高瀬隼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫化したタイミングで、ナツイチで話題になっていた作品。
中々に、グサッとくるシーンやセリフが多かった!
ストーリー設定は至ってシンプル。
「夫が突然風呂に入らなくなった」
水道水がカルキ臭く感じてもう無理とのこと。
体を洗うのに使うのが、ミネラルウォーター→雨→川と、次第にエスカレートしていきます。
「夫の体からすえたにおいがしていて、服にいくら消臭スプレーや香りの強い柔軟剤を使っても、もう隠し切れなかった。」
→始めのうちはスルーできていたレベルのにおいも、水で少し流すだけではどんどん誤魔化しの効かないレベルになっていく。
大好きな人がとんでもない異臭を放つ存在となる。
この絶望は凄いのだ -
Posted by ブクログ
恋愛のキラキラとした部分って本当に一部なのに、エンタメ作品ではそこが切り取られることが多い中で、この作品はその上澄みを取り除いた「本質的な部分」を描く短編が収められている。
夏の夜の空気感が伝わってくるような「花束の夜」も良かったし、自分のことを好いてくれるひと(むしろストーカーでは?)の存在によって肯定される自己を描いた「あしたの待ち合わせ」もリアルだった。それまで素敵だと言われていた50代の上司が若い女性と結婚したことで生まれる嫌悪感を描いた「いくつも数える」も何層にも折り畳まれた話の構成が良かった。
どれもよくある恋愛小説ではなくて、もっと「人間同士の心のすれ違い」みたいな部分にフォ -
Posted by ブクログ
高瀬隼子さんの本を読むのは2冊目。こちらがデビュー作ということだけど、デビュー当時から独特の小説全体に漂うモヤモヤとした雰囲気は健在だったのですね。
すっきりとした文章の行間に彼女の持ち味でもある「行き場のないフラストレーション」や「常識から逸脱した考えを持つ難しさ」みたいなものが染み出してきて、読み手を得体の知れない不安感で包む。
夫の浮気相手に「子供もらってください」と言われた主人公の薫が、そんな突飛な願い(そして浮気した夫)にどう向き合うか、というお話。子どもを特別欲しいと思わないという自分の気持ちと、そんなこと言わなかったのに密かに欲しいと思っていた夫の願いを尊重したいという気持ち -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまで普通に働いていた夫が、突然お風呂に入らなくなる話。
高瀬隼子さんは、不快感を描くのが抜群に上手い。夫の汚れていく過程がリアルで、嗅覚が過敏なわたしは文字を読むだけでもちょっと気分が悪くなるほど。
そんな夫を否定せず、寄り添う⾐津実は気長というか、こういう愛情もあるな‥と読み進めていくと、だんだんとそんなきれいでシンプルなものじゃないと気付かされる。
幼い頃に雨上がりの川で拾った魚「台風ちゃん」と彼女の関わり方から見えてくる、彼女の本質が怖い。そしてそれを踏まえた上でラストを読むと、本当に狂っているのはもしかして⾐津実なんじゃないかとすら思ってしまう。
ここからネタバレを含むけれ -
Posted by ブクログ
職場での不調和を、3人の主要人物を軸に描いていく。
弱さを利用して上手く世渡りをする芦川さん、彼女を疎ましく思う押尾さん、周囲に合わせながらも心の中で距離を取る二谷。
彼らの行動には共感できないけど、感情は誰一人間違っていないと思う。無理をせず自分のペースで働く芦川さんも、お詫びにお菓子を手作りしてくる芦川さんにイライラする押尾さんも、押尾さんも間違ってないけど芦川さんの弱さも可愛いよなーと思う二谷も。でもこの人たちが集まると、なんていう地獄が生まれるんだ。
食を嫌悪する二谷を通すと、食べるという行為がこんなにも不気味に思える不思議。タイトルに反しておいしそうなご飯は出てこない。食を「生 -
Posted by ブクログ
ネタバレ絶妙なムカつく感じが面白かったなあ。
私もごはんを食べなきゃいけないのが苦手なタイプだから、二谷に共感できる部分がすごく多かったし、私が日頃から抱いている“ごはん”に対する周囲との違和感をうまく言語化してもらえたみたいで良かった。
みんなが美味しいって言うものも、義務感で食べていたりする。押尾さんが“二谷さんは美味しいとか言わないから一緒に食べると楽しい”的な話をしていて、ああ感想を口に出さなければ、もっとごはんが楽しくなったりするのかな?と思った。
芦川さんは嫌いです。最後、二谷ってこれでも芦川さんがそんなにかわいいんだ?てのが納得いかなくて、ええっ???って声出た笑