高瀬隼子のレビュー一覧
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読んでいてずっともどかしいというかしんどかった。
これを言うと一部の人には怒られるのだろうけど、犬を愛していた愛情と家族や恋人へ向ける愛情を天秤にかけるというか犬を愛していた愛情が最大の愛でそれと同等の愛を家族や恋人へ持てているのだろうかと悩んでいるのがおもしろいなと思った。
犬って愛情が返ってくるというよりは無性の愛を与える形の愛情で家族や恋人は愛情が返ってくると思うけど、その中でこの話の中で犬と対比して書かれているのが赤ちゃん。
ただ、無性の愛を与え続けるか愛情が返ってくるかで考えると犬と赤ちゃんは対比関係ではなく同じ分類なのに犬はかわいいが赤ちゃんは可愛いと思えないと描かれているのが純粋 -
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ネタバレ読後感がかなり重く、引きずるタイプの作品。いわゆるイヤミスとは違うけれど、静かな不穏さと居心地の悪さがずっと残る。
湊かなえさんが「イヤミスの女王」と言われているけれど、個人的にはそれ以上に精神的にくるものがあった。人間関係の距離感や感情のずれがとても生々しく、読みながら少し怖くなる場面も多い。
物語の結末もはっきりした説明があるわけではなく、夫は本当に亡くなったのか、なぜ主人公が必死で探そうとしないのかなど、答えの出ない問いが残る。その曖昧さも含めて、主人公の内面の怖さが印象に残った。
面白かったというより、「心に残ってしまう」一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ推定枚数218枚
途中からミナシロさんは子どもを渡さないんじゃないか、と思ってたらやっぱり。
おばあちゃんが危篤になって、「お腹が大きくないから帰れない」と考えるシーンは生々しく印象的だった。子供が他の女とできてしまったからもらってほしい、ということ以上にそれを許される前提で進むことに腹が立つ。主人公の受け身の感じが随所によく出ている。
◯印象的な文
わたしのほしいものは、子どもの形をしている。けど、子どもではない。子どもじゃないのに、その子の中に全部入ってる。
→セックスが苦手なのに子どもを産まなければいけないのか、産んだら両親は喜ぶし社会は優しくなるし悩まなくて済むだろう。そもそも選ぶの -
Posted by ブクログ
(途中で読むのをやめてしまった作品もいくつかあるけど)以下、私的に良かった作品。
※敬称略
・ふたえ(高瀬隼子)
“お父さんが整形”という衝撃的なテーマを扱いながらも、エンタメとして消費せず、主人公と父親のリアルな心の動きにフォーカスしてたのが良かった。自分に刺さりまくった「おいしいごはんが〜」とまさか同じ作者さんとは。
・ハッピーエンドの小説(金子玲介)
前半は一風変わった主人公の行動にクスクス笑いながら読めてたけど(特にコールセンターのポケモンの話好き)、ラスト1、2ページがぞわぞわする…。
金子さんの作品はこれで3作目だけど、笑いとシリアス、ゾワッとさのバランスがいつも絶妙。
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Posted by ブクログ
読んでいて混乱しまくり!
そもそもこの物語はフィクションなのか私小説なのかも分からなくなってくる。
著者の策略に見事にはまり迷宮に迷い込んでしまったようだ。
長井朝陽は文学賞を受賞し作家になることで、それまで気にならなかった日常の些細な言動がノイズに変わっていく過程がじわじわと行き場を失くしていくように描かれている。
一見、著者の実体験をもとにした華やかなサクセスストーリーかと思いきや著者はそんな甘い夢を見させてはくれない。
そこにあるのは「言葉の恐怖」だった。
特に印象的だったのが中華料理屋の息子の話。
まるで朝陽の話のように描かれているが作中劇との境界線がはっきりせず作中劇と現実が雑音 -
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合わないタイプの本だった、と思う。
主人公に感情移入できない
現実なのか想像なのか分からず
理解が追いつかない
のに、最後まで読んでしまった。
多分読めた理由は、感情移入まではしないけどすごく「分かる」と思ってしまうから。
自分の外側しか見られていなくて、誰も自分の内側に興味などないのだろうなという虚しさ。消費される虚しさ。それがわかっているのに、ハッキリ言ってみればいいのに、結局口から出ていくのは相手が求める言葉ばかり。自分の本当の気持ちは吐露できない。
そして、そういう感情の動きが「わかる」から、没入しちゃう。ちょこちょこハラハラしたり、気分が落ち込んだり。
この方の本は、割といつも感情