あらすじ
地元情報誌の記者・国吉冬美は、心酔するルポライターの杉作舜一が京都にきていることを知り心躍らせる。杉作は老老介護をテーマにしており、寝たきりで認知症を患う妻を介護する夫の取材に赴くが、し妻は絞殺され、夫は首を吊って死んでいた。夫婦の死には何かのメッセージが込められている!? 調査を開始する杉作を手伝ううち、冬美は哀しき事件にまつわる京都の闇と対峙する――。25万部突破のベストセラー『白砂』の著者による社会派推理。
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Posted by ブクログ
ルポライターの取材先は老老介護の状態のお宅。健康保険に介護保険、日本の制度は万全か?と言うこのライターの正義感は正しいのかどうか
完璧な制度などありはしないとは思うけれど、より良いものであって欲しいと思う。
ライターさんも適度にね
Posted by ブクログ
鏑木蓮『残心』徳間文庫。
久し振りの鏑木蓮。老老介護をテーマにした社会派推理小説。
真犯人とその目的はというミステリーの王道のようなストーリー。しかし、真犯人の正体が二転三転する訳でもなく、冒頭で感じたままの結末だった。ならば、最初から真犯人の正体を明かしておいて、その理由を解明するという展開も面白かったのではなかろうか。
主人公の京都の地元情報誌記者・国吉冬美が岩手県花巻市石鳥谷町の出身というのは鏑木蓮らしい設定だ。
漫画家を目指して岩手県花巻市石鳥谷町から京都の大学に入学した国吉冬美は漫画家になる夢はなかなか叶わず、知人の紹介で京都の地元情報誌の記者となる。
ある時、冬美が尊敬するルポライターの杉作舜一が次回作のテーマとなる老老介護の取材で京都に来ていることを知る。冬美もよく知る医師の三雲が杉作に取材先として、とある老夫婦を紹介したのだった。老夫婦の家で取材を終え、ホテルに戻った杉作は帰り際に認知症の妻を介護する夫の言葉が気になり、再び老夫婦の家に向かうと妻は絞殺され、夫は首吊り自殺を図っていた。
杉作の取材に協力することになった冬美は哀しい真実を知ることに……
本体価格750円
★★★★
Posted by ブクログ
老々介護の夫婦の無理心中事件が起こる。
記者とルポライター、医師により真相が明らかになる。
介護や終末医療、皆保険制度と重いテーマが詰め込まれた一冊でした。
Posted by ブクログ
老老介護の末に評判の良い夫婦が無理心中。
しかし、そこには不可思議な光景と心理が残っていて、雑誌記者・ルポライター・医師によって真相が明らかになっていくミステリー。
老老介護、在宅医療、国民皆保険制度など現代の高齢社会の闇に触れた気がした。