あらすじ
『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が2年ぶりに仕掛ける、
笑いあり、驚きあり、そして怖さあり……の摩訶不思議な本格ミステリ、ここに爆誕!!
――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。
こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!!
ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の「僕」は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。
彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、嘘みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。
そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。
どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしい、と。
不自然な焼死体が出たアパート火災、空室に届き続ける置き配、謎の言葉を残して捕まった空き巣犯、なぜか指が二本欠損した状態の轢死体……。
オーナーは、配達員に情報を運ばせることで、どんな謎も華麗に解いてしまう。
そして、配達員にこう伝えるのだ。
――「口外したら、命はない」と。
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Posted by ブクログ
『#真相をお話しします』がいまいち好みじゃなかったのでなんとなく読まずにいたけれど、これはおもしろい!
事実ではなくて解釈を提供するってこれまでにないミステリーだし、登場人物のキャラクターも魅力的だった。
オーナーは何者なんだろうか。オーナーの更に上の人がいそうな気もする。
ドラマ化したらおもしろそうだな。
ぜひぜひ続編が出ますように!
Posted by ブクログ
2025.06.30
まず、謎解きの適度な難易度の設定が万人向けで良い。
そして、登場人物の造形設定もユニーク。
最大の良さは、探偵もののいわゆる「ワトスン役」の設定が臨機応変にできる舞台設定に脱帽。
いくらでもこのシリーズ量産できそうな雰囲気も含め、脱帽のひとこと!
Posted by ブクログ
容姿端麗で頭の切れる謎の多いオーナーが営むゴーストレストランを舞台とし、そこに出入りするビーバーイーツの配達員たちがオーナーから探偵的任務を請け負い、その報告を受けたオーナーが推理して、客からの「困り事」を解決するという新傾向のミステリ小説。
各ストーリーの真相も予想のつかなかったものが多く楽しめたが、各ストーリーの流れが完全にテンプレ化していてくどく感じた。
Posted by ブクログ
普通に面白い作品。
この方のミステリーって今どきっぽさが随所にあって、するする読める。
そして探偵のバディ役が毎回変わるけれど、それによってただの謎解き以上の、少し踏みこんだ教訓も描かれ一つ一つの話が印象的になる。
最後に結末を明かさないのも作品として一貫していて、好みは別れそうだけれど私は好き。
それにしても探偵さん、何者なんだ。
Posted by ブクログ
★4.5
むかしむかしあるところ…ばりに、様式美にこだわって謎解きを進める安心感と驚きあり。
それが一転するのが4作目。5作目で安心感を与えた後で訪れる終章の華麗なる大団円。
メンバー入れ替え、これを超える次作も執筆を期待してしまう。
Posted by ブクログ
怒涛の伏線回収劇であっという間
短編というのも読みやすい
ちょっと重たい作品の後におススメ
ちょっと最後がう~ん…
抑揚があまりなくてオーナーのキャラ守がある?もしくは
続編然り…?
連ドラにするにはいっこいっこが短くて難しいんじゃ…ていうほど
謎!→解決編!がまあ早すぎるやつ
「#真相…」よりこっちのほうが私は好きかも
ソイカウボーイの「陽バイト」ネタ見てみた過ぎるんだけど(笑)
Posted by ブクログ
映画化した「#真相をお話しします」があまりに面白くて、原作の小説を読みました。これが結城真一郎さんを知ったきっかけです。原作の小説も面白くて、他の作品も読んで見たいと思い、検索したら「難問の多い料理店」がヒット。早速読むことにしました。
ミステリー小説やミステリー漫画など、ミステリーを好んで読んできましたが、今回読んだ作品は今までとはスタンスが違って新鮮でした。
名探偵コナンの名台詞「真実はいつもひとつ!」にもあるように、ミステリーって真実を解明するのが醍醐味の1つだと私は思ってたんですが、この作品はそうじゃない。あくまで「レストラン」。依頼人である客が望む解答を提供する。真実じゃなくて解釈の提供。探偵ポジションのレストランオーナーがそう言っちゃうなんて、今までにない発想でおもしろいなと思いました。
6つの短編が収録されていて、1番おもしろいと思ったのは、「知らぬが仏のワンタンコチュジャンスープ事件」
少し気味悪いシーンもありますが、先に書いた解釈の説明のところが、他の5つの短編の伏線を回収していて、特に面白かったです。
Posted by ブクログ
ゴーストレストランが謎解きの注文も受ける設定が面白い。探偵じゃなくシェフと公言しているのがラストに効いてくる。ウーバーならぬビーバーイーツの配達員が巻き込まれるが、注文者から話を聞くのは難易度高いのでは。
Posted by ブクログ
怪しげなレストランのオーナーシェフが配達員を使って情報を仕入れ、謎を解くウーバーミステリー
これ、ミルクボーイぐらいなんぼでもお話作れるシステムやん
ドラマ化したらシリーズ化も出来そうやん
配達員を1話毎変えて、話題の俳優や芸人、アイドル、たまに大物タレントなどキャスティングして、そうやなぁ~シェフは城田優くんあたりがいいかしら?なんて勝手に思いながら読んでました
Posted by ブクログ
怪しげなゴーストレストランに様々な依頼が届き、オーナーがそれを解決していく話。
このオーナーが探偵ではなく、あくまでシェフというのがいい。真実を追求ではなくお客好みの解釈に味付けするというのが好き。まさにシェフ。
個人的にはおしどり夫婦の話がお気に入り。
どの話も面白かったし、最後にはしっかり驚きもあって良かった。
Posted by ブクログ
ビーバーイーツの料理人と配達人で繰り広げられる謎解き短篇集と思いきや、最後に結集され、いよいよ盛り上がる。
あらすじから、料理店で謎解きミステリーで、となると、最悪の結末が予想された。そして、予想通りだったにも関わらず、怖っと感じるのは、どうしてなのだろう?日常の延長から急に恐怖へと突き落とされるジェットコースターのような効果、また、そこに異常性を感じず平然とした状況の話の流れなのか、、、
正直、自分には、少々読みづらい作品であったがラストを知って、読んで良かった。
Posted by ブクログ
毎回同じように進んでいくが、だんだんと少しずつ変わってくる。
所々ゾクっとするような描写があり、面白かった。
最後の"真相"が1番怖いと感じた。
Posted by ブクログ
ビーバーイーツの配達員をしている男女は、配達業の傍ら、とあるレストランから発注される高額の依頼をこなしている。USBを届けるという簡単なものから、依頼主から話を聞くというものまで、その内容は様々。
じつは探偵業をしている! という明るい序盤から、とうとう人が死に、だんだん不穏になっていく終盤。どの事件も納得のいく形で解決するし、とてもおもしろい切り口だと思います。お店のコンセプトもいいですね。真実よりも依頼者の求めるものを提供するという、レストランである意義がしっかりと読み取れます。が、意外性はなかったかな。
まさに世にも奇妙な物語みたいな作品です。
Posted by ブクログ
裏メニューで難問を「解釈」するシェフのもとに訪れるビーバーイーツの配達員たち。配達員たちがなんとなく注文者の境遇と似ているために、物語の落ち着くところが良き。
1作目を別のアンソロジーで読んだことがあったので、気になって読んだけど面白かった。実写にしても面白そう。
Posted by ブクログ
「真相をお話しします」が面白かった為、次作はどうなのかと思って購入。
料理屋に複数の事件の依頼が来て毎回変わるウーバーイーツの主人公がその事件解決の為の手伝いをするストーリー。
ちゃんと伏線回収がされていて章の最後では事件の真相が明らかにされていて(シェフの見解)スッキリしたと思いきや、ややこれはまさかみたいなとこもあって面白かった。あとは各章のタイトルがストーリや見るだけでお腹が空きそうな料理名にちなんでおりそこも見どころかなと思う。
結局、人は筋が通っていて自身が納得する答えがあればそれが実際の真実ではなくともそれを正解だと認めてしまいたくなるのだなと…。自分も都合の良く解釈していることがあるかもしれないと思った一冊。
Posted by ブクログ
ありそうな設定で面白かった。
短編のときは良かったけど、一冊にまとめると、皆さんの感想にあるように、繰り返しのフレーズに飽きを感じる。
それぞれの登場人物や事件が最後にまとまるのは好みだし、全体的に読みやすく、面白かった。
Posted by ブクログ
オーディオブック
シェフがいつも通りなのを強調したいのはわかるんだけど毎回同じフレーズを聞くところはちょっと飽きがくるところはあった。短編ミステリなので頭には入りやすく、でも個人的には真相をーの方が好きかなあ。
Posted by ブクログ
最近はこう言うミステリ本当に多いなぁ。と思い、読み進めていくと、最後はおぞましい結末?と思いきや前言撤回。しかも、真実と解釈の話でお茶を濁され、モヤモヤ感半端なし。
Posted by ブクログ
求められているのは真実ではなく解釈である。
シェフと配達員という謎解きコンビとは思えない組み合わせの時点で他には無い物語で上手いところをつついたなぁと思いました。
しかもといた謎は「真実」なのか「解釈」なのか。答えを1つに絞れないけれども、依頼者からは満足を得られるというアングラな感じが面白かったです。
ただ毎回、この店がどんなものなのかという物語のスタートが同じな分ちょっとだれる時もありましたが、その繰り返しが最後にこんなに効いてくるんだなと思うと必要なくだりですね。
私もたまにウーバーイーツ頼むのでちょっとゾッとするような事件もあって題材が現代的なところは「#真相をお話しします。」と通ずるところがあります。こういうのが得意な作者さんなんでしょうか!
サクッとも読めるので初心者にもおすすめ出来そうですね!
Posted by ブクログ
途中まで「またしても巧みなフォーマットを生み出したな、この作者」と完全に気軽なミステリとして読んでいたけど、ラストは予想外のぶった斬り方。ある意味読者にも突き付けられているし、続編作る気もサラサラ無さそう。関係ないけど、森東に許可取ったのかな。
Posted by ブクログ
ビーバーイーツ配達員として働く大学生は注文を受けて向かった先で美貌の店主に出会う。報酬一万円であるものを届けてほしいと言われ、店の秘密を知ることに…。特定の組み合わせの注文を受けると、事件の店主が謎を解く。関わった配達員は高額な報酬を得られる代わりに告げられる。「口外したら、命はない」
火事現場に入っていった女。事故死した夫の欠損した薬指。嵌められたと呟いた空き巣犯。何度も訪れる配達員と混入したマフラー。住人不在の部屋に届く置き配。マンションから消えた男。6つの謎を解く店主と配達員たちの物語。
怪しげな美貌の店主。いかにも、だ。デリバリーの配達員を使って聴取し謎を解いて報告も配達員に持って行かせるというスタイルは新しい。安楽椅子探偵ものなんだけれど、探偵が犯人っぽいというかダークサイドな探偵。結局最後まで何者かわからないまま終わる怪しげな店主。
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オーディブルで。「ざまあみろ」と言いながら、ごうごうと燃え上がるアパートの外階段を上ってゆく女。のちにそれは、火元となった部屋の住人の元カノであり、そして部屋からその焼死体が出てきたことが、ビーバーイーツ配達員の口から語られる。話している相手は、ゴーストレストランのシェフ。シェフは、店にいながらにして依頼を受け、謎を解決する探偵であり、依頼人との仲介に、フードデリバリーシステムの配達員を利用しているのである。
最初の話の配達員は、輝かしい生活を夢見て東京で一人暮らしを始めたものの、現実は地味で退屈な毎日であると気づいた、何者でもない大学生。依頼人は、火事の火元となった部屋の住人の、ずいぶん前に母親と離婚したためもうずっと会ってもいない父親。シェフは、配達員に多少の捜査を依頼することによって、女が「ざまあみろ」と言った謎、焼死体になった謎、それから、父親が依頼してきた意図を解き明かす。
二指が欠損した遺体の謎、不思議な言葉を残して捕まった空き巣の謎、空室に届く置き配の謎、商品の中に注文していないものが混入していた謎など。配達員も、求職中の中年男性、元モデルのシングルマザー、ネタ探しに勤しんでいるフリーライター、売れないお笑い芸人など。みな、高報酬につられて働く。口外すると、消されるというようなおどしをうけて。最終話、大学生が依頼人となり、これまで出てきた配達員と結託して、謎を解き明かそうとする。その謎とは、このシェフは何者なのか、ということ。
人間離れした、美貌のシェフ。「依頼人の求める回答を提示する」という、うっすらと怖さの残る終わり方だった。
Posted by ブクログ
面白い設定で2話目くらいまでは楽しめて読めていたが、語りが同じような感じで単調に思え、ちょっと飽きてしまった。
まぁ何となくそうなんだろうなと思っていた結末だった。
Posted by ブクログ
デリバリーサービスを利用した「足」の使い方、シェフとして料理を振る舞う傍ら探偵業(本文では毎度否定されているが敢えてこの表現を使う)も営む怪しく魅力的な男、一つ一つの要素は現代ミステリらしく好奇心を惹くのだが、正直そのラベルを剥がすとまあこんなものか、という感じだった。それ自体がおそらく作者の、シェフの狙いであるというのは承知しているのだが、それにしても……『解答例』がちょっと無理あるのにも説明は付けられていたが、それで納得出来るかと言われると首を傾げざるを得ない。斬新な立て付けではあると思う。
章ごとに語り手が代わるので、彼らは逐一不可思議な店について説明をしてくれる(初出が雑誌の連載なので毎度説明するのは当然なのだが)。ただこれも叙述が一辺倒で、折角多種多様な立場の人々を語り手として設定しているのだから比喩だとか語彙だとかに語り手の色を反映させても良かったのではないか。誰が語っても同じな気がする。
Posted by ブクログ
♯真相をお話ししますと同じテイストで、事実を積み上げた結果の真実の解釈は如何様にもできるという話。
ビーバーイーツの配達員達が受けるのは、食べ物だけでなく、謎解き依頼とその解決も。
連作短編なので、最後には謎に関わってきた配達員達がシェフが怪しいと疑い出す。そして、失踪事件の解決を怪しいシェフ自身に依頼する。シェフ自身の言葉を信じると、全てが身悶える恐怖の結末だが、信じるもの信じないものあなた次第です。
Posted by ブクログ
短編集が一つの物語を形成するという最近よくある形の作品。一つ一つの作品も丁寧に書かれており、読みやすい。決して悪いところがあるわけではないが、まぁそんなものかなぁという感想。中くらいかな。