鏑木蓮のレビュー一覧

  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    ケンジと賢治は別の人?そんなに賢治を知っているわけでもないのに賢治らしさを感じる。しゃべり言葉は花巻弁、誰かに音読してもらいたいなと思う。冷静な観察と推測が一体になって答を導き出していました。ますむらひろしさんの解説も面白かったです♪♪

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    2015年09月21日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    名探偵:宮澤賢治
    ワトソン:藤原嘉藤冶
    ケンジ、カトジと呼び合う。

    『ながれたりげにながれたり』
    『マコトノ草ノ種マケリ』
    『かれ草の雪とけたれば』
    『馬が一疋』

    短編が4編。
    2編めは、ええっ、宮澤賢治なのに血腥い!…と思ったけれど…

    岩手の風土や、時代の空気、農民の生活事情が丹念に描かれていて、「賢治の時代」に入り込むことが出来る。
    賢治は、村人の困り事の相談に乗ったり、争議の調停をしたりしていたことが、作品からも読み取れるから、具体的にはこんなこともあったかもしれないな、と想像させる。
    賢治好きには嬉しい1冊。
    方言による会話も、読み進むうちにすっかり慣れた。

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    2017年09月15日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    あの宮澤賢治を探偵役に据えた連作短編集の第2弾。今回も宮澤賢治は親友の藤原嘉藤治と共に様々な事件を解決する。宮澤賢治を信奉する鏑木蓮だからこそ描けた作品であることは間違いない。残念なことにシリーズ第1弾に比べると斬れ味の悪い短編が目立つのは物語の制約ゆえなのか…

    『哀しき火山弾』。石工会社の社長の事故死を巡る賢治の推理。歯切れの悪い結末…

    『雪渡りのあした』。盗まれた宝珠の謎に賢治が迫る。これもまた斬れ味が悪い。

    『山ねこ裁判』。やっとスッキリした結末が描かれる。鍵のかかった土蔵から盗まれた家宝の謎。本作の中では一番面白かった。

    他に『きもだめしの夜に』と『赤い焔がどうどう』を収録。

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    2015年07月13日
  • 救命拒否

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    爆破事件を追うベテランと若手刑事の物語。「医療トリアージ」を題材にしているのがポイント。よい読後感。

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    2015年01月12日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    真実なるものの社会性を自覚している探偵を初めて見た。少し新鮮。
    各話の最後についている作者の二行ほどの注記は、おしなべて現地を訪れてみるようにと誘っている。
    なるほど、文体に透けて見える土地や人への視線が、こうもあたたかく同時に切実なわけだ。

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    2014年12月06日
  • エンドロール

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    孤独死によって明らかになる特攻隊員達の戦後を描いたミステリー作品。
    地方の過疎化を鋭い観点で著述されており、都市市民が忘れてはいけない知識も重要な要素でありノンストップで読ませる。
    そして、私が観たことがない名作映画を是非とも観なくては、マズいと思わせるぐらいに絶妙なエッセンスとしている。コアな映画ファンにも読んでいただき、作中の映画の評価を聞いてみたいです。
    「永遠の0」に感動した人にはオススメと行きつけの本屋さんの宣伝メッセージが購読のキッカケでしたが、「永遠の0」は越えないかな。

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    2014年11月21日
  • エンドロール

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    遺品の8ミリフィルムを見て惹かれたことから門川くんの道行きが始まる。孤独に亡くなった老人にもそこに至るまでの道がある。エンドロールに流れる関係者の方々に恥ずかしくない生き方をしているだろうか……

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    2014年11月03日
  • 真友

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    鏑木蓮の作品は殆んど読んでいるが、どの作品も風合いが違うミステリーである事にいつも驚いている。本作では、薬丸岳が取り上げそうな題材を選んでいる。

    中学生時代のクリスマスイブに警察官の父親が拳銃を奪われ、射殺されるという悲劇に見舞われた隆史。隆史の父親を射殺し、失踪したとみられる隆史の親友・伸人の父親…この日を境に隆史と伸人の仲は決裂する。二人は成長し、父親の仇を討つために刑事となった隆史…

    隆史の父親の射殺事件の真相と隆史と伸人の成長を同時に描く、なかなか巧みなミステリーである。隆史と伸人の友情が壊れる前半と隆史が事件の真相に迫る後半…結末には感涙。

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    2014年10月23日
  • エンドロール

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    本屋で何も考えずに手に取った本。

    人生のエンドロールを迎えた際に、人は何を思い何を残すのか!

    老人の孤独死に遭遇した映画監督を目指す青年・門川が、老人の遺品である8ミリフィルムを見て、老人の人生に興味を持ち調べていく。

    映像の場所に行き、関係のある人から話を聞くにつれて…。

    とても地味な話だが、人と人との繋がり…老人の人生…そして最後のエンドロールに涙しました。。。

    登場人物の心の温かい部分を感じ、心地よい気分になりました!

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    2014年09月19日
  • エンドロール

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    老人の孤独死をテーマに描かれた本。

    映画監督を夢見るビル管理のアルバイト青年がある日、孤独死した老人に出会う。そのまま終わるはずだったが、その老人がかつて映写師であり、また自分で撮った作品を遺品として残していた。それを見た青年の中に「この老人はどんな人だったのか撮りたい」という熱い情熱が燃え始める。

    本書の骨子は、現在孤独死問題に挙げられている人々は戦争を経験した最後の世代であること。
    その人生の極限状態を生き抜き、その後も生きてきた人々で、その間には数多くの縁、つながりがあってきたはず。
    それを現在のつながりだけを見て孤独死はかわいそうだ単純に判断するのはおかしいと思う。
    むしろ上から目

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    2014年09月14日
  • 東京ダモイ

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    この作者の本は初めて読んだけどなかなかの佳作。シベリア抑留については特に目新しい話ではなかったけど、上手いことミステリーに絡めたなと。

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    2014年06月22日
  • エンドロール

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    5/22~6/2 なんか思わぬ読後感を味わえた。戦後モノ?ミステリ?
    人情系? 色々要素がいいかんじにブレンドされて素敵な作品に。 こういう作品に出会えるから手当たり次第読みも悪くないと思う。

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    2014年06月04日
  • エンドロール

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    ネタバレ

    アパート管理で見つかった孤独死した老人。重くて暗い始まりから、終始軽く扱えないテーマが出てきてストーリーを貫いている。でも、最後に希望のようなものが見えて、読後感は意外にスッキリするものでした。
    主人公と同じ年齢ということもあって、その行動や考え方は他人事とは思えず、自分に置き換えて考えると、もっと人生・家族について振り返らなきゃ・・・とも思った。
    そういう意味でも最後の締め方は救われました。

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    2014年05月15日
  • 思い出探偵

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    変わったテーマで、また舞台が京都と云うことでなかなか面白かった。作者は洛南高校から仏大だそうである。結構京都の南部が出てくるので、そっちの出身?

    ただ、佳菜子の話は進展し過ぎって印象を受けた。もう少し掘り下げてからでも良かったのでは?

    でも、面白いと思います。

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    2014年03月09日
  • エンドロール

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    孤独死というテーマでおもしろいというと語弊があるけど、心が動く作品だった。著者の単語の選び方も好き。最後の証言が続くあたりが特に良い。
    ただ、孤独死に戦争という結構大きなテーマが絡んでたことで、若干どっちが本題かわかりにくくなってるような気がした。こういうやわらかな縁のつながりはこんな特殊な体験を持った老人を登場させないと描けないものかなぁと思った。
    あと、伏線の張り方が、張られた段階でそれとわかる書き方でちょっと残念だった。甲山の資格勉強の話など、なくても良かったんじゃないかと思った。

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    2014年02月20日
  • 東京ダモイ

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    面白かったです。
    特に自分が知らないシベリア抑留についての部分が
    とても興味深く、そのあたりにもひかれて、
    どんどん読み進めました。
    いかにも乱歩賞らしい作品と感じました。

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    2014年01月10日
  • 思い出探偵

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    思い出にまつわる人や物・事柄を探し出す探偵さんのお話。
    予想外にハラハラする話もあり、面白かった。じわじわくる。どれもうまく行き過ぎかなとは思ったけど、うまくいかなかったら、それはそれで悲しいのでOK。
    終わり方に物足りなさを感じたけど、次作も期待!早く文庫化されてほしい。

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    2013年09月18日
  • 救命拒否

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    受傷者の生命の選別とも言うべき医療トリアージ、ホテルの講演会場で発生した爆弾事件を描いた骨太の警察小説。複数の容疑者が浮かび、真犯人は誰かというミステリー色も強く、それでいて叙情感漂う人間ドラマの側面もある非常に面白い作品。

    『東京ダモイ』の迫力、『時限』のはんなり感とミステリーの共存に驚かされたが、本作の何とも言えない叙情感はたまらない。

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    2013年05月14日
  • 東京ダモイ

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    『時限』を読み、鏑木蓮さんという作家の存在を知り、この作品を手にしてみた。

    プロローグは1947年のシベリアで始まる。ひたすら日本への帰郷、ダモイを夢見る収容所の日本兵達。その収容所で起きた殺人事件と60年後に舞鶴で起きたロシア女性の殺人事件がリンクする時…

    悲惨なシベリアの収容所生活の場面を読む度に百田尚樹の名著『永遠の0』を思い出した。ひたすらお国のために闘い続けた日本兵が望む事と大本営の意図との乖離が何とも哀しい。

    また、俳句が事件の全貌を読み解く鍵を握っており、非常に面白いミステリーの仕立てとなっている。

    さらに抑留体験者の高津が岩手県の紫波の出身で、日詰といったご当地ならでは

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    2013年05月10日
  • 時限

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    東京ダモイが面白かったので、
    かなり期待して読み始めた。
    序盤はよくありがちな推理小説的内容に少し落胆したものの
    2つの事件が少しずつ繋がりを見せ始めると
    一気に展開に引き込まれて読んでしまった。

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    2012年08月19日