結城真一郎のレビュー一覧
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ネタバレ読み終えてまず、後期クイーン的問題って言葉が浮かびました
なんか聞いたことある言葉だなくらいで、全然詳しくはないんですけどね
この解答が真実かどうかは問題ではない
シェフだから客が欲しがるものを提供する
ただそれだけ
まさに『真実など放っとけ』(P.403)
それで言うと「知らぬが仏のワンタンコチュジャンスープ事件」で語られた真相は、マスターがでっち上げた偽の真相だと思っています
さらに考えていくと、消されたジャーナリスト(ユッケジャンスープ事件)やカップル(いんげん豆の冷静スープ事件)も、店の仕業で消されたというはっきりとした描写は無いんですよね
ジャーナリストを押した「明確な意思を纏っていた」(P.270)という手も、一人称視点による文章での地の文でしたし、最後のカップルもただ二人で逃避行しただけかもしれないし
……なんて書きましたが、ジャーナリストを押したのは流石に店側の人かなと思っています
こんな風に、真相は全て藪の中、各自で自由に受け取ってねと言ったような、なんというか「自由度」の高い小説だなーなんて思いました -
Posted by ブクログ
ネタバレシングルマザーに虐待されて連れの男に監禁されたりする中学生女子は小学校時代からの友人男子三人に助けを求める。すり潰しゴキブリを注射したり辛子スプレー作ったりで連れの男と母親を拷問する計画を立てるが、失敗した結果二人を殺してしまう。
法律に詳しい一人が、全員が俺が殺したと主張すれば、誰をも殺人罪に問えないと主張して自主する。
そして15年がすぎて、一斉にxで風化させるなと投稿があり、女子が誘拐される。
誘拐犯は少年の姉。事件をきっかけに全てを失った動機。15年前の事件は、実は通報時は誰も死んでおらず、女がコンビニの防犯カメラでアリバイを作ってから戻ってきて刺殺し、二回目の通報をした。三人は誰も犯人ではなく、女が犯人だった。 -
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過去の友情か? それとも今の生活や家庭か? いま守るべきものは何かという究極の選択を突きつけられ…
■あらすじ
とある少年たちは、友人の母親とその交際相手を殺害したものの、法律の穴を突くことで起訴を逃れていた。15年後、当時の事件に関係していた女性が誘拐され、かつての事件の真犯人として名乗り出なければ女性を殺害するという脅迫が届く。
当時は中学生だったが、大人になり家庭を持った彼ら、いま守るべきものは何か? という究極の選択を突きつけられる。
■きっと読みたくなるレビュー
『少年ABCの完璧な選択』という、タイトルどおりの物語。
かつて友人を守るために殺人事件へ加担した3人の少年たち。彼らは口裏を合わせて言い逃れを決め込み、完璧に追及を逃れる。ところが15年後、その事件にフォーカスを当てた誘拐事件が発生、彼らは過去の罪を償わされることになる… という筋立て。
物語の前半は少年時代のフェーズで、彼らを取り巻く厳しい家庭環境が切々と描かれる。そして本作の真骨頂となる後半では、誘拐事件と過去の隠蔽の暴露が絡み合う物語が、重厚感たっぷりに展開していく。
まずシンドイのは少年時代のフェーズっすね… 今でいうところの親ガチャなんでしょうが、あまりにも大ハズレを引いてしまうと子どもにとっては惨劇でしかない。こういうのはどの本を読んでもムカッ腹が止まらないんだけど、本作では少年たちの目線がリアリティたっぷりに描かれているから、不憫でならないのよね。
「嫌ったり憎むよりも、好きでいるほうが楽」虐待を受けてる少女乃愛のセリフで、反抗するほんの少しのHPも残っていないということがよくわかる。あまりにも絶望的すぎませんか…
そして物語の後半15年後の世界、乃愛が誘拐され、少年から大人になったABCの葛藤が描かれる。何故なら誘拐犯は、かつての事件の真相を公表しないと、ABCの個人情報を公開するというのだ。
彼らにとって大切なのは、過去の友情か? それとも今の生活や家庭か? 難しい選択しなければならないのです。
当然個人情報がSNSでさらされると、もう今の生活は壊されてしまう。もっと恐ろしいのは、家族、配偶者、親兄弟の不始末ほど、質が悪いものはなく、その後一生関わってしまうということ。自分が何も悪いことをしていなくても、巻き込まれてしまうのです。
いつも思うんだけどさ、政治家や芸能人は自分自身が商品だからある程度は理解できる。でもいくら犯罪を犯したと言って、関係のない奴が一般人を攻撃するのはほっといたれよと思うわ。
果たして、かつての少年ABCは、どういった選択をするのでしょうか?青春時代の友情と、今の家族のどっちをとるの?ってよくありそうな題材ながらも、うわべだけの二項対立で議論させるのではない。命を削った真の友情と切っても切れない血縁関係の因縁、どちらが本物なんでしょうか。
■ぜっさん推しポイント
「運が悪い人は、どうあがいても、結局は何も変わらない」本作の前半で毒親が吐いたセリフです。
私も恵まれた環境じゃなかったから気持ちはわかるけども、大人なっても言っているようじゃ、ただの甘え。最も簡単な方法を選択したというだけなのです。
本作に出てきた少年たちも人生ハードモード、もっと難しい選択を血を吐く思いでやってきたはず。読み終わったら、彼らをずっと応援しっぱなしだったことに気づかされるのです。 -
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最初の方は良く言えばわかりやすい。
悪く言えば単調でミステリーを読み慣れている人からしたらトリックがわかりやすすぎるというか...
でも少し他の作品と違うと思ったのは、考えようによっては答えは一つではないような答えを導き出しているところ。
六本木で配達員をしている人のスマホに注文が入る。受け取り先は六本木にあるゴーストレストラン(?)であり、そこには日々様々な謎が持ちかけられている不思議なレストランであった。
美青年と思われる年齢不詳のオーナーは、その謎を配達員を使って根拠を集め、解決していく。
1話完結型の話でとても読みやすいが、正直刺激が欲しいミステリーマニアには少々物足りないように感じた。 -
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ネタバレ100年後に、地球に小惑星が衝突し、人類は滅亡する…そんな世界線の、全6話の連作短編集。
第1話、第2話…と、話が進むにつれて、そのタイムリミットがじわじわと近づいていくのが、薄らとした恐怖を感じた。
第1話では自分の世代には関係ないなぁという感じなのに、第5話〜第6話になると、自分の子どもたちが「人類滅亡」という危機に直面するかもしれない…という現実味を帯びてくる。
世間は「どうせ世界は終わるし」と諦めきった雰囲気だけど、その中にも希望を持ち続ける人がいる。
第6話には、それまでの話で登場した人たちらしき人物やエピソードが再登場して、胸が熱くなる。
どんな時でも、希望や未来は確実にある。それがどんなに小さなカケラでも、見つけて、大事にできる人がいる。大事にしたいと思える人がいるように。 -
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オーナーが説明してくれるまで全くわからない謎もあれば、慣れてくると探偵気取って考察できるものもあって楽しかった!「まこと」のくせに、超納得がいくくせに、"真実"ではなく"解釈"とオーナーから釘を刺されているせいでもやもやが残ってる(笑)
商業脳なので1章2〜3話くらいの1クールアニメにできそうだなと思った
メモ
転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ
(家が火事、元カノ焼死体)
おしどり夫婦のガリバタチキンスープ
(死体に指がない)
ままならぬ世のオニオントマトスープ
(キラキラインフルエンサー)
異常値レベルの具だくさんユッケジャンスープ
(同じ配達員、オーナーを尾行)
悪霊退散手羽先サムゲタン風スープ
(空き部屋に配達)
知らぬが仏のワンタンコチュジャンスープ
(失踪、過去の配達員大集合)
今度こそ許すまじ春野菜といんげん豆の冷製スープ
(浮気調査) -
Posted by ブクログ
探偵役がゴーストレストランのシェフで、ビーバーイーツの宅配員が手足となって動く助手役、という変わった設定。同著者の『#真相をお話しします』同様、現代風のミステリだなと思う。
単にシェフが謎解きをして、注文という体で依頼された謎を解き、解決編を合言葉をつけてメニューに載せ、依頼者に伝える…大まかなストーリーの中に、実は怖い約束事があったり、配達員の人生があったりして、面白かった。そしてちょっと、怖いところも。
連作短編なので読みやすく、この文庫版にはオリジナルのストーリーがひとつ追加されているので、これから読まれる方は、文庫版をおすすめします。 -
Posted by ブクログ
人類滅亡 ただし100年後。
『#真相をお話しします』の著者が描く、隕石が地球にぶつかり地球は滅亡するとわかっている世界。
正直、人に薦められなければ東大卒作家の奇をてらった話だと思って読まなかったかも。
でも予想は良い意味で外れたので感想を書くことにしました。
連作短編集で滅亡までの時間が少し進む。未来がないことがわかっている『みとり世代』たち。
もっと直近の衝突が発表されるならパニック映画のように暴徒と化すのだろうけど、人々はゆるやかにあきらめている。『どうせ世界は終わる』
そうなると、将来のためと子供に教育を押し付けなくなったり、厭世感の中にも緩やかな変化がおこる。
この視点が本当に新鮮でした。特別優れた人でなくても宇宙作業員になれる世界。これは良いんじゃないかと思えてきて。
新しい読書体験が出来ました。面白かったです。