あらすじ
予備校生、高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害された。出入りが目撃された中年男性が捜査線上に浮かぶ。心の動きに捜査の主眼を置く下谷署の目黒は、小夜を知るにつれ、援助交際の線を捨てて事件に迫った。小夜が歌に詠んだ故郷、京都府の山村で目黒が掴んだ事実とは。哀しい真相が隠された、切なさ溢れるミステリー
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Posted by ブクログ
小説を読む楽しみを感じさせてくれる作品。
遺骨をテーマとして登場人物たちの行動の裏にある背景を追っていくことで見えてくる、本当の訳。丁寧に積み上げていく彼らの感情のピースが、最後に繋がっていき物語をとても面白いものにしていると感じた。
Posted by ブクログ
映画化しても面白い。
状況証拠だけでは読み解けない、人間ドラマが裏に潜んでいた。
自身の存在価値を作るために、最愛の夫に毒を盛るなんてどこまで歪んでしまってるんだろう。
とても哀しい物語
Posted by ブクログ
読みやすく面白いミステリ作品でした
登場人物に感情移入しやすく、情景を思い浮かべやすい物語です
ラストも切なくて好みの世界観でした
人間というものは実に愚かで哀しい生き物ですね
みんな幸せになりたかっただけなのにね
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予備校生、高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害された。出入りが目撃された中年男性が捜査線上に浮かぶ。
心の動きに捜査の主眼を置く下谷署の目黒は、小夜を知るにつれ、援助交際の線を捨てて事件に迫った。
小夜が歌に詠んだ故郷、京都府の山村で目黒が掴んだ事実とは。
哀しい真相が隠された、切なさ溢れるミステリー。
Posted by ブクログ
より深く心の中で生きて、ずっと私を見守っていて欲しいから────。
事件に関わる一人一人の人柄を深掘りしていくが故に、どの人間にも感情移入してしまいたくなる。犯人の人物像を明らかにする過程に少々退屈さを感じたが、その綿密な描き方はやはりこの物語に欠かせない部分であった。
この物語の中では登場人物それぞれがそれぞれに何かしらの犠牲を払っている。そして、その上で彼等の日々は循環して行く。とはいえ、それが果たして最良か。その答えを読者に問い掛けている。そんな気がする。
人間は弱い。最も気の毒で同情されるべきは自分だ、と言い切ってしまう姿には若干の嫌悪感はあるものの、人間には誰しもそう言った自己愛が存在する事を否定できるとは思えないし、必要とされればそこに僅かでも喜びを見出してしまう心理を承認欲求と一言で括る事もできるのかもしれないが、人の心理はそれほど単純では無い。
大切な人を想う愛おしさ、そして大切な人を失う悲しみ。それらの気持ちとどう向き合うか。そして、命をどう考えるか。
切ない結末は、僅かな希望も同時に残してくれた。
人の心の最奥を刺激する、素晴らしいミステリー。
目黒と山名のコミカルなやり取り、目黒の親バカっぷりもいいアクセント。
Posted by ブクログ
嫌いではなかった。
最後までオチの予想をせずに読むことができた。
推理ミステリー的な話しだが、爽やかで心温まる感じもある。村社会特有の閉鎖的、画一的な価値観は規模を変えてもどこの社会にも存在するものでその功罪について考えさせられる。
Posted by ブクログ
タイトルである「白砂」、そしてそれにまつわる物語は、表紙さながらに、美しく、寂しく、切ない。
それぞれに宿命とも言える境遇を背負ったふたりの女性の運命が、交差してしまったことによる悲劇。被害者、加害者両者の過去を丹念に丁寧に紐解き、そのひととなりに寄り添うことで真実を解き明かす目黒刑事の手法は凝り固まった犯人の心さえ溶かし、まどろっこしいながら人間臭く、心打たれた。部下との掛け合いも、微笑ましく、キャラクターの厚みを出すのに成功していると感じた。シリーズ化してほしい。
Posted by ブクログ
小夜が可哀想でならなかった。
最後に家族3人揃わせてくれたのは救いでした。
終盤、犯人が夫にしてきたことにゾッとした。
目黒警部と山名コンビの掛け合いが微笑ましかったし、ストーリーもとても読みやすかった。
Posted by ブクログ
二十歳の女性が自室で殺され、女性の持ち物からペンダントに入った遺骨が見つかる。
この骨のは誰なのか?
それと同時進行で夫を事故で亡くした女性は夫の遺骨を海に散骨しようとする。
この2人の女性のつながりは?
結末は想像してなかった展開だった!
Posted by ブクログ
鏑木蓮の長篇ミステリ作品『白砂(はくしゃ)』を読みました。
鏑木蓮の作品は昨年の5月に読んだ『思い出探偵』以来ですね。
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予備校生、高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害された。
出入りが目撃された中年男性が捜査線上に浮かぶ。
心の動きに捜査の主眼を置く下谷署の目黒は、小夜を知るにつれ、援助交際の線を捨てて事件に迫った。
小夜が歌に詠んだ故郷、京都府の山村で目黒が掴んだ事実とは。
哀しい真相が隠された、切なさ溢れるミステリー。
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2010年(平成22年)に刊行された作品です。
苦労して働きながら予備校に通う、20歳の高村小夜が自宅アパートで殺害された……中年男性の目撃情報と大金が入金されていることから、援助交際との関わりが捜査線上に浮かぶ、、、
「こんなにつましい暮らしぶりで真面目な彼女がなぜ?」違和感を抱いた下谷署の刑事・目黒一馬は別の角度から捜査を開始する……小夜の両親はすでに亡く、なぜか祖母は頑なに遺骨を受け取らない。
鍵は小夜の故郷にあると見た目黒の執念が、運命に翻弄された女たちの人生を浮き彫りにしていく……最後にたどり着いた、死の裏にある驚愕の真実とは、、、
切なさあふれるミステリー。
働きながら大学入学を目指す20歳の高村小夜が殺害された事件を中心にしつつ、そこに建設会社社長・吉崎の交通事故死に纏わるエピソードが絡められ、ふたつのエピソードが交叉するあたりで表層的な犯罪の動機と犯人は特定できるのですが……逮捕された人物は黙秘、、、
その後、目黒刑事は、犯人の人格形成に影響を与えた特殊な環境下にあった宮崎の山村での生活や出来事を浮き彫りにして、犯人の心理に踏み込み犯行動機に迫る……執念の捜査が印象的でしたね。
社会派ミステリっぽい雰囲気を纏った作品でしたねー 目黒刑事の人柄も良く、感情移入しやすかったですね……それにしても、高村小夜の運命は哀しすぎますね、、、
好みの作風でした……目黒刑事と山名刑事のコンビもイイ感じなので、シリーズ化してたら次も読んでみたいな と思いました。
Posted by ブクログ
白砂とは散骨のために砕いた遺骨のことかと理解していたら、終盤で予想外の展開。そして真犯人がなかなか自白しなかった理由にも納得。しかし、小夜があまりにも可哀想すぎるよ。
Posted by ブクログ
深い物語です。
エピローグに、作品スタート時に殺害された子のコレから新たな決意を描写するなんて、もはや卑怯なぐらい感極まります、是非是非読んでください。
Posted by ブクログ
最後の結末は途中で想像ついたけど、まさかと思ってたら本当に思った通りで驚きました。もうただただ小夜が不憫でならなくて、でも登場人物の背景にある心情に寄り添う感じが好きでした、もう一度読み返してみたらもっと寄り添えて読めて面白いかも!最後の方の小夜とのお別れの場面は感動。殺される前までの小夜視点の心情?とかの記述がある方が良かった!もっとなけますね
Posted by ブクログ
登場人物の考えていることが丁寧に描写されていて没入感がとても心地よかった。
最後の解決の部分はページを捲る手が止まらなかった。
話もわかりやすくとても読みやすかった。
小夜と好恵の関係がとても複雑で、本の言葉を借りるならボタンの掛け違えでとても切ない結末になってしまったなと思った。
Posted by ブクログ
推理小説だと思わずに買って半年くらい放置してやっと読み終えた。
泣けるポイントは一切なく、共感ポイントもなく、推理小説としては面白いんだと思う。
また読みたい!って本ではない。
Posted by ブクログ
とても切ない物語。
働きながら予備校に通う二十歳の高村小夜が自宅アパートで殺害されます。
中年男性の目撃情報がありますが、その暮らしぶりとの違和感を覚えた刑事の目黒は、被害者を掘り下げることで事件を捜査していきます。
両親をなくし、苦労して生きてきた彼女。
彼女はなぜ殺されなければならなかったのか?
祖母にあたる人物は遺骨を頑なに遺骨を受け取らない。
彼女の過去にいったい何があったのか?
一方、建設会社社長の吉崎が交通事故死。その妻は海上散骨にこだわっていましたが、ある日、その遺骨が盗まれてしまいます。
誰が遺骨を盗んだのか?
妻は何にこだわっているのか?
この2つのエピソードが語られていき、後半、二つの事件の裏にあるものが明らかになっていきます。
そして、犯人の心情にも寄り添う目黒の捜査が真相を明らかにしていきます。
小夜の人生が何とも切ない。
そして、その真相がとても切ない。
けど、捜査にあたっての、目黒と部下の山名との掛け合いは、あんまり好きじゃない(笑)
でも、この手のストーリは大好きです。
お勧めです!
Posted by ブクログ
ミステリーとしての不思議感は強いのだが、少し不自然かな。動機にリアリティが欲しいよね。でも、ストーリー展開がスムーズなので、読みやすくて goodでした。
Posted by ブクログ
一人暮らしの女子大生が殺された!
真面目であんないい子がなぜ?
夫が交通事故で亡くなった、、、家に泥棒?
2つの事件が交わった時、驚きの真実が!
もうねぇー小夜が報われないって、、、
キーワードは「可哀想な子」思わぬ展開
泣ける話とのことですが、泣きどころ全くありません
Posted by ブクログ
失恋後16作品目
泣けると売りの本を読み終わった。小夜がなんだか気の毒ではあったが、泣きポイントは訪れず。ただ読後感はいい。登場人物がみんな可愛らしい。
フラれて1ヶ月半が経過して、最近思うのは…まだ諦めず悩んでいるけど、これはもしかしたら「怒り」をパワーにして乗り越えていくのかなと思う。まだ怒りや恨みが出てこないけど。
Posted by ブクログ
あまり選ばなそうな物を読んでみようとジャケ買い
自分は会話のテンポ感などが好きだった
謎が〜トリックが〜とかではないけど
一つ一つの言葉に人間を感じました
鏑木さんの他の作品も気になった
Posted by ブクログ
切ないけれど、美しい情景が漂う。
最後の最後に投下される事実に驚かされ、全ての根源はこの事実だったのかと気づくと、ままならないなと、切ない気持ちになる。
Posted by ブクログ
鏑木さんの小説を初めて読んだが、人間構成・心情の描写・設定がとてもよく、読みやすかった。
スラッと読める反面、節々に考えさせられるような場面もあり、小説が苦手な人には是非とも読んでもらいたい作品である。
Posted by ブクログ
約しい生活をしながら予備校に通う、高村小夜。
そんな彼女がアパートで、何者かに頭を殴られて死亡した。
皆に好かれ、殺され理由が見当たらない。
ただ、殺された日に、小夜には誰かの遺骨が届いていた。
通帳やアクセサリーの他に、小夜の家から失くなっていたのはその遺骨だった。
一体、誰の遺骨で、誰が小夜を殺害したのか…
事件の鍵は、小夜の亡くなった母親にまで遡る。
様々な糸が絡み合い、複雑な関係が生まれていた。
切ない…
2022.12.19
Posted by ブクログ
ママレンジ(昔の女の子用のおままごとの道具)
かなりの警察用語があって少しわかりずらかった。
ダークダックスの低音とのボニージャックスの低音(ほぼ一緒に近い歌手)
犯罪動機は利害でしかない。物・金・情報・愛情のいずれかもしくは複数を得るにはどうするのか。
反抗は論理観よりも欲望が勝った結果であるもの。犯罪者の行動は得する方向にしか舵を切らない。
自由もなく毎日叱咤されたり苦しかった日々が人生でもっとも充実していた時でもあると思った。
小夜と好恵の2人にボタンの掛け違いが無ければこの事件は起きなかった。人を想う作品だと感じた。
好恵はミュンヒハウゼン症候群だった。(症例として周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり自らの体を傷つけられたりするといった行動が見られる。
目黒警部と山名の会話が面白かった。
Posted by ブクログ
・プロローグ、エピローグ、本文に出てくる3人分の人骨。ミステリーだからはっきり言葉にせず、情景を美しく描いていたりと、どの骨が誰のものか特定するのが難しかったです。
・骨になってから家族が揃ったなんて。読み終わってから頭の中を整理していると切なさがじんわりやってきました。
・誰かの犠牲になることで自分の存在意義を確認する為に、砒素を盛る。ってところが気に入らないけど(一人の人に執着せず、ボランティアとか何か仕事探せば良いのにって思うけど)。
そんな事言ったら白砂が成り立たないし、なんだか違うところでモヤモヤしてしまう。
Posted by ブクログ
アルバイトをしながら大学受験を目指す二十歳の女性が殺される。事件の真相を追う目黒警部の前に、明らかになる女性と実家との確執、浮かび上がる夫の遺骨を海へ散骨をしようとする女性。『白砂』が暗示するのは…。丁寧なストーリーだが少々現実離れした展開に正直「?」。
Posted by ブクログ
「白砂」 鏑木蓮 ★★★☆☆
面白いです。
ありがちな二軸で話がすすみ後半に行くにしたがって一気に話が見えてきます。
動物なんて最後は骨になるだけ。それでも僕らは骨まで愛しちゃうのです。
僕も死んだら自然葬としてどっかに撒いてほしいと思います。
一方で、人間がとらわれるのは骨ではなく心なのだ。心によって何にとらわれるのかが決まってくる。それは人それぞれ。個性なのだ。
#引用
・人の生き方には二つしかない。やらなかったから、できなかったって証明するか、やればできることを証明するかさ。
・一度の負けで絶望するやつは、一度勝っただけで、すべてに成功したとうぬぼれる人間と同種だ。