高瀬隼子のレビュー一覧

  • うるさいこの音の全部

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    最初はなんのことか?と思ったけど、読めば読むほど味が出る(笑)

    普通は言わないこと、でも思っていること。
    そしてそれはある意味とても共感できたりする。
    そんなことがたくさん書かれている。
    有名になるにつれて、苦しくなっていく朝陽の心の叫びは気の毒に感じる。

    私は言いたいんじゃなくて描きたいんです。

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    2026年04月28日
  • うるさいこの音の全部

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    風変わりなタイトルに惹かれ、読み始めましたが…。

    初めから25ページくらいまでの感想は、なんなん?意味わからん!
    前情報も帯すら見ずに読んだので、「芥川賞作家が書く芥川賞作家のデビューの裏側的な作品」と言うことに気づくまでそれくらいかかりました。

    主人公の生真面目さと自信のなさと相反する万能感全てがないまぜになり、他人に迎合するのを厭うのにしてしまう自分を嫌悪しつつも許容する。
    人間って複雑な生き物ですね。

    共感する部分があったり、それは違うなと思ったり。主人公の内面を100%ではないにしろ、詳らかに書いてある作品だなと、思いました。

    ほとんどの人間が、自分が傷つくことにはものすごく過

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    2026年04月26日
  • 水たまりで息をする

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    『夫が風呂に入っていない』そんな一文から始まる物語は、鬱病を描いた作品かと思いきや、もっと繊細で、簡単には言葉にできないものだった。

    地方出身の妻と、生まれも育ちも東京の夫。20代半ばで結婚し、子どもには恵まれなかったものの、穏やかに暮らしていた二人。ところがある日、夫は飲み会で後輩に水をかけられたことをきっかけに、水道水を受けつけなくなってしまう。

    風呂には入れない。でも、ご飯は食べられるし、テレビも観る。会社にも行ける。だから単純に病気と片づけられるものでもない。その絶妙な違和感が、物語に静かな不穏さを漂わせていた。

    変わっていく夫を前に、原因を追及せず、無理に変えようともしない妻。

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    2026年04月25日
  • うるさいこの音の全部

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    何よりタイトルが好きです。
    口に出して言いたくなるテンポの題名。
    別に実際に出しはしないけど。
    と、ちょっとだけこの本の主人公の思考に寄っています。

    果たしてうるさいのは、周囲の人々の声か、それらを含んだ職場の雑音か、主人公が想像しているだけの相手の声か、頭の中で乱反射する思考による自分の声なのか。
    きっと全部なんでしょう。
    この文章の中の全てでなくとも一部分は、作者に起こった実際の出来事なのかなとか、心の叫びなのかなと思う時点で、私も主人公の周りにいる雑音を発する人間と同類なんだなと。

    この作者の、性悪説に基づいたような人の見方だったり、どこへ踏み出す訳でもないような行き場のない思考が心

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    2026年04月23日
  • 水たまりで息をする

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    夫婦仲も良く話し合いもできるのに、「その方が良いから」だけで選択していく2人の成れの果て。
    弱い夫にイラつき共感は出来なかった。が、想像できる上で一番残酷なラストシーンは好き。高瀬隼子さんの筆力はやっぱり素敵。

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    2026年04月20日
  • 新しい恋愛

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    花束の夜の、「ミスで納品が遅れた取引先の中学校に対してよりも、目の前でビールを飲む倉岡にかけた迷惑の方が水本の心には重たかった」というところに共感した。自分も目の前の人の顔色を必要以上に伺うところがある。自分の心を素直に整理できるきっかけになった言葉。
    あと、蛙化現象って言い換えると、41ページの「自分が好きだと思った人の仕事上の他者評価を耳にして、それは自分が直接感じていることではないのにそう思っている他者がいる事実だけでほんのり好きが削られていく。」という表現になるのか。表現が素敵。

    あしたの待ち合わせの、「これは不安になるところだ、これは怖いと思うところだ、筋が通らないと外部に設定され

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    2026年04月15日
  • 水たまりで息をする

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    夫婦関係における妻から夫への距離の取り方とか、妻と義母との関係とか、壊れていく人に対する向き合い方とか、逸脱に対する社会の不寛容性とか、様々なテーマが内包された作品だと思うけど、自分はそのあたりの難しいところからはいったん離れて、「夫が風呂に入っていない。」というパワーワードで始まる、「臭い」という多くの人が生理的に嫌悪感を抱く要素に対して、周囲の人々が苦悩する様子がシンプルに面白かった。
    全体的に何ともいえない息苦しさを感じるのだけど、それがあのラストシーンで一気に解放されるのだとしたら、実はこれ結構怖い小説だったんじゃないかという気がしている。

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    2026年04月12日
  • 新しい恋愛

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    恋愛がテーマの短編集
    主人公の心情がひたすら語られる文章は、なんだか他人が考えていることを覗き見しているような、不思議で不気味な感覚がした。
    なんだか気持ちが悪いのだ、見てはいけないものを見てしまったような、そんな感覚。

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    2026年04月08日
  • 新しい恋愛

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    どうしてその人を好きになるのだろうか。
    「好きなんだから、好きなんでしょ」
    ではなく、なぜ好きなのか。性欲をはじめ様々な欲が絡み合う恋愛を哲学的に見つめ直すことができる作品です。

    恋愛で悩んでいる人の思考を、整理する助けにもなります。

    印象的だったのは「お返し」にあった、「子どもの頃の好きの終点」の一節。まさにそこが恋愛の目的だと感じました。

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    2026年04月06日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

     「おいしいご飯が食べられますように」「いい子のあくび」の作家さんの小説で他に何かないかなぁと思ってこれを読むことにしました。タイトルだけで印象に残ります。2話の短編が入った短編集なのですが、2話目は1話目の続きのような感じで実質1話のみの長編小説でした。

    ・うるさいこの音の全部
     自分は、朝陽がゲームセンターの従業員のアルバイトをしながら小説家デビューする話が面白かったです。

    ・明日、ここは静か
     1話目の続きで、小説家デビューした朝陽が芥川賞を取る話でした。

     印象に残っているシーンがあります。朝陽が友達の帆奈美と会う所があるのですが、そのなかで帆奈美が「推し」の気持ちが分からないっ

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    2026年04月05日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    タイトル、装丁もよくこの本の内容を表現していると思う。
    他人の中身はわからない。
    共感できるところもあるけれど、もらったお菓子はうれしいし、おいしいごはんも私は食べたい。

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    2026年07月15日
  • 新しい恋愛

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    どの話も淡々と書かれているけど、主人公はどうだったんだろう。花束のやつはなんだかリアルで自分に置き換えてしまったな。

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    2026年03月30日
  • GOAT Winter 2026

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    新潟国際アニメーション映画祭に行った際に、古町の書店で買った。1ヶ月ほどで読み終えた。良い買い物だったと思う。前号も買おうかな。以下好きだったのメモ。

    小説
    『いつになったら大人になれる?』大前粟生
    『ハッピーエンドの小説』金子玲介
    『家になった男』八木詠美
    『少女は椅子に座っている』遠田潤子

    エッセイ系
    『わたくしは猫です 世界一の』北大路公子
    『待ち焦がれたね、こんなもんだね日記』ゆっきゅん

    対談系
    『生き直すパイプ椅子と人間の生き様』
    『日本社会再定義 排外主義・鬱漫画・AI』平野啓一郎×マライ・メントライン

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    2026年03月15日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    編集者さんが自分の親指でもう片方の親指の爪をさすっていた。という文章で終わるのが印象的だった。
    この行為にどんな意味が込められているのか考えたくなって調べてみたら
    1.不安や緊張の暖和
    2.退屈しのぎ
    3.神経質・完璧主義
    4.無意識のリラックス
    この4つの意味合いがでてきた。
    主人公自身はどう捉えたのだろう
    この主人公というより、高瀬さんが書く人物って
    相手の様子を伺いすぎて生きるのがしんどそうだなと感じる人物が多い気がする。
    そして、自分の思考を人に伝える事が苦手で求められた言動を常に意識してしまう人という印象。
    求められた自分でいようとする事で本当の自分ってなんなんだろう。
    自分の本当の

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    2026年03月04日
  • GOAT Winter 2026

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     「かわいい」や「普通」にいろんな意味を込めすぎて、言語化をサボっているという朝井さんのお話が印象的。
     サボっているという見方もあるし、あえて濁してるという見方もあるんじゃないかなあと。あまりにも明瞭に表現しすぎると、あからさまになってしまうこととかある。

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    一気に読むというよりは、毎日少しずつ。

    気に入った話
    ◎わたくしは猫です世界一の 北大路公子
    ◎simeoウイルス 村崎キコ

    紹介と広告で気になった本
    ◎海の仙人・雉始雊 絲山秋子
    ◎天橋立物語 3年菊組ロリィタ先生 嶽本野ばら

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    ネタバレ

    youtubeで紹介されてて気になってたので初めて文芸誌なるものを買ってみた。
    思った以上にボリュームあってこれで510円!?大丈夫か?と思ってしまった。
    これで好きな作家見つけて長編を読むのが良さそう。
    文芸誌って連載ものがほとんどでいきなり読み始めてもついていけないことが多そうなイメージだったけど、ほぼ全部読み切りで楽しめた。

    読んだ順でメモ。記号の意味は以下の通り。
    ◎=めっちゃよかった
    〇=結構面白かった
    ×=途中で読むのやめた

    ◎永井紗耶子/そとばこまちの夜
    一応近代よりだけど時代小説。横浜にいるジャズシンガーの話。
    木挽町のあだ討ちのイメージがあったからカタカナがたくさん並んで

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    2026年02月28日
  • うるさいこの音の全部

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    いい子のあくびが私のどこかにひっかっかり他の本も読んでみたいと手に取りました。次はおいしいごはんが食べられますようにが待っているかと思うと楽しみです。

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    2026年02月21日
  • 犬のかたちをしているもの

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    昔飼っていた犬を愛していた。
    どうしたら愛を証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで――。


    間橋薫、30歳。恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っていた。21歳の時に卵巣の手術をして以来、男性とは付き合ってしばらくたつと性交渉を拒むようになった。郁也と付き合い始めた時も、そのうちセックスしなくなると宣言した薫だが「好きだから大丈夫」だと彼は言った。普段と変らない日々を過ごしていたある日、郁也に呼び出されコーヒーショップに赴くと、彼の隣にはミナシロと名乗る見知らぬ女性が座っていた。大学時代の同級生で、郁也がお金を払ってセックスした相手だという。そんなミナシロ

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    2026年02月20日
  • 新しい恋愛

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    高瀬隼子だし、そりゃあ素敵な恋愛小説を期待していたわけじゃないけれど、もうほんとうにブレなくて、さすがすぎて、やっぱり癖になる。特に「いくつも数える」は強かったな〜。高瀬隼子作品を読むといつもそうなのだけど、共感して読んでいる自分が絶対どこかにいて、ひでえやつだなと自嘲して笑ってしまう。だってこんなこと友だちにも言わないし、言ったら引かれるかもしれないし、それどころか場合によっては相手を傷つけることもあるだろうし、だから口に出さない。そういう種類のことを、どうしてこうもきちんと言語化できるのか。もう笑っちゃうだろ。高瀬隼子、天才だなと思う。

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    2026年02月15日