あらすじ
講演中の救命医が爆破死傷事件に巻き込まれた。現場に駆けつけた救急救命士に向かい、医師は言う。「私にブラック・タッグをつけろ」――その意味は死。大阪府警が犯人を追うが、二転三転する本ボシに若手刑事は苦悩する。謎の「遺言」と事件の真相はつながっているのか? 乱歩賞作家が問う、喪わされた者たちの悲しみ。医療トリアージ=命の選別をテーマを、警察捜査の臨場感と共に贈る骨太エンターテインメント。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
久しぶりに、買って良かったと思えた小説です。
心に響いた言葉が沢山あった。「生きる覚悟」なんて考えた事無い。「絶対に勝てない相手を師と仰げば、挫折感を味わわないで済む」には身に覚えがある。
おとぼけ警部補・倉さんと生真面目刑事岸ちゃんコンビが凄く自然体。まるですぐそこの道をあーでもない、こーでもないと言い合いながら歩いている様。
人が人の命の選別をする。選別をした瞬間から始まる重圧。私は、自分の命を削りながら生きていく覚悟が出来ないな。
Posted by ブクログ
受傷者の生命の選別とも言うべき医療トリアージ、ホテルの講演会場で発生した爆弾事件を描いた骨太の警察小説。複数の容疑者が浮かび、真犯人は誰かというミステリー色も強く、それでいて叙情感漂う人間ドラマの側面もある非常に面白い作品。
『東京ダモイ』の迫力、『時限』のはんなり感とミステリーの共存に驚かされたが、本作の何とも言えない叙情感はたまらない。
Posted by ブクログ
テーマはトリアージ=命の選別
そのタッグは正しかったのか?
緊急医療の現場での苦悩と現実。
重いテーマだと思うのですが、関西弁の会話にいまいち感で、入り込めず(笑)
ホテルの講演会場で、発生した爆破事件。
ターゲットは救命医の若林。死の間際に救急救命士の中杢に残した言葉は、ブラックタッグを付けること。
若林はなぜ、救命を拒否したのか?
そして、誰が、なんの目的で若林を狙ったのか?
大阪弁の二人の刑事がその真相を探っていきます。
犯人を探し出すことも大きなポイントですが、やはり、トリアージの葛藤、命の選択の葛藤が刺さります。
「救われる命のために、捨てる命があってもいいと?」
「人生に無駄はない」
「生きる覚悟」
考えさせられる物語でした。
Posted by ブクログ
トリアージ・タッグを題材にした所、命の優先順位に苦悩する救命に目を付けた所は凄く良かったんだけど、物語り全体が軽い感じになってる様に感じてしまいました。とても残念(^^;;ただ、トリアージをした後もズット、これが的確だったのか?苦悩する姿は色々と考えさせられた。命の選別をする側、された遺族の気持ちなどを知る事が出来たが、若林の死に重きを置かなかったからかな?視点を変えたら凄く良い作品だった気がしました。それと好みだろうけど倉吉のギャグが(古っw)滑った感あって寒かった。
Posted by ブクログ
ホテルの講演会場に仕掛けられた爆弾が、壇上の救命医・若林の命を奪った。怨恨の線で捜査に乗り出した大阪府警捜査一課の岸謙太は、死の間際に若林が自らの救命を拒否する指示を出していたことを知る。難事件が浮き上がらせる、緊急医療現場の苦悶。犯人の動機は。医療トリアージ=命の選別を問う骨太警察ドラマ
Posted by ブクログ
読後感は爽やかとは言えない。
疑い疑われ、裏切りもある。
なのに、救いのなさは感じない。
紛れもなく、背後には善良な人々の
揺るぎない信念と正義が支えとして、ある。
ミステリーとしてよりも、人間への賛歌として
鏑木作品を読み継ぐ者として、この作品もまた
素晴らしい。
Posted by ブクログ
9月-5。3.5点。
救命医が、爆弾により死亡。
容疑は、以前トリアージにより恋人が死亡した教師。
救命士なども絡み、捜査は難航。
まあまあかな。犯人の動機が、結構薄い気がした。