結城真一郎のレビュー一覧
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ネタバレ一見ラノベ風ですが、その実社会派ミステリーのような気がしました。
と言うのも、パトリシア(あえてそう呼ぶ笑)の主張は奇抜ではあるのですが、私自身も最近考えることがあるのです。
奇しくも本作が出版されて以降、度重なる自然災害とそれに付随する地方インフラが破綻していく様を目にすることが増えました。
必要とわかっていても救助に向かえない地域、なかなか復興の手が入らない地域、もはや人が住めないのでは?と思われる地域がたくさんあります。
そうこうしている間に、ある程度大きな都市部でも道路の陥没や、水道施設、鉄道の老朽化などが次々と起こっています。
便利になりすぎた社会を維持できない。
持続可能にしていくためには、どうしたらいいのだろう。
ある程度、自然災害に強い土地を選定し人を集め、人が住むに耐えない土地は自然に返すことも一つの手なのではないか、と。
それが正解かどうかは、もちろんわからないのですが。今のままでは、パトリシアの言うように国家滅亡は待ってくれないと思うんです。
しかし、ドローンの登場でクローズドサークルの意味合いが変わってきましたね。これはこれでおもしろい。 -
Posted by ブクログ
1.登場人物
雨宮雫…死神と呼ばれる天才官僚。
晴山陽菜子…大手広告代理店を退職後、田舎に移住。
中井佑…ドローンによる空撮映像などで人気を博す映像クリエイター。
神楽零士…「奇跡」と称された限界集落を立て直した立役者。
馬場園…神楽零士殺しを追うジャーナリスト。
2.物語の始まり
地銀から国家の中枢に出向していた中津瀬。地方創生に関わりたいと願う彼にとって、限界集落を立て直した神楽零士は目標の人間だった。
一方、地方は国家に必要ないという動画を投稿し、全国民は大都市へ移住すべきだと主張するネット上の人物、パトリシア。
神楽零士とパトリシアはネット上で互いに自分たちの主張を繰り返していた。
ある日、中津瀬は、神楽零士が殺されたということをニュースで知った。
3.キーワード・テーマ
国家を存続させるにあたって、地方は必要なのか。
地方を維持するために様々な税金が地方へ投入されている。もしそれがなくなれば、莫大な財源を生み出すことができる。
そのために地方にいる人は皆、大都市へ移住するべきだ。
パトリシアのこの主張に対し、明確な答えを出すことは可能なのか。 -
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最近勢いのあるミステリー作家6人の競演。オール讀物か別冊文藝春秋などが初出の読み応え抜群の一冊でした。もし気になる作家さんが入っていたら試し読みに最適です。タイトル的にスカッと爽やかとはいかない内容が多いので、読み心地良いもの求めている人には向きません。
「ヤツデの一家」新川帆立
三代目を継いだ女性政治家の語り。暴君だった父の後妻の連れ子、渉は美しく世渡りがうまく、面倒なことは嫌い。でも私にアプローチしてきて、私も渉なしではいられない。そして私は醜いが、美しく身体の弱い妹がいる。
女の国会みたいな話かと思ったら全く違いました!珍しくドロドロっとしたお話です。
「大代行時代」結城真一郎
世の中流行りの退職代行を使って、銀行の当たり新人がやめていった。残ったのは私についた総合職の使えない猪俣君。一年もしたらすぐ異動してどんどん出世するんだろうけど、とにかく私に声をかけられないでずーっと後ろでもじもじしてるようなダメっぷり。私は時々友人の香奈子に会って愚痴るのだ。
なるほどっていうオチ。捻りが効いた話の多い著者っぽいと思いました。
「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
ファミレスのスプーンを舐めて元に戻す画像で炎上し、訴訟に発展しそうな妻貝朋希。その彼を追う記者2人が周りの友人知人にインタビューしていく記事やメールだけで構成されている。タイトル通り少しずつ妻貝朋希のことが分かっていくのだが、大題の“罠”も絡んできて更に話が深くなります。
斜線堂有紀の本領発揮!っていう一作。構成やプロットだけでなく、妻貝のような性質のこと、SNSへの過激な投稿など、幾重にも感情が深まるネタが仕掛けられていて深み(あく)が凄い。
「供米」米澤穂信
私は詩の道を志したが諦め銀行員となった。しかし親友春雪はその才を発揮し研ぎ澄まされたその詩集は詩人文人に評価高かったのだが、夭折。遺稿集がでたのだが、その推敲具合から、本人には人に見せる意思がなかったのかと思い…。
紡がれた文章や語彙が設定年代や詩人の考察というのに合致していて美しかった。それに反しでオチが…。不協和音な印象。それが良いのかも。
「ハングマン ―雛鵜—」中山七里
単行本の続編。今回の主人公は裏の機械操作で情報収集役の比米倉。大学生活が少しだけ語られ、少ない友人の一人だった久水が闇バイトのニュースで映像写っており、やがて死体となり発見された。比米倉は真実を追及していく。
「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
刑部はミステリー重鎮作家。最近弟子を取ったらしく、逗子の自宅へ訪問した編集者の西川は2人のミステリー会話(指導)を興味深く隣室で聞く。ミステリー談義は幾話も続き…しかし、事件が起こる。 -
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小学生高学年向け。楽しく読み解きながら少し難しい算数問題の解法も身につく、学習エンタメ本。
松原秀行作の「パスワード」シリーズに大ハマりしている、小6の我が子用に。算数の計算も文章題も得意な方なので、学習教材としてではなく謎解き系のエンタメとして与えてみました。
新しい物には割と抵抗感を示す子なのですが、読み始めたら止まらない模様。
早速、はじめの対決に負けて「こんなの分かるかー。算数の問題の時はそんな事は起きないんだよー」とご機嫌で怒ってました。
追記
表紙に「算数バトル編」とあるのを目ざとく見つけ、
「他にもあるの?」と。続編が読みたくなるくらいには気に入ったようです。 -
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まず、この本は結城真一郎が書いているが、完全な児童書だ。あらすじを説明すると、舞台はある小学校。全ての質問に「内緒。」と答える転校生のナイトウさんが数学オリンピック2連覇の主人公数斗に数学のクイズを出し、数斗がそれに答えるというものだ。問題の題材は中学受験で使う鶴亀算、旅人算、年齢算、流水算、ニュートン算で、話の構成としては、一章につき一問+まとめで、全6章となる。
私の感想としてはやはり、物足りないの一言だ。それぞれの問題には、ひっかけがあり、ただ解けるだけでは正解できないというものなのだが、そのひっかけは簡単に見抜けてしまう。それを主人公の数斗が気付けずに奮闘している姿には、少しテンポの悪さを感じてしまう。
しかし、児童書としては別だ。まず、登場人物が絞られているのがいい。小学生が本を読む時に障害となることの一つが名前覚えられない問題だ。その点、この話では登場人物がたったの5人で、その問題をクリアしている。また、私がダメな点として挙げた展開がわかりやすすぎるというのも、小学校高学年相手であれば、王道と呼べる。
以上の点から、もし小学校高学年の子供がいるならば、この作品をぜひ読ませるべきだ。これを機に数学に興味を持つかもしれないし、塾に行くモチベーションになるかもしれない。私に子供ができたときには、必ず読ませようと思う。 -
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文春文庫のアンソロは面白い!
前作の「神様の罠」が好きだったので今回も購入。
新川帆立「ヤツデの家」
初読みだったけど読みやすかった。アンソロの最初のとっかかりに最適。内容も好みで二回読んだ。
結城真一郎「大代行時代」
こちらもまた初読み作者だったけど面白かった。ありえそうな話だ。
こういう新入社員おるおる~。最後のオチもよかった。
米澤穂信「供米」
この話を読めただけで大収穫です。大好き米澤穂信。愛してる米澤穂信。
3ヶ月ぶりに本を読んだんだけど、2023年最後にこのお話を読めてよかった。やっぱ本読むの大好きだ。
最初読み始めたときは「うわっ苦手な歴史ものだ!」と若干引いたものの、あれよあれよと読み進められた。文章がうますぎる。途中まではどういう話なのよと不思議に思っていたけれど、最後の奥さんとの会話で鳥肌。ああああそういうことだったの!?慌てて読み直し。もう大好きすぎる……。見事でした。
あとはそんなに心に残りませんでした。
斜線堂有紀「妻貝朋希を誰も知らない」
なんとなく彼の正体がわかっていたので特に心に響かず。
てかこれを読んでなにを思うべきなのだろうか。
中山七里「ハングマン」
これなんかのスピンオフ?
そろそろ中山七里だからといって買うのはやめそうです。
有栖川有栖「ミステリ作家とその弟子」
ウサギとカメについての着眼点は面白かったし、なるほどと思った。
でも肝心のオチがわかりきっていたので、うーんって感じ。