高瀬隼子のレビュー一覧
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ネタバレどこにでもある会社の、どこにでもある人間関係。
最初は押尾さんが悪いのだと思っていたけど、読み進めていくうちに、芦川さんのような女性を思わずにはいられなかった。
どんなコミュニティにも、周囲から守られ、甘やかされる人がいる。そして、その人のために、周りの人が仕事や負担を引き受け、後始末をすることになる。
誰か一人が明確に悪いというわけではない。それでも、そこには確かに不公平さや、言葉にしにくい不満が存在している。
読後感は最悪。決してハッピーエンドではないし、すっきりする結末でもない。
モヤモヤした感情を抱えたまま、いがみ合い、何も解決しないまま終わる。それがこの物語にとって1番いい終わりだと思いました。 -
Posted by ブクログ
どこにでもあるような会社の一部署の人間関係を食を介して描いていて、面白く読んだのだが、気になったのは「わたし」という人称である。
押尾さん、芦川さん、二谷さんが主な語り手として出てきて、押尾さんだけが地の文で「わたし」になる箇所がある。
あまりにも気になるのでkindoleで検索すると地の文に118箇所「わたし」が出てくる。他の人も当然会話の中で「わたし」を用いるが、地の文に出てくるのはすべてが押尾さんなのだ。
もちろん作者は自覚的にそうしているはずだが、なぜか読み手である「私」は、いつ三人称になった押尾さんが「わたし」に戻るのか、最後まで気になってしかたがなかった。 -
Posted by ブクログ
帯に「忙しすぎるあなたに読んでほしい」と書いてあって、タイトルが「おいしいごはんが食べられますように」。
そこから得られる読後感を勝手に想像していた。
実際には、真逆の読後感だった。
かなりくらった。
1人では抱えられなかった。
誰かに話して安心したくなる。
解説の一穂ミチさん、ありがとうございました。
タイトルからは想像できない物語だったけど、言われてみれば納得もする。
雨の日の読書にちょうどいい気がする。
ただ気分が落ちてる時にはおすすめしないかも。
人間は話しながらいろんなことを考えているものだと思うけど、押尾さんや二谷さんのように、相手の思考の裏や気持ちをこんなに疑ったり、嘘を伝えたりするものなんだろうか。
仕事以外では、できるだけ会いたい人としか会わない環境を作るようにしているから、ご飯を食べながらこんな会話をしてたら、とてもしんどいと思った。
こんなふうに会話する相手とご飯を食べないでいられる自分は幸せなんだなぁ。
押尾さんとも二谷さんとも芦川さんともご飯を食べたくないもの。
そういえば、マッチングアプリで出会った口下手な彼はとてもいい人だったんだと気づいた。会話に嘘も疑念も見られなかった。
2度と会わないけど、どこかで幸せになっているといい。
この本には世にいう「良い人」って出てこない。
「良い人」であろうとすること、よく生きようとすることはやめたくないと思った。 -
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こんなにキュンキュンしない恋愛小説はないんじゃないか、高瀬さんらしい…と一つ目のお話を読んで思った
恋愛と、それを取り巻く社会。どうしても他人からどう思われるか、社会的に見てどうなのか、という目線なしに、恋愛におぼれられない。すごくリアルで面白かった。
「新しい恋愛」
恋バナしよう、とウキウキ話す中学生の姪っ子と2そろそろ26になるわたし(主人公26、、)の恋愛に対するギャップが新鮮
「仕事の愚痴や健康といった別の話題の延長ではなく、くっきりと恋愛だけを分けて話題にするなんて、もう長い間意識していないことだった。
私も中学生の美寧々との間で違う意味を持つということを頭では理解しているつもりでも、なかなか気持ちが追い付かない。」
「いくつも数える」
一番ブスブス刺さったな
「気持ち悪い」という感情がわからないわけでもない、そんなこと思ってしまう罪悪感も共感する。でもそんなこと、できるだけ話題にしたくないけど、そこを描く高瀬さん…一言で表せない人間のごちゃごちゃの感情、読んでて一緒にごちゃごちゃになった
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なんかわかるなあって思った瞬間、私は一生芦川さんになれないんだと悟った。
弱くて可愛い女性って最強よね。
泣いたり、弱者ムーブすればおじさんが味方になってくれるから。
芦川さん側の視点はないからホントのことは分からないけど、上手に生きてるなあと思う。
頭痛で早退したのに翌日立派なケーキを作って登場することが本気でみんなへの償いと思っているところとか、ケーキが捨てられたときに、自分が辛いっていうんじゃなくて世界には食べたくても食べられない人がいるんですよって言うところとか、
間違ってないんだけど人間味がないというか、モヤモヤするなっておもう。
もし芦川さんが、本当に心からそう思う人なら、すごく大事にされてきたんだなって思うよ。
そもそも料理ってすごく儚いもので、それに時間をかけるってすごく贅沢な行為だと思うんだよね。
それが当たり前と思ってるところとかもそう思う要因かな。
飲み会でのご飯がまずいのも分かる。というかそもそも味がしない。色んな人に気を使って話周りだし注文したり、そういうことした後って無性にジャンクなものが食べたくなるんだよねー、
それがいちばん美味しい。
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Posted by ブクログ
弱い人、それも社会をうまく回すために頑張っている、正しくて強い人を排他する空気感が本当にリアルだった。
弱い強いの基準に共感した私は、押尾さん寄りの人間なのだが、
私も働いている上で、頑張ってる人が報われない瞬間とかに対して若干イライラするときがある。
私できないこととか権力・権威がないことを上の人やできる人に押し付けて甘えている中で、なんとか強い自分であろうとする。ありつこうとする。
その苦しさがあるから、強くない人に対しての差別意識みたいなのが自分の中でも芽生えてきてしまう。
このやりづらさだったり、自分で感じている同調圧力への違和感が、この本を読んでようやく腑に落ちた気がする -
Posted by ブクログ
後書きを読んでたしかに!!と思ったけど、恋愛小説なのにほとんど恋愛が成立してない。
そういう意味でも「新しい恋愛」小説かもしれない。
どの作品も恋愛が出てくるけど、心からの燃え上がるような恋ではなく、頭で考えて恋をしている感じ、大人で、嫌だなぁと思う。けど、これが実際いちばんリアルだ。そういう意味では学生には読まないで欲しいな。美寧々のようにショックを受けるかもしれない。ま、いまの子たちはませてるから、私なんかより遥かに恋愛経験があるかもしれないが…。
高瀬さんの嫌な感じの書き方がクセになる。どの作品もちょっと角度が変わってておもしろい。