あらすじ
初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。母と父代わりの伯父に会わせるためだ。だが光一は現れず、そのまま行方不明に。光一が連載していた限界集落をテーマにしたフォトエッセイの写真を手がかりに、希美は島根へ向かう。そこに光一の妹から、彼の元交際相手も失踪しているという知らせが。二人は一緒なのか? 怒りと悲しみが交錯しつつも希美は光一の足跡を追う……。
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『なめとこ山の熊』
初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。母と父代わりの伯父に会わせるためだ。だが光一は現れず、そのまま行方不明に。光一が連載していた限界集落をテーマにしたフォトエッセイの写真を手がかりに、希美は島根へ向かう。そこに光一の妹から、彼の元交際相手も失踪しているという知らせが。二人は一緒なのか? 怒りと悲しみが交錯しつつも希美は光一の足跡を追う……。
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鏑木蓮『水葬』徳間文庫。
今年の1月に急逝した鏑木蓮によるサスペンス小説。
宮澤賢治の信奉者で岩手県好きの鏑木蓮らしく、本作にも宮澤賢治と盛岡が登場する。盛岡出身の自分は鏑木蓮の作品を読む度にニンマリしている。
さて、本作である。『水葬』というタイトルからして救いの無い結末が容易に連想出来る。婚約者の女性が失踪した男性の行方を自ら探すというストーリーなのだが、散りばめられた伏線をかき集めれば、その謎も見えて来る。そういう点では少し物足りなさを感じる作品だった。
初井希美は婚約者の千住光一と自分の母親と父親代わりの伯父と面会するために待ち合せをしていたが、光一は時間を過ぎても現れることはなかった。
光一はフリーのカメラマンで雑誌に連載する限界集落をテーマにしたフォトエッセイの取材のため、4日間の日程で島根に出張していたが、そのまま行方不明となる。出張先からパソコンに転送された写真を手掛かりに島根に向かった希美に光一の妹の美彩から、美彩の大学の先輩で光一の元交際相手の下槻優子も同じ頃に失踪していることを知らされる。
光一と優子の行方を探す希美と美彩に、優子の車が岩手県八幡平市で発見されたという情報が入る。急遽、岩手県に向う希美と美彩だったが……
本体価格890円
★★★★
Posted by ブクログ
希美は婚約者の光一と母と伯父との会食にヤキモキしていた。
伯父はカメラマンという光一の職業に不安を抱いており、結婚には余り賛成していなかった。
それを払拭させるためにも、光一と会って欲しかった。
それなのに、約束の時間になっても光一は現れず、そのまま行方不明となる。
光一の妹と連絡を取り、彼を探し始めるが、元恋人の優子もまた姿を消しているということが判明する。
希美はあまりにも光一のことを知らない自分に愕然としながらも、彼の行方を追う。
彼が残した写真と彼の気持ちに寄り添いながら。
そして辿り着いた先には…
2024.9.19
Posted by ブクログ
話の展開が面白く、どんどん読み進める事が出来ました。
ただ魅力的な登場人物の少ない作品でしたね。面白いのに登場人物が微妙。不思議な作品です。
主人公の希美は色々知らされてないってところが気の毒なんですがどうにも頼りない(笑)ポンコツ気味です。
相棒の美紗はなんかつっけんどん。でも希美よりはまともなのかな。
恋人で探し人の光一は希美を大事に思ってる割に色々と説明不足。
もう一人の探し人、優子は周りから慕われる人格者のような描写だが実際どこにそんな魅力があるのかよく分からない。
網島はいい人でしたね。五頭は結局何だったのだろう。母親の昔の恋人なのかな。まさか希美の父って事はないと思うけど。
徳蔵(マキシ)のエピソードが一番の見どころかもしれません。本編からの独立性がかなり高いですね。