夜光花のレビュー一覧
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ネタバレ夢枕獏の「キマイラ吼シリーズ」ファンにはたまらないモチーフがぶっ込まれ、それにBLの要素がてんこ盛りと言う…個人的になんとも贅沢なお話。獣化する人間、と言うのはDNAに擦り込まれているのか、たまらない要素の一つ。恐らく、人間の姿の時は美しいのが、獣化すると「獣」になってしまう、と言う、この急激な落差がたまらないんだろう。「キマイラ」も鳳と久鬼と言う、見目麗しい男二人が獣人化してしまう、と言う、「なんで、美しい者があんな姿に…」と言う、ある種背徳的な喜びがあった。20歳までしか生きられないと言われて、ひっそり身を隠すように生きて来た光陽と、彼の前に傍若無人に現れて契約を迫る梁井。(ここからネタバ
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この親にしてこの子あり、と言う暗い面を誠の存在で克服した尚吾が幸せになればいいなぁ、と願いつつ読み切った。半分しか血が繋がってないとは言え、実の兄弟である、と言う面は否めないが、禁忌を犯していても生きていて欲しいと願う父心が救った気がする。尚吾の母親の薫はどうやって生まれてきて、どうしてああなったのか、背景が全く描かれていない面が気になったが、そう言う面が気になるのは、BL小説ではなく、一般小説と同じ感覚で自分が読んでたから気になるんだな、と気付いた。BL的には薫はああいう存在、ってだけでも十分なんだけど、夜光さんは「物語を紡ぐ」と言う面でエンターテイメント性が非常に高いと思う。
尚吾はようす -
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過疎化の進む故郷の村の暗い秘密、故郷の友人からの不可解な葉書、友人の死、母の違う兄弟…振りは横溝正史風味で、舞台設定自体が大好物だ。媚薬ではなく、人間の理性を狂わす花の存在により、兄と弟は禁断の関係を結ぶ事に…って、ありがちと言ってしまえばそれまでなんだけど、そこへ強烈なスパイスとなっているのが、弟に異常なまでに深い愛情を抱く兄と、その兄をに真っ直ぐな心で親愛の情を向ける弟。この二人の存在が浮かび上がってきて、「世界は二人の為に」でいいじゃないか、と思える作品。
エロの種類も実に豊富で、粘膜接触により性的興奮度が高まると言う描写が秀逸。 -
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8年ぶりに再会した4人の幼馴染がゲームに興じて…と言う導入部分はミステリっぽくて掴みがまず好みなのだが、それから、ゲームの内容にホラー的な恐ろしさが加わり、それに伴ってゲームに関わる事で4人の人間の心理面がエゴを剥き出しにする感じが醍醐味なこの作品。加え、トーヤと翔太、平良と佳宏の関係を肉感的なものへ誘う為のゲームなんだろうな、と最初の頃に気付いてしまうんだが、気付いてしまっても逆に「どう言う風にそこへ持って行くのか」と言うわくわく感があり、私的にとても大好物な話の展開で一気に読めた。更に、エロ部分が「そのくらいやってくれると嬉しいけど」ってとこまで持って行ってくれるので、非常に読み応えあった
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Posted by ブクログ
人気俳優×大学生(異母兄弟)
主人公は人気俳優の兄と東京で二人暮らし。
しかし、故郷である四国の幼馴染からの便りがきたことから、二人の間の平和な空気が乱れていく…。
故郷の秘密をめぐって、幼馴染が、兄が親が、そして主人公の無くした過去の記憶が錯綜していきます。
このお兄ちゃん、いわゆる
「母違いの弟が好きで好きで可愛がって可愛がって可愛がり過ぎて好きになっちゃったんだけど、気持ち抑えられなくて…でも離したくないから囲ってて」
っていう典型的なブラコンからラブタイプです。
弟も兄大好きだからまあ、とまらんですわな(笑)
エロもねっとりハードです。
死ぬ登場人物もいるので、全体的に話が暗いです