結城真一郎のレビュー一覧
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桐原翔吾、黒石鉄平、猿渡大樹は中学2年生の時、鮫島乃愛の母親とその恋人を刺殺した容疑で逮捕されたが、あるロジックを貫いて完全犯罪を成し遂げ、放免されていた。
そして15年後、鮫島は顔見知りのような誰かに誘拐され、誘拐犯からは、真犯人が名乗りを上げないと、乃愛(とは書けないので方舟ちゃん)を殺す、その前に事件の容疑者たちを晒すとSNSに投稿される。
まず、前半は4人の関係性や、事件に至った経緯、後半がSNSで脅迫されてからの動きとなる。この話は、WHO(15年前の真犯人)はだいたい予想がつきます。その上で流れを楽しめる人が面白いと感じる本ではないかと思います。
また、彼らの小学生時代から語られますが、万引き、喫煙、飲酒あたりは平気でやるので、鶴見〜川崎あたりの荒れた子どもにしては可愛いとはいえ、感情移入読みが難しいです。
ただ、友情や家族への親愛、本当に大切にしないといけないことなどの芯はしっかりしていたのと、どういうふうに話が終わるのか興味があって一気に読みました。
殺人・虐待・万引き等の軽犯罪のオンパレードなので中学校以上むけ。 -
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ネタバレこれは現実にはあり得ない。警察がお粗末すぎる。
現場にあったのは、2つの死体と、4人の子供。
うち一人は死体の一人の娘で、死体のそばで泣いている。子供らに話を聞けば、その娘は事件の直前まで買い物に出ていて戻ってきたところだった、と。
そして、娘以外の3人はどうやら結託している。
なぜ、娘を被疑者から外したのか?
死体の一人の娘だからか?付近のコンビニの防犯カメラに確かに映っていたからか?警察が着いた時点で未帰宅ならまだしも、走れば犯行時間に間に合う距離だぞ?
あと、死体にはナイフが刺さったままだったわけで、事態の終わり直後のシーンでは、そこから指紋を拭き取れるような冷静さを持っていた人物はいなさそうであるし、それを辿れは必ず犯人は分かったはず。
他にも、読みながら至る所でモヤモヤ。
物語としてはおもしろいが、ただの悪ガキが度を越して、悪知恵を働かせて法の網をくぐり抜けた設定を守るがため、実際の捜査力を甘く見過ぎだと思う。 -
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結城真一郎さんの作品は好みなものが多く、王様のブランチの紹介でも面白そうだったので楽しみ。
中2の夏。翔吾、鉄平、大樹は幼馴染の乃愛を救うため、虐待を行う母親らを不測の事態から殺してしまう。しかし、法の死角を突き、無罪放免を勝ち取った… それから15年後、乃愛が何者かによって誘拐される。誘拐犯は15年前の事件の真犯人が名乗り出なければ乃愛を殺すと宣言し、さらに事件にかかわった3人や家族の個人情報が開示されていく…
世間的には悪ガキどもの友情物語。けれども、それぞれ家庭の事情を抱え、辛い思いをしている中で、仲間と助け合い絆を深めて行く… 青春。
仲間とは?本当の友達とは?と結城さんに問いかけられている気がする。
鉄平の父親が話した印象に残ったフレーズ。
「幸も不幸もすべては腹次第なんだ」
「腹を満たす。腹が一杯になればみんな幸せになる。そのために一番美味しい飯を出す。それが俺の仕事だ」
料理人としての誇りと信念、そして優しさを感じる。 -
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ミステリーは謎を推理して真実に辿り着くことが描かれてきたし、探偵が謎を華麗に解く様こそが見所だと思っている。
でも、この本は明確な探偵はある意味存在していないのかもしれない。存在するのはレストランのシェフなのだから。
だが、私がこの本に突っ込みたいこと。それは、依頼の内容さえ人づて、証拠を集めるのもシェフに雇われた人、探偵の出した答えを依頼人に届けるのもまた配達人、ここまで探偵を歩かせないミステリーが他にあるかと思ってしまうほどに探偵は動かないのだ。動かないのにその推理は華麗で、さながら熟練した料理人の包丁捌きを見ているようだった。
そして何より、私もまた本の中の依頼人達と同じく、あの探偵と呼んでいいのかも分からない1人のシェフに腹を満たされた1人の客であることは確かだ。なぜなら私の腹はどうしようもなく満たされてしまったのだから。 -
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ネタバレ100年後に地球が滅びると分かっているのに、直接自分たちの世代には関係のない人々の想いが丁寧に描かれている。心のどこかにいつも「どうせ世界は滅びる」という言葉が住みついていて、それが逃げ道になったり、後押しになったり、自分の都合のいいように使われてしまう。
でも本当は、地球がいつか滅びることなんて、もともと決まっていたことなのかもしれない。それがただ100年後になっただけ。大人はその重みを心で受け止めることが難しいけれど、子どもは生まれたときからその前提で生きているから、むしろ余計な制約を感じない。6章の未来くんの言葉には、子どもだからこその純朴な確信が込められていて、胸を打たれた。
もう一度読みたい。時間を置いて、いまを噛み締めながら、ゆっくり読み返したいと思える一冊だった。 -
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ネタバレビーバーイーツを利用して謎解きをするという新しい設定が面白い。
『名探偵』ではなく『シェフ』だから、真相はどうでも良くて客の好みに合わせて『味付け』する。これはうまい表現だなぁと思った。
1話は平凡な大学生が配達員で、配達員が手がかりを集めてオーナーが謎を解決する(解決ではなく調理)という普通の展開。
2話目以降は配達員の事情も絡んできて違った面白さもあるが、だんだんと雰囲気が怪しくなっていく。
配達員たちの抱える事情や境遇のいくつかは身に覚えがあり、だからこそ、オーナーとの約束を破った配達員の最後が恐ろしかった。
オーナーは不自然なまでに完璧な容姿をしているが、その瞳は無機質で無感情。底知れなさや仄暗さが加わって、妖怪を思わせるような不気味さを感じる。
最後の最後までオーナーの詳しい情報がなく、怪しいまま終わったことで、もしかしたらどこかに“店”がありそうだという余白を感じられてよかった。 -
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ネタバレ謎の料理店の店主が謎解きや人探しをして欲しいという裏注文に、配達人を雇って証拠探しや手がかりを探すことで探偵のようなことをする。でもその探偵業務がどれも的をいているものの『客が満足のいく答え』を探しているだけ。『客が欲しいのは真実でなくていい』というなんとも薄気味悪いことを言う……。
そんなことを言う店主の正体を明かそうとした配達人のひとりが…配達を通じ仲良くなった店と結託して店主のいわば『手足』になって働く人や、店主自身をつけていたところ…電車の来るホームで背中を押され………なんとも怖い話もあった。『知らぬが仏』という合言葉で配達人たちが、消えた配達人を店主に探させようとしたところ『俺が殺した』と……実は作っていた料理に人の肉も紛れていたらしき表現もあり最後の方は背筋が凍った…とても夏にピッタリの小説だった気がする。 -
Posted by ブクログ
フードデリバリーの注文が依頼になり、配達員を使って謎を解くという設定が面白くて手に取りました。
依頼人と探偵役のシェフとは直接接触することがないところが、ミステリアスな雰囲気を醸し出していると思っていたのですが、読み進めてみたら思った以上にダークでした。
表紙のイラストも、読み終えてから改めて見直すと、じわじわと怖さが滲んできてホラー味を感じます。
文庫化にあたって1編が追加されており、単行本の最終話で終わったほうが確かにまとまりは良いと思いますが、この追加の1編があることで、最後にダメ押しのように余韻が残りました。
怖いもの見たさで読み切ってしまったので★5 -
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約100年後に隕石が99%の確率で地球に衝突する世界の話が6話分あり、1〜5話が文芸誌で連載されたもの、6話が書き下ろし。
各話の設定的に隕石衝突まであと80〜100年辺りの年代の話なので、しっちゃかめっちゃかな混沌とした世界にはまだなっていない、だけども諦め感の漂う時代で生きる人たちの身の回りの出来事が、妙に納得感のあるというか、滅亡すると分かっている世界でもしっかりと生活が続いていくことに変な安心感があり面白かったです。
あと6話目の着地点が良かったです。
小さい頃に「死んだらどうなるか」を考えていった結果、50億年後には太陽の膨張で地球が飲み込まれて確実に地球が無くなることを知って、『じゃあ地図に残る仕事、とか、自分の生きた証とか、意味ないじゃん』と悲観的に考える癖がついてしまった自分には、
とても刺さりました。
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5年1組東雲数斗のクラスに見とれるくらいかわいいナイトウカンナが転校してきた。しかし、彼女は皆の質問に全て「内緒」とつれなく、皆ナイトウさんを遠巻きにした。しかし友人の新城航平は彼女が気になり、しかも彼女が怪盗ランマの仲間だと言い出す。諦めずに2人で質問し続けていると、ナイトウさんは数学で勝負を持ちかけてきた。実は数斗は算数オリンピックで金メダル撮る天才なのだ。しかし、ナイトウさんの問題は解けるのに正解しないやつで…。
問題は全部で6つ、大人にとっては算数の正解は難しくても、正答は瞬殺で答えられる問題でした。難しい方の答の導き方はマンガですごく分かりやすく図説してあり、その完成度に感心しました。あと、直接だされた最後の問題では感動もさせられました。
既読の主婦の友社のミステリ図書室シリーズで一番難しさも内容も良かったです。続編でたようなので読みたいと思います。小学校中学年から。ルビあり。