鏑木蓮のレビュー一覧

  • 疑薬

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    ネタバレ

    何気ない描写やキャラのしぐさで、登場人物に深みを与えてくれるところが鏑木蓮の強みの一つだと思ってるのですが、序盤に怜花が近所の高校生相手に変顔を見せるという何気ない描写に「あ、この本良さそう」と予感しました。

    こうした描写って、読み手にキャラの人物像をさりげなく、かつ深く伝えてくれてる気がして、読み進めれば進めるほどキャラが生き生きしてくるように感じることが多いです。そういう作品が好きな傾向が自分にはあるので、先に書いたような予感がしたわけです。

    なので、感覚的には惹き込まれる点がいくつかありましたが、論理的には理解できなかった点もありました。

    特に三品の目論見について。高齢者医療や老年

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    2020年11月21日
  • 炎罪

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    歴史ある京都が舞台で、色々な家庭の事情がある少女を引き受け、お世話する花街の人情を感じる作品。

    警察の元でプロファイリングする、地位も名誉もある優秀な精神科医。
    その力を悪用しようとすれば簡単に人を欺き操る事が可能らしい... 薄ら寒気がした。
    被害者を操り、警察をも操る。
    理論には直情。
    予測出来ない方法で対抗するしかない。

    若干わちゃわちゃした感じはあるものの、終始楽しめた。
    シリーズ物との事で、時間をおいて他の作品にも挑戦したい。

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    2020年11月13日
  • 東京ダモイ

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    第52回江戸川乱歩賞受賞作2作品の内の1冊と言う本作品。「ダモイ」とはロシア語で「帰郷」と言う意味なのだそう。日本へのシベリア抑留での過酷な状況、内地への想いに心苦しいものがあった。前に読んだ本にも収容所で俳句の会があったと記してあったことを思い出した。

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    2020年08月25日
  • エンドロール

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    終戦間際に実際に存在した、馬鹿馬鹿しいほどの作戦。その一つ「人間機雷」を題材にしたドラマ。
    老人の孤独死と誰も引き取らない「遺品」から、確かに生きていた証を探っていくうちに、終戦間際に特攻作戦の実験中に起こった事故にたどり着く。
    戦闘機によるいわゆる「特攻」、人間ロケット弾「桜花」、人間魚雷「回天」など、有名なもの以外にも、信じられないほど冷静さを失った作戦が実際に計画されていた。

    同じ敗戦国のドイツと比べても、実に幼稚な「負け方」で、当時の政治レベルの低さが伺える。
    でも、笑えないよ。
    今でも「日本人がコロナに強いのは、民度が高いから」なんて、堂々と発言する政治家に、同じ匂いがするのに、そ

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    2020年08月09日
  • 東京ダモイ

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    薬丸岳さんの次の乱歩賞とゆうのと、そのタイトルから、読みたい候補上位だったが、やっと手に入れた。白砂で知った鏑木さんだが、期待を裏切らない作品かと。良作。

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    2020年05月14日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    宮沢賢治を探偵役として登場させ、実際の作品と絡めながら謎解きをするという試みが斬新です。
    彼の作品について詳しかったらもっと楽しめたはずなのに、知識不足が悔やまれます。

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    2020年04月04日
  • 見えない鎖

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    ふと、最近話題の100日後に死ぬワニを思い出しました。話の内容からはそれてしまうけど、人間いつ死ぬかわからない。自分もだけど自分の周りも。どこかでそう思って過ごしていかないといけない。例え周りで不幸なことが起きても、そのあとどう生きるのかが問われてるのかな。不仕合せでも不幸ではない。

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    2020年03月30日
  • 見えない鎖

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    ネタバレ

    悲しいけど優しい話だった。主人公がいつの間に恋してたのかがよく分からないのと、母親がクズすぎるのが気になったな…

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    2020年02月16日
  • 見えない鎖

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    父子家庭で、父と娘、支えあって生きてきたのに、突如父は刺されて死んでしまう。
    家族や友人との繋がりと、青天の霹靂のようにふりかかる不幸、そして不幸の連鎖。
    身近に起こり得るかもしれない事件とそこからの再起。「食」の大切さをところどころで訴えている。

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    2020年01月29日
  • 炎罪

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    ネタバレ

    緻密に淡々と、これぞまさしく
    刑事捜査の描写なのだと思った。

    その捜査も片岡真子のひらめき抜きでは
    成立しなかったわけで、そこが唯一の
    フィクションなのだとすら感じた。

    ここに描かれた犯人像も、伏線となる
    カップ麺のイナゴ混入画像の捏造と拡散も
    すべてがノンフィクションであるとしか
    思えない…そんな世の中になってしまったのだ。

    事実は小説より奇なりというが…確かに
    もはや事実を超えるほどの奇想天外を
    小説には求められないのだろう。

    今の世にない奇想天外…もしかしたらそれは
    「穏やかな日々」「幸せに生涯を全うする夫婦」
    「大切な人を心から愛おしく思う恋人たち」
    …そんなものなのかもしれな

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    2019年11月10日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    9月-16。3.5点。
    コンビニチェーン本部の主人公。京都の病院内コンビニの成績が悪く、立て直しに店長として赴任。
    中編3本。院内コンビニならではの特殊性。

    この作者らしく、ハートウォーミングなストーリー。
    面白かった。

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    2019年09月27日
  • 見えない鎖

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    父親を殺された事件の真相をまわりの助けを受けながら追及していく娘の成長を描いています。
    見えない鎖 は家族を失い一人きりになってしまった主人公ではあるけれど決してひとりではないよと教えてくれます。転落事故で寝たきりになってしまった加害者の娘のために食事形態を研究する道を選ぶ主人公の選択はよかったと思います。

    人間が最後まで食べようとする力を奮い起たせるものはやはり味覚であり工夫ひとつで命をささえる力に繋がっていくことを教えてもらいました。

    ミステリーとしてのハラハラ感に欠けているようで速く読み終わらせたい気持ちが先に立ちました。

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    2019年07月22日
  • 救命拒否

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    トリアージ・タッグを題材にした所、命の優先順位に苦悩する救命に目を付けた所は凄く良かったんだけど、物語り全体が軽い感じになってる様に感じてしまいました。とても残念(^^;;ただ、トリアージをした後もズット、これが的確だったのか?苦悩する姿は色々と考えさせられた。命の選別をする側、された遺族の気持ちなどを知る事が出来たが、若林の死に重きを置かなかったからかな?視点を変えたら凄く良い作品だった気がしました。それと好みだろうけど倉吉のギャグが(古っw)滑った感あって寒かった。

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    2019年01月20日
  • 東京ダモイ

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    ネタバレ

    東京ダモイ/鏑木蓮:第52回大賞受賞。2006年。
    シベリア抑留だというから読んでみた。シベリア抑留の時の中尉殺人事件が現代の殺人事件を呼ぶのだ。ヒントは、元シベリア抑留者の高津が自費出版しようとした句集。
    シベリア抑留のことはとても調べてる。何故かシベリアのことは語らない経験者が多いので、こういう本は必要だと思う。で、その部分はやはり心を打たれる。
    だのに★が4つなのは、自費出版会社の男女とか、刑事とかいまいちなんだよなぁ。推理は俳句に詳しくないもんで、そんなもんかなぁと思ったり。
    ちなみに「ダモイ」とは、ロシア語で「帰郷」のこと。抑留者は「トーキョーダモイ」と言われてたのに、シベリアに連れ

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    2019年02月03日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    ネタバレ

    病院のコンビニに求められるサービスは、他と違うのか。

    キャメルマートのスーパーバイザー小山田昌司はその手腕を買われて京洛病院に入っている系列のコンビニの店長となる。前店長の経営方針を疑い、POSによる徹底管理を信条とする昌司が京洛病院の日々で気付いたことは。

    お仕事モノだが、ポイントは病院の中のコンビニであること。そこの常連客は病院関係者、売れるものは何だろう、と考えるところから始まった。突然の入院で必要なものが売れるのじゃないか、怪我で入院して暇な人がいるから雑誌とかはどうだろう、それくらいしか考えられなかった。しかし、話は色々な方向に転がり、コンビニや病院の常識からいったん離れてみるよ

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    2018年10月25日
  • 沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル

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    10月-3。3.5点。
    思い出探偵シリーズ。居酒屋チェーンの創業者、高齢者向けマンションに住むが、内縁の妻が転倒して認知症の症状に。
    調べると認知症と言うよりは、自分の意思で他者との接触を避けているような。

    内縁の妻の過酷な人生が明らかに。結構面白かった。

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    2018年10月12日
  • 転生

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    妊娠が発覚し困惑する、敢えて女性らしい服装の三十三歳の警部と、長身でスーツ姿の畏まった新人刑事の女性コンビが殺人事件を追い、夜の店で働く京都弁のナミエが養子であると気付いた恋人に代わり彼の実母を辿る。藍の染織の深みが綺麗。育てられない出産と母性が印象深い。全編通し落ち着いた語り口。婦女暴行が難しい。

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    2018年10月10日
  • 黒い鶴

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    作家デビュー10周年記念出版、幻のデビュー作から最近のものまでを厳選した10作品。

    怨憎会苦:黒い鶴/ライカの証言
    愛別離苦:大切なひと/雲へ歩む/魚の時間
    求不得苦:京都ねこカフェ推理日記/あめっこ
    五蘊盛苦:誓い/水の泡~死を受け入れるまで~/花はこころ

    幻のデビュー作#黒い鶴をはじめ、愛別離苦の三作、
    お能の舞台の裏側と、世阿弥の「風姿花伝」の新しい解釈など、全部面白かった。
    帯の「純文学ミステリー」に納得です。

    一番好きだったのは、#京都ねこカフェ推理日記
    慢性的にネコちゃん足りない病の私ですが、猫カフェには行きたくないのです。
    でも、このカフェに限っては行ってみたいなぁ

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    2018年04月22日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    初めての作家さん。書店でなんとなく目について気分転換に購入。あらすじで、持ち前の効率主義、利益しか頭にない、と書かれた主人公がどんな風に翻弄されるのかと思ったけれど。。(そういうのを期待していたので)、違和感なく人助けしているように見える主人公に、よくある心温まる系だなと、若干飽きている自分が。
    それでも、最後のお弁当の件でまさかの号泣、、、。そんな自分にビックリ。

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    2018年02月16日
  • 黒い鶴

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    ネタバレ

    「ライカの証言」「水の泡」がとても面白かった。「あめっこ」では結局鏝(というか凶器)について言及されずに終わり、「花はこころ」では千堂が手をいつ、どうやって染めたかなど言及されずに終わるなど、不完全燃焼な部分もあった(速読したので読み飛ばしがある可能性?)。

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    2017年10月23日