あらすじ
『時限』に続く、「片岡真子」シリーズ第2弾!京都府警の「お嬢」・片岡真子が、冷血な放火犯に挑む!京都市内の自傷患者専門のメンタルクリニック兼自宅が全焼。その焼け跡から、院長である山之内一蔵氏の焼死体が発見された。放火と判明し、彼の患者だった男や、事件後行方がわからなくなった妻の和代など複数の容疑者が挙がるが、決定的な証拠が見つからず、捜査本部は次第に混乱の様相を極めていく。そんな中、京都府警の女性刑事・片岡真子は、被害者の遺品からある教え子の女性の落下事故を知る。事故当時には気づかれなかった、女性の「想い」に気づいた真子は、全ての事件の裏に“人の心を持たぬ男”の存在を見るが。女性刑事の閃きが光る、本格警察ミステリー!
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Posted by ブクログ
鏑木蓮『炎罪』講談社文庫。
『時限』に続く片岡真子シリーズの第2弾。京都府警の片岡真子がおっとり、うっとりするような京言葉を操り、連続放火事件に挑む。
面白いが、『時限』には及ばないかな。
連続放火が相次ぐ京都。放火により全焼した家から精神科医の焼死体が発見される。亡くなった精神科医の妻が失踪し、警察は自殺と他殺の両面から捜査を進める。京都府警の片岡真子は遺品から事件解決の糸口を掴むが……
本体価格840円
★★★★
Posted by ブクログ
片岡真子シリーズ第2弾。
実家の母は花街で日本舞踊の師匠しているいるという代わり種。
今回の事件は精神科医の自宅が全焼し、焼死体が発見されたことから始まる。
自殺なのか事件なのか…
不可解な点が多いが、なかなか真相が見えてこない。
そんな中、医師の遺品から医師の直弟子の事故死を知った真子は、何かが引っ掛かる。
そこから、様々なことが動き始めるが…
人情派の真子はしばしば刑事という立場から逸脱してしまうが、そこがこの小説の面白いところだと思う。
ただ、作者が昨年亡くなられたので、真子のその後は知ることが出来なくなってしまった。
残念。
2024.3.31
Posted by ブクログ
歴史ある京都が舞台で、色々な家庭の事情がある少女を引き受け、お世話する花街の人情を感じる作品。
警察の元でプロファイリングする、地位も名誉もある優秀な精神科医。
その力を悪用しようとすれば簡単に人を欺き操る事が可能らしい... 薄ら寒気がした。
被害者を操り、警察をも操る。
理論には直情。
予測出来ない方法で対抗するしかない。
若干わちゃわちゃした感じはあるものの、終始楽しめた。
シリーズ物との事で、時間をおいて他の作品にも挑戦したい。
Posted by ブクログ
緻密に淡々と、これぞまさしく
刑事捜査の描写なのだと思った。
その捜査も片岡真子のひらめき抜きでは
成立しなかったわけで、そこが唯一の
フィクションなのだとすら感じた。
ここに描かれた犯人像も、伏線となる
カップ麺のイナゴ混入画像の捏造と拡散も
すべてがノンフィクションであるとしか
思えない…そんな世の中になってしまったのだ。
事実は小説より奇なりというが…確かに
もはや事実を超えるほどの奇想天外を
小説には求められないのだろう。
今の世にない奇想天外…もしかしたらそれは
「穏やかな日々」「幸せに生涯を全うする夫婦」
「大切な人を心から愛おしく思う恋人たち」
…そんなものなのかもしれない。
そう思うと背筋に悪寒が走る。。