高瀬隼子のレビュー一覧
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花束の夜の、「ミスで納品が遅れた取引先の中学校に対してよりも、目の前でビールを飲む倉岡にかけた迷惑の方が水本の心には重たかった」というところに共感した。自分も目の前の人の顔色を必要以上に伺うところがある。自分の心を素直に整理できるきっかけになった言葉。
あと、蛙化現象って言い換えると、41ページの「自分が好きだと思った人の仕事上の他者評価を耳にして、それは自分が直接感じていることではないのにそう思っている他者がいる事実だけでほんのり好きが削られていく。」という表現になるのか。表現が素敵。
あしたの待ち合わせの、「これは不安になるところだ、これは怖いと思うところだ、筋が通らないと外部に設定され -
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ネタバレ主人公の直子は結局、いい子なのかもしれない。
というか、いい世の中になることを、実は1番諦めていない人なのかもしれない。
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ここからは本文の解釈を。
今の世の中は気がつく人が損をする。搾取される。心の綺麗な大地でさえ、浮気しているのだ。じゃあ、「いい子」ってなんだろう?と考えさせられる。
「いい子は搾取される」という事実が悔しくて、でもそれを公言するほどの強さもなくて。だから、直子は小さく復讐している。
直子だって人は汚い、世の中は悪いと思いたくはないんだと思う。でも目につくのは悪いことばかり。
そんな世の中での処世術は「いい子」でいることだったんだろう。そりゃ -
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ネタバレこのほっこりするタイトルとゆるい装丁のイラストから誰がこんなストーリーを想像するだろうか。
それくらい裏切られた作品だった。
整えられたキッチンで作ったおいしいご飯を大切な人と囲む時間がメインに描かれたごはんもの小説だと思いページを進めていくと、そんな描写はどこにもない。
ギスギスしたオフィスでのやりとり、「生きるための義務」のような形で食事を摂る男の人、彼の食生活を想って手作りを届ける彼女。
なんだかざらざらした空気を感じずにはいられない。
いろんなごはんが出てくる食べ物系小説はいつも読みながらお腹が空くがこの小説は逆だ。
食べ物の描写はたくさん出てくるのになぜか食欲が削がれるので要注意 -
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ネタバレこの毒々しさと真実が語られてる感じ好き、
私は正面からぶつかってく押尾さん推し!
そして二谷のような卑怯な人間が大嫌い(笑)
“正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、
強いか弱いかを比べる戦いだった。
当然、弱い方が勝った。
そんなのは当たり前だった。”
の文章に詰まってる理不尽と
人生かけて戦ってるけど
たしかに弱い方が勝つ確率は圧倒的に高い。
けど時として【正しいか正しくないか】の戦いに
引き戻してくれる外的力が加わることもあって
そうすると必ず勝てる。正義は勝つ!!!
これだから人生って楽しいよね、と私は捉えてる。
“正しさ”が全てではないと去年学んだけれど
少なくとも私は正しい -
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仕事があまりできなくて、体力もないので休みがちな芦川さんに対して、何でこっちがそのカバーしないといけないんだ。と、負の感情を抱く気持ち、わかってしまうなあ、、、そんな自分が嫌だなあと思った。
押尾さん、二谷さんは、仕事もできるし、体力もあるから、どこでもやっていけるだろう。実際、押尾さんは、職場に居づらくなり,転職をし、二谷さんは異動した。
芦川さんのような弱い人間は、見下されていても、周りに気を使われながら、そこにしがみつくしかないのだろう。。
押尾さんと二谷さんがいなくなった後、手作りケーキを捨ててていたもう1人のウンザリしていた人がどうなるのか,気になった。 -
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夫婦関係における妻から夫への距離の取り方とか、妻と義母との関係とか、壊れていく人に対する向き合い方とか、逸脱に対する社会の不寛容性とか、様々なテーマが内包された作品だと思うけど、自分はそのあたりの難しいところからはいったん離れて、「夫が風呂に入っていない。」というパワーワードで始まる、「臭い」という多くの人が生理的に嫌悪感を抱く要素に対して、周囲の人々が苦悩する様子がシンプルに面白かった。
全体的に何ともいえない息苦しさを感じるのだけど、それがあのラストシーンで一気に解放されるのだとしたら、実はこれ結構怖い小説だったんじゃないかという気がしている。 -
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痛いほど私に刺さった。
私は押尾みたいな人間なので、芦川に悪いことが起きて、押尾が評価されて欲しいと思った。
現実的には起きないし、本の中でも弱い方が勝った。
社会って図々しく、面の皮の厚いやつが得するんだよな。
勝つって何に?って感じ。
人によって幸せの形は違うのはわかるけど。
逆に芦川さんの方が自分を主張するのだから、強いだろって思う。
そして二谷に関しては主語が大きくて申し訳ないけど、本当に男ってやつは、って思った。
それでも芦川さんと結婚が選択肢に入るんだって、ふてぶてしいって思っても、弱弱しい女〜って感じが良いんだ。
可愛いは正義なんだ。
男性読書はどんな気持ちで二谷を見てるんだろ -
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☆4.5!
二谷は狂ってる、押尾は性格が悪い、芦川さんは苦手だけどどこにでもいそうなタイプ。
押尾の性格の悪さが1番納得いくけど、やりすぎだよねぇ。言ってること、言いたいことはよくわかるから共感できるのは押尾かな。(だからといってやって良いことと悪いことはあるよ)
芦川さんのことは「嫌い」と言ってはいけない。あくまで「苦手」じゃないと、自分が悪者になる感じ。
きっと芦川さんは周りからそう思われてることをわかってる。自分のポジションを確立するのがとてもうまいタイプ。だからこそ、意地悪されてもそれを公に嫌がったり騒いだりはしない。周りに自分のことをよく思っていない人がいることを、誰よりもわかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ胸糞悪かった
この本を読んで誰にムカつくかでその人の人となりがわかるなと思った
ちなみに私は、押尾全肯定派、芦川死ぬほどムカつく派、二谷サイコパスすぎて怖い派
押尾芦川については、読者が女性であった場合、女性であることで損をしてきた場面が多かった人、特をしてきた場面が多かった人で感じ方が異なるんじゃないかと思った
愛され専業主婦的なブログをしてる人が芦川全擁護で押尾全批判だったのがリアルだった
二谷サイコパスすぎて怖い派については、もう本当に怖かった
好きなタイプの女性に苛ついてるのに、そういうタイプの女性にしか欲情しないって怖すぎるなと思うなどしました
なん -
Posted by ブクログ
ネタバレ「おいしいご飯が食べられますように」「いい子のあくび」の作家さんの小説で他に何かないかなぁと思ってこれを読むことにしました。タイトルだけで印象に残ります。2話の短編が入った短編集なのですが、2話目は1話目の続きのような感じで実質1話のみの長編小説でした。
・うるさいこの音の全部
自分は、朝陽がゲームセンターの従業員のアルバイトをしながら小説家デビューする話が面白かったです。
・明日、ここは静か
1話目の続きで、小説家デビューした朝陽が芥川賞を取る話でした。
印象に残っているシーンがあります。朝陽が友達の帆奈美と会う所があるのですが、そのなかで帆奈美が「推し」の気持ちが分からないっ