あらすじ
父と娘、師と教え子の絆は、せめぎ合うことで強くなる――細胞のように。天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時……事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
鏑木蓮氏の 人を見守る視線のあたたかさは
もうこの頃から育まれていたんですね。
処女作からは 格段に進化された作品だと思います。
対人医療と動物医療 二つの専門領域にまたがる
広範な知識と論理立ては 気が遠くなるほどの綿密な取材
なくしてはあり得ないでしょう。敬服しました。
鏑木作品を読むといつも思うのですが 本当にすべての
登場人物に向けられる視線があたたかい。やさしい。
発端の殺人は
複雑で醜い人間模様の広がりの入り口にも過ぎず
本当の事件は
それぞれの立場とそれぞれの自己尊厳 他者への敬愛
人間ならば誰しも理解できてしまう真摯な感情
そんな人の思いが生んでしまう悲劇だった。
背負うものがあってこその人生。
この言葉を強くかみしめたい。
追記 この作品から既に宮澤賢治…そして
イーハトーヴが出てくるとは!
Posted by ブクログ
父と娘の医療ミステリーというか介護記録というかヒューマンドラマ。
BSEが絡む物語。
内海綾子は盛岡の獣医。同棲していた恋人の森田が変死体で発見されます。
森田は事故なのか事件なのか?
一方、綾子の父親の遼一は脳神経外科医。様々な困難な手術をこなしてきた神の手を持つ男(笑)。
しかし、手術のあと、倒れこんでしまい、その症状は認知症に近いもの。それも急速に症状が進行していきます。3年前に暴漢に襲われ頭部に大けがの後遺症なのか?
そんな父と娘は過去に勘当状態!
しかし、父の状態をしって、綾子は父親の元に戻ります。
父親の病気はいったい何なのか?
そんな中、BSEと疑われる牛の骨が発見されて...
という展開。
難しい医療用語は分かりませんが、結局、父親はBSEに感染していたのか?ならば、なぜ、感染したのか?
森田の死の真相は?
製薬業界の闇。
ひどくなる父親の症状に対して、延命処置をするのか?
生と死の葛藤。
そして、父親の残した手紙によってすべてが明らかになります。しかし、そんなことあるのかな...
遼一の意志はすごい..
楽しめました。
Posted by ブクログ
天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時…事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス というのがあらすじ。
ミステリ的な味わいはそれほどない。医療ものとして読める。
Posted by ブクログ
盛岡を舞台に描かれた医療サスペンス。『時限』『東京ダモイ』に続き本作を読んだのだが、『時限』の上手さ、『東京ダモイ』のような迫力は無かった。期待は高かったのだが…残念。
Posted by ブクログ
5月-5。3.0点。
女獣医の主人公。製薬関係の恋人が、死亡。事故か他殺か。
同時期、脳外科第一人者の主人公の父親に、アクシデント。
恋人の死と、父親のアクシデントが絡み、謎が。
読みやすい。約500頁一気読み。
少し専門用語が難しいか。まあまあ。