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小説家が小説家のことを書くのは、いつも少ししんどくなる。どこからが本当で、どこからが作り話か、どうしてもずっと少し考えてしまうから。
この本はまさにその小説家の本当と作り話の間について書いているように思えた。
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タイトルがすごくいい!!
正直少し読みにくい。
現実と作品の境界が曖昧で分からなくなってきて、
なんとも言えないモヤモヤ感と緊張感に包まれる。
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芥川賞にしては読みやすいし、内容を理解して共感できる!笑
そんなに難しく考えなくてもー、と思うけど、どう感じるかは人それぞれだし。
期待される解答に沿って話を盛って(嘘ついて)しまう、っていうのは、わかるなー
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一般人の朝陽と小説家の有日。物理的には同一人物なのだが人格が違う。そして二人の人格はお互いに干渉して架空の事実を生み出す。この状態になったら人格は独立していない。言動が嘘なのか本当なのか、そのどちらでも良いのか、主人公は内省しながらも当たり障りのない自分をあえて出そうとする。この気持ちは分かる。自分も人との会話は最低限で、込み入った話は声に出さずに自分と対話していることがある。その声はとても喧しく、心の中で「うるさいなあ」と叫んでしまう。本作品の主人公も聞こえない声が聞こえ、話していないことばが耳に入ってしまうのだろう。自分の心に入り込んでこる作品だけど、これが物語だけなのか共感できる人がたくさんいるのか、そのあたりがどうなのか自分と議論していると、その声がうるさい!となってしまう。
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ゲームセンター勤務の女性が小説家となり芥川賞作家としての気持ちが描かれた小説。どこまでが高瀬先生本人の気持ちなんだろう、と思って読みました。後半の「明日、ここは静か」は小説家の辛さというか、悩みというか、が伝わってきた。
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どういう状況なのか。とても不思議な本だった。
「否定しながら同意する」
「想像力の身勝手さ」
うーんあるなあ、どうしようもない。
「そんなことは誰にも言われたことがないのに、こう思われているんじゃないか」
ということの大半は
「自分が一番そう思っているのだろう」は、すんなりわかった。
だから意外と人に話すと、ただの考えすぎかになる。
だけれども、そもそも「言う」ができない場合、、
言えない場合
言うのが嫌だという気持ち
言ってしまったことを後悔する気持ち
「ちゃんとした」とはなんなのか
自分で自分が苦しいとわかっているのに、言ってしまいそうなのも苦しい、とは
本当のことを言う事の苦しさ
他者への信頼、、
「うるさいこの音の全部」
身の回りの、無意識にうるさく感じる音についての話なのかと思ったら全然違った。
もっと根源的な、アイデンティティというか、自分とは何なのか、というか、自分を保つための話というか、そういうようなものを感じた。
自分の脳内の声がいちばんうるさかったのか、、
ここで、他の作家さんの本の話を持ち出すことがいいことなのかどうかわからないが、
川上未映子さんのエッセイにも
『小説家は嘘ばかり書くけれど、作品内で夏子がコミばあを思う気持ちは、私のものでした。』と書いてあったのが当時、印象的に感じたことを思い出す。
「深く、しっかり息をして」 夏物語より
高瀬さんの本は、「おいしいごはんが食べられますように」に次ぐ2冊目だけれども、他の本も気になってきた。
不思議な本だった。
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芥川賞作家 高瀬隼子さん。シニカルな物の見方が独特の作風かと思う。この作品は受賞前に書いていたようで、そこも現実と物語の瀬戸際を読み手に想像させてしまう面白さがある。高瀬さんは、独特の距離感を保ちながら、伝えたい事象を冷静に捉えて、皮肉る。読み終えた後は、なんとも言えぬ気持ち悪さを感じるがそこが魅力とも言える。
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「私は言いたいんじゃなくて、書きたいんです」という最後の心の叫びが印象に残った
・ナガイさんと早見さんを一緒に扱われることへの混乱
・フィクションの小説と興味を引くインタビューの重圧
・小説家の早見へのインタビューにどっちで答えるのかの葛藤
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小説家がどのように小説を書き進めるのかを細かく想像をした事がなかったが、確かに小説の内容には小説家の個人としての生活が大いに影響を与えているだろうことから小説家と登場人物や社会背景を同一視されてしまうというのは想像できる。また小説家というのは常に物語を創作している人物であることから、小説家の現実に関するエピソードも実際にある程度創作されているのかもしれないとは納得した。
芥川賞を受賞した著者が、芥川賞を受賞した小説家をテーマに小説を書き、その小説の中で小説家とその作品が同一視されていくというメタな構造なので正しい読み方がわからないが、全てが虚構であるようで一方人間的であるようで全体として面白く読めた。
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外も中もうるさい、ずっと頭の中で喋ってる誰かがいる人にはあまりに辛い話
朝陽に幸せになってほしかった気持ちと破滅して欲しかった気持ち両方あり、結局どちらでもなくただしんどい日々がどこまでも続いていく。
よくもまあここまで人の内側をざらついた手で撫でさすってそのまま放置するみたいな作品が書ける。幸せにすることも不幸にすることもできたのに崖際に立たせて放置された。主人公も読者も。ここまで連れてくる筆力はすごい。他の作品も読みたいと思ったけどもう少し手加減してほしい。
誰に訊かせるためでも無く文章を産み続けてこんなもの出せないと消してってやったことある人には刺さりすぎる話だって。
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屈折しすぎて読みとるのが難しかったが、でもなんとなくわかる気もする。虚言と現実の境って脳みそ120%使ってる感じでふわふわする時あるなーと思う。、
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オンラインの読書会をきっかけとしてよんだ。
この世には悪い人しかいないに共感する。ような。
生きるのがくるしくてつらい。
だれかの普通?のはんのうを予測して自分のことを話す。
じつは他人はそんなにわたしのことを気にはしていないんだけど気になる。
そんな作家の本音と建前が入り乱れてなにがほんとうかわからなくなる。
繊細で傷つきやすく優しい人だとおもった。
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どこまでが真実でどこからが虚構なのか自分でもわからなくなる時があるけれど、作家という職業は、誰しもそういう部分を持っていて、簡単に文章が書けるのではないんだろうなと改めて思いました。好きな文章を書くことを生業にするなんて素敵、とミーハーに憧れてしまうけれど、実際は産みの苦しみで魂を削って書かれているのかなと。
繊細な感覚がなければ緻密な文章は書けないだろうけれど、そうなると生きづらさを感じてしまいそうです。
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⚫︎受け取ったメッセージ
構造がすごい
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
嘘だけど嘘じゃない、作家デビューの舞台裏!
「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんが挑む新たなテーマはなんと「作家デビュー」。
ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき……職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。
⚫︎感想
芥川賞作家高瀬隼子さんが、芥川賞作家になる前からなってからの早見有日こと長井朝陽を描く作品。冒頭女子大生の話だなと読み進んでいたら、そちらは作中作で、長井朝陽のゲームセンターでの日常生活が描かれ、あ、こっちが実生活か…と読み進めると、溶ける、混ざり合う。
現実と小説世界が曖昧になる体験自体は、読者が純文学ではよく感じるものだと思うが、「うるさいこの音の全部」という小説内でも現実と小説世界が混ざり合い、さらにメタ構造として、現実の高瀬さん自身も「うるさいこの音の全部」と混ざり合って、大変面白く読めた。
「求められる自分を演じる」ということ自体は一般人でさえ大なり小なり当てはまるのだろうが、こと有名人ともなると、造られた像と本当の自分との乖離に相当苦しむだろうというのは想像に難くない。
この作品を読んで、芸術家について考えてみた。
小説家、画家、造形家、音楽家、書道家、華道家…いずれも自分の中の何かを絞り出して作品を生み出すのだろう。だが、小説家は少し他の芸術とは受け取る側の感覚が違う気がする。小説家は「言葉」で表現するが故に、他の芸術家よりも、作品そのものが、現実を切り取ったり、著者と作品が切り離して考えてもらえにくかったりするのではないか。例えばほかの芸術作品であれば、事細かに「この部分はどういう意味ですか?」「これはあなたですね?」みたいな感じにはっきりとは思われないが、小説だと言葉を操っているせいで、説明可能ではないのか?言葉で表現しているのだから、説明もできるはずなのでは?これは本人の体験だろう、などと思われがちなのではないか。そんなことを少し考えた。
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夕日のペンネームで芥川賞を取った主人公朝陽。
その受賞後のドタバタとした日常と夕日が書いている新作小説や(架空の)受賞作の内容が入り混じり読んでいて軽い混乱をさせてくれる。
主人公の周りの人々に対する関心の薄さと感情に
(親友が作家として成功しつつある自分に嫉妬しているとは考えもしないところとか他諸々)
また相手が求めているであろう自分をウソも交え懸命に演じる姿やそれを判っていてフォローしていた担当編集
この辺りが読んでいて大変面白かった。
星5に近い4
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面白い、この著者の小説は新刊が出るたび読むと思う。
このPAL(ゲームセンター)に勤める”長井朝陽”が”早見有日”ちうペンネームで書いた小説が芥川賞を受賞し、その小説の大学生の主人公(中華料理屋さんの中国人を弄ぶひどい女性)と長井朝陽の日常とが並列で語られていく。
どこか著者のプロフィールを彷彿とさせるけど、実際取材とかインタヴューとかは反映されているんだろうなと興味深く読む。
それにしてもこの主人公のめんどくさい性格。
自分の発言の影響を裏の裏まで想像し、表情にも気を配り、
相手が納得する発言を繰り返していくうちに虚実がないまぜになりもちろん、それを見抜く記者もいて編集者の瓜原さんも然り。
このあとの長井朝陽がどうなっていくのか気になるけど、小説が唐突に終わる。
今は亡き山本文緒はちまちました小説を天才的に上手く描く作家といったのは林真理子氏。
著者はその後を継ぐ作家だと思ったね。
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小説家になったゲームセンターの店員と悪ノリが過ぎる大学生__関係のない2人の話が同時進行で進んでいく。共通するのは中華料理屋(謎)人間関係の煩わしさがふんだんに描かれていた(著者の経験?)高瀬さんの作品はぬるり感強め。
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自分と小説を書いている自分の境界が曖昧になっていくお話。他人から見る自分とは何なのかを考えた。どれが嘘でどれが本当なんだろう、〇〇っぽいとか言われることもあるけれど、果たしてどうなんだろう。
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学生アルバイトで働いていたゲームセンターにそのまま就職、なんとなくぼんやり
生きている主人公が、密かに書いていた小説が新人賞を受賞、さらに芥川賞を取る。
テレビで放送されると、会社、親戚、友人らの対応が一夜にして変わる。
本当の自分と、ペンネームの自分との区別がつかなくなる。
期待にこたえようと、インタビューで話を盛る。。。
「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した著者の体験記、
私小説?
というところだろうか。
その感情の変化は、実体験がないと書けないだろうから、それはそれで興味がある。
しかし、何とも読みづらい、私には。
なぜか「おいしいごはん。。。」も読んでいて、同様の感想を持っていた。
私には会わない作者なのかもしれない。でもなぜか2冊も読んでしまった。
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あぁ、作家は大変だな。
これはフィクションだと思いながらも
高瀬さんとダブって見える。
本が売れますようにと
インタビューされれば
話を盛って、そこには嘘も含まれて
人間関係にも気を遣い
恋愛話も頼れる人もいっさい無し。
「話せば話すほど分からなくなり、離れていく。
わたしは言いたいんじゃなくて書きたいです。」
この最後の数行で、やっと本音の自分に出会えて
朝陽は有日と共に生きていけるよね。
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人と上手くやっていくためにしてしまう表面上の取り繕いや軽い嘘、その時の自分の中に芽生える本音などを描くのが上手い作家さんだなと思う。裏表もなく本音だけで生きている人以外、思い当たるところが少なからずあるだろうしそこを共感するか同族嫌悪するかは読者次第だろうけれど。
主人公が段々と不穏な感じになっていくのは冷んやりとした気持ちになった。snsで話を盛ってしまった挙句嘘だと叩かれてる人を見るようななんとも言えないざらっとした気持ち
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続けての高瀬隼子さん、この作品はめっちゃ混乱しました!
ゲームセンターで働く長井朝陽、ペンネーム「早見夕日」として執筆した小説が文学賞を受賞することになったことで、取り巻く環境が変化していくというもの…。どこまでが小説なのか読んでいるうちにわからなくなっていくかのような…そんな作品でした。ゲームセンターが小説の舞台になるってのは興味深かったです。もう、1編の「明日、ここは静か」は、早見夕日が作家としてどうあるべきか、イメージだけで過去が自身でもわからなくなっていくかのような…そんな内容です。
この作品の読後も高瀬隼子さんの作品ならではです。ただ、ストーリーのわかりやすさとザワザワ感をいっぱい味わいたいのなら「おいしいごはん…」「犬のかたち…」「水たまり…」かなって、個人的には感じました。
Posted by ブクログ
小説家の頭の中って、こういう感じなんだなー。
考えている内容の差はあれ、我々会社員とほぼ同じような脳みそなのかもしれません。
それよりも、有名になったことで普通に回っていた日常生活が崩れていくことの恐怖を学ばせていただきました。
文学賞をとったという人生最大の喜びの代償は当たり前の日常だった・・・。うーーん、悩ましいことです。
それはさておき。
私は主人公よりもその友達の帆奈美に出会えたことが何よりもうれしかったのです。
帆奈美について大体1ページ割いて説明しているのですが、彼女の価値観が自分と全く同じなのです。
”わたし「推し」って気持ちがわからないんだよね、というのが帆奈美の考えだった。”(抜粋)
”帆奈美は書かれた言葉が、演技が、好きなのだ。アウトプットされた至高の部分だけを求める。”(抜粋)
好きなものとの距離感が全く一緒。笑
ここに非常に感動しました。(自分と同類がいた!という発見に)
私も「推し」っていたことがないのです。
「推し」はいないのか?と聞かれて「今までそういうのいたことがないんですよね」と答える度に、場が興ざめしたものです。
「あー、そうなんですね(苦笑)」と相手は答えるけれども、目に同情の色が見える。
私たちのこんなに楽しい世界(推し活)を知らないなんて、かわいそうですね、といったものが。
周りの人間は「推し」がいる人ばかりで、自分は変わった人間なのかと思っていましたが、ここにいた!(本の登場人物だけど)
意外と自分と同じようなタイプっているのかも?と、気楽な気持ちになれました。(本のネタになるって事は、それなりにいるんじゃないかと)
「推し活」している人が目立つせいか、羨ましく感じたこともあって、無理やり「推し」を作ろうと躍起になった時期もありましたが、その必要はなさそうです。
自分の応援スタイルで愛すべきものたちを愛でていこうと思います。
それがわかっただけでも、この本を読んだ価値がありました。(主人公とかけ離れた箇所なのだが)
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兼業作家の葛藤を描く。
子供の頃からの夢、小説家デビューを果たした主人公・朝陽の日常と彼女の作品内容が序盤は交互に描かれ、構成が面白いです。
物語の中盤で朝陽が小説を出版したことが職場に広まり、朝陽の作品を書くことに対する葛藤が生まれ始め、それと同じ頃に上記の構成が終わったかと思うのですが(記憶が曖昧)、朝陽のテンションが下がるのと同時に物語が失速していく感じがすごいな~と思いました。
芥川賞受賞後のインタビューで嘘を重ね続けてしまう展開はゾクゾクとして、経験したこともないのになぜか共感してしまいました。
自分はどちらかというと作家と作品は切り離して捉える帆奈美タイプだと思っていましたが、この作品に対しては、さすがに筆者の経験談もある…?と思ってしまいました。
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高瀬隼子さんの本を読んだのは2作目だったが、前回の「おいしいごはんが食べられますように」と近いものを感じた。
作中でも芥川賞を受賞しており、設定が近い。主人公が受賞して有名になる前から話は始まり、自分が作家として有名になっていくことで周りや評価が変わり、それに答えなきゃとどんどん自分を偽っていく。
何がほんとか何が嘘だったのか、だんだんわからなくなって、心が悲鳴をあげているのが伝わってくる。確かに理解者はいるのに、誰の言うことも信じられない主人公の堕ちていく感じがリアルに感じた。
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自分の気持ちを伝えることの難しさや、賞を受賞したことによるまわりの変化に辟易している様子は理解しつつも、中盤以降なんだか「いやいや、あなたねぇ、。」と言いたくなった。
作者も芥川賞を受賞されていることから、自身のこと?と思わざるを得なかった。
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長井朝陽が早見有日に蝕まれて壊れていく話、なのかなと思った。小説家デビューという傍目には華々しい題材で、でも劇的には変わらない日常で、等身大の人間がギャップで苦しんでいる。
本名の朝陽とペンネームの有日ははんたいこの名前になっていて、「うるさいこの音の全部」「明日、ここは静か」という話名も、執筆とゲーセンというのも、全部相対するものだけど1人の人間で繋がっているのが面白いなと思った。
実際に芥川賞作家の作者だから、どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのか、どうしても想像してしまう。小説自体も、主人公の描く小説の世界と交錯している作りだし。作者さんも自分の書いた小説を真夜中に泣きながら消したりしてんのかなぁ。
周囲の人間が小説家デビューをもてはやすのにうんざりして、嫌な周囲だなと思って読んでたわけだけど、最終的に主人公も嘘つきのやな感じのやつになってしまい…。ほんとうに人間の嫌な感じを描くのが上手い作家だと思う。
Posted by ブクログ
自分の中のモヤモヤ、人との関係においてのモヤモヤを読むのも読書のおもしろさだと思うので、その点ではおもしろかったが、ちょっと気持ちが暗くなるかな。主人公には自分で難しくしてるぞ。とツッコミたくなる。
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ゲームセンターで働く長井朝陽は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が新人賞を受賞してから職場にも知れてしまう。
周囲の朝陽への接し方が変化していき…。
本人にしてみればどちらが自分なのか…というよりどちらも自分であるわけで。
同僚や友人たちはどう思っているのか考えても自分はただ変わらないはずで。
わかったような気分で話しかけてくる人たちにいったい何がわかるのだろう。
うるさいこの音の全部とは、こわいほど感じてしまうあらゆる声なんだろう。
息苦しさを覚える日常のリアルだとするとたまらないなと思った。