碧野圭のレビュー一覧
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ネタバレ松江の気持ちもわからないわけではない。松江は契約社員だから、本来正社員を教育する義務はない。しかし、毎日いっしょに仕事をすれば、ベテランの方が未熟なスタッフをフォローする必要が出てくるし、状況に応じて編集技術をレクチャーしなければならないこともある。時間いくらで雇われている自分が、正社員になぜ無駄な時間を割かなきゃいけないのか、と思ってしまうのだろう。正社員で高い給料を貰っているなら、契約社員よりレベルの高い仕事をしろ、と言いたくもなるだろう。だけど、それを態度に出してはダメだ、と伸光は思う。それを正直に出してしまう松江は、ある意味人がいいのだ。自分の思っていることを素直に出せるというのは、ま
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ネタバレ一人娘を育てながら、人気女性誌の副編集長をしている主人公が突然理不尽な降格を命じられ、学校では娘をめぐるトラブルまで発生するが、それでも会社を辞めず、自分で自分を励ましながら働き続け、復活を遂げるお仕事小説。
『書店ガール』シリーズ碧野圭さんのデビュー作、ということで読んでみた。2014年の作品だけど、出版社の編集という仕事柄、締め切りに追われ、残業も多いことは想像が容易で、当時は今よりもさらに、母親が働くには家庭・自分の精神的な犠牲を伴う環境だったのだろうと察する。その状況がすごくリルなのは、碧野さんご自身が同じような経験をしてからだと解説で語られている。
前半は、主人公の少し頑張りすぎて -
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ネタバレシリーズ完結編、ということで本シリーズに登場した愛奈・彩加・理子・亜紀の4人の女性のその後の話が1章ずつ構成されている。
愛奈は司書を務める学校の読書クラブで、ビブリオバトルを通じてクラブ生たちが自分たちの内面と向き合う姿を見守る。本を語ることは自分を語ること、は心に残る一言。
彩加は故郷の沼津に戻って叔母の本屋をブックカフェとして改装するための準備をするが、地元の友人たちと再開し、思いがけない言葉をかけられながらも、気持ちを新たに一歩を踏み出そうとする。ブックカフェの話を期待していたので、少し残念な部分。
理子はエリアマネージャーとして管轄する仙台の老舗書店がついに閉店に追い込まれ、郷 -
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「靖子先生、そういう謎を解くのが得意なんです。いつも、ちょっとしたヒントから真実を見つけてくれるんです」手を掛けたランチが評判の菜の花食堂を営む靖子先生はいつも、とびきりの料理と謎の答えと、明日へと進むためのヒントを手渡してくれる―。好き嫌いがないはずの恋人が手作りのお弁当を嫌がるのはなぜ?野菜の無人販売所の売上金が、月末に限って増えている理由は?小さな食堂の料理教室を舞台に『書店ガール』の著者が描き出す、あたたかくて美味しい大人気日常ミステリー、第三弾!
ああ、このシリーズ、ホント好き!
先生を中心に、菜の花食堂が大好きな人たちが集まっている、この雰囲気。
本業とは別にお手伝いをしていた優