鏑木蓮のレビュー一覧
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ママレンジ(昔の女の子用のおままごとの道具)
かなりの警察用語があって少しわかりずらかった。
ダークダックスの低音とのボニージャックスの低音(ほぼ一緒に近い歌手)
犯罪動機は利害でしかない。物・金・情報・愛情のいずれかもしくは複数を得るにはどうするのか。
反抗は論理観よりも欲望が勝った結果であるもの。犯罪者の行動は得する方向にしか舵を切らない。
自由もなく毎日叱咤されたり苦しかった日々が人生でもっとも充実していた時でもあると思った。
小夜と好恵の2人にボタンの掛け違いが無ければこの事件は起きなかった。人を想う作品だと感じた。
好恵はミュンヒハウゼン症候群だった。(症例として周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり自らの体を傷つけられたりするといった行動が見られる。
目黒警部と山名の会話が面白かった。 -
Posted by ブクログ
京都の小さな街で心療内科を開業する本宮慶太郎を主人公にした新シリーズ。
事件の発端は同じ町で起きたスーパーの総菜売り場でバイトをしている女性の死。
遺書のようなものがあったことから、警察は自殺と断定するが、慶太郎の元を訪れた女子高生の患者の証言から、慶太郎が女性の真相を探っていく。
心療内科医が何のつてもないのに、患者の女子高生を救うためにお金にもならない探偵まがいのことをするのにも抵抗があるし、スーパーの食品ロス問題も大きく広げ過ぎて、ラストの回収が強引と言うか、雑と言うか、何だか残念。
同じようなタイトルの「見えない鎖」と関連があるのかと思ったが、全然関係ないらしく、新シリーズと言うのならば、その辺も気を遣って欲しいかも。
最近の作品は京都を舞台にしているものがほとんどで、それが悪い訳ではないけど、初期の頃よりも面白さが半減しているような気がする。 -
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限界集落、老人の孤独死、無縁社会そして薄れゆく戦争体験といった社会問題を根底においてミステリータッチに仕上げた作品。
映画監督になることを夢見て故郷を飛び出したが、うまくいかず、アルバイトでアパート管理をしている青年門川誠一。彼はそのアパートで亡くなった独居老人・帯屋史朗の遺品整理をするが、見つかった8ミリフィルムに興味を抱く。フィルムに映っていたのは重いリヤカーを引きながら笑顔を絶やさない行商の女性。そして、もう一つ遺されたノートには意味不明な詩が記されていた。
これらに秘められた帯屋の人生を辿りドキュメンタリーを撮ろうと考えた門川は帯屋老人ゆかりの人たちを訪ね歩く。だが、その人たちは彼のフィルムとノートにまつわる話を聞くと、いずれも途中から非協力的な態度に転じる。彼らには、胸にしまいこんで共有する悲惨で重苦しい戦争体験があった。
かつて、この国は、兵士たちが体当たりする馬鹿げた極秘作戦を行ってきた。兵士たちは作戦に自ら志願する姿勢が崇高だと洗脳されていた。このことが、風化されないようにと多くの書物が著されてきたが、本作も収束点はここかと感じた。
帯屋のキネマ旬報への投稿文で締め括るエンディングがいい。 -
Posted by ブクログ
ひとりの老人の孤独死と遺品をきっかけに、主人公は彼の生き様を知ろうと思うようになる。手がかりを追っていくうちに、いろいろなことが判明してくる。ノートの謎、戦争中の隠された事実、帯屋が過去に関わった人々それぞれの思い、帯屋自身の心の動き。
読んでいる間ずっと、『知るためだけにここまで行動するかなあ?』という気持ちがついて回ってしまい。甲山の協力具合も少し不自然に感じてしまった。
ストーリーは面白かったし読後感もよかったのだけれど、気持ちが乗っかりきらずに読み終えてしまったのがちょっと残念。
少し不思議だったのが、この「エンドロール」にもひとつ前に読んだ「漁港の肉子ちゃん」にも東北の町が出てきて、どちらのあとがきでも東日本大震災のことに触れられていて、私が読んだのが3.11の前後だったってこと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何気ない描写やキャラのしぐさで、登場人物に深みを与えてくれるところが鏑木蓮の強みの一つだと思ってるのですが、序盤に怜花が近所の高校生相手に変顔を見せるという何気ない描写に「あ、この本良さそう」と予感しました。
こうした描写って、読み手にキャラの人物像をさりげなく、かつ深く伝えてくれてる気がして、読み進めれば進めるほどキャラが生き生きしてくるように感じることが多いです。そういう作品が好きな傾向が自分にはあるので、先に書いたような予感がしたわけです。
なので、感覚的には惹き込まれる点がいくつかありましたが、論理的には理解できなかった点もありました。
特に三品の目論見について。高齢者医療や老年内科のことが作中すご~~~く価値のあることのように描かれているけど、医療過誤を隠蔽してまでやるメリットが私にはわかりませんでした。
それを含む、クライマックスの展開や話の内容はほとんど理解できていない気がしてまして、そのためか怜子や良治の行動も納得できなかったりピンと来ていなかったりします。
自分にもっと読解力や理解力があったら、本作に対する印象は大きく変わっていたかもしれません。最初に記したように、キャラがしっかり立ってるという点はとても良く、いい奴も悪い奴も、それぞれ自分なりの信念を持って行動していたところはホントに好みだったので…… -
Posted by ブクログ
終戦間際に実際に存在した、馬鹿馬鹿しいほどの作戦。その一つ「人間機雷」を題材にしたドラマ。
老人の孤独死と誰も引き取らない「遺品」から、確かに生きていた証を探っていくうちに、終戦間際に特攻作戦の実験中に起こった事故にたどり着く。
戦闘機によるいわゆる「特攻」、人間ロケット弾「桜花」、人間魚雷「回天」など、有名なもの以外にも、信じられないほど冷静さを失った作戦が実際に計画されていた。
同じ敗戦国のドイツと比べても、実に幼稚な「負け方」で、当時の政治レベルの低さが伺える。
でも、笑えないよ。
今でも「日本人がコロナに強いのは、民度が高いから」なんて、堂々と発言する政治家に、同じ匂いがするのに、それを許しているのは、国民である自覚が無いのも、当時と同じ。
物語は、短い中に沢山のテーマを盛りすぎで、やや残念でした。