高瀬隼子のレビュー一覧
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”普通”に生きる事の圧力に耐えながら生きる事の難しさ、現代社会では誰しもがその圧力の中に生きていて、何かをきっかけに人は簡単に狂ってしまう、そういった怖さを感じる小説だった。
東京に住むどこにでもいそうな中年の夫婦の夫がある日職場での些細な出来事をきっかけに風呂へ入らなくなる。
次第に体臭も尋常ではないほどのものとなり、仕事を辞めざるを得なくなり、地方へ移住することとなるが・・・という話。
社会では"普通"に生きる事を求められる。
例えば、ある程度の年齢になったら結婚をして、結婚をしたら子供を持つもの、それが当然だと言うように。
そこからずれてしまうと異端扱いで生き辛 -
Posted by ブクログ
わかる。不公平な世の中、正しく、真面目に生きてきたのに損ばかりする。ルールを守っているのに尊重されないことなんて山ほどある。ルールを無視して自分だけの利益を得ていく人たちのことを、心の中で、心の底から、口汚く罵っている。時折批判するような視線を向けたりしながら。でも、目が合った時に逸らさずにいられるほどの覚悟は持っていない。
さすがに私は痛いのは嫌なので、歩きスマホをしている人への断罪として「避けない」という選択肢は取らないけど、でもやっぱり、わかる。そっちが悪いじゃん。痛い目見なきゃわからないでしょう?と、思ってしまう。
だからこそ、主人公に対して嫌な気持ちを抱けない。歪で、孤独な考え方か -
Posted by ブクログ
私は紙の本も電子書籍も読む。
媒体にあんまりこだわりはない。
でもこの文芸誌を作る過程の様子をYouTubeで見て、いまだに紙の本好きが一定数いる理由がわかった。
私にとって読書は文字を情報として捉えるだけだった。でも本当に本が好きな人は、ページをめくるという行為そのものも読書体験の中に含んでいる。
作り手はそこをいちばんわかっていて、こだわり抜いてできたのがこの文芸誌。
本屋で見つけて手に取ったらすぐに理解できた。
内容も、普段本をあまり読まない層にも届かせようと完結型の短編にしている。
派手な展開はなくとも日常の中でじわじわ人の心理に訴えかける話が多くて楽しめた。
ミステリー好きとしては -
Posted by ブクログ
タイトル・表紙と内容のギャップがすごい、とのことで気になり読んでみた。
なるほど、おいしいごはんにまつわるほんわか物語かと思いきや、職場内における人間関係のリアルを抉り出した、心がざわつく本だった。
学校や職場で必ずいるような、「"普通"レベルが難しい人」、「みんなと同じようにできない人」、「なんかいつもズレてる人」。そんな人たちほど気遣われて、配慮されて、優遇されて、"普通"にやっているこっちが損をしている気分になる。
【正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、強いか弱いかを比べる戦いだった。当然、弱い方が勝った。そんなのは当たり前だった。】
配 -
Posted by ブクログ
ネタバレ年々積み重なっていく、うっすら抱いている違和感や不快感を全部言い表してくれていて驚いた。
色んな方の感想を見ていると、共感の程度はあれど、これもしかすると同世代のそこそこ多くの女性が感じていることなのかなと思う。
それにしても私は、そんなやつさっさと別れてその人たちと関わるのやめたほうがいいよ…と思ってしまう。
きっと女性の読者が多そうだけど、男性が読んだら何を感じるのかなと気になった。
女性が選択を迫られるたくさんのこと、身体にかかる負担のこと、それによって諦めたり、諦めることで他人と比べてしまうこと、それらについて少しでも考えを深めてもらえたらと思った。