結城真一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
緩やかに破滅に向かう世界での連作短編集。100年後の隕石か、たしかに他人事に思える。
でもまだ生きている可能性がある当事者は?と考えると諦めて生きるのも頷ける。
各篇においても微妙な心理が描かれるが、未来のことよりもやはり今の現実に生きる事がヒシヒシと伝わってきた。
友よ逃げるぞどこまでも
最後に明かされたおっさんと北斗の関係が何とも辛い。ここでもホープに人生を乱されたドラマがあるのだが、それよりも偏った教育が起こした事件だ。
逃げることも戦いだ。中々理解に難しい考えかもだが批判はしない。人それぞれの環境の中での生き方と解釈しよう。
どうせ世界は終わるけど
未来の言葉に今まで読んできた自分の思いと一致した。ホープが来ても来なくても好きに生きたらいいじゃない。滅亡を言い訳にしなくてもいいやんか。
いつかは人類も滅びるし、自分もいつ死ぬか分からない。
そんときゃそんとき。と悲観的に考えずに暮らしたい。 -
Posted by ブクログ
面白かったのは、各作家が描く殺人鬼たちが、それぞれ**自分の信念や“筋”**を持っているところ。
ただそれは立派な「ルール」というより、自分を正当化するための言い訳にも見えて、その危うさが怖かった。
怪物になりきれないからこそ、言葉で理屈を作って“人間の形”を保とうとする――でもその理屈が、狂気を長持ちさせてしまう感じがある。
そして何より、怪物がふと見せる人間性を感じた瞬間に、「これは特別な誰かの話じゃなく、誰でもなり得るのかもしれない」と思ってしまう。その距離の近さがいちばん恐ろしかった。
改めて、シリアルキラーという題材はアンソロジーとの親和性が高いと思った。怖さの種類が作家ごとに変わるぶん、“闇の食べ比べ”みたいに読めてしまう。
さらにタイトルの『人殺し日和』がまた怖い。殺人が特別な出来事じゃなく、天気のいい日常にすっと紛れ込むような感触があって、読後にじわじわ効いてくる。
短編で楽しんだ後、じっくり各作家さんの作品も読んでみたくなる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
題名に惹かれて購入。
サイコパスが必ず物語に登場する短編集。どのサイコパスも新たな欲求に目覚めるきっかけだったり数字へのこだわりみたいなのが強く出ていて共感は出来ないがきっかけは突然起こることもあるんだなと思い、誰にでもきっかけはあると思うと怖かった。
どれもそれぞれの著者の良さがあり良かったが、木爾チレンさんとくわがきあゆさんの短編集が良かった。
⭐︎木爾チレンさん 『脳JILL』より
「欲求というものは、一度、上を知ってしまうと、もうそれ以下では満足できなくなるんです。」
→本当にそうだなと共感。上を求めればキリがないないし終わりがないなと思った。
⭐︎くわがきあゆさん 『私の伴侶』より
→人を救おうとする老人と人を掬う男性を掛けているのが上手いなと思い良かった。 -
Posted by ブクログ
「小説推理」に掲載された4編と結城真一郎氏の書き下ろし。
人気作家の人殺し(*☻-☻*)
「シリアルキラー vs 殺し屋」阿津川辰海
派手な対決ものに見えるのに、
「技術」と「倫理」の差だったり。
やっぱりプロはプロ。といったところでしょうか。
「脳JILL」 木爾 チレン
チレンさんぽさを安心して味わえる“人殺し”
という感じがします。
この文体の軽妙さと心理の深さの
高低差が魅力。
「テキストブックキラー」櫛木理宇
短編なのにハッとしてグッとくるなあと思ったら 櫛木さんでした。
“殺人”書いたら際立つものがあります。
「私の伴侶」くわがきあゆ
自殺の名所の崖の上。
止められぬなら落としてしまおうか。
落ちてしまったご遺体を拾うもあり。
「ご乗車の際は」結城真一郎
女郎蜘蛛を愛でる男は、殺す条件を常備するタクシードライバーとなる。巣を張ったつもりが同種の人間に乗り込まれる。
なんとなく 最初の数ページが道尾さんに似ている気がした。
技術的な殺人、殺人の思考、殺人との関係性
殺人者の反転と 皆さん殺人へのアプローチを変え楽しませていただきました。 -
購入済み
100年後に地球に巨大隕石が衝突し人類滅亡とのニュースが流れてから、衝突まで68年となった時点までの6つの短編です。あとの短編が以前の短編に関係することで、色々と生き方を考えさせてくれる作品と思います。
書名は、内容を表してはいるのですが、内容の半分だけのようで、次へのイメージを出す書名が良かったと思います。 -
Posted by ブクログ
誰も死なないはずの明晰夢の中で、なぜか人が死んでしまう。設定がもう面白い。
ヒントがたくさん散りばめられていて、完全に真相に辿り着けないとしても違和感をいくつも感じられるように作られている、フェアなミステリーだと感じる。といっても、私の推理力じゃ足りなかったけど。
メタバースの開発がどんどん進んでいって、現実と仮想空間との境界がどんどん曖昧になって行った先に、この本で起きていることが実際に起きてしまうんじゃないか、とちょっと思った。
登場人物も少なく分かりやすい、読みやすい、テンポもいいのであっという間。楽しかった。
でも帯にどんでん返しって書くのはやっぱりどうなんだろう。というかこの小説ってどんでん返し…なのかな?