【感想・ネタバレ】イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年09月15日

宮沢賢治を探偵に据えた「イーハトーブ探偵」シリーズ第二弾。
前作よりも落ち着いて、より、賢治の世界を感じさせる。
人間の弱さが犯す悲しい罪を、賢治も悲しみながら、しかし厳しく暴いていく。
それぞれの作品が、賢治の作品を彷彿とさせ、あるいは実際に対比として語られたりする。

『哀しき火山弾』
石工会社...続きを読むの社長が、割れた凝灰岩の下敷きになって死んだ。
偶然の事故なのか?

『雪渡りのあした』
宝珠の中にあったはずの仏像が姿を消す。

『山ねこ裁判』
厳重に施錠されているはずの蔵から、高価な品が盗み取られた。

『きもだめしの夜に』
真に人を想うならば。

『赤い焔がどうどう』
真に人を想うならば2。



賢治の作品「貝の火」は、銀河鉄道の夜と並んで好きな作品だが、いまだに理解には及ばない。
これから先もずっと、考え続ける。

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Posted by ブクログ 2015年09月21日

ケンジと賢治は別の人?そんなに賢治を知っているわけでもないのに賢治らしさを感じる。しゃべり言葉は花巻弁、誰かに音読してもらいたいなと思う。冷静な観察と推測が一体になって答を導き出していました。ますむらひろしさんの解説も面白かったです♪♪

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月19日

前作に登場した菅野高清さん再び。もし実在したら一癖も二癖もある人物だろうが、トシ絡みで物悲しさ漂う雰囲気をいい塩梅に緩和してくれる。そんな高清さんにはちょっと残念な短篇「雪渡りのあした」が一番好み。私は宮澤賢治ビギナーなので、情景描写を追いながら読むことしかできないが、彼の経歴やら未読作品やらにどっ...続きを読むぷり浸かってから読み返せば、さらに楽しめそうな一冊。

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Posted by ブクログ 2015年10月05日

前作と同様、探偵役に宮沢賢治、ワトソン役に親友・藤原嘉藤治を据えて様々な事件を解決していく連作短編集。
宮沢賢治の著作と上手く絡めて話を作っている点は相変わらず関心しますが、読んでいる内に概ね予想がついてしまうものばかりで、ミステリーとしてはやや物足りないです。
物理トリックは前回ほど大掛かりではあ...続きを読むりませんが、【山ねこ裁判】と【赤い焔がどうどう】はなかなか良く出来たトリックだと思います。

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Posted by ブクログ 2015年08月27日

作者がどれだけ宮澤賢治を大切にしているかが伝わってきました。だから、ケンジとカトジが今回も生き生きと活躍しています。ケンジにとっては、たいそう悲しい時期にあたる今作品ですが、どう言うのでしょう、ケンジがケンジになっていく、その悲哀の道筋がここには読み取れるような、そんな一冊でした。
ミステリーとして...続きを読むは前作よりもちょっとボンヤリしたかもしれません。ワトソンカトジの活躍というか、存在がとても鮮やかでした。宮澤家の方々も納得の登場です。謎解きよりも人物描写で楽しめた本作品、だったかもしれません。
カトジがそばにいてこそのお話だとすると、次作はどこから始まるのか、次作が楽しみです。
ますむらひろしさんの解説も素敵でした。

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