高瀬隼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんな優しそうなタイトルして…人間ホラーですよこんなの。弱いものとしての権利をフルに使う。愛おしいけど憎々しい人、社会のどこにでもいるような人が職場という生産性を求められる場所にいて、かつ私と平等の対価を貰う立場あるいは本来教えをこう立場の人間だったら…。
ニコニコして、お昼もしくは15時に手作りのお菓子を振る舞い、みなが残業してる中提示ちょっと過ぎに帰宅。休日出勤もないし、私だって頭が痛いし薬を飲んで頑張ってるのに同じ頭痛で休んでる。
自分自身も食に興味無いから、美味しいものを美味しいものとして食べたい欲のある人から「正しい食事」を押し付けられることにますます美味しいものを食べることについて冷めていくあの感覚はわかる。手っ取り早く空腹が満たせればなんでもいい。でもアルコールは欠かせない。二谷とは仲良くなれそうだけれど、二谷は絶対にこういう人を選ばない。何故なら、やはり「弱いもの」は可愛いから。 -
Posted by ブクログ
自分も芦川さんのような人にとてもイライラするけど、押尾さんほどいじめようという行動を起こす気にはならず、どちらかと言えば二谷のように言いたいことも言わず流してしまうタイプなので、押尾・二谷の組み合わせがまるで自分のように感じられてのめり込んで一気読みしてしまいました笑
解説部分で小説の中だけの人でいて欲しいと言われてますが、芦川さんのような方は実際に結構いるなと個人的には思います。か弱さと愛嬌を武器に守ってあげたくなる、どこか空気が読めなくて矛盾した行動をしても許される人。
そしてそんな人を侮蔑したくなる気持ち。
自分も観光学部出身でチアをしていたので押尾さんと同じようなややハードな環境で人生を送ってきたのかもしれません。だからか、芦川さんにはとにかくイラつきましたね。
他の方の感想もいくつか拝見しましたが、"これ私かも…?"と照らし合わせられる登場人物を見つけられれば、共感しながらどんどん読み進められる作品となってると思います。 -
Posted by ブクログ
食に関する小説やドラマ、漫画などの作品が大好きで、私自身おいしいご飯を食べることも大好きでしたが、この本の登場人物は、そんなわたしを真っ向から否定するような人たちばかりで、読みながら泥を飲まされているような嫌な気持ちになりました。
読んでいる途中で、二谷や芦川さん、押尾さんはなにかの呪いにでもかかっているのか、と思いましたが、呪いのように感じる嫌な感情は特別じゃなくて、私自身も日常のふとした瞬間に感じるもので、それに気づいてしまったことで自己嫌悪に陥り、負のループにはまったりもしました。
言葉ではうまく言い表せないけど、身近にある嫌な気持ちをぐっと凝縮されたお話でした。
不快ながらも面白い作品で、わたしは大好きになりました。 -
Posted by ブクログ
収録されている3篇とも分かり味が深すぎた。
「いい子」であることが当たり前で、それが正しいことだと信じて生きてきたけれど、社会で生きていると割に合わないことが多すぎる。私が正しいはずなのに、ちゃんとしているはずなのに、なんでちゃんとしていない人の方がいい思いをすることが多いのだろう、と心のどこかで常に感じていたことがこの小説を読んでぶあっと一気に思い起こされたような感覚。
表題作もとても良かったけれど、個人的には「末永い幸せ」がとても良かった。私自身友人や親族の結婚式に出るたびに増幅していたイライラやモヤモヤとした思いや、友人から結婚式にお誘いが来るたびに湧く「へーこの子も結婚式あげるんだー」という自分の結婚式というものに対する冷笑的な感性をすべて言葉にした上で、さらにもう2段くらい上を行っているような表現の嵐に、正直言って心酔した。 -
Posted by ブクログ
会社員を経験されている高瀬さんの綴るオフィスの様子はいつも生々しいほどにリアルである。この点においては「花束の夜」が絶妙だ。
ー倉岡さんのほころびなんて可視化しないでいてくれたら、よかったのに。
表題作「新しい恋愛」も当事者の男女2人のやりとりというよりは、その殆どが主人公と中学生の姪っ子との会話で完結しているところが面白い。
ーわたしは言葉が通わない人と暮らすのはさみしい。お互いに通じ合う言葉で、お互いの話がしたかった。
本書には共感できる言葉たちが随所に散りばめられている。ドラマのように甘ったるくなく、苦すぎない。現代の生きた恋愛小説だ。