結城真一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレどうせ世界は終わるけど
「・・・から」ではなく「・・・けど」となっている表題のニュアンスの違いが最後に明確になる仕掛けに脱帽です。第6話は書下ろしですが、主要登場人物総出演もお見事。
第一話 たとえ儚い希望でも
消極的で自己肯定感が低い希美と真逆の日向。希美の背中を押し続ける日向の想いが最期にひっくり帰ります。
第二話 ヒーローとやらになれるなら
就活生の主人公と高校の知り合いの就活生。主人公が勘違いに気づいた時、折れたと思われたやる気が戻ってきます。
第三話 友よ逃げるぞどこまでも
刑期満了の一日前に脱獄した受刑者の目的とは。そして、主人公と受刑者との意外な関係とは。
第四話 オト -
Posted by ブクログ
面白かったのは、各作家が描く殺人鬼たちが、それぞれ**自分の信念や“筋”**を持っているところ。
ただそれは立派な「ルール」というより、自分を正当化するための言い訳にも見えて、その危うさが怖かった。
怪物になりきれないからこそ、言葉で理屈を作って“人間の形”を保とうとする――でもその理屈が、狂気を長持ちさせてしまう感じがある。
そして何より、怪物がふと見せる人間性を感じた瞬間に、「これは特別な誰かの話じゃなく、誰でもなり得るのかもしれない」と思ってしまう。その距離の近さがいちばん恐ろしかった。
改めて、シリアルキラーという題材はアンソロジーとの親和性が高いと思った。怖さの種類が作家ごとに変わる -
Posted by ブクログ
題名に惹かれて購入。
サイコパスが必ず物語に登場する短編集。どのサイコパスも新たな欲求に目覚めるきっかけだったり数字へのこだわりみたいなのが強く出ていて共感は出来ないがきっかけは突然起こることもあるんだなと思い、誰にでもきっかけはあると思うと怖かった。
どれもそれぞれの著者の良さがあり良かったが、木爾チレンさんとくわがきあゆさんの短編集が良かった。
⭐︎木爾チレンさん 『脳JILL』より
「欲求というものは、一度、上を知ってしまうと、もうそれ以下では満足できなくなるんです。」
→本当にそうだなと共感。上を求めればキリがないないし終わりがないなと思った。
⭐︎くわがきあゆさん 『私の伴侶』より
-
Posted by ブクログ
「小説推理」に掲載された4編と結城真一郎氏の書き下ろし。
人気作家の人殺し(*☻-☻*)
「シリアルキラー vs 殺し屋」阿津川辰海
派手な対決ものに見えるのに、
「技術」と「倫理」の差だったり。
やっぱりプロはプロ。といったところでしょうか。
「脳JILL」 木爾 チレン
チレンさんぽさを安心して味わえる“人殺し”
という感じがします。
この文体の軽妙さと心理の深さの
高低差が魅力。
「テキストブックキラー」櫛木理宇
短編なのにハッとしてグッとくるなあと思ったら 櫛木さんでした。
“殺人”書いたら際立つものがあります。
「私の伴侶」くわがきあゆ
自殺の名所の崖の上。
止められぬなら落 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
年齢不詳で美青年のシェフが1人で営むゴーストレストラン(客席をもたずデリバリーのみで料理を提供する飲食店)。ビーバーイーツの配達員の数名が口外禁止(口外したら命はない)の謎解き収集のミッションをかされ、シェフが謎を解いていく。しかしそれは嘘か真か。シェフの仕事はただ腹(欲)を満たすだけ。
①転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件
大学生の梶原涼馬が自作自演で元交際相手の諸見里優月を自分のアパートで焼死させる事件。依頼者は父親の梶原で、事件の真相を知って離婚した妻を脅すつもりだった。
②おしどり夫婦のガリバタチキンスープ事件
35歳の指宿大志郎が車にはねられ死亡。妻の頼子が夫 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「うっとりするほどの(悪)」
「どの殺人鬼を好きになる?」
帯にある通り「魅惑的な殺人鬼たち」
とても扇情的で魅力的です。
短編なのに起承転結サクッと読めて
どの作品にもモヤッと感がない。
こんな短編集は初めてです。(普段はあまり手に取りません)
「シリアルキラーVS殺し屋」阿津川辰海
武闘派のアクション満載な物語を想像させる
タイトルだけど、いつの間にかシリアルキラーに
心惹かれ応援してました。
「脳JILL」木爾チレン
読んでいる最中、無意識に顔がにやけていました。
5作品の中で最もゾクゾクして好きです。
「テキストブック・キラー」櫛木理宇
もう誰がなんて言っても安心し -
Posted by ブクログ
人殺し日和
シリアルキラーのアンソロジー。
シリアルキラーvs殺し屋 阿津川辰海
過去にも登場した綺羅が再登場。シリーズ化していくとは思っていなかったが、登場人物は魅力的。
依頼を受けてターゲットを尾行していたところトラブルに見舞われ・・・。
ミッシングリンクをテーマにしているが、シリアルキラー側からのヒントが少なく難解。シリアルキラーの殺害ルールがわかってからは衝撃。
綺羅はこれからどの様に生きていくのか。
そして殺し屋とシリアルキラーの生き様が明らかに違うという事も作者の素晴らしい推察だと思う(よくミステリーでは一緒くたにされている事が多い印象がある)。こういった整理されている部分も彼の