結城真一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『どうせ世界は終わるけど』(結城真一郎)
小惑星の衝突によって、遠い未来に人類が滅亡することが分かってしまった世界を描く連作短編集。
「どうせ最後には全部なくなるなら、今頑張る意味って何だろう?」
この一つの問いを、学生、社会人、家族、子どもなど、さまざまな立場の人物を通して描いていく。
就職する意味、夢を持つ意味、誰かの記憶に残る意味。世界の終わりが決まったことで、それまで当たり前だった価値観が少しずつ揺らいでいく。
読んでいて特に感じたのは、“結果よりも経験そのものに意味があるのではないか”ということだった。
たとえ未来に残らなくても、何かに挑戦したこと、誰かと出会ったこと、自分の目で見たこと、そのとき楽しいと思ったことまで無意味になるわけではない。
そして後半になるにつれて、それぞれ独立しているように見えた物語が少しずつつながっていく構成も面白かった。
一番印象に残ったのは、「どうせ世界は滅びるんだから好きなことをすればいい」という考え方に対する、ある子どもの素朴な疑問。
世界が終わらなかったら、好きなことをしてはいけないのか?
その問いを聞いて、確かにその通りだと思った。
「どうせ世界は終わる」という一見後ろ向きなタイトルだけれど、読み終わってみると、むしろ“だったら今をどう生きる?”と問いかけてくる作品だった。
未来がどうなるかとは関係なく、自分で経験し、自分がやりたいことを大切にして生きていきたいと思わせてくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体的に分量的にもサクッと、テーマも現代的なものが多く読みやすかった。
こここら各話の感想。
・惨者面談
母親の違和感には気づいて、絶対本当の母親じゃないだろと思ったけど子供まで本物じゃないとは。。
・ヤリモク
父の愛、怖すぎるなぁ。
指紋や毛髪落ちてたらフツーに捕まらんか?
娘、パパ活よりタチ悪いやんけ。
・パンドラ
精子提供はなぁ、、考えさせられるなぁ、、
自分の子供が"自分の子供"じゃないとわかったら今まで通り愛せるのだろうかと感じた。
・三角奸計
リモート飲み会やったことあるけど、会話のテンポ感とか合わなくてちょい嫌なんよなぁ、楽しかったけど。
最後、主人公はどうなったのか。
・#拡散希望
確かに恐ろしいチャンネルだなぁと思いつつ、実際にある子育てチャンネルだって似たようなもんよな。今作では子供たちは撮られてるのを知らなかったわけだけど、現実では撮られてるのを分かったとしても何も伝えられないような歳から勝手に撮られて動画上げられてるパターンがあって両者はほぼ同義だよなぁ。 -
Posted by ブクログ
今回はナイトウさんがいなくなったあとの5年1組3学期。東雲、新城、白野、鬼塚の仲良し4人組は町のある場所に秘密基地を作り宝物を埋めるが、6年のケンカも強そうな剛力グループに元々俺らの場所だと基地を奪われる。しかし、剛力グループの竜崎が、クイズバトルに勝てたら返してやるという条件を出す。数斗は出された問題を解けるのか?
今回も一見難しそうな問題が出ます。
でも、大人なら、だいたいどこがひっかけなのかすぐわかります。ただ、今回は引っ掛けが分かってもちょっと考える問題があったり、数斗たちと同じトラップにはまって、あー、じゃあこっちかって考えたりしました。
あと、ヒントからすぐに最後の答えは分からなかったです…。
重要な問題に誤植あって(訂正入っていたけど)、あれ?本文読んでいたときは簡単だと思ったのに問題文よんだら解けなくない?って焦った。でも、すぐに比べて読んで、誤植分かったけど。こんなとこ間違えるのか!って驚いてしまいました。
高学年向け。中学年から読めます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『カエル男』ロスによって生気を失ってしまった私が新たなシリアルキラーとの邂逅を果たすために本書を手に取った。
そこでいま一度考えたのだ。そもそもシリアルキラーの定義ってなんなんだろう?
私個人が思うに、犯人の最終目的が「殺人」ではないことなのかなと。あくまでも結果的に「殺人」になっちゃうだけで。だから殺人に至る論理としては理解できなくもないんだよなー。でも「殺人」のことをなんとも思ってない当たりは全員に共通しておかしなところだから当然常人には理解されないんだけども。
そんなイカれた連中が5名の作家さんによって命を吹き込まれ、多種多様なそれぞれの目的のために殺人を犯す。たまらんね。
いくつか途中で全然シリアルキラーじゃないじゃん! と思わせる作品もあると思うけど、それは作家さんの巧みな技術によるところでなのでみなさんご安心を。間違いなくみんなシリアルキラーだよ^^
同じシリアルキラーを描く作品という中で、それぞれの作家さんの色が明確に出ているのはさすがの一言。
収録されている5作品の中で私は特に櫛木理宇先生の『テキストブック・キラー』が好み。最近『嗤う淑女』シリーズを読んだ影響なのかしら。
『カエル男』で失ったシリアルキラー分も十分に補給できたので、少し穏やかな世界に舞い戻りたいと思います。さて、次は何を読もうかな。 -
Posted by ブクログ
100年後に小惑星がほぼ確実に地球に衝突をする、というニュースから始まる6篇の短編集。
地球が滅亡するという未来はほぼ確定しているけど、それが約100年後という近過ぎず、かといって遠過ぎずというゆる終末。
「どうせ世界は終わるんだし」と諦観の念を抱いている者もいれば、急に突きつけられる終わりに納得がいかない者もいる。
衝突が発表された頃にこの世に生を受けている者は、地球が滅亡する頃には恐らく死んでいる。しかし、その子世代、孫世代はーーー?
物語が進んでいくごとに静かに忍び寄る終末。残されたタイムリミットの中、変えられない未来に絶望し、残りの人生を好きに生きるのか。それとも、宇宙から降り注ぐ「希望」に抗うのか。
自分ならどちらの立場になるだろう、と思いながら読んだ。もし今日、100年後に地球が滅亡しますと言われても、まあ自分は死んでるしなーとか、小惑星が衝突しなくたって死ぬことだってあるしなーと思って「どうせ世界は終わるんだし」側だと思う。一つ確実なことがあるとすれば、きっと、子孫は残そうとは考えないだろう。だって、どうせ世界は終わるんだから。寿命以外で終わりが見えている未来を、自分の子どもや孫には歩ませたくない。たとえ1%の確率で滅亡の危機を免れるとしても。
ほんのり自分の生き方を考えさせられる作品だった。
個人的には3話がたまげすぎてひっくり返った。