結城真一郎のレビュー一覧

  • 少年ABCの完璧な選択

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    結城真一郎さんの作品は好みなものが多く、王様のブランチの紹介でも面白そうだったので楽しみ。

    中2の夏。翔吾、鉄平、大樹は幼馴染の乃愛を救うため、虐待を行う母親らを不測の事態から殺してしまう。しかし、法の死角を突き、無罪放免を勝ち取った… それから15年後、乃愛が何者かによって誘拐される。誘拐犯は15年前の事件の真犯人が名乗り出なければ乃愛を殺すと宣言し、さらに事件にかかわった3人や家族の個人情報が開示されていく…

    世間的には悪ガキどもの友情物語。けれども、それぞれ家庭の事情を抱え、辛い思いをしている中で、仲間と助け合い絆を深めて行く… 青春。

    仲間とは?本当の友達とは?と結城さんに問いかけられている気がする。

    鉄平の父親が話した印象に残ったフレーズ。
    「幸も不幸もすべては腹次第なんだ」
    「腹を満たす。腹が一杯になればみんな幸せになる。そのために一番美味しい飯を出す。それが俺の仕事だ」

    料理人としての誇りと信念、そして優しさを感じる。

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    2026年10月06日
  • 少年ABCの完璧な選択

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     15年前に友達の少女を守るために完全犯罪を遂行した少年三人と現代で起きた誘拐事件、誘拐犯の真犯人追及と少年達の個人情報の暴露、警察と少年達の心理合戦に引き込まれるリーガルミステリーで、両方の事件の真犯人は途中で分かったが、完全犯罪の全容と少年達の友情、彼らが最終的に下す決断が読み応え抜群だった。

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    2026年09月26日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    結城さん2作品目。少年たちの完全犯罪の一部始終が気になり一気読み。15年後乃愛を誘拐され真犯人が名乗り出るよう脅迫されてからもきになって。犯人は何となくわかってもやっぱりラストまでの展開を確認せねば。このハラハラ感がおもしろかった。

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    2026年09月25日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    「殺したのは自分です。他の二人はやっていません」と3人の中学生(容疑者)が揃って取り調べで主張したことで殺人罪の構成要件を満たさず「嫌疑不十分」となった15年前の事件。この法律の穴を突くロジックの目の付け所はさすが東大法学部卒の著者。まずここで一気に引き込まれる。しかし、本丸はそこから。15年前の事件の真犯人に名乗り出るように迫る誘拐事件が発生。結婚して家族という弱点を持った3人が互いに疑心暗鬼に陥る心理サスペンスにジャンルシフトしていく。同時にまたしても彼ら3人の手のひらで踊らされているのでは?と捜査にあたる警察目線でもハラハラできる。この辺りの二重の構造にハマって一気に読んでしまった。15年前の真相に辿り着く鍵となる伏線の張り方も実にさりげない。お見事。

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    2026年09月23日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    すごく面白かった。
    少し前に読んだ「暗黒の瞬間」という小説を思い出した。
    短編小説集だったけれど、10人グループの人間のうち1人だけが性加害に加わっていないという事実があり、10人全員が自分がしていないと証言。
    その時、この人がその1人と証拠が出なければ、全員無罪という話だった。
    法律という完璧に出来ていると思っていたものが、僅かに、ほんの僅かに隙間があるということを思い知らされた小説だった。
    出てくる4人全員が切っても切れない血縁関係が悪いこと、中学生という狭い世界で、周りのみんなが幸せそうに見えることが、良くも悪くも強い結束を作ったんだろうなと思った。
    途中で結末に気づいたけれど、良い結末が待っていた。
    過去は消せないし、どこの立場に立つかで話は変わってくるけれど、死ぬまで背負い続けた上で、少しでも周りの人間との笑顔があれば良いなと思う。

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    2026年09月21日
  • 難問の多い料理店

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    単行本を読んでいて、文庫本が出たので再読。
    ゴーストレストランに届く依頼を、ビーバーイーツの配達員たちが聴取をしてきた内容を元にオーナーが"解決"していくお話。
    単行本に未収録だった短編も、最後はゾッとするようなお話で面白かったー!!

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    2026年09月18日
  • #真相をお話しします(新潮文庫)

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    短編ミステリー好きと言うのもありますが、とても面白かったです。そこまで奇をてらったどんでん返しではないですが、後でちゃんとなるほどと思えます。バッドエンドでないものもあると良いですが…

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    2026年09月17日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    ストーリーが面白い!
    文量がしっかりあるが、ぐんぐん読み進められた。
    「友達」とはなにか、読後感もじんわりと身体に広がっていく感じで、すごく良い読書体験となった。

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    2026年09月13日
  • 難問の多い料理店

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     ミステリーは謎を推理して真実に辿り着くことが描かれてきたし、探偵が謎を華麗に解く様こそが見所だと思っている。
     でも、この本は明確な探偵はある意味存在していないのかもしれない。存在するのはレストランのシェフなのだから。
     だが、私がこの本に突っ込みたいこと。それは、依頼の内容さえ人づて、証拠を集めるのもシェフに雇われた人、探偵の出した答えを依頼人に届けるのもまた配達人、ここまで探偵を歩かせないミステリーが他にあるかと思ってしまうほどに探偵は動かないのだ。動かないのにその推理は華麗で、さながら熟練した料理人の包丁捌きを見ているようだった。
     そして何より、私もまた本の中の依頼人達と同じく、あの探偵と呼んでいいのかも分からない1人のシェフに腹を満たされた1人の客であることは確かだ。なぜなら私の腹はどうしようもなく満たされてしまったのだから。

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    2026年09月12日
  • 少年ABCの完璧な選択

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    中2の夏、幼馴染の3人は、虐待を受けている乃愛を救うためにある計画をたて彼女を救う。
    それは警察を騙す、完全犯罪だった。

    だが15年後、乃愛が誘拐され、完全犯罪を成し遂げた3人に真犯人が名乗り出なければ、彼女の命を奪い、3時間ごとに彼らの個人情報を拡散するという…

    かつての少年たちの選択と決断は、今になってどういうふうに変化するのか…
    友情は変わらないのか…
    それとも家族を優先するのか…

    中学時代の彼らは「本町ギャングスターズ」と名乗り、それは乃愛を守るためでもあった。
    中2という、子どもっぽさも残る彼らがどこまでやりきるのか…到底、完全犯罪などと無理な話だと思っていたが、第二部で警察とのやりとりのなかで隠し通せたこと、そしてちょっとした話で見えてきたもの。
    少しの綻びが、やがて真実へと辿り着く。


    あっという間で、とても楽しめた読者時間だった。





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    2026年09月08日
  • どうせ世界は終わるけど

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    ネタバレ

    100年後に地球が滅びると分かっているのに、直接自分たちの世代には関係のない人々の想いが丁寧に描かれている。心のどこかにいつも「どうせ世界は滅びる」という言葉が住みついていて、それが逃げ道になったり、後押しになったり、自分の都合のいいように使われてしまう。
    でも本当は、地球がいつか滅びることなんて、もともと決まっていたことなのかもしれない。それがただ100年後になっただけ。大人はその重みを心で受け止めることが難しいけれど、子どもは生まれたときからその前提で生きているから、むしろ余計な制約を感じない。6章の未来くんの言葉には、子どもだからこその純朴な確信が込められていて、胸を打たれた。
    もう一度読みたい。時間を置いて、いまを噛み締めながら、ゆっくり読み返したいと思える一冊だった。

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    2026年09月05日
  • やらなくてもいい宿題2

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    ネタバレ

    読者層を意識してストーリーの深さは控えめ、前作に続き宿題に集中できる構成。全体の縦筋のキーワードと、そして前作が最後のナイトウさんからの宿題の伏線になっているのがニクい。

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    2026年09月04日
  • 難問の多い料理店

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    ネタバレ

    ビーバーイーツを利用して謎解きをするという新しい設定が面白い。
    『名探偵』ではなく『シェフ』だから、真相はどうでも良くて客の好みに合わせて『味付け』する。これはうまい表現だなぁと思った。

    1話は平凡な大学生が配達員で、配達員が手がかりを集めてオーナーが謎を解決する(解決ではなく調理)という普通の展開。
    2話目以降は配達員の事情も絡んできて違った面白さもあるが、だんだんと雰囲気が怪しくなっていく。
    配達員たちの抱える事情や境遇のいくつかは身に覚えがあり、だからこそ、オーナーとの約束を破った配達員の最後が恐ろしかった。

    オーナーは不自然なまでに完璧な容姿をしているが、その瞳は無機質で無感情。底知れなさや仄暗さが加わって、妖怪を思わせるような不気味さを感じる。

    最後の最後までオーナーの詳しい情報がなく、怪しいまま終わったことで、もしかしたらどこかに“店”がありそうだという余白を感じられてよかった。

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    2026年08月30日
  • どうせ世界は終わるけど

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    ネタバレ

    連作短編集。
    人類滅亡、ただし100年後、の世界で生きる人々のお話。
    最後の話が書き下ろしで、全体的にうまくまとまっていて良かった。
    もっとドロドロの作品かと思っていたけど、めちゃくちゃ爽やかな感じで面白い。
    登場する、特に子ども達が生き生きしてて好き。

    隕石ホープが衝突しなくても、いつでも、いつかは、人類は滅亡するし、、、っていう視点に立ち戻るのは、良き。
    ま、厳密には違うやろ、とも思うけど。

    これを機に「種の存続っていう根源的な本能」を人類は捨てたりしないのかな?
    っていう件が印象的だった。

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    2026年08月14日
  • 難問の多い料理店

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    ネタバレ

    謎の料理店の店主が謎解きや人探しをして欲しいという裏注文に、配達人を雇って証拠探しや手がかりを探すことで探偵のようなことをする。でもその探偵業務がどれも的をいているものの『客が満足のいく答え』を探しているだけ。『客が欲しいのは真実でなくていい』というなんとも薄気味悪いことを言う……。
    そんなことを言う店主の正体を明かそうとした配達人のひとりが…配達を通じ仲良くなった店と結託して店主のいわば『手足』になって働く人や、店主自身をつけていたところ…電車の来るホームで背中を押され………なんとも怖い話もあった。『知らぬが仏』という合言葉で配達人たちが、消えた配達人を店主に探させようとしたところ『俺が殺した』と……実は作っていた料理に人の肉も紛れていたらしき表現もあり最後の方は背筋が凍った…とても夏にピッタリの小説だった気がする。

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    2026年08月14日
  • どうせ世界は終わるけど

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    ちっちゃい話がつまってた
    最後のとこ
    ホープのせいで地球が滅びる予定がはやまっただけ
    地球が滅びなかったら好きにいきちゃいけないの?
    ここまじで泣くかと思った

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    2026年08月11日
  • 難問の多い料理店

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    フードデリバリーの注文が依頼になり、配達員を使って謎を解くという設定が面白くて手に取りました。
    依頼人と探偵役のシェフとは直接接触することがないところが、ミステリアスな雰囲気を醸し出していると思っていたのですが、読み進めてみたら思った以上にダークでした。
    表紙のイラストも、読み終えてから改めて見直すと、じわじわと怖さが滲んできてホラー味を感じます。
    文庫化にあたって1編が追加されており、単行本の最終話で終わったほうが確かにまとまりは良いと思いますが、この追加の1編があることで、最後にダメ押しのように余韻が残りました。
    怖いもの見たさで読み切ってしまったので★5

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    2026年07月15日
  • 難問の多い料理店

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    スピンオフ短編まで楽しめて、個人的には大満足です。
    何回も同じ文言を読んでたからか途中からはまた同じこと言ってるけどそこが重要なんだなとかシェフへのイメージを突き詰めたいんだなと感じることができました。

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    2026年07月10日
  • 難問の多い料理店

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    文庫化楽しみに待ってました。
    やっぱり面白い。
    探偵役が謎に包まれているのが
    新鮮でドキドキする。
    単行本未収録のスピンオフ短編も入れて
    すっきり終わってはいるけれど
    続編も出して欲しいと思える作品。

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    2026年07月05日
  • どうせ世界は終わるけど

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    約100年後に隕石が99%の確率で地球に衝突する世界の話が6話分あり、1〜5話が文芸誌で連載されたもの、6話が書き下ろし。

    各話の設定的に隕石衝突まであと80〜100年辺りの年代の話なので、しっちゃかめっちゃかな混沌とした世界にはまだなっていない、だけども諦め感の漂う時代で生きる人たちの身の回りの出来事が、妙に納得感のあるというか、滅亡すると分かっている世界でもしっかりと生活が続いていくことに変な安心感があり面白かったです。

    あと6話目の着地点が良かったです。
    小さい頃に「死んだらどうなるか」を考えていった結果、50億年後には太陽の膨張で地球が飲み込まれて確実に地球が無くなることを知って、『じゃあ地図に残る仕事、とか、自分の生きた証とか、意味ないじゃん』と悲観的に考える癖がついてしまった自分には、
    とても刺さりました。

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    2026年05月31日