高瀬隼子のレビュー一覧
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合わないタイプの本だった、と思う。
主人公に感情移入できない
現実なのか想像なのか分からず
理解が追いつかない
のに、最後まで読んでしまった。
多分読めた理由は、感情移入まではしないけどすごく「分かる」と思ってしまうから。
自分の外側しか見られていなくて、誰も自分の内側に興味などないのだろうなという虚しさ。消費される虚しさ。それがわかっているのに、ハッキリ言ってみればいいのに、結局口から出ていくのは相手が求める言葉ばかり。自分の本当の気持ちは吐露できない。
そして、そういう感情の動きが「わかる」から、没入しちゃう。ちょこちょこハラハラしたり、気分が落ち込んだり。
この方の本は、割といつも感情 -
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ネタバレお風呂に入れなくなった夫に対して、夫婦にしかできない寄り添い方をしていく私の話で、やんわりハッピーエンドかと思って読み進めたら…そんな視点ではなくて、暗いお話のまま終わってしまって、ええ〜…となった。
大切にしたいのに、愛してると思いたいのに、嘘じゃないのに、誰が悪いわけじゃなくて。
他人からも本人達からも、気付けない気付かないようにしている寂しい夫婦の距離感が辛い…。
子供がいなくても2人で生きていこうと思わせてくれるお話かな?と思って読んでいたので、やっぱり夫婦2人他人が平和に暮らしていくのは難しいのかな…と、ずど〜んとした。
田舎の風景は自分にとって幸せのイメージなのと、お話の中にもそん -
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『いい子のあくび』相手が避けるだろうという考えのもと、スマホを見ながら歩いてくる相手に、「よけないでぶつかる」ことを、している主人公。なぜなら、自分がもし長身の男性だったら、相手は避けるに違いなく、自分は見くびられている、そのことに、非常な怒りを感じているから。子供のころから「いい子」に見られていた主人公は、恋人、大学時代からの友人、かつての同僚、親し気にしてくる上司と、それぞれに違った自分で接していて、そのことを内心でディスっている。たとえば上司桐谷さんに、取引先との飲み会に女性がいないからという理由で呼ばれ、愛想よく行きますと答えながら、「桐谷さんが不幸になりますように、と息をするように思
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テーマは「美」。よかったものをいくつか。
『ふたえ』高瀬隼子
子どもの頃からずっと、単身赴任で川崎に住んでいるお父さんと、遊びのため四国から上京して何年かぶりで会ったら、目が二重になっていた。そしてさらに、顎の骨を削る手術をするという。ずっと別居、67歳になって退職しても田舎には帰ってはこない、でも離婚もしていない、両親がケンカしていた感じもない、父の家に行ったが、愛人がいるような感じもない。で、整形。じつに不思議な家族の話。
『ヴィンテージ』井上先斗
古着屋を経営する大学時代の友人に、50万円のデニムジャケットを持って飛んだアルバイトを探して欲しいという依頼を受けた探偵。アルバイトのイン -
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美しさとは
ただ見た目のものだけではなく
その振る舞いであったり
姿勢であったり
言葉であったり
さまざまなものが
絡み合っていると思う
「そとばこまちの夜」
の中で老婆が言う
『そうして私が私と出会えた時、
ずいぶんと小さく縮こまった小娘が
胸の内で泣いていたっけ
華やかで美しいと信じていた美女など
己の中にはいなかった
他人の目によって造られた幻影だった
だからその怯える小娘と
向きあうことにした
その子が本当に好きなものを探して
愛でる
それは人目を気にして
怯えていた日々に比べて
どれほど豊かで満たされたものか』
本当の自分が求めるものは
いったい何か
はたして今、どれくらい
豊か -
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芥川賞作品『おいしい~』はかなり好きでした。著者作品を読んだのは、二回目。
今回はそれほどハマらず。
やはり『おいしい~』の方が、女がよくわからなくて怖かったのかな。
高瀬さんがインタビューで「違和感があることを書き留めている」と語っていた記憶が。
三つ目の短編『末永く幸せ』は、まさに普通は違和感感じないところを違和感感じてしまう話かもな。
でも高瀬さん、疲れないかな。
ルシア•ベルリンの小説に
「あなたはどこにいても、誰にでも、何にでも、醜さと悪を見出した。狂っていたのか、それとも見えすぎていたのか?」
という一節があるが、そんな感じ。
でも、自分も見えすぎる派な気がするから、わかるけど。