高瀬隼子のレビュー一覧
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ネタバレ「いい子のあくび」
主人公の生き方をしていたら疲れそう。ずっといい子でいられるのは強みだと思うが、嫌われたくなくて友人相手にもビクビクしているのは単純に可哀想と思ってしまう。なんで歩きスマホをしている側がよけなくてよくて普通に歩いている人がよけないといけないのか、という気持ちは共感できるが、かと言って自分が怪我をするリスクを負ってまでぶつかりに行く気持ちはわからない。正直この主人公とは友達になりたくない。関わりたくない。この作者は人間の濁った感情を言語化するのが得意だなと思う。
「末永い幸せ」
結婚と結婚式に対する気持ちが主人公と全く同じだった。私は参列しないことはないだろうけど、家族への手 -
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まだ若造でパートナーは勿論、子どものことなんて全然考えてないので登場人物たちの気持ちに共感はできなかった。でも読んでると、将来こういう状況に自分も陥るかもしれないって不安が出てきて、やっぱり子どもは早めに産みたいなって思いが強くなった。
ただ、犬への愛情に関しては全然共感できなかったな。赤ん坊であれば誰の子であっても無条件に可愛いと思えるけど、犬や猫をそこまで愛おしい存在だと感じたことはない。ペットを飼った経験がないせいかもしれないけど、人間が動物に抱く愛情はときに可愛い存在を世話してあげているという優越感にすぎないのではないかと考えてしまう。その動物が病気や障害で可愛らしさを失ったとき、あ -
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夫が風呂に入らなくなったことで、何も起こらないはずだった2人の生活が静かに変わっていくお話。
自分だったら、夫に風呂に入れなくなった理由をしっかり聞いて、精神科でカウセリングを受けるのでは…と思いながら読みましたが、主人公の衣津実は問いただすことをせず、夫を見守ります。はじめは気持ちが冷めているのか、面倒なことから目を背けているのかと思いましたが、そうではない。
夫と普通の何も起こらない生活を送るはずだった未来が変わってしまう怖さや、周囲にはわからない2人だけの関係性というものがあることに気付きます。
義母に言われた「おままごとみたい」に見える夫婦生活も、それぞれの夫婦の在り方があって、『一般 -
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ネタバレ【あらすじ】
みんなの恋愛をわたしは知らない。
芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。
あなたはどこまで共感できますか?
ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。
【収録作品】
「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」
『自分のミスを自分ひとりでカバーできないのは、苦しかった。残業も休日出勤も平気だったが、自分はいつか他者に責任を負わせるのが嫌で、仕事から逃げ出してしまうかもしれない、と思った。(花束の夜)』
『わたしは、欲しい言葉を差し出せる人ではなくて、欲しくない言葉を突きつけてこ -
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ネタバレ◾️record memo
時々偶然にわたしの涙が視界に入った人も、ごく自然に見なかったことにして立ち去る。そこには「見ちゃった、めんどくさそう、逃げよう」なんていう思考はなくて、ただ「見た、去る」だけがある。興味を持つ前にただ風景として受け流していく。
ああ、ここは東京だ。これだからわたしは、この街にいられるんだ。
「なんていうか、例えば、わたし昼休みはだいたい職場の自分の席で、コンビニのお弁当とかパンとか食べながら、パソコンをいじってるんですけど、ヤフーニュースを開いて眺めてたら、記事のアクセスランキングなんかに、だいたい毎日、どこかで女性が性暴力にあったって報じてるんですよね。そうい -
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ネタバレ高瀬さんの「おいしいものが〜」に衝撃を受けたので、次に手に取った。
主人公は、卵巣の病気を持ちセックスも好きでなく、長く恋愛が続かない。
そんな自分でも愛して受け入れてくれていると思っていた彼氏、に子供ができた。その彼氏の子を宿った見知らぬ女から、その子供をもらってほしいと提案を受ける。
主人公の動揺をしていたものの受け入れる様子に、もっと感情的になってもおかしくないのでは?と疑問でしかなかった。
ラストは相手の女から出産後に自分の子として育てたいと言われるが、産んだ後に自分が育てたいと心変わりするなんて容易に想像できるのでは?作中の人物はみな想像力が足りない、浅はかすぎると思ってしまっ