鏑木蓮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
依頼人の思い出を対象とした探偵小説で切り口としてはなかなか面白かったが、全体的に事がうまく運びすぎていて、現実味はなかった。
舞台は私の故郷でもある京都。
4章で構成されているが、私の好みは3章の「嘘をつく男」。佳菜子に迫る危機が丁寧に描かれていて、小説を読みながらハラハラした。
一方で物語を締めくくる第4章「少女椿の夢」は、途中で尻切れトンボのように終わっており、もやもやが残ったまま話が終わってしまう印象であった。最後の展開をあえて描写しなかったように思うが、その後の展開を創造するヒント、種みたいなものも描かれておらず、深みがないまま終わってしまう点は残念であった。
解説によると「思い出をな -
Posted by ブクログ
自殺として片付けられた息子の死に疑問を抱き、上層部に楯突いたことが
きっかけで刑事をやめてしまった男が主人公。
彼はその後、人々の思い出を探る「思い出探偵」を開業。
認知度も上がり、少しずつ仕事も増えていた。
思い出を探る、という観点が珍しくて楽しみにしていました。
まぁ、可もなく不可もなく、という感じかな。
あえてそうしているのかもしれないけど、どうも盛り上がりに欠ける。
一番イイ所が語られていなかったり、そこを落とし所にするのかって
箇所があったりしてね。
そんなにうまくいくもんじゃないよ、ってことを語りたいんなら、
もっとはっきりと顧客の期待に添えなかった依頼を語ってもいいのでは?