高瀬隼子のレビュー一覧

  • 水たまりで息をする

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    序盤と終盤で不可解さや違和感の対象が移ろっていく、心に残る作品だった。

    序盤は、突如お風呂に入れなくなった夫の言動が分かりかねず、かつ最後までその背景や心理的描写がないまま、読者は疑問を抱きながら読み進める事になる。

    しかし中盤から終盤にかけて、次第に主人公である妻へと疑問の対象が移ろっていく。義母に嫌悪感を示し、夫を頑なに病院に連れて行こうとしない。というより、病院に連れていくという発想が浮かんでいない。

    妻が最後まで拘り続けているのは、「普通」の生活を送るということ。程々で普通からの逸脱を逃れるためなら、何だってやってしまいそうな危うさを所々から感じ取ることになる。

    私は個人的に、

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    2026年02月22日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    か弱い芦川はみんなに理解されていて、本人も謙遜しつつでも当たり前だと思ってる、ように見えて心根から優しい人ではありそうな気もするからタチが悪い。残業はしない休日出勤もしない、かわりにおいしいお菓子を作ってわざわざ持ってくる。

    そんな存在に苦しめられる人だっているのだ。出来る人が肩代わりをしなければいけない。そうしないと会社が回らないから。二谷や押尾の頭の中をありありと書かれると、実はちょっと共感してることにハッとする。自分は思ってることかき消してたんだなーって。そんな表立っては言えないし。しかし、二谷は芦川のことかわいいって思うんだもんな、人間わからないな。

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    2026年02月15日
  • いい子のあくび

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    面白かった!!
    スマホのながら歩きに対してはそこまで過敏に思わないけど、まっすぐ歩いてて、何故か自分だけ避ける回数が多いな、、というモヤっとと繋がる気がした。
    主人公の良い人の面を他の悪い?行為でバランスをとっているのがとてもヒヤヒヤした。

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    2026年02月13日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ごはんと恋愛をテーマに進んでいく物語だが、仕事に対する姿勢や職場での生きにくさ・悩みがうまく言語化されていて、会社勤めの社会人なら誰しもが共感できる部分がある作品。

    「みんな自分の仕事のあり方が正しい」という話には共感し、猫を助ける話には芦川さんに対して強い嫌悪を抱いた。

    一人で食べるごはんが美味しくても、みんなで食べるごはんが美味しくても、不健康なカップラーメンを食べるのも、健康的なものを食べるのも人それぞれでいい。
    ただ、それぞれが、おいしいごはんが食べられますように。
    このような想いが込められている話なのかと最後まで騙された。

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    2026年02月12日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    昔就職する前に文藝春秋で読んで衝撃的に面白かったんだよなぁ。社会人になって見方が変わったかなと思って文庫買ってもう一回読んだ。二谷が芦川さんのお菓子をぐちゃぐちゃにして捨てる理由、本当にわからなかったけど今は少しわかる。
    芦川さんは「弱き者」で、正社員なのに残業も周りに労わられながら回避して、少し面倒だったり大変な仕事は他の人にやってもらって、可哀想とかどうしようとかは言うけど何もしない、というか出来ないから見ている。可視化や明文化されていない暗黙のルールの中で、芦川さんは芦川さんらしく弱く生きられるように守られている。でも芦川さんは弱い者に与えられた権利の上に胡座をかかない。残業続きの同僚に

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    2026年02月15日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    題名に騙された。お腹が空くような本だと思ってた。考えが自分とは遠い人物2人の目線で話が進む。そんな考えで生活しないでよ、と思うところが多い。自分が綺麗事で食と向き合って生きているのだと思わされそうになった。

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    2026年02月06日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    とても面白かった。こういうの大好き。良くも悪くも結局人間ってこういう生き物なんだよなって思う。
    自分好みの本に出会えました。
    また機会があったら読もうと思います!!!

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    2026年02月05日
  • 新しい恋愛

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    どれも良かったなぁ。
    特に「新しい恋愛」と「いくつも数える」が好きだった。
    高瀬隼子が恋愛をテーマに書くとこうなるのか!ってニヤニヤしちゃう。
    どの話も、ままならなさが苦しくて、だけどままならないからこそ深みにハマっちゃうような歪な恋愛。
    子どもの頃は大人の恋愛ってドリカムみたいな世界観を想像してたけど、実際は高瀬隼子だよなぁ。笑

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    2026年02月05日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    まるでそこにあるような人間関係のドロドロが丁寧に描写されており、心底ゾワゾワした。食への考えに新風が吹いた。二谷が好き。

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    2026年02月04日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    ネタバレ

    主人公に共感できるところがある。
    二谷にも共感できるところがあったがら結末の方が苦手。愛なのだろう。
    押尾のような人間はよくいるけれど、私は押尾タイプも苦手。頑張っているという自分が惨めになるとか、でしゃばってしまう自分が嫌だとかそういうところから羨ましいという感情があるだけなのだろうけれど。
    果たして二谷と押尾の生活は続くのだろうか。食に対する価値観などが異なる2人は...と考えたけれど押尾タイプは意外と強そうだし心配するも何もかと思えてきた。
    モヤモヤしたりしたけれど、物語の後のことを考えようと思えたので星5です。

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    2026年01月30日
  • 水たまりで息をする

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    社会にさも当然かのように根付く価値観を、違和感として私たちに問うてくる。
    個人の「弱さ」に対して私たちはどのように知覚し、受け止めたら良いのだろうか。

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    2026年01月29日
  • 犬のかたちをしているもの

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    こういう自分迷走系・周りを俯瞰系の話大好き。

    薫の彼氏の郁也はある日、
    浮気相手を連れて薫に話があるとドトールに呼び出す。
    浮気相手のミナシロさんは、
    「郁也との子供ができたから、私が産むので、あなたが育ててくれませんか?」と。

    この時点で、は?となるところだが、
    薫はそうはならなかった。
    もう、頭が回ってないというか、
    日頃から考えに考えすぎて、考えられないのだ。
    薫自身、病気のことや、世間体に
    押しつぶされそうになりながらも、
    ミナシロさんの提案が無しよりのあり。にもなっていく。

    犬は心から愛せるのに、人は上手に愛せない。

    薫の辛さ、生きにくさ、
    可能であれば共有したい。
    最後の

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    2026年01月23日
  • GOAT Winter 2026

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    朝井リョウさんと藤ヶ谷さんの対談が印象に残りました。推す側のファンと、推される側のアイドルが推し活について話している!藤ヶ谷さんが赤裸々にご自身の思いを語っておられる姿が誠実に見えました。朝井さんの推し活への解像度の高さもいつも通りスゴイ

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    2026年01月09日
  • うるさいこの音の全部

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    もし作家を目指すなら、「この作者はこれを題材に作品を書いたということは、作者自身の考え方が投影されているのだろう」と思われるのが恥ずかしいのでペンネームを作ろうと思ってましたが、こうなる弊害もあるのか…とドキドキしました。
    他人の目を気にしすぎだと思うけど、気になっちゃうよなあ。繊細な心模様が垣間見えて、自分自身に重ねて読んでいました。

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    2026年01月04日
  • GOAT Winter 2026

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    朝井リョウさんの告知から文芸誌なるものを初めて買いました。

    まずなんと言ってもブックカバーが可愛い。
    値段も510円と手に取りやすい価格で嬉しかったです。

    キスマイの藤ヶ谷さんと朝井さんの対談で、ファンへの感謝の伝え方に悩む藤ヶ谷さんを、朝井さんがとても優しい観点からで励ましていたのが可愛かった(笑)

    たくさんの作家さんの短編や書評に触れることができて、自分の世界が非常にコスパよく広がる良い文芸誌でした。

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    2026年01月04日
  • 新しい恋愛

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    5つの話、すべて面白かった。共感する部分が少しずつあった。
    刺さったのは、真ん中の「ロマンチックが苦手」的な話。私もロマンチックは苦手。もう一回読みたい。

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    2026年01月03日
  • 水たまりで息をする

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    ある日突然、衣津実の夫はお風呂に入らなくなった。その行動は次第にエスカレートしていき、仕事や生活にも大きく支障を来しはじめる。俗に言う「風呂キャン」という言葉では足りない。
    『犬のかたちをしているもの』が良かったので、本書も手に取りました。
    生きていくことの閉塞感と、それでも生きていかなければならないという、ある種の諦観がこの作品のテーマだと思いました。個人的に、衣津実の夫には然るべき医療機関で適切な治療を受けてほしいと思ったけれど、そういう話ではないのだろうな、というのが個人的な感想です。

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    2026年01月04日
  • 水たまりで息をする

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    ネタバレ

    良い意味で気味の悪い、後味の悪い小説だった。ただ、不思議と不快感が少ないのは作者の上手いところだと思う。
    生活環境を「都会」と「田舎」で対比させることで、双方での人々の社会性の違いや環境の影響力を上手く暗示していると感じた。
    最後の終わり方には何通りもの考察ができると思う。個人的にはハッピーエンドであってほしかったな、、、
    妻は何を思っているのだろう。「上手く捨てられたような、捨てるのさえ大事にできなかったような」

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    2026年01月06日
  • GOAT Winter 2026

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    ネタバレ

    読む本を自分で選ぶとどうしても偏ってしまうので、
    こういう形で予想外の作家さんと出会えるのは良いですね。

    個人的に好きだった作品↓↓

    【ふたえ:高瀬隼子】
    →「まあそうだね。ずっと整形したかった。二重の目になりたかったし、違う顔になりたかったよ」
    この言葉を発した父親の感情に想いを馳せる。
    もしかして、違う顔、じゃなくて違う自分になりたかったんじゃないのかなと。
    支配的な両親と自分に依存する気満々の妻に囚われて、今思えば逃げたかったかもしれない、けど、それは自分の中で言葉にもならなかった。
    代わりに、違う顔になりたかった、という感情として現れたんじゃないかな。違うかな。
    わかんないけどそん

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    2025年12月26日
  • おいしいごはんが食べられますように

    購入済み

    要領良いヤツってどうよ。

    凄く読みたかった芥川賞小説だ。文庫化したので、喜んで手に取った。🥘要旨は、職場で要領良く煩瑣事から逃れるどうにもイケ好かない奴とのつきあい方を考えるものだ。🥘そんなヤな奴はイジメて大人しくさせるのか。それは得策でない。要領の良い相手だから当方が悪者になる。🥘実際のところ、上司に可愛がられることも、同僚達に上手く厄介事を振ることも、なかなか難しい。要領良く立ち回るには、才能も努力も必要なのだ。職場では「誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってる」ことを念頭に置きつつ、世渡り上手には、その才能と努力を認めて、つきあうことが正解なのだろう。🥘

    #タメになる

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    2025年12月26日