高瀬隼子のレビュー一覧
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髪が抜ける謎の感染症が流行し、はげ頭が当たり前になった社会。髪にコンプレックスがあった人はホッとするでしょうね。
抜けちゃった人々は、はげ頭生活に順応してるふうでどこかでモヤモヤも。そのうち「逆に生えてる人ってなんなの?」という空気も漂ってきます。わかるー。
そんな中、皆と同じようにいったんは抜けた髪がなぜか生えてきた主人公・真智加。彼女は髪をウィッグで隠しながら密かに伸ばしていきます。切ったり剃ったりしてのびのびと生活しようとはせず、バレないように苦労してでも隠して伸ばしている、そこがなんか妙にリアル。わかる気がするー。
幼少期に通り魔的に髪を切られた高校生・琢磨も、そこに異様に縛られているのが不憫です。
「当たり前」がいきなり大きく変わった時、そこへの向き合い方も人それぞれで、めっちゃ複雑なんだよなぁ。 -
Posted by ブクログ
読み始めから衝撃的だったけど、読み進めてもまた更に衝撃的で、最後まで読んでもしばらく考えてしまった。
ここまでではないにせよ、自分にもとても刺さる話で…「割に合わない」「不当感」…もやもやとした気持ちをこんな風に言語化できるのか。
心の中では飲み込めない割り切れない気持ちを正直に感じながらも、友達や恋人や同僚などには相手によって言動に気を回し…大人になるほど処世術として身についていくけど、苦しいよね…と思いながら。
読みながら辛くなってしまうこともあったけど、嫌な気持ちのまま読み終わるでもなく…なんとも表現が難しい初めての読後感でした。
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身近な人が、たぶん大事なはずの人が、
狂っていくのを見ているのは、
どんな気持ちなんだろう。
巻き込まれて、自分も狂ってしまえれば、
ある意味、幸せなのかもしれない。
この人は今、どの程度おかしくなっているのか。
わたしは今、この人をどの程度、愛せるのか。
始めかたも、終わりかたも分からない世界。
外に正解を求められない問いを抱えた物語は、
いつもちょっと、息苦しい気持ちになる。
いったい、どうするつもりなんだろう・・・
そんな風には思うのだけど、どうなったら正解なのかも、どうなって欲しいのかも、わたし自身分からない。
だから、俯瞰的に見ているはずのわたしまで、
一緒に気持ち悪くなったりしてしまう。
この物語もすごかった。
薄くて、簡単に読めると思った。
すぐだなって。
でも、立ち込める空気の密度がとんでもなくて、とてもじゃないけど、一気にさらっとなんて読めない。
三分の一くらい読んで、顔を上げたときには、ぐったりしていた。
濃密な思考と、リアルに迫る描写。
すっかり取り込まれてしまって、吐き気を感じたくらい。
中盤から、少し霧が晴れるような気配を感じて、もつれるように物語は加速する。
加速して、もつれて、止まれない。
そうしてたどり着いた最後に、
なんて言えばいいんだろう。
誰かと語らないとおさまらない気持ちと同じくらい、誰にもぜったいに語りたくない気持ちが残る。
つまりは、そういうすごい作品だったと思うんだけど、うん、たぶん、こんな書き方じゃ、全然ちっとも伝わんないんだな 笑
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普段、世の中の理不尽さも然り、社会で見せる自分の顔と普段の顔も然り、納得いかないこととそれを表面に出さないことが多くあるため、刺さるかもと思い購入しました。
いざ読んでみると、結婚式や電車についてはとても同意でき、持っていた嫌悪感や負の感情は自分だけじゃないんだ!と、共感しながら読みました。
途中から、主人公・直子の裏の顔に苦しくなり、自分はここまでじゃないなという安心感に似た感情と、こんな子周りにいたら嫌だなという感情になりました。
自分はここまでじゃないという安心感や周りにいるな!と考えている時点で自分も「いい子」に見せかけた人間かもと思いながら…。 -
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主人公の「いい子」でありながら、同時に「やな子」でもある姿がとても印象に残った。
周囲の無頓着さや鈍感さによって、自分ばかりが割を食っているように感じる。なぜ気づいている自分が尻拭いをしなくてはならないのか。なぜちゃんとしている側ばかりが損をするのか。
その静かな怒りや不公平感に、「そうだよな」と何度も共感してしまった。
気づいているのは自分だけ。
鋭いのは自分だけ。
本質を理解しているのも自分だけ。
自分にも、そんなふうに思っていた時期があった。
だからこそ、主人公が世の中に対する報われなさを抱えながら、自分なりのやり方で凌いでいる姿を簡単には責められなかった。
ぶつかりであり、手帳であり、見下しであり。
もちろん、どれも褒められたことではないと思う。それでも、それらは彼女が何とか自分を保つために見つけた方法なのだと感じた。
表題作のほかに収録されている『お供え』『末永い幸せ』の主人公たちもまた、それぞれに生きづらさを抱えながら、自分なりの凌ぎ方を見つけている。
正しいとも、間違っているとも簡単には言えない。
ただ、三者三様に何とか日々をやり過ごし、自分を守りながら生きている。
その姿を読んでいるうちに、彼女たちの今後が少しでも穏やかなものであればいいと、祈らずにはいられなかった。 -
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絶対好きでしょ、と夫が買ってきてくれました。
文芸誌を読んだのは人生初です!
表紙がキラキラでキャラクターもとてもかわいく、所有欲が満たされました♪
内容に関してもベテランから新進気鋭の作家さんまで幅広く、また、芸能人の対談等もあり、お値段以上の読み応えでした。
就寝前にパラパラめくりながら気になるところを拾い読み出来る感じもよかったです。(なので全部読み終えるのに何か月もかかってしまった)
逆に言うと、通勤時には持ち歩けないんだけどね。分厚くて重いし、表紙が高級過ぎてつるつる滑る。
好みの作家さんとの新たな出会いもあって、文芸誌を読むのもいいなあ、と思っちゃいました☆ -
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ネタバレ人間の嫌なとことか思いもよらぬ言動にゾッとする感覚を書くのがうまいな、といつも思う
そんな高瀬節(?)が今回も出てて良かった
どの短編も多分高瀬さん的には完結なんだけど、私はその先が気になるものもあった
心に響いた一節
お返し
「子供の頃って、好きって気持ちの終点が、必ずしも両想いになることじゃなかった気がするんだよね」
「ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」
新しい恋愛
「好きを、好き以外の言葉で言い換えてるだけなんじゃないのかなあって、思ったよ。」
特に心に来たのは「新しい恋愛」
14歳の姪があまりにも大人びていて、恋愛の恋も愛も知っているような発言や仕草にこちらまでたじたじしたし、でも的を得ている発言までしてくるもんだからまるで同年代やなんなら年上の方と話しているような錯覚すら覚える
そんな姪に言われるからこそハッとしたり、お父さんの事情を前々から聞かされていたとはいえ飲み込みの速さが怖かった。純粋が故に受け入れれたことなのだろうか。
高瀬さんの作品は思いもよらぬゾッとする言動も妙に好きだけど、改めて物事を考えさせてくれるところも好き
今回は年の差婚について読みながら「自分ならどうだろう」と考えた
たしかに私も好きになった人が一回りも下でも周りからの視線に耐えれなくて結婚はできない気がする
そんな視線よりもまっすぐ相手を見て、あなたがいればそれだけでいい、と私は言えない
でも結婚をした年齢が成人していれば周りで年の差婚があっても私は躊躇いなく心から祝福出来ると思う
でもやっぱり気持ち悪いって思う人もいるよなあ、といろいろ考えながら読むのが楽しかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ書かれてないところを深掘りすればそんな簡単なことではないのかもだけど、あえて簡単に言ってしまうと心に傷を負ってしまった夫をもつ妻のお話なんだろう。
正直、最終的にこうはならないでしょっていう感想にはなってしまったのだけど、心理描写の表現が共感できる部分があったり、いやそうじゃないだろっていうところがあったり、自分だったらとか、今の生活で同じようなことがあったらとか考えながら読めた。
途中ちょいちょい出てくる「おままごと」、これはいわれても仕方がないでしょ。とも思った。
最後は、無理やり終わらせた感があるが、逆にこの終わりかたがいちばんリアルなのかもとも思った。
終始、違和感を感じさせられたことで、一気に最後までページをめくらされたのかもしれない。
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高瀬先生の作品は、日々の中で当たり前に流れていくことを流さず、むしろそれらに対して、もし、なんで、を掬うのが秀逸だなぁと思います。
ある日突然、お風呂に入らなくなった旦那の隣にいる奥さんが見ている日々のお話で、さっぱりしているように感じる部分もあれば、生々しいほど人間らしさを感じる部分もあって、淡々とした文体にはきちんとした温度と、厚みが感じられました。
お風呂に入らなくなったからこそ、今まで見えてこなかった旦那の全てが綻んでくるようになった、と解釈するのは安直かもしれませんが、「許したくてしんどい」とこぼした一文に、夫婦の在り方や、自身の在り方や、当たり前に芽吹いては消えていく感情の濃度を感じられて、読めてよかったなぁと思えたお話でした。 -
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ネタバレなんというか結構、しんどかった、薫の気持ちが分からんでもない部分と分からん部分が入り混じって読むのがしんどかった、欲しいのは子どもではなく子どものかたちをしているもの、なるほど、、
女性だからと言ってみんながみんな子どもが好きなわけでもなく、男性も同様で、ただカップルにはそれぞれの考えがあり、一致していなかった場合の事故なんだろうか、、、周囲からノープレッシャーな身で生きているから、きっと私はミナシロさんの提案は受け入れられないしきっと郁也と別れるけど、なんか自分の気持ちだけでなく環境が大きく影響するよな〜など思っていた、もう一度読むのはきっとしんどい、でも読めてよかったな、すごい作家さんだ、、、