高瀬隼子のレビュー一覧

  • 新しい恋愛

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    花束の夜の、「ミスで納品が遅れた取引先の中学校に対してよりも、目の前でビールを飲む倉岡にかけた迷惑の方が水本の心には重たかった」というところに共感した。自分も目の前の人の顔色を必要以上に伺うところがある。自分の心を素直に整理できるきっかけになった言葉。
    あと、蛙化現象って言い換えると、41ページの「自分が好きだと思った人の仕事上の他者評価を耳にして、それは自分が直接感じていることではないのにそう思っている他者がいる事実だけでほんのり好きが削られていく。」という表現になるのか。表現が素敵。

    あしたの待ち合わせの、「これは不安になるところだ、これは怖いと思うところだ、筋が通らないと外部に設定され

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    2026年04月15日
  • 水たまりで息をする

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    夫婦関係における妻から夫への距離の取り方とか、妻と義母との関係とか、壊れていく人に対する向き合い方とか、逸脱に対する社会の不寛容性とか、様々なテーマが内包された作品だと思うけど、自分はそのあたりの難しいところからはいったん離れて、「夫が風呂に入っていない。」というパワーワードで始まる、「臭い」という多くの人が生理的に嫌悪感を抱く要素に対して、周囲の人々が苦悩する様子がシンプルに面白かった。
    全体的に何ともいえない息苦しさを感じるのだけど、それがあのラストシーンで一気に解放されるのだとしたら、実はこれ結構怖い小説だったんじゃないかという気がしている。

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    2026年04月12日
  • 新しい恋愛

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    恋愛がテーマの短編集
    主人公の心情がひたすら語られる文章は、なんだか他人が考えていることを覗き見しているような、不思議で不気味な感覚がした。
    なんだか気持ちが悪いのだ、見てはいけないものを見てしまったような、そんな感覚。

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    2026年04月08日
  • 新しい恋愛

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    どうしてその人を好きになるのだろうか。
    「好きなんだから、好きなんでしょ」
    ではなく、なぜ好きなのか。性欲をはじめ様々な欲が絡み合う恋愛を哲学的に見つめ直すことができる作品です。

    恋愛で悩んでいる人の思考を、整理する助けにもなります。

    印象的だったのは「お返し」にあった、「子どもの頃の好きの終点」の一節。まさにそこが恋愛の目的だと感じました。

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    2026年04月06日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

     「おいしいご飯が食べられますように」「いい子のあくび」の作家さんの小説で他に何かないかなぁと思ってこれを読むことにしました。タイトルだけで印象に残ります。2話の短編が入った短編集なのですが、2話目は1話目の続きのような感じで実質1話のみの長編小説でした。

    ・うるさいこの音の全部
     自分は、朝陽がゲームセンターの従業員のアルバイトをしながら小説家デビューする話が面白かったです。

    ・明日、ここは静か
     1話目の続きで、小説家デビューした朝陽が芥川賞を取る話でした。

     印象に残っているシーンがあります。朝陽が友達の帆奈美と会う所があるのですが、そのなかで帆奈美が「推し」の気持ちが分からないっ

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    2026年04月05日
  • 水たまりで息をする

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    高瀬さんは兼業作家だからか、会社の暗部を書くのが上手い。会社で病んでいく夫の様子が生々しい。
    不思議な作品ですが、文章が上手いからかスラスラと読める。

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    2026年04月04日
  • 新しい恋愛

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    どの話も淡々と書かれているけど、主人公はどうだったんだろう。花束のやつはなんだかリアルで自分に置き換えてしまったな。

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    2026年03月30日
  • GOAT Winter 2026

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    新潟国際アニメーション映画祭に行った際に、古町の書店で買った。1ヶ月ほどで読み終えた。良い買い物だったと思う。前号も買おうかな。以下好きだったのメモ。

    小説
    『いつになったら大人になれる?』大前粟生
    『ハッピーエンドの小説』金子玲介
    『家になった男』八木詠美
    『少女は椅子に座っている』遠田潤子

    エッセイ系
    『わたくしは猫です 世界一の』北大路公子
    『待ち焦がれたね、こんなもんだね日記』ゆっきゅん

    対談系
    『生き直すパイプ椅子と人間の生き様』
    『日本社会再定義 排外主義・鬱漫画・AI』平野啓一郎×マライ・メントライン

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    2026年03月15日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    編集者さんが自分の親指でもう片方の親指の爪をさすっていた。という文章で終わるのが印象的だった。
    この行為にどんな意味が込められているのか考えたくなって調べてみたら
    1.不安や緊張の暖和
    2.退屈しのぎ
    3.神経質・完璧主義
    4.無意識のリラックス
    この4つの意味合いがでてきた。
    主人公自身はどう捉えたのだろう
    この主人公というより、高瀬さんが書く人物って
    相手の様子を伺いすぎて生きるのがしんどそうだなと感じる人物が多い気がする。
    そして、自分の思考を人に伝える事が苦手で求められた言動を常に意識してしまう人という印象。
    求められた自分でいようとする事で本当の自分ってなんなんだろう。
    自分の本当の

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    2026年03月04日
  • GOAT Winter 2026

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     「かわいい」や「普通」にいろんな意味を込めすぎて、言語化をサボっているという朝井さんのお話が印象的。
     サボっているという見方もあるし、あえて濁してるという見方もあるんじゃないかなあと。あまりにも明瞭に表現しすぎると、あからさまになってしまうこととかある。

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    一気に読むというよりは、毎日少しずつ。

    気に入った話
    ◎わたくしは猫です世界一の 北大路公子
    ◎simeoウイルス 村崎キコ

    紹介と広告で気になった本
    ◎海の仙人・雉始雊 絲山秋子
    ◎天橋立物語 3年菊組ロリィタ先生 嶽本野ばら

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    ネタバレ

    youtubeで紹介されてて気になってたので初めて文芸誌なるものを買ってみた。
    思った以上にボリュームあってこれで510円!?大丈夫か?と思ってしまった。
    これで好きな作家見つけて長編を読むのが良さそう。
    文芸誌って連載ものがほとんどでいきなり読み始めてもついていけないことが多そうなイメージだったけど、ほぼ全部読み切りで楽しめた。

    読んだ順でメモ。記号の意味は以下の通り。
    ◎=めっちゃよかった
    〇=結構面白かった
    ×=途中で読むのやめた

    ◎永井紗耶子/そとばこまちの夜
    一応近代よりだけど時代小説。横浜にいるジャズシンガーの話。
    木挽町のあだ討ちのイメージがあったからカタカナがたくさん並んで

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    2026年02月28日
  • うるさいこの音の全部

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    いい子のあくびが私のどこかにひっかっかり他の本も読んでみたいと手に取りました。次はおいしいごはんが食べられますようにが待っているかと思うと楽しみです。

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    2026年02月21日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    昔飼っていた犬を愛していた。
    どうしたら愛を証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで――。


    間橋薫、30歳。恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っていた。21歳の時に卵巣の手術をして以来、男性とは付き合ってしばらくたつと性交渉を拒むようになった。郁也と付き合い始めた時も、そのうちセックスしなくなると宣言した薫だが「好きだから大丈夫」だと彼は言った。普段と変らない日々を過ごしていたある日、郁也に呼び出されコーヒーショップに赴くと、彼の隣にはミナシロと名乗る見知らぬ女性が座っていた。大学時代の同級生で、郁也がお金を払ってセックスした相手だという。そんなミナシロ

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    2026年02月20日
  • 新しい恋愛

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    高瀬隼子だし、そりゃあ素敵な恋愛小説を期待していたわけじゃないけれど、もうほんとうにブレなくて、さすがすぎて、やっぱり癖になる。特に「いくつも数える」は強かったな〜。高瀬隼子作品を読むといつもそうなのだけど、共感して読んでいる自分が絶対どこかにいて、ひでえやつだなと自嘲して笑ってしまう。だってこんなこと友だちにも言わないし、言ったら引かれるかもしれないし、それどころか場合によっては相手を傷つけることもあるだろうし、だから口に出さない。そういう種類のことを、どうしてこうもきちんと言語化できるのか。もう笑っちゃうだろ。高瀬隼子、天才だなと思う。

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    2026年02月15日
  • 新しい恋愛

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    なんかこう、自分の中にもあるどろっとした感情を突きつけられる短編集。

    「いくつも数える」
    「歳の差婚」に対するなんか嫌という感情ってなんなんでしょう。恋愛は本人たちの自由なのに。本人たちのことなんて他の人には分からないのに。これって男女で感覚違うんでしょうかね?

    「新しい恋愛」
    ロマンチックな言葉にドン引きする人って結構いると思う。わかるわかる!って読んでました。

    「お返し」
    短編5篇のなかでも一番好きです。全女子バレンタインにやろう!布石を打ちましょう。「忘れられない」って最高。中高生に戻りたいわー。

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    2026年02月13日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    面白かった。短めなのでほぼ通勤時間2日分で読み終えてしまった。
    読み終わった今ならそりゃそう落ち着くよなと思うが、読んでる最中は驚きの展開だった。もらう、もらわない、どっちでもないんだ。産んでない人間には決定権がないんだ。
    巻末の解説もよかった。

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    2026年02月13日
  • GOAT Winter 2026

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    色んな作家の短編小説や対談などが入っている本誌が510円という事実に驚愕。それだけでも買う価値あり。
    今まで読んだことのない作家さんやあまり触れたことのないジャンルの作品に出逢えるのも文芸誌ならでは。

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    2026年02月06日
  • 新しい恋愛

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    心には多種多様な感情が潜んでる、共感する部分がどの作品にもある、開けたことのない自分の引き出しを見つけた気がした。

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    2026年02月04日
  • GOAT Winter 2026

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    いろんな作家さんの短編や対談があり、ものすごく読み応えがあった。
    中でも、貴志祐介の短編は笑わせてもらったし、平野啓一郎とマライ・メントラインさんの対談、俵万智さんと岸田繁さんの対談が面白かった。
    あと、編集後記も何処となくサークル感を感じさせてくれて親近感が沸いた。
    雑誌を読んでもあんまり自分のなかで読書の実績にはなかなか認めにくいところはあるけれど、安価でこれほどの質と量を兼ね備えた文芸誌は貴重な存在なので、コスパ最高。定期的に出してほしいな、と思う。

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    2026年02月01日