光吉さくらのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三体IIのラストで白けてしまい続きを読むか迷いました。でも三体IIIではNetflixで気になっていたラダー計画について語られていて、諦めずに読んでよかった。
人類が集団や社会として描かれていて、ソードホルダー、智子に対する評価が状況次第でころころ変化し、絶望の中で救ってくれる存在を渇望するところなど、人類はどんなに時が経って技術が発達しても、本質がまったく変わらない。
宇宙船が4次元空間に入っていく場面を、文章で表現できるところが、作者さん翻訳者さんともにすごすぎます。読んでいて想像力が暴走して、本を閉じても、3次元にいながら脳が作り出す無限大のイメージに溺れます。
宇宙は11次元あるらしい -
Posted by ブクログ
面白いし読みやすい。ラノベでも読んでるのか思うほど読みやすい文章でスラスラ読めた。後書きでは中国語表現が多くて読みづらいかもと書かれていたが、そんなことは特に感じなかった。登場人物の名前も結構あっさりと中国語読みで覚えられたし、日本語読みで書かれるとむしろ違和感を覚えるほど。
「銀河在上」はなんとなく雰囲気で読んでたけど、自分思っていた意味合いで大体合ってたみたいで、これはこのままの表現で出してくれたのは正解だったと思う。
天垂星での戦いがメインだからそこでの戦いを描いていて、そればかりに気が向いていたけど、ここから銀河の深部を目指してまた舞台が広がっていくと思うと、次巻以降の展開が楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
お、おもしろかった…!二巻がものすごく面白かったから、三巻は本当にそれを上回ることができるのかと思っていたけど、予想を遥かに超えて面白かった。まだ上巻なのに!
めちゃくちゃ時間がかかってしまったけど、下巻を読むのが楽しみでしょうがない。
ところで、4次元ってほんと何?悲しいくらい全く理解できないんだけど。我々が2次元の紙、それにたまたま接着したシャボン玉、が1番わかりやすかった。4次元がどういうものか、この次元にいる限り理解できないことがよく分かる良い例え。
p.421
何も見えないこの暗黒は、いまや程心を守るものになっていた。闇の外はさらに恐ろしかった。そこに立ち現れたものは、寒さそれ自 -
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劉慈欣『三体0 球状閃電』ハヤカワ文庫。
『三体』シリーズの前日譚。『三体』の3部作同様に面白い。
突然発生し、あらゆる物質を透過し、突如として爆発的なエネルギーを放出する球電。何故、球状の中に電磁波が閉じ込められているのか。そんな謎に満ちた球電の正体を追う科学者たち。
ストーリーの中で語られる哲学や科学アプローチの方法は十分に現代の仕事に活用出来る考え方であり、決して創作と軽んじてはいけないと思った。
今の自分の存在が事実であるのか否か。そんな疑問が渦巻くような結末。
本作の中で興味深かったのは球電を発生させるためのパラメータと計算式のシミュレーションを行う過程であった。確かに大昔 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二巻である黒暗森林の終わり方が完璧で、続きをどうなるのだろうと読み始めた。
人類の救世主とも言える面壁者のその後が何ともやるせない。世間の評価はどんどん変わり、英雄だ、悪魔だと言われたい放題。ルオ・ジーの達観した様子を見るに極度のストレスにさらされて、ある意味ボケしまったのではないかと思わされる。
人類は重大なミスを犯して、再度滅亡の危機にさらされる。チェン・シンの心情描写には胸が苦しくなる。自分がその立場に立ったとしても、きっと何もできないだろうと思う。
それでもあっと驚く展開で、またも形勢逆転。圧倒的なスケール感と正直理解の及ばない描写が続く。
人類に最後の希望を残して、下巻に続く。