高瀬隼子のレビュー一覧

  • いい子のあくび

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    高瀬隼子っぽい、気持ちはわかるけど、なんかゾワゾワする感じの小説。
    歩きスマホの人をよけずにぶつかっていく女性の話。

    私もイライラしているとき、混んでいる駅で(歩きスマホの人に限らず)あっちが何も考えず歩いてきて、「なぜこっちが道を譲らなきゃいけないんだ!」と思って、なるべく 道を譲らないことがある。普段は無意識に譲っているのに。
    この主人公は体の大きな彼氏といる時はバリアが張っているみたいにあっちが勝手に避けてくれるけど、1人の時は避けてもらえないと言っている。
    私は意識したことないけど、そうなのかも。
    意識しだしたら余計道を譲りたくなくなってしまうかもしれないな〜。

    この小説では歩きス

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    2025年10月07日
  • 水たまりで息をする

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    他人のことなんて結局なにもわからないんだから、自分軸で生きていければいいのにねと思った。
    風呂キャン界隈に生きてるが、それはちょっと改めたい所存

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    2025年09月29日
  • 新しい恋愛

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    確とした輪郭を持たない感情。
    愛だか恋だか欲だか気の迷いだか分からないものを掬い出した物語。
    思い起こせば、そのうちのどれかだったんだろうなあとは思うのかも。

    私は今年56歳になりました。
    愛だか恋だか欲だか気の迷いだか。
    が、あんまり体のなかから湧き上がらない予感がします。残念ながら。

    ところで。
    「いくつも数える」
    歳の差のある関係への違和感。
    いろいろある「差別的な感情」の中で、男性高年齢者に対する差別を、少し相対的に扱っていることに筆者のバランス感覚を感じた。
    進歩的であることと、現代的であること。
    それは決して、生きやすい、より優れた社会になることと同義ではないのだろうと思う。

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    2025年09月28日
  • うるさいこの音の全部

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    最初読み始めた時、主人公が書いている小説の話なのか現実なのかわからなくて戸惑ったけど、この小説自体が、高瀬さんの芥川賞をとった時の実体験を元に書かれたのではと思って読み進めてしまいました
    小説家が顔を出してしまうことが、こんなにも怖いことになるのかと 
    これから賞をとった作家さんたちの裏側を考えてしまいそうです
    担当編集者の瓜原さんがとてもいいひとで、だからこそ最後のシーンはあっと思いました
    あ、他の高瀬さんのエッセイは、この本とは違う、違うと言い聞かせて読めました

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    2025年09月28日
  • 新しい恋愛

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    後味悪さにゾクゾクします!
    いい意味で!

    小説を読むようになってからと言うもの、
    好きなジャンルは優しい物語だったり、
    再生の物語だったり、少しの悲恋が混ざる恋愛小説や、
    歴史小説、ミステリーなど。
    人に薦められたものはどんどん読んでいきたいし
    少しでも自分の中の選ぶ選択肢を増やしたいと思っています。

    遅咲きの読書家であるが故、
    まだまだ知らないものの多さに心が躍る日々ですが、
    高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」
    は、
    いやー人間関係って本当に嫌だなー、と素直に思わせる一方で、
    小説としての読み応えに読む楽しさを味わえるものでありました。
    読み手の心情をこんなにも抉ってく

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    2025年09月25日
  • いい子のあくび

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    表題作が、今まで読んだ高瀬先生の作品で1番好き。
    他人に見せている一面なんて、その人の本当に一部でしかない。

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    2025年09月25日
  • いい子のあくび

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    きっとどこかで自分も思っているけど、自分の中でも気付かないふりをしているような黒い部分を言い当てられたようだった。『おいしいご飯が食べられますように』もそうだけど、好きだ~

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    2025年09月18日
  • 犬のかたちをしているもの

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    自分の中にある物差しや常識ではあり得ない内容ですが、そういう世界観もある、と意識しながら読みました。
    思考や心情の分析が怒涛のごとく続くシーンがいくつもあり、次々に読み進めていきました。
    高瀬隼子作品は、文学として本当に面白い。
    現実世界でこんなことが起こったら、自分なら生きていけないとは思いますが。

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    2025年09月16日
  • 犬のかたちをしているもの

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    学生時代に卵巣の手術をしてから、性行為に消極的な薫。彼女の恋人で薫の事情を受け入れて性行為なしの半同棲をしている郁也。しかし郁也は、お金を払って知人のミナシロさんと性行為をした結果ミナシロさんは妊娠。ミナシロさんも郁也をお金の関係と思っていて堕胎したくないけど育児もしたくないからと、薫に「あげる」ことにする。薫はその提案に対して悩み…

    というお話。すばる文学賞受賞作。タイトルは、子どもよりも飼っていた犬のほうがかわいいと感じる薫の心情。婚姻とか出産とか、地方出身の薫にとっては重荷となる人生の選択よりも、単純に飼っていた犬への愛が勝るという。この薫は家族のことも愛していて、でも子どもについては

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    2025年09月16日
  • 水たまりで息をする

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    主人公の夫がある日突然お風呂に入らなくなってしまうことをきっかけに生活が変化していき夫婦や家族の関係性を見つめ直していく様子が描かれている。
    シャワーすら浴びない夫を責めるでもなく無理矢理洗うでもなく取り乱しもせず受け入れる主人公にやや共感できないものの、そうしてしまう気持ちもわかる気がした。そんな主人公が迎えるラストはかなり衝撃的。
    ひたすら暗い。

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    2025年09月16日
  • 水たまりで息をする

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    数々引っかかる箇所があり、覚えておきたい文章が出てくる。が、ラストに驚いてしまって色々忘れてしまった。
    解説の水上さんが言っていることも分かるのだけど、個人的な意見としてはちょっとずれる。でもそれをうまく言語化できない。悔しい。人それぞれの感じ方がある本だと思いました。
    台風ちゃんと夫、都会と田舎の他人の視線、両親のやりとり、義母の干渉、そして何より衣津実の相反するような思考の仕方。気になる箇所が盛り沢山でした。水たまりの行き場のない閉塞感、タイトルを改めて見て苦しさを感じたり。
    高瀬さんの本は色々な方の感想を知りたくなってしまいます。私の解釈をうまく言語化できないからこそ、近い考えの人いてく

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    2025年09月15日
  • 水たまりで息をする

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    衣津美は、夫のそのままを許して愛している反面、これでいいんだと言い聞かせて放置しているようにも思えた。人間の中にある矛盾する感情がリアルだと感じた。
    夫と台風ちゃんを重ね合わせて描いていおり、タイトルとも結び付いている点が面白いと感じた。

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    2025年09月12日
  • 新しい恋愛

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    ネタバレ

    これまでの高瀬先生作品で一番癖を感じず読みやすかったなと振り返ってみると、いややっぱり特殊めな設定だなとも感じる。

    ラストの歳の差婚の話は、自身もそう言われる歳の差の夫がいるので、あまり他人事には思えず。
    気持ち悪いって思うのもわかるし、でも私たちは歳の差の部分じゃない所に重きをおいて結婚してるんだよ、というかじゃないと幾ら若くてもこの妻は扱いにくすぎるだろと思う。
    若い子がいいという世の中の風習?が広まりすぎてるからこそ逃れられない呪縛だよな。歳なんて所詮数字で、その歳になるまでどれだけのものを積み重ねてきたかはその人次第なのに、インパクトが強いからそれだけで物事が語れてしまう。

    表題作

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    2025年09月10日
  • 新しい恋愛

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    ネタバレ

    「おいしいごはんが食べられますように」の高瀬隼子さんらしい、恋愛短編集なのにぞくぞくもやりとさせる現実的な描写が面白かった。

    結婚はしたいけどプロポーズはされたくない気持ちの奥にある欲望とか、歳の差恋愛に対する反射反応とか。身近にありそうでない、なさそうである状況なんだろうなあ。
    恋バナは万国共通だけど誰も自分以外の恋愛を本当に知ることはできないんよね。人から聞く恋バナ以上に、この本の5つの恋愛は登場人物の恋愛を深く知ってしまった感覚になった。
    やーーこの人の本いつも感じたことを言葉にするのが難しい。

    あと、他人で関係ないのだから気にしなかったらいいのに勝手に嫌悪してしまったりこれはひどく

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    2025年09月10日
  • 水たまりで息をする

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    久しぶりに本を読んだ。
    私の作った作品を見て、オススメだと貰った本。
    自分が主人公の立場ならどうしただろう、と苦しくなる。年齢的にも結婚が現実的に見えてきて、赤の他人と書類1枚で家族になること、何が愛なのか、難しい。
    私も昔飼っていたお祭りで取った金魚をほとんど親が世話して、3年くらい生きていたことを思い出した。

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    2025年09月05日
  • 新しい恋愛

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    「お返し」は、年甲斐もなくキュンとなってしまった
    「新しい恋愛」は心の中の動きが、モヤモヤというか、ゾワゾワというか、なんとも言えない感じ

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    2025年09月04日
  • いい子のあくび

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    いい子はつかれる。
    素っ裸にされて醜態を晒されて、
    理不尽に打ちのめされて
    楽に生きるのはなんて難しいんだと絶望してしまう。

    物語が悪いんじゃなく、
    キャラクターが悪いんじゃなく、
    ただただ無駄で無意味な労力がこの世にはたくさんあって、割に合わない報われないもので溢れていて、それに気づいて。
    ほんの少しでも報われて欲しいと思いつつ、私はその恩恵を享受した分、はたして誰かの報われる材料になり得ているのか。
    誰かの「今日は得したな」になれるような生き方をしたいと思った。

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    2025年09月03日
  • 水たまりで息をする

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    良かった。
    私の好きなトーンの小説。
    風呂に入らなくなった夫、雨で身体を洗う夫、社会からドロップアウトしついには川で身体を洗い無駄なものをそぎ落としていく夫。
    主人公は、彼に寄り添ってはいない。いくつもにある選択肢の中から、そうした方が良い方を選んだだけ。
    最終的には、主人公の飼っていた、臭くて気味の悪い魚「台風ちゃん」のように夫を手放した。
    持ち堪えてしまう彼女と、狂っていく夫との境界線、その線はいつだって越えられると思っていたが、その一方で、その線が、割れ目が裂けて取り付く島がなくなることを願っていたのではないか。

    主体性を持ち、動くことは相当なエネルギーが要る。
    最初の時点で夫を病院に

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    2025年09月02日
  • 新しい恋愛

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    ネタバレ

    「花束の夜」ひそかにつきあっていた先輩社員が退職。その送別会の夜に…。
    飲み会終わりの空気感の描写がすごい既視感あり過ぎて面白かった。ようやく帰れると並んだ顔のうちのいくつかが正直に言っているっていう文章好き。

    「お返し」バレンタインデーに渡されたのは、チョコレートだけではないかもしれない。
    好きだった人の記憶に十何年と経っても残り続けることができるのは確かに一番のお返しかもと思った。

    「新しい恋愛」プロポーズされたくない25歳の私と、まっすぐに恋愛を語る中学生の姪の2日間の物語。ロマンチックな言葉でプロポーズされたくないけど結婚はしたい主人公はちょっとワガママと思った。言葉に責任をとって

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    2025年08月17日
  • うるさいこの音の全部

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    作家になることはなくても、他人の中にある自分像の期待に応えようとして自分に嘘をつくことは誰にでもあるのではないかな。虚像の自分を手放しても味方でいる人はいるはずなのに。

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    2025年08月11日