鏑木蓮のレビュー一覧

  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    宮沢賢治探偵登場の巻。
    最初のお話が、日常の謎系だったので、そういう謎ばかり
    だと思ったら、首なし死体まで登場でのけぞった。
    ワトソン役のカトジさんとの関係がほのぼのしていて
    微笑ましい。
    賢治の作品からインスパイアされてるようなので、
    詳しい方が楽しめるのかなと思うけど、知らなくても
    のんきに読むには支障なし。

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    2016年01月11日
  • エンドロール

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    ネタバレ

    映画関係の仕事に就きたい青年が孤独死した老人のとった
    映画をみて老人の人生を探っていくお話。
    おもしろかったけれどちょっとご都合主義な感じがあるかな。

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    2015年11月20日
  • 転生

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    この作品を読み終えて気づいた。

    鏑木ミステリーの中でも警察ものは
    救いのない結末が多い。

    しかし、描き方は他の作品と
    異なってはいなかった。

    人の心の奥底までのぞき込む描写力。
    その力が、犯罪という狂気の沙汰に
    向けられた時…そこには救いようのない
    人の心の愚かさが照らし出されて
    しまうのだろう。

    鏑木蓮のミステリーは
    二つに分類されるのかもしれない。

    人の心の光と闇。ありきたりかもしれないが。

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    2015年11月08日
  • 真友

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    ネタバレ

    鏑木作品のうち警察ものは
    少し後味が悪いことが 私の場合は多い。

    ここに出てくる二つの家族。
    結局のところ誰一人幸せにはなれなくて
    いろいろな重荷を胸に抱えたまま
    現実と折り合いをつけて 
    無理に笑顔で過ごしてゆくのだろう。

    謎解きの過程でも不幸な人たちが何人も出てきて。
    うーん。これはつらいなあ。

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    2015年11月05日
  • 東京ダモイ

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    鏑木氏のデビュー作。

    シベリア抑留
    俳句の謎解き
    老人の社会貢献
    かそけき恋
    自費出版の社会的価値

    モチーフが多すぎて
    焦点が定まらない印象を受けた。

    ただ一人、高津の正しさだけが
    最後まで純粋で美しい。

    推理の過程は複線で進み
    多くの人がからんでいて複雑すぎる。

    俳句の解読なんて…もっと
    興味惹かれるはずなのに。

    つまりは盛り沢山すぎて
    全体の構成要素から
    勝手にいくらか間引いて
    読みやすくして読み進める
    しかなかったからだろう。

    まだまだ、今の鏑木氏が持つ
    筆力は感じられない。

    少しずつ、最近の作品まで
    読んでいこうと思う。

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    2015年10月30日
  • 救命拒否

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    読後感は爽やかとは言えない。
    疑い疑われ、裏切りもある。

    なのに、救いのなさは感じない。
    紛れもなく、背後には善良な人々の
    揺るぎない信念と正義が支えとして、ある。

    ミステリーとしてよりも、人間への賛歌として
    鏑木作品を読み継ぐ者として、この作品もまた
    素晴らしい。

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    2015年10月25日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    前作と同様、探偵役に宮沢賢治、ワトソン役に親友・藤原嘉藤治を据えて様々な事件を解決していく連作短編集。
    宮沢賢治の著作と上手く絡めて話を作っている点は相変わらず関心しますが、読んでいる内に概ね予想がついてしまうものばかりで、ミステリーとしてはやや物足りないです。
    物理トリックは前回ほど大掛かりではありませんが、【山ねこ裁判】と【赤い焔がどうどう】はなかなか良く出来たトリックだと思います。

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    2015年10月05日
  • エンドロール

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    なんか地味な作品なのに引き込まれてしまう。 
    孤独死とは単に死んだ時の状態が一人だったということで、大切な思い出の人たちがいたり、思い出してくれる人たちがいるのなら孤独では無かったのだろう。

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    2015年09月15日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    宮澤賢治が探偵役、友人の藤原嘉藤治がワトソン役になって難事件を解決する連作短編集。どの話にも宮沢賢治の詩、岩手の名所や文化財、賢治ファンがニヤリさせられる小ネタが用いられており、なかなか面白いパスティーシュに仕上がっていると思います。
    豪快な物理トリックは実際に成立するかは微妙なところですが、この手のトリックを使った作品は最近ではあまり見られないので価値があります。【マコトノ草ノ種マケリ】がお気に入りです。

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    2015年09月01日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    近代日本文学作家が探偵として活躍するシリーズはちょくちょく見かけるけど、とうとうあの宮澤賢治が探偵役の物語が! ということで勇んで手に取った。日常の謎を中心にするのかと思いきやなかなかに重たい展開だったので初めはちょっと面食らったけれども、当時の世相や地方の風物を的確に織り込んであると思う。当時最先端の科学に造詣が深く、インバネス姿で片手には方位磁石やルーペを忍ばせた皮のトランク。そうだ、確かにどこかあの名探偵に似ている。

    そして何より文庫版解説の著者にびっくりだよ!

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    2015年08月30日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    作者がどれだけ宮澤賢治を大切にしているかが伝わってきました。だから、ケンジとカトジが今回も生き生きと活躍しています。ケンジにとっては、たいそう悲しい時期にあたる今作品ですが、どう言うのでしょう、ケンジがケンジになっていく、その悲哀の道筋がここには読み取れるような、そんな一冊でした。
    ミステリーとしては前作よりもちょっとボンヤリしたかもしれません。ワトソンカトジの活躍というか、存在がとても鮮やかでした。宮澤家の方々も納得の登場です。謎解きよりも人物描写で楽しめた本作品、だったかもしれません。
    カトジがそばにいてこそのお話だとすると、次作はどこから始まるのか、次作が楽しみです。
    ますむらひろしさん

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    2015年08月27日
  • 救命拒否

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    2015.6.17-36
    救急救命の現場や命の選別の重み、救命士の苦悩はよく描かれていたが、犯人像に何処か腑に落ちない感が残る。

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    2015年06月17日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    2月-4。3.0点。
    宮沢賢治が主人公。事件を解決する探偵短編集。
    各話、それなりに面白い。弱者を助ける感じ。
    まあまあ。

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    2015年02月08日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    ミステリの本筋は強くないが、時代背景、方言、人物描写が丁寧。漫画化、映像化はしやすそう。モリアーティは現れるのか。7.0

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    2015年02月07日
  • 屈折光

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    天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時…事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス というのがあらすじ。

    ミステリ的な味わいはそれほどない。医療ものとして読める。

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    2014年11月25日
  • 東京ダモイ

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    舞鶴でロシア人女性の遺体が発見された。時を同じくして抑留体験者の高津も姿を消す。二つの事件に関わりはあるのか。当時のことを綴った高津の句集が事件をつなぐ手がかりとなる。60年前極寒の地で何が起こったのか?風化しても消せない歴史の記憶が、日本人の魂を揺さぶる。第52回江戸川乱歩賞受賞作 というのがあらすじ。

    シベリア抑留中のエビソードがあまりにも凄絶で、ミステリとしての面白さがどこかへ行ってしまった感じ。力作。

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    2014年11月24日
  • 真友

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    警察官が自らの拳銃を奪われ射殺された。犯人は同じ府警の刑事だと断定されるも、逃走。被害者の息子・隆史と容疑者の息子・伸人は親友だったが、悲劇によってその仲は決裂する。成長し、父の敵を討つために刑事になった隆史の前に、再びあの拳銃を使用した事件が。苦難を糧にひたむきに生きる者たちを描いた感動作 というのがあらすじ。

    映画の撮影所のエピソードが興味深かった。後は、うーむ。やや残念。

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    2014年11月14日
  • 時限

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    初めて読む作家。
    枯山水を望む老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首吊り死体が見つかった。京都府警五条署の片岡真子は、遺体の首筋に不可解な扼殺痕があると知り捜査を始める。遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子はある“時限”に挑まなければならなかった。女性刑事の情熱に絆されるカウントダウン・サスペンス というのがあらすじ。
    先日観た「舞妓はレディ」で京ことばについてはある程度イメージができていたので、読みやすかった。タイトルは単行本時の「エクステンド」の方がいいかもしれない。

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    2014年11月09日
  • エンドロール

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    結局、時代の流れで人の思考や価値観は移りゆくもので、後世に残したいものも消し去りたいものも、それをどう解釈するかはそれぞれ。
    何が正しいかは、これからを生きる人たちが時代を学び応えていくもの。

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    2014年09月09日
  • エンドロール

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    主人公は映画関係の仕事につきたいフリーター。バイトでマンションの管理人をしていたが、孤独死に遭遇。その住民の8ミリに魅せられ、ドキュメントを作ろうと決める。途中亡くなった人を知人の話で追求していくあたり、少し「永遠の0」に似てるかなと思ったが、そうでもなかった。死んだ人の思惑というのは、いくら親しかった人に聞いても、わかるものではないのかなぁ。孤独死といっても、それまでの人生において関わった人たちがいる。なにも独りで死ぬことが孤独死ではない。

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    2014年08月18日