九螺ささらのレビュー一覧

  • 神様の住所
    九螺(くら)ささら氏は、神奈川県生まれ、青学大文学部英米文学科卒、2009年春より独学で短歌を作り始め、2010年に短歌研究新人賞次席、更に、2014年より新聞歌壇への投稿を始め(朝日歌壇、日経歌壇、東京歌壇、ダ・ヴィンチ「短歌ください」等で掲載無数)、2018年に発表した初の歌文集である本作品でB...続きを読む
  • きえもの
    あぁ、と思う。
    この人の本を読んだのは、神様の住所に続いて2冊目。
    発想がすごい、とかそういう言葉ではなくて、この人は世界をこんな風に切り取れるんだ、と感じる。
    普通に、普段に、生きているこの同じ世界から彼女はこの掌編を切り出すことができる人なのだ。
    そのことに嫉妬し、安堵し、嬉しく思う。
  • 神様の住所
    2020.8
    短歌とエッセイ。短歌の潔さやその中の言葉の瑞々しさにはまっていく。エッセイも特に言葉についてのもの、濁音、アナグラム、ゲシュタルト崩壊、部首、なぞなぞ、重複、同音同義語などについてのものがおもしろかった。さすが言葉を扱う人。九螺ささらさんの言葉の使い方やぽっと出てくる単語も思わず笑って...続きを読む
  • 神様の住所
    読みながらニヤニヤしてしまった。口に出して読まないと頭がおかしくなりそうな。言葉のおもしろさが詰まったすてきな本。
  • 神様の住所
    20180916 言葉や文字の音や見た目に、こんなイメージを展開できる人がいる事に驚かされた。自分にはない感覚なので書いて頂いた作品で味わうしかない。真似しても中身のない表現にしかならないだろう。こういう才能は絶対文感とでも呼ぶのだろうか。
  • 神様の住所
    世界の可笑しさ、面白さ、不思議さ、怖さ、の果てに宇宙の真実が見つかりそうで見つからない作品だった。短歌+散文でそんな不思議体験ができちゃう、この作品を読んで頭がおかしくなっちゃった…いい意味で。

    お題に対する短歌と、その短歌に関するエッセイ、それともう一つ短歌。という構成。
    短歌はもちろんだけど、...続きを読む
  • 神様の住所
    同音異義語などを発想のきっかけにして、短歌に昇華している。日本語の同義語や掛詞などの言葉遊びの楽しさを思い出させる。発想のジャンプ力に啓発された。
  • 神様の住所
    久々に 短歌って 詠むものなんだなぁ
    と思って 思わず口に出してみる
    現代短歌は革新的で 感覚的だけど
    やっぱり 身にじんわりと染みる
    音の響きの良さがありますね
  • きえもの
    久々の”読む”という快楽。
    言葉も中身も魅力的。
    物事の捉え方が今までにない。
    一つ一つが短く、しかし印象的。
  • きえもの
    20191102 思考が硬くなったと思った時、この人の描いたものを読む。足元が崩れて別のところに運ばれる。そんな発想もあるのかという驚きの後に来る興奮。定期的に読み続けたいと思う。
  • 神様の住所
    短歌とエッセイの組み合わせ。

    ものすごく興味深い魅力的な本だった。
    言葉に対する感性と文字に対する感性とが
    哲学的というのだろうか
    (そもそも哲学をよくわかっていないのだけれど)
    この人が凄い感性を持っていることだけはわかる。

    最初から最後まで
    とてつもない引力に引き寄せられるようだった。

    ...続きを読む
  • 神様の住所
    84編の短歌と散文.この散文が楽しく合わせて一つの短歌となっているかのよう.共感できる延長上の感性とはっと目を見張るような考えたことのなかった表現.そしてその表れ方が変わっていても,とても健全でまっすぐな気持ちが読んでいて心地よかった.
  • 神様の住所
    情緒もあるメタ文学って感じだった。読むのに時間かかった。。
    短歌のあとにあるエッセイがよかったり冗長だったりした。

    短歌だけじゃ成立しなさそうな短歌もあるっちゃあるんだけど、短歌と短い文章の組み合わせの本って、どっちかが負けちゃうような気がする。

    国境がリウの形に閉じていてその国のリスは二重人格...続きを読む
  • yom yom vol.50(2018年6月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー

    意外に早く最終回になり、少し物足りなさを感じましたが、ハッピーエンドで気持ちよく読み終える事ができました。私は、論理的に説明されないと心が動かない方ですが、三段論法で人の心は動かないと言うのも確かです。(しかし、昨今のおれおれ詐欺は、人の感情に訴えかける犯罪ですから、また厄介です。) 最終回は、...続きを読む
  • yom yom vol.49(2018年4月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー第2回

    前号に引き続き、「レトロゲームファクトリー」を読みました。これから一話完結のスタイルで進んで行くのでしょうか。今回は、各登場人物の背景的説明も徐々にされて来て、思いがけないコーギーの生い立ちも含まれていました。数日前には、レトロゲーム機の復刻の新聞記事もありましたので、40、50代である私達の世...続きを読む
  • 神様の住所
    好きだったやつ
    標識の「月まで三キロ」あたりから次第に軽くなる地球人

    ついてた解説?みたいなやつが地に足ついてなくてそんな好みじゃなかった ざっと読みメモ
  • きえもの
    『神様の住所』が良かったのでこちらも読んでみた。きえものって何かと思えば、全編食べ物がテーマだった。アラザンは名前知らなかった…。
  • きえもの
    「泣き過ぎると枕が逃げる」という『はんぺん』がよかった。『アンズ』の「昨日の過ちが赦されたようにシウマイ弁当にアンズがひとつ」という歌も好きだ。
    部分的には面白い、いいなと思うところもたくさんあるのだけれど、全体としてはあまり消化がよくない。

    こういう作風って、”いいと言わないと通じゃない”という...続きを読む
  • きえもの
    短編と主題に沿った短歌集。

    主に主題は「きえもの」と言うだけあって

    食品、食べ物。



    だが切り口は、鋭く

    真新しい紙で、間違って切ってしまった

    肌の様に、いつまでもヒリヒリと痛い。



    鑑賞すると言うよりも、

    見てはいけない危ない景色を

    見ては、忘れてしまいたくなる様な

    危険...続きを読む
  • きえもの
    きえもの=食べ物をテーマにした九螺氏の短歌から始まる短編集。
    独特の作風の短歌から生まれるシュールな小説。時々とっても怖くなる。