鏑木蓮のレビュー一覧
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ガツンとくる物が読みたくなり手に取った一冊。
過去にソ連の捕虜となりシベリアに抑留された経験を持つ高津は、それを風化させまいと一冊の句集を自費出版しようとする。
試みが実現するその前に、あるロシア人の女性が近くの埠頭で遺体となって発見された。その後高津は行方不明となってしまう。
残された出版担当者槙野は守銭奴の鬼上司に尻を叩かれ大口顧客である高津の行方を追う。可哀想な彼にエールを送りたくなるのは自然の理かろうて...ズズッ…( ՞灬ة旦)
この単純な殺人事件は後に謎が深く複雑に絡み、多くの人間と時空を繋ぐ因縁の物語へと発展して行く。
句集で語られる彼の人生は壮絶だ。
彼ら兵士達はソ -
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大手コンビニ「キャメルマート」の病院内の店長として単身赴任した小山田。
売り上げの数字がすべてだというコンビニ本部の意向に逆らい、
病院という特殊な場所にあるコンビニの役割とは何かを考え、
患者や医師、そこで働く人々に寄り添い、イベントや新商品の開発に奔走する───
#さびしいサッカーボール
事故で片足をなくして大好きなサッカーをあきらめなくてはならなくなった海斗12歳。
アンプティサッカー(病気や事故で手足を切断した選手が、松葉杖をついてプレーする)の選手と出会い…
「片脚を失くしただけで、両脚を失くした気になるな!」
リハビリで、たった一歩しか進めないなんて悲観しないでほしい。
その一 -
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POS(ポス)は『ポイント・オブ・セールシステム』の略。
コンビニチェーン「キャメルマート」の社員・小山田昌司は、スーパーバイザーとして店舗指導に当たるとき、このPOSデータを大きな指針としていた。
ある日彼は、業績悪化のため店長が降格人事となった「キャメルマート京洛病院店」の立て直しのため、臨時の店長として、東京から単身赴任することになる。
現在の店長は若松。
病院内という特殊な立地を本部に訴え続けていたが、担当のスーパーバイザー・平(たいら)は聞く耳持たず、無理なノルマを押し付けられて売り上げが伸びなかった。
外に出られない入院患者に「行楽弁当フェア」はつらい。
糖分を制限された小児患者 -
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京都思い出探偵シリーズ、第二弾。
単行本『思い出をなくした男』を改題。
まず、どうして改題したのかな、いいタイトルだったのに…と思いましたが、なるほど、かなりねじれて複雑なお話が多いように思いました。
1作目は、いわゆる“ええ話”と、探偵社のスタッフ自身の、過去を乗り越えるお話が多かった。
探し出された人たちも、会いたくないのは積極的な拒絶というより、“今さら”という戸惑いの方が多かったようです。
今作は、「思い出は誰にとっても良いというものではない」という事をあらためて突きつけられる事案だったり、依頼そのものが独りよがりなのではないかと思えたり。
または、探すべきか探さざるべきか、そこ