鏑木蓮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『時限』を読み、鏑木蓮さんという作家の存在を知り、この作品を手にしてみた。
プロローグは1947年のシベリアで始まる。ひたすら日本への帰郷、ダモイを夢見る収容所の日本兵達。その収容所で起きた殺人事件と60年後に舞鶴で起きたロシア女性の殺人事件がリンクする時…
悲惨なシベリアの収容所生活の場面を読む度に百田尚樹の名著『永遠の0』を思い出した。ひたすらお国のために闘い続けた日本兵が望む事と大本営の意図との乖離が何とも哀しい。
また、俳句が事件の全貌を読み解く鍵を握っており、非常に面白いミステリーの仕立てとなっている。
さらに抑留体験者の高津が岩手県の紫波の出身で、日詰といったご当地ならでは -
Posted by ブクログ
「ダモイ」とは、ロシア語で「帰国」の意味。
第2次世界大戦でロシアのシベリア、捕虜収容所からの帰還兵が60年の歳月を経て自費出版しようとした句集の原稿を残したまま失踪。
前日に舞鶴港の埠頭で水死体で見つかったロシア人女性と帰還兵には接点があったことが判って、60年前に捕虜収容所で起きた殺人事件が浮かび上がってくる。捜査はこの謎を解くことで、犯人像が浮かび上がってくる・・・というやや複雑な構図。
今は亡き自分の父親もシベリア帰りで、これまで戦争の話はほとんど聞いたことはなかったんですが、本書にあった抑留者の強制労働の世界を経験してきたかもしれないことを思うと、なんと言ったらよいのか・・・ -
Posted by ブクログ
京都で地元の情報誌の記者をしている冬美は、憧れのルポライター杉作が京都で老老介護の取材をしていることを知る。
しかし、その取材の最中、夫は寝たきりの妻を絞殺し、自分も首を吊り、無理心中したという。
冬美は、その老老介護の夫婦を担当医である三雲が杉作に紹介したと知り、杉作を紹介してもらう。
老老介護の末の無理心中に、何か当人たちのメッセージがあるのではと、取材を進める杉作の手伝いが出来るようになった冬美。
最初は杉作の役に立てるならとやる気になっていたが…その裏にある不可解な点に気付く。
老老介護という問題だけではなく、真実を伝えるということの大切さを問う。
2026.8.23
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Posted by ブクログ
人生は「思い出」の積み重ねでしかありえない。良きにつけ悪しきにつけ、そのひとが生きてきた証なのだ――。
京都御所を臨む地で「思い出探偵社」を始めた元刑事の実相浩二郎は、探偵社のメンバーである元看護師の一ノ瀬由美、時代劇俳優をめざす本郷雄高、十年前に両親を惨殺されて心に傷を負った橘佳菜子と共に思い出と格闘し、依頼人の人生の謎を解き明かす。乱歩賞作家が紡ぎ出す、せつなさと懐かしさが溢れるミステリー
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祖母の本棚より
全体的にはじんわり温かい印象だけど、
「嘘をつく男」では、車椅子を装った怪しい男が佳菜子に接近…!
急なサスペンス展開に、アセアセしちゃった。
実相さんが愛情深くて素敵。
渋 -
Posted by ブクログ
老人ホームで起きたインフルエンザの集団感染で、死亡者が出た。
その際、処方されたのが副作用の少ないとされている「シキミリンβ」だった。
10年前、怜花の母が失明した際に処方された薬だったことから、失明の原因がそれだったのではないかと、怜花に近付いてきたのが記者の矢島だった。
「シキミリンβ」を巡り、様々な憶測が渦巻く。
人はどうしても薬に頼ってしまうことがあるが、それが本当に効くのか、副作用は大丈夫なのか…確かに飲んでみないとわからないことの方が多いかもしれない。
また問題になるのは、治験。
これなくしては、新薬は生まれないし、重傷になればなるほど、新薬を試してみたい人も多い。
普段気にせず当