【感想・ネタバレ】うるさいこの音の全部のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

芥川賞にしては読みやすいし、内容を理解して共感できる!笑

そんなに難しく考えなくてもー、と思うけど、どう感じるかは人それぞれだし。
期待される解答に沿って話を盛って(嘘ついて)しまう、っていうのは、わかるなー

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どういう状況なのか。とても不思議な本だった。

「否定しながら同意する」

「想像力の身勝手さ」

うーんあるなあ、どうしようもない。

「そんなことは誰にも言われたことがないのに、こう思われているんじゃないか」
ということの大半は
「自分が一番そう思っているのだろう」は、すんなりわかった。

だから意外と人に話すと、ただの考えすぎかになる。

だけれども、そもそも「言う」ができない場合、、
言えない場合

言うのが嫌だという気持ち

言ってしまったことを後悔する気持ち

「ちゃんとした」とはなんなのか
自分で自分が苦しいとわかっているのに、言ってしまいそうなのも苦しい、とは

本当のことを言う事の苦しさ
他者への信頼、、


「うるさいこの音の全部」
身の回りの、無意識にうるさく感じる音についての話なのかと思ったら全然違った。

もっと根源的な、アイデンティティというか、自分とは何なのか、というか、自分を保つための話というか、そういうようなものを感じた。

自分の脳内の声がいちばんうるさかったのか、、

ここで、他の作家さんの本の話を持ち出すことがいいことなのかどうかわからないが、

川上未映子さんのエッセイにも
『小説家は嘘ばかり書くけれど、作品内で夏子がコミばあを思う気持ちは、私のものでした。』と書いてあったのが当時、印象的に感じたことを思い出す。
   「深く、しっかり息をして」 夏物語より


高瀬さんの本は、「おいしいごはんが食べられますように」に次ぐ2冊目だけれども、他の本も気になってきた。

不思議な本だった。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私は言いたいんじゃなくて、書きたいんです」という最後の心の叫びが印象に残った

・ナガイさんと早見さんを一緒に扱われることへの混乱
・フィクションの小説と興味を引くインタビューの重圧
・小説家の早見へのインタビューにどっちで答えるのかの葛藤

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説家がどのように小説を書き進めるのかを細かく想像をした事がなかったが、確かに小説の内容には小説家の個人としての生活が大いに影響を与えているだろうことから小説家と登場人物や社会背景を同一視されてしまうというのは想像できる。また小説家というのは常に物語を創作している人物であることから、小説家の現実に関するエピソードも実際にある程度創作されているのかもしれないとは納得した。
芥川賞を受賞した著者が、芥川賞を受賞した小説家をテーマに小説を書き、その小説の中で小説家とその作品が同一視されていくというメタな構造なので正しい読み方がわからないが、全てが虚構であるようで一方人間的であるようで全体として面白く読めた。

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2024年03月23日

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ネタバレ

オンラインの読書会をきっかけとしてよんだ。
この世には悪い人しかいないに共感する。ような。
生きるのがくるしくてつらい。
だれかの普通?のはんのうを予測して自分のことを話す。
じつは他人はそんなにわたしのことを気にはしていないんだけど気になる。

そんな作家の本音と建前が入り乱れてなにがほんとうかわからなくなる。
繊細で傷つきやすく優しい人だとおもった。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
構造がすごい

⚫︎あらすじ(本概要より転載)

嘘だけど嘘じゃない、作家デビューの舞台裏!

「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんが挑む新たなテーマはなんと「作家デビュー」。

ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき……職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。


⚫︎感想
芥川賞作家高瀬隼子さんが、芥川賞作家になる前からなってからの早見有日こと長井朝陽を描く作品。冒頭女子大生の話だなと読み進んでいたら、そちらは作中作で、長井朝陽のゲームセンターでの日常生活が描かれ、あ、こっちが実生活か…と読み進めると、溶ける、混ざり合う。
現実と小説世界が曖昧になる体験自体は、読者が純文学ではよく感じるものだと思うが、「うるさいこの音の全部」という小説内でも現実と小説世界が混ざり合い、さらにメタ構造として、現実の高瀬さん自身も「うるさいこの音の全部」と混ざり合って、大変面白く読めた。

「求められる自分を演じる」ということ自体は一般人でさえ大なり小なり当てはまるのだろうが、こと有名人ともなると、造られた像と本当の自分との乖離に相当苦しむだろうというのは想像に難くない。

この作品を読んで、芸術家について考えてみた。
小説家、画家、造形家、音楽家、書道家、華道家…いずれも自分の中の何かを絞り出して作品を生み出すのだろう。だが、小説家は少し他の芸術とは受け取る側の感覚が違う気がする。小説家は「言葉」で表現するが故に、他の芸術家よりも、作品そのものが、現実を切り取ったり、著者と作品が切り離して考えてもらえにくかったりするのではないか。例えばほかの芸術作品であれば、事細かに「この部分はどういう意味ですか?」「これはあなたですね?」みたいな感じにはっきりとは思われないが、小説だと言葉を操っているせいで、説明可能ではないのか?言葉で表現しているのだから、説明もできるはずなのでは?これは本人の体験だろう、などと思われがちなのではないか。そんなことを少し考えた。

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2024年02月05日

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ネタバレ

【二重生活で引き裂かれる自己同一性】
ナガイ朝陽は
学生時からバイトをしていたゲームセンターに勤務している。
そして、早見夕日としてデビューした新人小説家でもある。

文学賞を受賞した後にさまざまなメディア取材に答える中での葛藤が描かれる。

・・・
どうして小説を書いているのか、と聞かれて、分からない、と答える自分が小説家っぽくない、でも嘘をつくのは良くない…
いつしか彼女は、相手が求めていることを答えるようになっていた。
その理由はもっと売れたい、とかそういうのじゃなくて、お金をもらってしていることだから、面白くないといけない、と、
とことん真面目な主人公だったと思う。

文章ではたくさんの言葉を紡げるのに、
話すことが苦手だったり不慣れだったり。

「人に伝えた瞬間に事実になる」
って言っていたけれど、
言葉を発することの責任、
それにより、人の幸不幸に影響を与える、ということでもあった…。

上司のナミカワさん、
編集者の瓜原さん、
イズタニさん、
アドさん…

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2024年05月31日

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ネタバレ

高瀬隼子さんの本を読んだのは2作目だったが、前回の「おいしいごはんが食べられますように」と近いものを感じた。
作中でも芥川賞を受賞しており、設定が近い。主人公が受賞して有名になる前から話は始まり、自分が作家として有名になっていくことで周りや評価が変わり、それに答えなきゃとどんどん自分を偽っていく。
何がほんとか何が嘘だったのか、だんだんわからなくなって、心が悲鳴をあげているのが伝わってくる。確かに理解者はいるのに、誰の言うことも信じられない主人公の堕ちていく感じがリアルに感じた。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長井朝陽が早見有日に蝕まれて壊れていく話、なのかなと思った。小説家デビューという傍目には華々しい題材で、でも劇的には変わらない日常で、等身大の人間がギャップで苦しんでいる。
本名の朝陽とペンネームの有日ははんたいこの名前になっていて、「うるさいこの音の全部」「明日、ここは静か」という話名も、執筆とゲーセンというのも、全部相対するものだけど1人の人間で繋がっているのが面白いなと思った。
実際に芥川賞作家の作者だから、どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのか、どうしても想像してしまう。小説自体も、主人公の描く小説の世界と交錯している作りだし。作者さんも自分の書いた小説を真夜中に泣きながら消したりしてんのかなぁ。
周囲の人間が小説家デビューをもてはやすのにうんざりして、嫌な周囲だなと思って読んでたわけだけど、最終的に主人公も嘘つきのやな感じのやつになってしまい…。ほんとうに人間の嫌な感じを描くのが上手い作家だと思う。

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2024年02月22日

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