鏑木蓮のレビュー一覧

  • 時限

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    ネタバレ

    冒頭から、東男と京女のやりとりが興味を惹く。片岡真子という女性刑事のキャラクターが面白い。
    ストーリーは二転三転するので、途中で何がメインの話なのかちょっと混乱してしまう。
    山本という男性の行動がやや納得しづらいか。
    「生きている意味を問う前に、生きていることがすでに意味を持っている」というセリフにぐっとくるけど、物語の中ではちょっと違う意味合いで使われているようにも思う。
    「生命の謎」というよりも、男性心理の闇、と言ったほうがいいような気もする。

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    2012年04月10日
  • 東京ダモイ

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    「ダモイ」とは、ロシア語で「帰国」の意味。

    第2次世界大戦でロシアのシベリア、捕虜収容所からの帰還兵が60年の歳月を経て自費出版しようとした句集の原稿を残したまま失踪。

    前日に舞鶴港の埠頭で水死体で見つかったロシア人女性と帰還兵には接点があったことが判って、60年前に捕虜収容所で起きた殺人事件が浮かび上がってくる。捜査はこの謎を解くことで、犯人像が浮かび上がってくる・・・というやや複雑な構図。

    今は亡き自分の父親もシベリア帰りで、これまで戦争の話はほとんど聞いたことはなかったんですが、本書にあった抑留者の強制労働の世界を経験してきたかもしれないことを思うと、なんと言ったらよいのか・・・

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    2010年07月02日
  • 東京ダモイ

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    暗いし…重いですね。

    強制的に抑留されたシベリア。
    極寒の極限状態の彼の地。

    戦争で無理やり連れて行かれ、
    敗戦後、日本への帰国も叶わず、
    過酷で劣悪な状況で何年も強制労働。
    起こるべくして起きた事件。(と私は思う)

    謎解きの辺が若干判りづらかったんですが、
    シベリアの雪と氷と空気の冷たさが
    リアルに肌に、胸に突き刺さるようでした。


    ☆☆☆☆ ホシ4つ

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    2010年02月12日
  • 喪失

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    会社兼自宅のビルの非常階段で、不動産会社社長の真鍋の妻、文香が転落死した。
    現場には妻が転落した音を聞いて、階段に出てきた夫の真鍋と妻の弁護士の和光の二人。
    真鍋夫妻は離婚調停中で、和光はその弁護を文香から受けていた。
    当初、疑われたのは夫だったが、一緒に現場にいた和光が証言を変え、文香の死は自殺だったとされた。
    納得しなかったのは京都府警の女性刑事、大橋だった。
    鋭い機転で状況を精査し、真実を突き詰める。
    私生活では色々あるが、カッコいい女性といった雰囲気があり、凛としていて、読んでいて清々しい。

    2025.9.21

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    2025年09月21日
  • 思い出探偵

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    途中で勝手に配役をして読んだ。

    浩二朗→西島秀俊
    三千代→篠原ゆき子
    由美→滝内公美
    雄高→杉野遥亮
    佳菜子→清原果耶

    どうだろう?

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    2025年09月02日
  • 白砂

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    推理小説だと思わずに買って半年くらい放置してやっと読み終えた。
    泣けるポイントは一切なく、共感ポイントもなく、推理小説としては面白いんだと思う。
    また読みたい!って本ではない。

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    2025年07月28日
  • 残心

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    ネタバレ

    老々介護の夫婦の無理心中事件が起こる。
    記者とルポライター、医師により真相が明らかになる。
    介護や終末医療、皆保険制度と重いテーマが詰め込まれた一冊でした。

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    2025年07月12日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    宮沢賢治の元の話に寄せるように、化学的な話ももりだくさんで本格推理ものだった。

    滲み出る宮沢賢治への愛が伝わる。

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    2025年04月16日
  • ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル

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    鏑木蓮の連作ミステリ作品『ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル』を読みました。
    『見えない轍 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ』、『喪失』に続き、鏑木蓮の作品です。

    -----story-------------
    遊園地に残されたカメラ、撮影現場から失踪した斬られ役、喫茶コーナーで倒れた記憶喪失の男――わずかな手がかりから人生の謎を解き明かし、ねじれた過去を修復するのが、思い出探偵社の仕事。
    京都府警の刑事だった実相浩二郎、元看護士の一ノ瀬由美、かつて両親を惨殺されたため心に傷を抱える橘佳菜子に、新メンバーを加えた探偵社の面々が繰り広げるハートフル・ミステリ。
    シリーズ第二弾。
    -----

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    2025年04月15日
  • 残心

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    老老介護の末に評判の良い夫婦が無理心中。
    しかし、そこには不可思議な光景と心理が残っていて、雑誌記者・ルポライター・医師によって真相が明らかになっていくミステリー。
    老老介護、在宅医療、国民皆保険制度など現代の高齢社会の闇に触れた気がした。

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    2025年02月28日
  • ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル

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    思い出探偵の続編
    前作同様、短編連作ストーリとなっています。
    前作から2年後が描かれています。
    前作のエピソードも出てくるので、順番に読みましょう。
    本作は、前作に比べて、ちょっと複雑。
    イラつく人物も出てきて(笑)、さらに深み?が増してます。

    ■雨の日の来園者
    雨の遊園地で置き忘れた使い捨てカメラに写っていた男の子を探すというもの。
    写真の背景から、男の子を探していきます。
    明らかになる家族の姿

    ■大芝居を打つ男
    前作で俳優業に専念するために、探偵をやめた雄高。
    時代劇の撮影中に失踪した先輩の男の行方を、追います。その真相と、過去にあったものとは..

    ■歌声の向こう側に
    喫茶店を営む男

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    2025年02月08日
  • 白砂

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    とても切ない物語。

    働きながら予備校に通う二十歳の高村小夜が自宅アパートで殺害されます。
    中年男性の目撃情報がありますが、その暮らしぶりとの違和感を覚えた刑事の目黒は、被害者を掘り下げることで事件を捜査していきます。

    両親をなくし、苦労して生きてきた彼女。
    彼女はなぜ殺されなければならなかったのか?
    祖母にあたる人物は遺骨を頑なに遺骨を受け取らない。
    彼女の過去にいったい何があったのか?

    一方、建設会社社長の吉崎が交通事故死。その妻は海上散骨にこだわっていましたが、ある日、その遺骨が盗まれてしまいます。
    誰が遺骨を盗んだのか?
    妻は何にこだわっているのか?

    この2つのエピソードが語られ

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    2025年01月18日
  • 思い出探偵

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    4編からなる短編連作ミステリー
    設定が面白い。京都府警の元刑事の浩二郎が奥さんのリハビリかねて始めた探偵業。
    依頼人の想い出に寄り添いながら、人や物を探していくという展開。
    そんなにうまくいくか?というのは置いておいて、じんわりと暖かくなる物語でした。

    ■温かな文字を書く男
    清涼寺の境内で落としてしまった大事な思い出の小瓶のペンダント。
    喫茶店で落とし物として届けられ、その届けた人物を探してほしいという依頼。
    残されたメモの文字から人物を探し出していきます。

    ■鶴を折る女
    43年前、集団就職で上京し、職場のトラブルで逃げ出したときに、ジャズ喫茶で出会った年上の少女を探してほしいという依頼。

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    2024年12月21日
  • 白砂

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     ミステリーとしての不思議感は強いのだが、少し不自然かな。動機にリアリティが欲しいよね。でも、ストーリー展開がスムーズなので、読みやすくて goodでした。

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    2024年12月02日
  • 白砂

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    一人暮らしの女子大生が殺された!
    真面目であんないい子がなぜ?
    夫が交通事故で亡くなった、、、家に泥棒?
    2つの事件が交わった時、驚きの真実が!

    もうねぇー小夜が報われないって、、、
    キーワードは「可哀想な子」思わぬ展開
    泣ける話とのことですが、泣きどころ全くありません

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    2024年11月30日
  • 見えない鎖

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    切なすぎて、涙がとまらない…!
    と帯にありましたが、そこまでではありませんでした。

    ヒロインは神戸に住む女子短大生の生田有子。ある日、警備員をしている父親が帰宅途中に刺殺されます。
    人に恨まれることなんてない父親がなぜ殺害されてしまったのか?
    父親の勤め先の警備会社社長で元刑事の中原と共に事件の真相を明らかにしていきます。
    そんな中、犯人と思われる人物が自殺!
    なぜ、犯人は自殺したのか?

    ってこの中原が切れ者!
    元刑事ということで、この二人で、どんどん事件の真相に迫っていきます。
    そんなことある(笑)?

    父親の業務日誌に残された工事現場の事故。
    その事故で寝たきりになってしまった女性。

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    2024年10月14日
  • 水葬

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    希美は婚約者の光一と母と伯父との会食にヤキモキしていた。
    伯父はカメラマンという光一の職業に不安を抱いており、結婚には余り賛成していなかった。
    それを払拭させるためにも、光一と会って欲しかった。
    それなのに、約束の時間になっても光一は現れず、そのまま行方不明となる。
    光一の妹と連絡を取り、彼を探し始めるが、元恋人の優子もまた姿を消しているということが判明する。
    希美はあまりにも光一のことを知らない自分に愕然としながらも、彼の行方を追う。
    彼が残した写真と彼の気持ちに寄り添いながら。
    そして辿り着いた先には…

    2024.9.19

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    2024年09月19日
  • 救命拒否

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    テーマはトリアージ=命の選別
    そのタッグは正しかったのか?
    緊急医療の現場での苦悩と現実。
    重いテーマだと思うのですが、関西弁の会話にいまいち感で、入り込めず(笑)

    ホテルの講演会場で、発生した爆破事件。
    ターゲットは救命医の若林。死の間際に救急救命士の中杢に残した言葉は、ブラックタッグを付けること。
    若林はなぜ、救命を拒否したのか?

    そして、誰が、なんの目的で若林を狙ったのか?
    大阪弁の二人の刑事がその真相を探っていきます。

    犯人を探し出すことも大きなポイントですが、やはり、トリアージの葛藤、命の選択の葛藤が刺さります。

    「救われる命のために、捨てる命があってもいいと?」
    「人生に無

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    2024年09月16日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    作者からも、解説のますむらひろしさんからも賢治愛が伝わってくる。
    2人で賢治について語り合ったら話が尽きないだろうな。

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    2024年09月08日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    宮沢賢治が今も多くの人に愛されているのは、賢治が、多くの人を、動物を、世界を愛す人だったからなのかも。

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    2024年08月29日