される居心地の悪さと、同時に、そういう感覚あるよねと共感してしまう側面と、複雑な感想を持った。

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    2026年05月31日
  • いい子のあくび

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    ネタバレ

    いい子のあくび
    あー、これは共感できたら意地悪な人だなって思ってしまうような場面で、共感ができてしまった(電車の場面など)人間の心に裏も表もないという言葉にも強く共感しました。とても面白かったです。

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    2026年05月30日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    思ってたのと違くて良かったんだ、と人に言われて貸してもらった本

    なるほどねぇ
    いい温度感といいグロさだね
    自分は所謂会社に勤めたことはない人間なので完全に理解したわけではないかもしれないけど、それでもびしびし来るくらいリアル。
    いるんだよなあそういうやつ。
    いるんだよなあそういう歪な自分。

    自分の実生活とはかなり別次元の話なので、ぐろいなぁ、くらいで読み進めてしまったけれど、日常的に身に覚えのある人からしたらかなり抉られそう。

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    2026年05月30日
  • いい子のあくび

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    これ、私のこと???っていう部分がたくさんあって大共感でした。
    他の2話も面白かったです。高瀬さんの作品は初めてだったので他も読んでみたくなりました◎

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    2026年05月29日
  • いい子のあくび

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    冒頭から終始不穏なムードが続く、高瀬さんの作品がどうも癖になってしまう。
    割に合わないと感じる日常で、心の中で思っているけどとてもじゃないけど口にはできない、と掻き消した感情をストレートに言葉で表してくれる。高瀬さんの次回作品も楽しみ。

    「自分の中には心が本当に二つあるのだと思う。裏と表、という単純なものではなくて。悪く言う方が裏で、裏が本当というのは違うだろう、という確信。」(P.66)

    『お供え』のわたしと後輩Aとの関係性も面白く、願わくば長篇で読みたかった。

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    2026年06月01日
  • いい子のあくび

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    表現の仕方は違うけれども、自分の日記??
    って思うような、自分の汚いみたくない
    感じたくもない、でも、それも自分
    みたいなのが、露わになりすぎて
    苦しかった、、、

    満員電車で人通りが多いところで勤務を
    しているけど、男の人は
    私が避けるだろうと基本は突き進んでくるし
    何度もぶつかったろか?って
    思ったことがある。

    他の2作品もとても良かった、、

    おいしいごはんが食べられますように、
    と同じ作者さんって知って
    めっちゃ納得した。
    だいすきだ!!!

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    2026年05月28日
  • GOAT Winter 2026

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    私は紙の本も電子書籍も読む。
    媒体にあんまりこだわりはない。
    でもこの文芸誌を作る過程の様子をYouTubeで見て、いまだに紙の本好きが一定数いる理由がわかった。
    私にとって読書は文字を情報として捉えるだけだった。でも本当に本が好きな人は、ページをめくるという行為そのものも読書体験の中に含んでいる。
    作り手はそこをいちばんわかっていて、こだわり抜いてできたのがこの文芸誌。
    本屋で見つけて手に取ったらすぐに理解できた。

    内容も、普段本をあまり読まない層にも届かせようと完結型の短編にしている。
    派手な展開はなくとも日常の中でじわじわ人の心理に訴えかける話が多くて楽しめた。
    ミステリー好きとしては

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    2026年05月28日
  • 新しい恋愛

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    どの作品も愛の形は違うけどどこかプラトニックさを感じた。
    高瀬さんは「おいしいごはんが食べられますように」で初めて読んだが、淡々と物語が進んでいく作風が個人的にとても好きで面白い。
    村田沙耶香さんが好きな人は高瀬さんも好きになると思う。
    一番好きな話は新しい恋愛で、いつかこの物語も手かがれているような恋愛をしている未来が来そうだと読んでいて感じた。

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    2026年05月28日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトル・表紙と内容のギャップがすごい、とのことで気になり読んでみた。
    なるほど、おいしいごはんにまつわるほんわか物語かと思いきや、職場内における人間関係のリアルを抉り出した、心がざわつく本だった。

    学校や職場で必ずいるような、「"普通"レベルが難しい人」、「みんなと同じようにできない人」、「なんかいつもズレてる人」。そんな人たちほど気遣われて、配慮されて、優遇されて、"普通"にやっているこっちが損をしている気分になる。

    【正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、強いか弱いかを比べる戦いだった。当然、弱い方が勝った。そんなのは当たり前だった。】

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    2026年05月25日
  • いい子のあくび

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    皆、猫(着ぐるみ)を被って生きている。着ぐるみの中で毒を吐きながら。我慢して飲み込んだあくびのように押し殺す感情と噛み殺す言葉の数々。私は昔から「いい子」で、善意を搾取され、割に合わないことを受け入れ続けている。と考えている自分に対してまた別の感情を抱くが、それをまた着ぐるみが覆い隠す。あー、しんどい。めんどくさい。生きていくしかない。  

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    2026年05月25日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    読みやすい厚さの本でかわいらしいタイトルでてにとったけど、内容はまるで違った。

    よくある会社のよくある人間関係、の中の繊細な感情描写。
    人間の心理ってここまで見事に描けるんだって思わされた。
    100%善みたいな人間のしんどさを個人的には日々痛感しているので、押尾さんに共感しつつ二谷には共感できなかった。
    読んでスッキリしたり心が暖かくなるものではないけど、面白かった。

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    2026年05月24日
  • いい子のあくび

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    普段考えないようにしている自分の汚い部分を、まるまるさらけ出されたような気分。
    図星を突かれたような気まずさを感じつつ、共感できる部分があるからこそノンストップで読み進めました。
    高瀬さんの作品は初めて読みましたが、きっと他作品も自分にしっくりくるんだろうなと思います。

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    2026年05月24日
  • いい子のあくび

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    自分が何を考えているか
    それは自分にしかわからない。
    もしかしたら自分ですらわかっていない事も
    あるかもしれない。

    相手に合わせて色々な自分が存在するけれど
    それは全て生きていく上で育った
    たくさんの本当の自分なんだと思う。

    この本を読んで、相手は自分が思っている以上に
    色々な事を考えている事があるのだと
    改めて考えさせられました。





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    2026年05月23日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    年々積み重なっていく、うっすら抱いている違和感や不快感を全部言い表してくれていて驚いた。
    色んな方の感想を見ていると、共感の程度はあれど、これもしかすると同世代のそこそこ多くの女性が感じていることなのかなと思う。
    それにしても私は、そんなやつさっさと別れてその人たちと関わるのやめたほうがいいよ…と思ってしまう。

    きっと女性の読者が多そうだけど、男性が読んだら何を感じるのかなと気になった。
    女性が選択を迫られるたくさんのこと、身体にかかる負担のこと、それによって諦めたり、諦めることで他人と比べてしまうこと、それらについて少しでも考えを深めてもらえたらと思った。

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    2026年05月22日
  • 新しい恋愛

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    多分、お初作家。
    分かるような分からないような恋愛観。
    何故、分かるような分からないようなのかが分からないのをそのままにしておきたくなるのが恋愛なのかもしれない。

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    2026年05月20日
  • 水たまりで息をする

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    高瀬さんの文章は本当に人間を捉える力がすさまじいなと思う。
    世の中のいろいろな小説を読んでいると、登場人物は大抵、悪人以外はまともな人間に描かれることが多く、私はたまにうっすら白けてしまうことがあるのだが、高瀬さんの作品の登場人物は誰もがみんなまともではなく、でも人間ってみんなそれぞれどっか変なんだよなと思わされる。
    高瀬さんの紡ぐ文章がどこまでも冷静でシビアなところが好きだ。

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    2026年05月17日