高瀬隼子のレビュー一覧

  • め生える

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    ネタバレ

    読んだ時には何の話が始まるんだと笑ってしまったけど、一つ一つの描写にうーんと唸り、最後の終わり方が高瀬さん感あってスッキリした気がする。好き。

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    2026年09月14日
  • いい子のあくび

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    短編が3つ。

    【いい子のあくび】
    気付く、行き届いている、それゆえにそうでない人の分も担っている。周りの人が何も思わないところで独りふと損をした気持ちになって心が砕かれる。でも、たまには自分の思う好ましい行動や言動から逸脱しても良いよね。

    そういう日常に転がる理不尽、やるせない気持ち、大人になったから言葉には出来ないけど
    心にあるマイナスな感情に寄り添ってくれるような物語だった。

    【末永い幸せ】
    結婚式に嫌悪感を持つ主人公奏。バージンロード、ファーストバイト、止まらないシャッター、家族への手紙。結婚式の一つ一つに対して、私はここまで考えたこともマイナスの感情が生まれたこともなかったから、こういう感じ方をする人もいるんだなぁ面白いなぁと。

    結婚式という儀式には出たくない、でも幼馴染の花嫁姿は見たい、心から祝福している。そんな奏は、結婚式には参加せずに、結婚式会場であるホテルの一部屋に宿泊し陰から友人の晴れ姿を見届ける。本人の目に触れるところで何かしたり与えたりすることだけが愛情の唯一の正解でもない気がした。

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    2026年09月12日
  • いい子のあくび

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    人との関わりの中で、自分を後回しにして我慢しているなと思うことがあります。それでも、ここで自分が折れたほうが簡単にことが収まると分かっているから、仕方なく折れる。でも、表面上は収まっていても、自分の中では全然納得していない。そんな誰にでもありそうな、でも口には出しにくい感情が、この作品にはたくさん描かれていました。

    人に優しくすることや、相手のために譲ることは、当然のように良いことだと思われています。でも、どうしていつも気づいた側がよけなければいけないのか。どうして優しい側が人の分まで背負わなければいけないのか。そんな疑問を、きれいごとで片付けずに言葉にしてくれたように感じました。

    主人公の考え方には、極端だと思うところもあります。それでも、そこに自分と重なる部分があるからこそ、他人事には思えませんでした。普段なら自分でも否定してしまいそうな感情を、そんなふうに思ってもいいんだと肯定してもらえたようで、読んでいて少し救われました。自分の中にある納得できない気持ちに、そっと味方をしてくれるような作品でした。

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    2026年09月12日
  • うるさいこの音の全部

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    高瀬節炸裂。

    私も人と会話している間、頭の中で主人公のようにいろんなアイディアが展開されてる時あるなと思いながら読んでいて少し苦しくなった。
    高瀬さんの作品はINFJに刺さると聞いたことがあるからか、余計にぐさぐさと刺さった気がする
    それくらい感情の複雑な描写が上手い。
    映画化されるみたいで楽しみ。

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    2026年09月11日
  • いい子のあくび

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    強く強く存在しようと努める。自分の尊厳が保たれない社会のなかでは。

    女という性別であるだけで割に合わないと思ってしまうこと、わたしにはよくある。社会的な性差は間違いなく存在する。

    結婚式のところも、分かってしまうなー。

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    2026年09月09日
  • うるさいこの音の全部

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    ネタバレ

    作家と作家でない時の二面性とは違うかもしれないが、自分が異なるコミュニティにいると、自分が全然違うキャラな気がして、どれが本当の自分だろうと思ったりすることがあるなあと思った。また、誰かとの会話の中で、相手がどんなことを期待しているかとか、反応を見て相手が今どう思ったかどうかをすごく読み取るところが私にもあるなあと思った。

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    2026年09月08日
  • 新しい恋愛

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    ネタバレ

    仕事ができないという話を聞くたびに好意が削がれていく感じがする女性の話。母親の繋がりでずっとバレンタインにチョコをもらっていた男の話。ロマンチックな展開が嫌な女性の話。ずっと自分のことを好きな男がいるという事象によって自己肯定を行っている女性の話。上司が26歳差の年の差婚をしたことにより、「年の差恋愛」に対する自分の価値観を考えさせられる男の話。
    どれも恋愛の絶妙な部分を切り取っていて面白かった。自分が好意を抱いている人間が、他者からの評価が低いとなんとなく好意が減っていく感じがする感覚、なんとなくわかるなと思った。
    年の差婚によってその人への認識が塗り替わってしまっていくの、気持ちがわかるだけにどうすればいいんだろうなと思った。難しすぎる。

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    2026年09月05日
  • 新しい恋愛

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     ロマンチック拒絶しながらも相手のために涙流したり、上司の歳の差婚に引きながら自分も歳上といい感じの雰囲気なったりしてなんだかなあ……って感じた。自分も当てはまる節があるから人のこと言えないし、後者はそう思わせるために意図的に書かれていると思いますが
     恋愛のあり方(年の差婚、同性愛など)で一括りにせずに相手のことを知る必要がある。自分も芸能人の歳の差婚に無意識に嫌悪感抱いたりしてしまうことがあるので、気をつけようと思った。人の数だけ恋愛の形があって、それを他者が勝手にラベリングしたり、あることないこと憶測で語るのは普通に目には見えないけど立派な暴力だよなあ 
     しかし、する側も覚悟はしなければいけない。それでも守りたいなら、突き進むのみ  他者がなんと言おうと、貫き通すべし(自戒)

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    2026年09月01日
  • 新しい恋愛

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    恋愛小説ってキュンキュンしたり甘酸っぱかったり幸せな部分が少なからず一つは出てくるから恋愛小説を読む気になれないときがある。この本は恋愛の特殊なあまり良いとされない部分に焦点を当てた本だと思う。だから、恋愛小説が若すぎるなとか苦手かもって思ってる人ほど読んでみてほしい。短編集だから苦手かもって思ったらすぐ読むのを辞められるし!
    解説に恋し合い、愛し合う当事者の描写が少ない不思議な小説とあってその通りだなと思った。
    特に今の私は「お返し」、「明日の待ち合わせ」が好きだった。それは年齢的にも性格的にも自分と共通するところがあったからだと思う。
    最後の物語は歳の差恋愛を描いたものだったけど、自分には未知の世界の話でもっと年を重ねたら共感できるようになるのかなと思ったし、幅広い年代でも読める作品だなと感じた。

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    2026年08月29日
  • GOAT Winter 2026

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    とにかくコスパがいい。飛び抜けて好きな話は無かったけど、いい時間潰しになった。気持ちミステリー多め?

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    2026年08月24日
  • 犬のかたちをしているもの

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    高瀬隼子が書く話って全部後味が良くない
    良くないだけで悪い気持ちにはならないのがすごい
    愛は祈りなのかもしれない

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    2026年08月24日
  • 水たまりで息をする

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    水道水がダメなら温泉に行けばいいのに、なぜそれを思いつかないんだろう?水道水だけではなく、石けんやシャンプーまで嫌うのはどうしてなんだろう?とずっともどかしく思いならが読み終えた。

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    2026年08月23日
  • 水たまりで息をする

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    社会から逸脱した夫と、寄り添おうと思っているし、寄り添っているように見えるけど、寄り添いきれない妻。夫側にはいけないところ、何だか自分と重なってみえた。魚と夫との対比が印象的。

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    2026年08月23日
  • 水たまりで息をする

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    夫が風呂に入らなくなった。
    原因はさておき、そうなってしまった夫の弱さを彼女は許せないんじゃなく、理解の外側にあったんだろう。愛してもいたし助けようともした、ただ寄り添いきろうとはしなかった。紛れもなく彼女の意思で。怒りも悲しみも寂しさもグラデーションのようにすぎていく日々の中を、なんやかんや生き延びてしまう主人公の強さみたい蔑ろにしてもよい雑さが、返って悲劇を呼び寄せてはまた忘れて淡々と生きていく。ままならない人生にそこまでの活力を持って抗わなくても生きていけてしまう温度の低さを真っ向から描写した物語だった。

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    2026年08月20日
  • 水たまりで息をする

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    恋人から借りた一冊。
    純文学っておもしろい。久々に一気読みした。

    自分に置き換えて考えながら読んでいた。恋人が地方で仕事をするという話が出ていて、わたしも着いていこうとしているから。わたしも衣津美と同じで『愛してるから付いて行くのだ』と迷いなく口に出したい、と思ってしまっている。

    読んで考えたことを恋人とシェアしたいなと思った。そしてわたしも、わたしたちの生き方について語り合いたいと思った。

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    2026年08月13日
  • うるさいこの音の全部

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    小説家デビューをした主人公が、周りの人間たちの微妙な態度の変化に違和感を抱く様子が丁寧に描かれていました。途中で何度も主人公が執筆している物語が、まるで主人公が実際に経験した過去のように感じて、少し混乱しました。きっと、主人公が周囲との関係のチクッと痛みがあるたびに、物語ターンで出てくる主人公が少し嫌なやつになるのかな?と思いました。

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    2026年08月11日
  • 水たまりで息をする

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    ある日突然夫がお風呂に入らなくなる…
    どういう状況?と気になり思わず購入。
    自分だったらどうするか…と想像しながら読むけれど
    どこかフィクションに感じてしまうほど想像しきれない。
    主人公のように落ち着いていられるかな…
    夫婦ってなんだろう…
    ラストはえっそういうこと?!

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    2026年08月05日
  • め生える

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    星3.2くらいかな。皆がハゲになる世界線って考えたこともなかった視点でこの世界線が自分の周りで起きたらどうだろうって考えてしまって楽しかった。
    最初短編っぽくいろんな人の話が出てくるので、どういう話かイメージつかなかったけれどだんだん主人公が明確になってきて、最後は最初に出てきた人が全員再登場してまとまった話だった。
    設定が面白かったので、印象的なお話だったけど、文体が好きとか求心力がすごくて夢中で読んでしまうってほど魅力的ではなかったかな? 
     でもほんとに、髪って顔の半分みたいに思ってるのでその半分の情報が消えたら美醜の価値観も変わるしハゲで悩む人はいなくなるしある意味とてもイーブンなのかな?どんな世界でも少数派はいじめられる。ハゲてない差別は禿げてない。つまりみんなより持ってる側なので自尊心が傷つかないのかな。それは美人が妬まれるような感じなのかな。若くして病気以外でハゲてる人って女性では珍しいので、ハゲとはどんなものなのか考えたことなかったけどどういう扱いされるのかどんな気持ちなのか色々考えさせられた。

    「まゆ毛が少ない主人公の派手になるためでも美しくなるためでもない。みんなにはあって自分にはないまゆ毛普通になるためのないものを足すための化粧の何がだめだったんだろう」っていう一文が好きだった。

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    2026年08月04日
  • め生える

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    みんな平等に禿げる。
    この発想を得て、他の作家ならどんな物語を紡げるだろうかと少し思った。
    丁度健診で乳癌と疑い再検査を予定していて、私も抗がん剤で髪が抜けたりしたらこのお話をどんな気持ちで読むのかな?と想像した。
    髪もそうだが、今の季節で言うと「汗」もみんな平等なら気にならないかな〜。
    滝汗とか、自分でどうにもならない事をあたかも障害のように言われる風潮。
    他人の目を気にせず居られたらどんなに楽だろう。

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    2026年07月31日
  • おいしいごはんが食べられますように

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    自分自身を芦川さんに重ねてしまう部分も、押尾さんに重ねてしまう部分もあった…。ただ芦川さんが体調不良を理由に早退したのに、お菓子を作って翌日配っていたのには『えぇ?!』となった。いやいや、家でお菓子作れるなら(しかもお詫びの気持ちというより、趣味ですよね)早退するほど体調悪くないのでは?と思ってしまう。押尾さん以外の社員で芦川さんに嫌気がさしている人はいないのかな…。メンタルや身体が弱い人を排除するのは違うけど、弱い側が弱いことを盾にしているのは…理不尽だなぁと感じた。

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    2026年10月02日