鏑木蓮のレビュー一覧

  • 東京ダモイ

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    ガツンとくる物が読みたくなり手に取った一冊。

    過去にソ連の捕虜となりシベリアに抑留された経験を持つ高津は、それを風化させまいと一冊の句集を自費出版しようとする。
    試みが実現するその前に、あるロシア人の女性が近くの埠頭で遺体となって発見された。その後高津は行方不明となってしまう。
    残された出版担当者槙野は守銭奴の鬼上司に尻を叩かれ大口顧客である高津の行方を追う。可哀想な彼にエールを送りたくなるのは自然の理かろうて...ズズッ…(   ՞灬ة旦)
    この単純な殺人事件は後に謎が深く複雑に絡み、多くの人間と時空を繋ぐ因縁の物語へと発展して行く。

    句集で語られる彼の人生は壮絶だ。
    彼ら兵士達はソ

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    2021年11月18日
  • 東京ダモイ

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    剣を抜かずに勝つ

    極限のシベリア勾留を体験して
    ダモイを果たし
    何も持たずに生き抜いた一兵士の生き様
    涙なしには語れない

    戦争を知らず、恵まれた現代を
    当たり前のように生きていられる事に感謝する

    私利私欲に支配されない生き様
    尊敬するべきはずの老人たち
    すぐ近くにもいるのかもしれない

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    2021年06月30日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    不思議な気持ちにさせてくれる本
    ヒーロー戦隊のおじいさんの話、認知症のおばあさんの話がとても印象的だった
    商売って面白いな、と思わせてくれた本

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    2021年04月21日
  • 思い出探偵

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    心の中でずっと寄り添いたいような思い出、生きていく糧となるほどの思い出、時には悪い夢であって欲しいと思うようなことも。
    思い出探偵社を訪れる人々にも、思い出探偵社のメンバーにも様々な思いや事情があって、ぐいぐいと引き込まれて読みました。
    連作短編集のようでありながら、二つの依頼が並行して調査されていたりと時間が繋がっていたのも良かったです。

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    2021年02月13日
  • 疑薬

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    薬をめぐるミステリー。新薬を使ったが故に失明してしまった母を持つ女性と、その事件を追っている記者、新薬を開発した製薬会社の社長代行、新薬を使用した病院などがからまっていろいろなことが明らかになる。
    医療や薬のミステリーというのが変わっていて面白かった。

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    2021年01月01日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    ネタバレ

    農学校教師時代の(名探偵な)宮沢賢治。友人・藤原嘉藤治(カトジ)視点で、彼が持ち込む奇々怪々な事件を解決する短篇集。トリックがユニークで、豊かな想像力と理系思考が同居しているケンジだから解けるのかも…と思える。なにより、カトジが非常にまともな感性の持ち主ながら、ケンジのよき理解者なのが嬉しい。

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    2020年12月19日
  • 疑薬

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    医者、製薬会社、患者。薬の持つ影響力は測り知れない。何の影響もなく完璧に効く薬は無いと思う。完璧な診断力を持つ医者もいないと思う。悲観しているのではなく盲信しないという意味で。
    体調が悪い時は自分の体に聞いてみる。数日、色々やってみても自力対応が無理そうなら病院に行く。早く行くほうが良いだろうか?

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    2020年12月17日
  • 東京ダモイ

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    ミステリーでありながら、文学性を感じさせられた。
    シベリア抑留について詳しく知らない自分にも、シベリアの過酷な環境が伝わってくる描写だった。かなり詳しく調べられたのではないだろうか。
    キーパーソンとなる人物たちのキャラクターが魅力的で、物語に引き込まれる。

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    2019年10月27日
  • 炎罪

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    鏑木蓮『炎罪』講談社文庫。

    『時限』に続く片岡真子シリーズの第2弾。京都府警の片岡真子がおっとり、うっとりするような京言葉を操り、連続放火事件に挑む。

    面白いが、『時限』には及ばないかな。

    連続放火が相次ぐ京都。放火により全焼した家から精神科医の焼死体が発見される。亡くなった精神科医の妻が失踪し、警察は自殺と他殺の両面から捜査を進める。京都府警の片岡真子は遺品から事件解決の糸口を掴むが……

    本体価格840円
    ★★★★

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    2019年10月18日
  • 東京ダモイ

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    作者の作風が好きで、ダモイの意味は全く知らずに読み始めた。知識としては知っている抑留について改めて考えた
    全体を通して辛く厳しいラーゲリ生活が書かれているけれど、槙野が句に引かれる気持ちがよくわかる
    #鏑木蓮

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    2019年09月25日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    広義での日常系ミステリ

    バイトテロだのFC店での営業時間問題だの、最近話題のコンビニが舞台
    本作では、病院内、直営店と少し特殊事情もあるのだが

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    2021年02月20日
  • エンドロール

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    ネタバレ

    青年の主人公があるきっかけから一人の人生をたどる物語り。永遠の0もそうだけれど、
    世代のギャップや話したくない気持ち、話せない話し、忘れたいことを聞いてほしくない気持ち、だけど知りたい気持ち、とても伝わってきた。
    最後はそれぞれの真実になっているけれど
    未来に向けたエンドロール

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    2018年09月23日
  • 黒い鶴

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    ネタバレ

    2018/3/24
    短編集。
    短編集は感想書きにくいよね。
    もやっと終わるのが特徴なの?
    解説の名越さんが言ってた。
    最後の能の話は結局凡人が天才を殺してしまったの残念。
    もったいない。
    芸事に囚われて狂っていく話は美しいけど、このタイプはどうだろう。
    読んだばっかりのときは、凡人が自分の居場所を失うことを恐れて天才を殺すとか身の程知らずめとちょっと怒りを覚えたけど、よくよく考えるとこの人も取り憑かれてるよな。
    才能はなくても夢中になる人には惹かれるよね。

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    2018年03月29日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    大手コンビニ「キャメルマート」の病院内の店長として単身赴任した小山田。
    売り上げの数字がすべてだというコンビニ本部の意向に逆らい、
    病院という特殊な場所にあるコンビニの役割とは何かを考え、
    患者や医師、そこで働く人々に寄り添い、イベントや新商品の開発に奔走する───

    #さびしいサッカーボール
    事故で片足をなくして大好きなサッカーをあきらめなくてはならなくなった海斗12歳。
    アンプティサッカー(病気や事故で手足を切断した選手が、松葉杖をついてプレーする)の選手と出会い…

    「片脚を失くしただけで、両脚を失くした気になるな!」
    リハビリで、たった一歩しか進めないなんて悲観しないでほしい。
    その一

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    2018年03月18日
  • 黒い鶴

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    2016年が初版ながら作風(文体)から少し固さ-奥ゆかしさを感じる。
    また、京言葉や東北訛りの会話などもあり、
    スムーズに読みづらいところも…
    とはいえ、短編であること、
    扱っている題材が今風であること
    簡潔であることなど、非常に読みやすい要素は多い。

    という点からも、
    (言い方は悪いかもしれないが)
    チャラチャラしてない古風な王道感。
    これぞミステリーていった感じ。
    (ま、純文学ミステリーって書いてあるしw)

    何気に自分は1番安心して読める好きな作風。

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    2018年02月15日
  • 沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル

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    このシリーズ、大好き。
    思い出を扱う探偵社のみんなが優しいし。
    依頼人だけでなく、関係者にとても優しい。
    義理の母の記憶を父のために探してほしいとやってきた依頼人。
    たどっていくうちに明らかになる絹枝の過去が重苦しくのしかかってくる。
    でも、救いのあるラストにほっとする。
    きっと、彼らは大丈夫。

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    2018年01月22日
  • 沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル

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    鏑木蓮『沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル』PHP文芸文庫。

    『思い出探偵』シリーズ第3弾。文庫書き下ろし。老女の秘められた思い出を探る探偵たち…シリーズとしては先の2作の方がずっと面白かったように思う。

    京都府警の元刑事・実相浩二郎が立ち上げた思い出探偵社が今回手掛けるのは28年間、内縁の妻として暮らしながら、自らの過去を一切語らずに認知症を患った老女の過去を探ること。僅かな手掛かりから奔走する探偵たちが、少しずつ明らかにする哀しい事実…

    近々、テレビドラマ化されるようだ。

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    2018年01月21日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    POS(ポス)は『ポイント・オブ・セールシステム』の略。
    コンビニチェーン「キャメルマート」の社員・小山田昌司は、スーパーバイザーとして店舗指導に当たるとき、このPOSデータを大きな指針としていた。
    ある日彼は、業績悪化のため店長が降格人事となった「キャメルマート京洛病院店」の立て直しのため、臨時の店長として、東京から単身赴任することになる。

    現在の店長は若松。
    病院内という特殊な立地を本部に訴え続けていたが、担当のスーパーバイザー・平(たいら)は聞く耳持たず、無理なノルマを押し付けられて売り上げが伸びなかった。
    外に出られない入院患者に「行楽弁当フェア」はつらい。
    糖分を制限された小児患者

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    2018年01月15日
  • ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル

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    京都思い出探偵シリーズ、第二弾。
    単行本『思い出をなくした男』を改題。

    まず、どうして改題したのかな、いいタイトルだったのに…と思いましたが、なるほど、かなりねじれて複雑なお話が多いように思いました。

    1作目は、いわゆる“ええ話”と、探偵社のスタッフ自身の、過去を乗り越えるお話が多かった。
    探し出された人たちも、会いたくないのは積極的な拒絶というより、“今さら”という戸惑いの方が多かったようです。

    今作は、「思い出は誰にとっても良いというものではない」という事をあらためて突きつけられる事案だったり、依頼そのものが独りよがりなのではないかと思えたり。
    または、探すべきか探さざるべきか、そこ

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    2017年11月23日
  • エンドロール

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    ネタバレ

    亡くなった老人の過去を調べ、戦争の話にもなるって退屈になりそうなのに、ずっと引きこまれた。
    調べる流れが自然。

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    2017年11月18日