高瀬隼子のレビュー一覧
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美しさとは
ただ見た目のものだけではなく
その振る舞いであったり
姿勢であったり
言葉であったり
さまざまなものが
絡み合っていると思う
「そとばこまちの夜」
の中で老婆が言う
『そうして私が私と出会えた時、
ずいぶんと小さく縮こまった小娘が
胸の内で泣いていたっけ
華やかで美しいと信じていた美女など
己の中にはいなかった
他人の目によって造られた幻影だった
だからその怯える小娘と
向きあうことにした
その子が本当に好きなものを探して
愛でる
それは人目を気にして
怯えていた日々に比べて
どれほど豊かで満たされたものか』
本当の自分が求めるものは
いったい何か
はたして今、どれくらい
豊か -
Posted by ブクログ
ネタバレ解説にもあったようにきっと美味しいのだろうが、またはまずくないのだろうが、二谷の身体感覚に表される嫌さの表現がよかった。味に関係なく、豊かなものとして自分に提供されたもの。というのが嫌なのだろう。腹が減るから食べているだけだが、そこに豊かさや栄養、趣味趣向、気分、そんな前向きな感情ばかりが乗っかったまま、生きることに同意させられる感覚はわかるものがあった。押尾は芦川が羨ましい、鼻につく、のだろうが、二谷は芦川を見下している。押尾は変に真面目で会社員として芦川を認めているからこそ苛立つのだろう。自分にもこういう意気地の悪さがある。猫を助ける時に、傘を持って立っているだけ、男を呼ぼうとする芦川には
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Posted by ブクログ
芥川賞作品『おいしい~』はかなり好きでした。著者作品を読んだのは、二回目。
今回はそれほどハマらず。
やはり『おいしい~』の方が、女がよくわからなくて怖かったのかな。
高瀬さんがインタビューで「違和感があることを書き留めている」と語っていた記憶が。
三つ目の短編『末永く幸せ』は、まさに普通は違和感感じないところを違和感感じてしまう話かもな。
でも高瀬さん、疲れないかな。
ルシア•ベルリンの小説に
「あなたはどこにいても、誰にでも、何にでも、醜さと悪を見出した。狂っていたのか、それとも見えすぎていたのか?」
という一節があるが、そんな感じ。
でも、自分も見えすぎる派な気がするから、わかるけど。
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Posted by ブクログ
高瀬さんは本作が初めてでした。
文章の表現力、心理描写がとても上手で、そこに1番引き込まれたかな。
特に田舎への複雑な思いの描写。
高瀬さんと同じ四国の田舎(高瀬さんの新居浜と似たようなところ)で生まれた自分には、刺さった。
育ててくれた親や良くしてくれた人たちには感謝しているけど、選択肢が多いところで生まれてたら...人が多いところで生まれてたら...といった都会への羨望と田舎へのうっすらとした失望、かといって地元が嫌いなわけじゃない。
なかなか割り切れない、消化できない地元への思いとか感覚をうまく文章にされていて、高瀬さんに親近感が湧きました。
他の方も書かれているけど、
肉体関係がなく -
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5つの短編集。
恋愛の話なのに、どの話も、なにか
ちょっとひっかかるような、
モヤっとさせるストーリーだった。
面白いなと思ったのは「花束の夜」「お返し」
「新しい恋愛」
【花束の夜】
新人教育係の先輩の送別会、
送別会でもらった花束を、要らないからと押し付けて去っていく先輩。関係を持っている二人だが
付き合っているわけではない。
花束を持ち、深夜を彷徨いながら、自分が
雑に扱われていたことに気付く。
マンションの部屋の前に置いた、花瓶に活けた
花束を、次の日、先輩はどんな顔をするだろう。
ささやかな仕返しと決意。
しかし、深夜に花束を持って彷徨う女。
考えてみたらちょっと怖い。
【お返し】
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ネタバレ主人公の夫が些細なきっかけ?でお風呂に入れなくなる話。お風呂だけでなく、水道水が無理とのこと。話が進むにつれて、石鹸を使わなくなり歯磨き粉を使わなくなりとどんどん清潔とは離れていく。
この主人公は受け入れ難いこの状況を受け入れようとして葛藤しながらも徐々に受け入れている姿がなんともすごいなと思う。風呂に入れずとも夫は夫だけど、普通なら理解し難い。
作中の過去に主人公が飼っていた台風ちゃんという魚と類似して書かれているという解説を見てなんとも言えない気持ちになった。
話のテーマは面白かったが、夫の風呂嫌いの理由が気になったが最後まではっきりしなかったのが残念だった。