高瀬隼子のレビュー一覧

  • 犬のかたちをしているもの

    Posted by ブクログ

    読んでいてずっともどかしいというかしんどかった。
    これを言うと一部の人には怒られるのだろうけど、犬を愛していた愛情と家族や恋人へ向ける愛情を天秤にかけるというか犬を愛していた愛情が最大の愛でそれと同等の愛を家族や恋人へ持てているのだろうかと悩んでいるのがおもしろいなと思った。
    犬って愛情が返ってくるというよりは無性の愛を与える形の愛情で家族や恋人は愛情が返ってくると思うけど、その中でこの話の中で犬と対比して書かれているのが赤ちゃん。
    ただ、無性の愛を与え続けるか愛情が返ってくるかで考えると犬と赤ちゃんは対比関係ではなく同じ分類なのに犬はかわいいが赤ちゃんは可愛いと思えないと描かれているのが純粋

    0
    2026年03月07日
  • め生える

    Posted by ブクログ

    世の中の人が皆はげてしまった世界の話。主人公と琢磨くん、髪が生えている側の思い悩む心持ちが丁寧に描かれている。友人との付き合い方とか、世間の目線とか、じっとりした重く暗い人間関係を描くのが本当に上手な作家さんだと思います。主人公が最後吹っ切れたのは良かった。

    0
    2026年03月05日
  • め生える

    Posted by ブクログ

    ハゲが原因不明の感染症となり広まって、髪の毛がある人がマイノリティになった世界。
    みんながハゲて平等になったのに、地毛が再生して生えてきてしまい、人間関係が危うくなる。

    見た目のコンプレックスが題材で、男女ともにハゲるのが斬新だった。

    多数派による価値観で優劣が決まり、みんな他人と比較して生きている。同等にハゲになっても、価値観や感じ方は人それぞれだから、無自覚に他者を傷つけてしまうこともある。人間関係は難しい。

    冊子のような変わった本で、サクッと読める長さだけど、後からじわじわくる話。
    ハゲ、ハゲ…と、多いと見開きで10回以上出てくるので、髪のコンプレックスがある人には薦めにくい。

    0
    2026年02月24日
  • め生える

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今回はハゲが題材。
    凄いな高瀬さん
    着目するところが本当に面白いし、どう話が纏まっていくのかも想像できないし、読み終わった後もいっぱい考えないといけない文章を書く方だなと思う。
    人は自分よりも秀でて才能や環境が恵まれている人より環境が似た人ここでは、少し見下せる所がある人と付き合いがある。そして人を見下しながら安心し生きている。
    最低だけど、わかるかもしれない。
    もちろんいっぱい良いところを知っていて、好きなのは大前提として、完璧な人とは関係を築かないかもなとこれを読んでて思った。
    そうじゃないと自分を保てないのかな。
    自分にコンプレックスがあるからこそ人に優劣をつけて劣部分がある事に安心して

    0
    2026年02月19日
  • め生える

    Posted by ブクログ

    謎の感染症により、大人が全員ハゲになる世界を描いた物語。外見のコンプレックスや、周囲との関係の微妙なバランスがテーマになっている作品だった。

    高瀬隼子さんの作品は『おいしいごはんが食べられますように』、『水たまりで息をする』に続いて読んだが、今回も終わり方には少し物足りなさを感じた。余韻を残すタイプの作風は好みが分かれそう。

    ただ、「もし全員同じ外見になったら、自分はどう感じるだろう?」と考えさせられる設定は印象的。人は結局、違うところを見つけて比較してしまうのかもしれない、と少し怖くもなった。

    0
    2026年02月12日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    作者の高瀬さんが、この作品のストーリーの中でさらに小説を書いている、と言う“入れ子構造”的な手法をとっています。
    平易な日常会話で綴っているので読みやすいですが、外側の物語と内側の物語が互いに干渉し合う、高度な二重構造となっているので、さすが芥川賞作家!と思う読者と、わかりづらい~という読者がいそうですね。

    私は文中の「その場の空気を読んで相手が求めていそうな、場を丸く収めるようなことを言ってしまう」という、多分、作者自身のお人柄に共感しながら読みました。

    2026年冬 加藤慶吾監督で映画化 公開予定



    0
    2026年02月11日
  • 犬のかたちをしているもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    推定枚数218枚
    途中からミナシロさんは子どもを渡さないんじゃないか、と思ってたらやっぱり。
    おばあちゃんが危篤になって、「お腹が大きくないから帰れない」と考えるシーンは生々しく印象的だった。子供が他の女とできてしまったからもらってほしい、ということ以上にそれを許される前提で進むことに腹が立つ。主人公の受け身の感じが随所によく出ている。

    ◯印象的な文
    わたしのほしいものは、子どもの形をしている。けど、子どもではない。子どもじゃないのに、その子の中に全部入ってる。
    →セックスが苦手なのに子どもを産まなければいけないのか、産んだら両親は喜ぶし社会は優しくなるし悩まなくて済むだろう。そもそも選ぶの

    0
    2026年03月01日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    (途中で読むのをやめてしまった作品もいくつかあるけど)以下、私的に良かった作品。

    ※敬称略
    ・ふたえ(高瀬隼子)
     “お父さんが整形”という衝撃的なテーマを扱いながらも、エンタメとして消費せず、主人公と父親のリアルな心の動きにフォーカスしてたのが良かった。自分に刺さりまくった「おいしいごはんが〜」とまさか同じ作者さんとは。

    ・ハッピーエンドの小説(金子玲介)
     前半は一風変わった主人公の行動にクスクス笑いながら読めてたけど(特にコールセンターのポケモンの話好き)、ラスト1、2ページがぞわぞわする…。
    金子さんの作品はこれで3作目だけど、笑いとシリアス、ゾワッとさのバランスがいつも絶妙。

    0
    2026年02月01日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    読んでいて混乱しまくり!
    そもそもこの物語はフィクションなのか私小説なのかも分からなくなってくる。
    著者の策略に見事にはまり迷宮に迷い込んでしまったようだ。

    長井朝陽は文学賞を受賞し作家になることで、それまで気にならなかった日常の些細な言動がノイズに変わっていく過程がじわじわと行き場を失くしていくように描かれている。
    一見、著者の実体験をもとにした華やかなサクセスストーリーかと思いきや著者はそんな甘い夢を見させてはくれない。
    そこにあるのは「言葉の恐怖」だった。

    特に印象的だったのが中華料理屋の息子の話。
    まるで朝陽の話のように描かれているが作中劇との境界線がはっきりせず作中劇と現実が雑音

    0
    2026年01月30日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    現実なのか、小説の中の小説の話なのか分からなくなってしまって少し難しかった。小説家として見られたい自分と、本当の自分として見られたい部分がごちゃ混ぜになってて生きづらそう。自分で自分を苦しめている感もあったけど、わからなくもないなぁって思った。

    0
    2026年01月28日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    合わないタイプの本だった、と思う。
    主人公に感情移入できない
    現実なのか想像なのか分からず
    理解が追いつかない
    のに、最後まで読んでしまった。
    多分読めた理由は、感情移入まではしないけどすごく「分かる」と思ってしまうから。
    自分の外側しか見られていなくて、誰も自分の内側に興味などないのだろうなという虚しさ。消費される虚しさ。それがわかっているのに、ハッキリ言ってみればいいのに、結局口から出ていくのは相手が求める言葉ばかり。自分の本当の気持ちは吐露できない。
    そして、そういう感情の動きが「わかる」から、没入しちゃう。ちょこちょこハラハラしたり、気分が落ち込んだり。

    この方の本は、割といつも感情

    0
    2026年01月12日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    美しい表紙にワクワクしながらページを繰る。読んでいる間は作品の世界に夢中になる。エッセイなども面白い。でもなんか、ずっと表紙に心を奪われて、各作品を読み終えると、なぜか作品の個別の印象がなくなってくる。「何を面白いと感じていたのだろう」と自問するが、答えは出てこない。でも、楽しかったという感情だけはずっと心に残っている。これが文芸誌の楽しみ方なのかもしれない。

    0
    2026年01月07日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    中身と価格が全く釣り合わないのでは?と思うほどのトクトク感。
    本屋で、表紙の印刷に惹かれて即買い。

    知らない小説家さんが多くて、その中で面白い作品に出会えたことが収穫でした。
    選ぶとしたら、「ふたえ」「マスクド・リリカ」「ハッピーエンドの小説」が面白かった。

    0
    2026年01月07日
  • 犬のかたちをしているもの

    Posted by ブクログ

    「子ども、もらってくれませんか?」という一言から始まるストーリー。主人公、薫の心情の変化が見どころでした。子どもを産む、産まない、育てる、育てないなど、様々な決断が盛り込まれていました。

    0
    2026年01月02日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    本心を言ったらいいんじゃない?と思うけど、小説家として有名になると、芸能人のように自由がなくなるんだなと思った。気持ちや状況をいちいち言葉にしてしまえるって、大変。うるさい、言わなくていい!って読んでる私が思った。

    0
    2025年12月29日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    今号も お得感ありあり。いろいろな意見あるけど、気軽に読書するには 最高だと思ってる。作家さんとの新しい出会いもあるし。整形の話も バレリーナの話も 建築家の話…どこを切っても 読めるから ほんと楽チンな 本!で、作家さんは 話題の方々ばかり。
    こんな 本に出会えたこと、こういう本を作ってくれたことに感謝かな。次のテーマはなんだろう?

    0
    2025年12月29日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    テーマは「美」。よかったものをいくつか。

    『ふたえ』高瀬隼子
    子どもの頃からずっと、単身赴任で川崎に住んでいるお父さんと、遊びのため四国から上京して何年かぶりで会ったら、目が二重になっていた。そしてさらに、顎の骨を削る手術をするという。ずっと別居、67歳になって退職しても田舎には帰ってはこない、でも離婚もしていない、両親がケンカしていた感じもない、父の家に行ったが、愛人がいるような感じもない。で、整形。じつに不思議な家族の話。

    『ヴィンテージ』井上先斗
    古着屋を経営する大学時代の友人に、50万円のデニムジャケットを持って飛んだアルバイトを探して欲しいという依頼を受けた探偵。アルバイトのイン

    0
    2025年12月24日
  • め生える

    Posted by ブクログ

    人々がみんなハゲていくという斬新なお話しだったけど、もしかしたらこういう未来もないとは言い切れないんじゃないかってくらいリアルな世界観だった。単純だけど、結局は多数派でないと人は安心して生活できないし、少数派な自分になってしまうと他人の視線が気になってしまうものだと思った。友達だけど、些細なきっかけで疎遠になりそうな、心の深くでは繋がってないテラが微妙に好きになれなかった。こういう距離感の友達の描き方が秀逸だった。

    0
    2025年12月16日
  • GOAT Winter 2026

    Posted by ブクログ

    美しさとは
    ただ見た目のものだけではなく
    その振る舞いであったり
    姿勢であったり
    言葉であったり
    さまざまなものが
    絡み合っていると思う

    「そとばこまちの夜」
    の中で老婆が言う
    『そうして私が私と出会えた時、
    ずいぶんと小さく縮こまった小娘が
    胸の内で泣いていたっけ
    華やかで美しいと信じていた美女など
    己の中にはいなかった
    他人の目によって造られた幻影だった
    だからその怯える小娘と
    向きあうことにした
    その子が本当に好きなものを探して
    愛でる
    それは人目を気にして
    怯えていた日々に比べて
    どれほど豊かで満たされたものか』

    本当の自分が求めるものは
    いったい何か
    はたして今、どれくらい
    豊か

    0
    2025年12月15日
  • うるさいこの音の全部

    Posted by ブクログ

    高瀬隼子さんにハマって読み漁っている。
    主人公は考えすぎな新人小説家。
    確かに周囲の反応はうるさくもあり、いろんな煩わしい音がある。けど、本人がうるさくしている部分もたくさんある。
    簡単な言葉で言ってしまうと「気にしぃ」になるのか?
    でもこの主人公は、人の表情や言動から深読みしてしまうんではなく、自分のなかの想像でどんどん自分の周りをうるさくしている。
    だからなんとなく感情移入しきれなかったのか。と、この感想を書いていて納得した。

    0
    2025年12月13日