内澤旬子のレビュー一覧
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直視できるだろうか…直視できても、臭いに耐えられるだろうか。
動物を捌く人々とその現場。旧約聖書の「羊を屠る」といった記述など、自分たちが生きていくには自分たちで動物に手を下さなきゃいけないって、頭では分かっていた。いや、分かっているつもりだった。
顔面蒼白な私とは対称的に、取材とスケッチに積極的な内澤氏が、ミステリーハンターに見えてくる…。(題して、「世界とちく発見!」!?)
内澤氏は不思議がっていたが、我々日本人がショックを受けるのは、ある程度仕方がないと私は思う。だって、幼い頃から屠畜の現場に接する機会がない…というか、限りなく狭められているから。
「屠畜屠畜…」と書いたが、これは -
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まだ一月だが、二〇二五年に読んだスゴイ本番付に私はきっとこの本を入れるだろう……!と興奮冷めやらぬ思いである。日本語が読めて、お肉をふつうに食べて暮らしている人は、もう、絶対一度は読むべきです!、とスーパーの前で本書を百冊くらい配りたいくらいの気持ちだが、そんな鼻息荒い人の話は聞きたくないなというもう一人の冷静な自分もいるので、まずは本の感想を落ち着いて書いてみるんである。
▼もとは解放出版社『部落解放』の連載である。単行本としての刊行は二〇〇七年。日本における、屠畜業や皮革業と差別との関係についての疑問が、本書のベースにある。私にとっては、上原善広『日本の路地を旅する』を読んだ時に抱いた -
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タイトルの通りこれはストーカーとの戦争である
読んでいて恐怖に震えた
本当に何度も夢に出たし、読んでる途中に心拍数が増えてきた
それくらいの恐怖を実際体験された内澤さんは本当に辛く苦しかったと思う
気力体力経済力、全て尽きてしまいそうな事件である
内澤さんの本『カヨと私』を先に読んでいて、ヤギたちとの島での楽しく尊い生活だったのだが、あの生活中にこんな怖い思いをされていたとは
人は誰かの一部分しか知ることはできず、幸せそうであっても陰ではこんなにも苦しんでいる人もいるんだなあと感じた
しかしストーカーをする卑劣な者って、どんなに反省の言葉を言っても信じてはならないし根性が悪すぎる
ただ、世 -
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面白い、ただその一言に尽きる。
作者が3頭の豚に名をつけて飼育し、肉として食べるまでを記した本。養豚に携わっていたため「あるあるだなぁ」「わかる…!」と思う点が非常に多かった。またその場その場の光景が目に浮かび、書き手の飾らない感情がひしひしと伝わってくる表現方法が見事で、引き込まれるように夢中になって読んでしまった。
これ程の濃くて面白い経験談が詰まった本が800円で買えてしまう、読めてしまうとは…本というものの安さに改めて驚く1冊だった。
恐らく肌に合わない人もいるだろうと思われるが、養豚、豚に興味がある人はもちろん、肉が好きな人にも、動物が好きな人にも読んで欲しい。
最後にもう一 -
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ネタバレストーカー被害を未然に防げることが一番良いのだけど、もしもストーカー被害にあってしまったら、どういう所に相談できるのか、何をすべきなのか。
今では著者の体験された頃よりも、改善されている所はあるが、ストーカー対策先進国にくらべて、日本はまだまだである事もわかった。
読み始め、被害にあっている事を書かれているのに、不謹慎にも面白いと思ってしまった。
読み進めると、著者は「面白いと思ってもらえてありがたい」というような事を書かれていたので、本書に対してもそう思っておられる気がして、少し安心した。
文中に「口の中に砂利を詰められ…」との比喩表現があったが、本書の執筆はその口の中の砂利を一つ一つ取 -
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よく子どもに生き物の大切さを教えるのが難しいとか言ってたりするわけだけど、いやそりゃ難しいわ。というか何も分かってねーな、ってことが分かった。無知の知ってやつか。
というわけで、まずやってみようという著者のバイタリティには恐れ入る。色々と大変だーとか言いながらも他の人に助けてもらったり、でも結局は自分でも苦労をするというこの姿勢は見習いたい。
そして名前もつけて可愛がったブタを殺して食う。イルカがかわいそうだと言って押しかけて嫌がらせをするだけの緑豆あたりに比べてもしっくり来ることこの上なし。
って別に政治臭があるわけでもなく、説教臭くもなく、ただやってみた。ノンフィクションってこういうことか -
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購入済み
面白かった
生き物を殺して食べるということについて
普段考えることはないので
とても参考になった。
日本での常識と他の国の考えの違いも、
とても面白かった。
何が正しいということではないけれど。 -
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本書は動物愛護・保護的感情論から’肉を食うのを止めよ’とか、道徳的視点から’命の有り難みを噛み締めよ’等といった主張をするものとは全く一線を画する、私の内に強烈な印象を刻み込んだドキュメンタリー。
自ら飼って育てた豚を捌いて食べるなんてかわいそう!信じられない!という気持ちを抱くのは何ら不思議ではないし、そもそも著者の内澤旬子先生だって悪鬼羅刹ではないので屠畜の日が近づくにつれての複雑な心情を明かしているし、当日も「辛かった」(p251)「せつなかった」(p257)という瞬間があった事を綴っている上に「豚がかわいくてしかたがなかった。」(p158)と振り返っている。
ここで大事な事は、そもそ -
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ネタバレまずは著者に
襲いかかる恐怖と闘い、苦しみ続けたことを思うとうまく言葉に出来ないですが、こうして本を発売まで出来る状態になった事はとりあえずは良かったです。
そして司法の上では解決したと言えるかもしれませんが、本を見る限り今後のA氏の治療完遂が内澤さんが本当に安心して暮らせる事への道だと思うので、それがされるのを祈ります。
そう、治療・・・・ストーカー加害者に“治療”が必要というのは申し訳ないけれど俺も思い付かなかった事である。
確かに言われてみたら被害者相手への依存等から引き起こされることなので、それを去勢するために治療するというのは利にかなっている話なのだろう。
著内の警察も弁護士も出 -
ネタバレ 購入済み
今号はラインナップが神
サンボル、らーめん、血が掲載されていて本当に感謝です。
内容はもちろんグッドです。
自然派ママさん達の話がありました。私自身、このような方達と出会ったことがあり、とてもリアルに描かれていると感じました。どうしてそこに行き着いたかが大事で、自然派コミュティがママさんたちにとっての拠り所になっているんですよね。
医療者はどうしても怒りや呆れの気持ちを抱いてしまうけど、医療が敵になってはいけないとあらためて感じました。
しかし、自然派ママさんのボスが薬剤師っていうのもまたリアル、、なんでそっち行くんや!って人が一定数出てくるんですよね、、
毎巻、多少のドラマ感はあるにしろ大事なところは非常 -
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