鏑木蓮のレビュー一覧

  • 沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル

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    鏑木蓮『沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル』PHP文芸文庫。

    『思い出探偵』シリーズ第3弾。文庫書き下ろし。老女の秘められた思い出を探る探偵たち…シリーズとしては先の2作の方がずっと面白かったように思う。

    京都府警の元刑事・実相浩二郎が立ち上げた思い出探偵社が今回手掛けるのは28年間、内縁の妻として暮らしながら、自らの過去を一切語らずに認知症を患った老女の過去を探ること。僅かな手掛かりから奔走する探偵たちが、少しずつ明らかにする哀しい事実…

    近々、テレビドラマ化されるようだ。

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    2018年01月21日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    POS(ポス)は『ポイント・オブ・セールシステム』の略。
    コンビニチェーン「キャメルマート」の社員・小山田昌司は、スーパーバイザーとして店舗指導に当たるとき、このPOSデータを大きな指針としていた。
    ある日彼は、業績悪化のため店長が降格人事となった「キャメルマート京洛病院店」の立て直しのため、臨時の店長として、東京から単身赴任することになる。

    現在の店長は若松。
    病院内という特殊な立地を本部に訴え続けていたが、担当のスーパーバイザー・平(たいら)は聞く耳持たず、無理なノルマを押し付けられて売り上げが伸びなかった。
    外に出られない入院患者に「行楽弁当フェア」はつらい。
    糖分を制限された小児患者に「アイスクリームフェア」はかわいそう。
    病院は特殊な空間だ。

    京洛病院店の現正社員は、店長の若松研一と西野緑。
    若松は、院内スタッフにも店舗スタッフにも信頼され、代わりとして本部から派遣されてきた昌司への緑の当たりはきつい。
    昌司は、信条とするデータ至上主義で売り上げの向上を目指そうとするが、ゴミ箱に意外なものが捨てられていたり、特殊な要望を訴えるお客様が現れたり。

    軽く、いい話に、緑に後押しされて巻き込まれ、昌司はデータ主義から次第に人間を見るよう変わっていく。
    途中から、なんだか「思い出探偵」みたいに?
    完璧に見える医師たちにも乗り越えるべき壁があり、平も意外な本音を語る。
    昌司自身も変わっていく中、気がかりの解決がひとつづつ新商品の開発に結び付くのも面白い。
    お仕事小説で、探偵物で、病院もの。
    終わり方が実に気持ち良かった。

    第一話 さびしいサッカーボール
    新品のサッカーボールとシューズが捨てられていた。

    第二話 にがい猫缶
    ペットも家族。
    はからずも被害者と加害者になった人たちの心の傷。

    第三話 熱きおまけ
    ヒーローは戦い続ける!

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    2018年01月15日
  • ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル

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    京都思い出探偵シリーズ、第二弾。
    単行本『思い出をなくした男』を改題。

    まず、どうして改題したのかな、いいタイトルだったのに…と思いましたが、なるほど、かなりねじれて複雑なお話が多いように思いました。

    1作目は、いわゆる“ええ話”と、探偵社のスタッフ自身の、過去を乗り越えるお話が多かった。
    探し出された人たちも、会いたくないのは積極的な拒絶というより、“今さら”という戸惑いの方が多かったようです。

    今作は、「思い出は誰にとっても良いというものではない」という事をあらためて突きつけられる事案だったり、依頼そのものが独りよがりなのではないかと思えたり。
    または、探すべきか探さざるべきか、そこまで踏み込んでいいものか、と思えるものであったり。
    思い出は本人だけのもの。
    他の人間が捻じ曲げていいものではない。
    そういうメッセージもありました。
    依頼者の心に寄り添えなかったり、どちらサイドの立場に立つか迷ったり、調査員も人間。

    役者としての活動に本腰を入れるために探偵社をやめた本郷のその後も描かれ、彼の補充人員として入ってきた医者の卵の平井真の成長と変化も描かれ、人生の彩り豊かです。
    それにしても、人間の心の複雑さをあらためて感じさせられた思いです。

    第一章 雨の日の来園者
    第二章 大芝居を打つ男
    第三章 歌声の向こう側に
    第四章 思い出をなくした男

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    2017年11月23日
  • エンドロール

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    ネタバレ

    亡くなった老人の過去を調べ、戦争の話にもなるって退屈になりそうなのに、ずっと引きこまれた。
    調べる流れが自然。

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    2017年11月18日
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季

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    おせっかいで温かい、病院の中のコンビニのお話。
    新任店長の小山田さん、データ重視なんて言いながら、人情味のある人柄なのがいい。
    POSシステムは、昔、バイトをやってた時に、客層ボタンがあったのを思い出した。性別と年齢層を即座に判断してレジ打ちの時に登録してた。
    色んな人がコンビニキャメルマートに救われていたけれど、中でもやっぱり鵜飼さんのお話が胸にぐっとくる。

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    2017年09月11日
  • 時限

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    血のつながりがあるから家族なのではなく、時間を共有して初めて家族となれる。
    むろん時間は長さだけではなく深さも必要だ。

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    2017年05月20日
  • 思い出探偵

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    京都出身の鏑木蓮、初めて読みます。500頁近くのそこそこ分厚い本ですが、関西が舞台になっているため、関西人ならば馴染みの地名が多く、取っつきやすい。

    刑事だった主人公の男性は、高校生の一人息子を真冬の琵琶湖で亡くす。遺書めいたメモを残していたことから自殺と断定され、妻はそのショックからアル中に。妻に寄り添うために主人公は刑事を辞める。そして京都御所を臨む地で開業したのが「思い出探偵社」。人生を振り返るとき、どうしても会いたい人、お礼を言いたい人がいる。依頼人のそんな思いに応えて、彼らの人生の分岐点となった大切な思い出のなかにいる人を探し出すのが仕事。

    手がかりはごくわずかです。届け物をしてくれた人の特徴的な字だったり、へこたれた自分に渡された折り鶴だったり。探し出すのは至難の業だと思われますが、人から人へと手がかりは広がります。

    主人公はもちろんのこと、探偵社で働く人たちが心に傷を持ち、そのぶん人の心がわかる温かな人間。ストーカーの話はちょっと異質でサスペンスタッチ。個人的にはこの章だけ浮いているように感じられてはあまり好きになれませんでしたが、ほかは昭和へのノスタルジーも感じられる佳作。

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    2017年05月10日
  • エンドロール

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     死(孤独死)に対する考えが少し変わったような気がします。  奥の深い物語でした。
     人は生前いろんな人と出会い、語り、泣いて、笑って、生きてきたんです。誰ひとり孤独で亡くなる人なんていません。
     私もここで一人のまま逝くことになるでしょう。でも、私のことを少しでも、覚えてくれる方がいらっしゃるはず。それが縁というものでしょう。私はそれでいいと思っています。一人であっても、心の中に会いたい人を思い描いて、豊かな気持ちでこの世から去りたいんです。

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    2017年04月25日
  • 京都西陣シェアハウス 憎まれ天使・有村志穂

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    鏑木蓮『京都西陣シェアハウス 憎まれ天使・有村志穂』講談社文庫。

    京都西陣にあるワケあり住人が住む町家をリフォームしたシェアハウスを舞台にした連作中編集。主人公の性格がちょっと変わっていて、最初は取っつきにくいのだが、読み進むうちに爽快感に変わっていく、不思議な魅力を感じる作品。就活中の女子大生・有村志穂がワケあり住人の生活はおろか、心の中にも土足でズケズケ上がり込み、お節介を焼くが…

    『第一話 泣いた雛人形』。自動車販売会社の営業職だった大迫寛雄は仕事中の交通事故で少女を死亡させてしまう。以後、良心の呵責に責め苛まれながら、シェアハウスで妻と娘の三人でひっそりと暮らしていたが…ミステリーの要素も。

    プロローグとエピローグに加え、他に『第二話 でんでん虫』『第三話 ムーンライト・セレナーデ』を収録。

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    2017年01月16日
  • 黒い鶴

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    ネタバレ

    人の心情をうまく描く印象のある点で、数多のミステリ作家の中では頭一つ以上抜きん出ていると個人的に感じている作家の短編集。

    けれど、最初の作品にして表題作の「黒い鶴」ではその片鱗が見られない、トリック重視な印象の苦手なタイプの作品。ホントに同じ作者?と疑問に思うほど作風が違っていて驚きます。

    ただ、それを除けば概ね期待通りの内容で、個人的には5番目に掲載された「魚の時間」の侘しさと切なさにノックアウト。それ以降は完全に魔法にかかったように読みふけりました。

    一番楽しんで読んだのは「白砂」のスピンオフにあたる「京都猫カフェ推理日記」。「白砂」の主人公父娘との再開がこんなに楽しめるとは… 人物描写の巧みさがなせる技でしょうか。予想はしていましたがそれを超える面白さで、こうしたスピンオフをドンドン描いてほしいと思った次第。

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    2017年01月01日
  • 黒い鶴

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    怨憎会苦 黒い鶴/ライカの証言
    愛別離苦 大切なひと/雲へ歩む/魚の時間
    求不得苦 京都ねこカフェ推理日記/あめっこ
    五蘊盛苦 誓い/水の泡~死を受け入れるまで~/
    花はこころ

    人が特に何かをする時は訳がある。その訳は?‥‥

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    2016年12月30日
  • イーハトーブ探偵 山ねこ裁判~賢治の推理手帳II~

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    宮沢賢治を探偵に据えた「イーハトーブ探偵」シリーズ第二弾。
    前作よりも落ち着いて、より、賢治の世界を感じさせる。
    人間の弱さが犯す悲しい罪を、賢治も悲しみながら、しかし厳しく暴いていく。
    それぞれの作品が、賢治の作品を彷彿とさせ、あるいは実際に対比として語られたりする。

    『哀しき火山弾』
    石工会社の社長が、割れた凝灰岩の下敷きになって死んだ。
    偶然の事故なのか?

    『雪渡りのあした』
    宝珠の中にあったはずの仏像が姿を消す。

    『山ねこ裁判』
    厳重に施錠されているはずの蔵から、高価な品が盗み取られた。

    『きもだめしの夜に』
    真に人を想うならば。

    『赤い焔がどうどう』
    真に人を想うならば2。



    賢治の作品「貝の火」は、銀河鉄道の夜と並んで好きな作品だが、いまだに理解には及ばない。
    これから先もずっと、考え続ける。

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    2017年09月15日
  • 黒い鶴

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    鏑木蓮の短編集。乱歩賞デビュー10周年記念刊行だとか。
    短編ミステリとして上手だった。乱歩賞作家らしい、スタンダードに大胆な伏線の張り方やストイックな犯人追求、絵的に映えるトリック等、見処は満載。
    また、キャッチコピー通り人間心理の描写も深みがあり、やはり読み応えに通ずる。
    難点を挙げるなら、雰囲気が古風に過ぎるところだと思う。情景描写が、悪くいえば古臭い。しかも時代設定や土地柄に寄せていることもないので、現代が舞台の話では、妙な違和感が残る。出来れば、もう少し柔らかさのある文章も使い併せてほしい。
    最もよかったのは、女社長の毒殺話。大味だが、プロットとトリック、双方に効果的なネタが上手く使われていた。
    4-

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    2016年11月15日
  • 黒い鶴

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    鏑木蓮の作家デビュー10年を記念して、まとめられた初の短編集。デビュー前に書かれた『黒い鶴』を含む10編の短編を収録。『怨憎会苦』『愛別離苦』『求不得苦』『五蘊盛苦』の四つの仏陀の教えを章のタイトルとしている。鏑木蓮の作品には、かなりの頻度で岩手が登場する。鏑木蓮が宮澤賢治の信奉者であることが、その理由だが、佛教大学出身ということから、宮澤賢治の仏教思想との繋がりもあるのではと思われる。『あめっこ』などは、ずばり岩手県を舞台にした短編。

    『黒い鶴』。作家デビューの二年前に初めて雑誌に掲載された短編。ミステリーなのだが、途中で結末が見えてしまい、少し物足りなさを感じた。

    『ライカの証言』。医療ミステリー。読み応えのある短編。『屈折率』のヒロイン、獣医師の内海綾子が再登場。彼女の出身大学の所在地として岩手県盛岡市が登場するが、獣医師ということを考えると岩手大学農学部獣医学科なのだろう。

    『大切なひと』。『時限』に登場した柔らかな京言葉を操る女性刑事の片岡真子が登場する。『時限』では片岡真子の京言葉にすっかり騙されたが、本作でもまた…

    他に『雲へ歩む』『魚の時間』『京都ねこカフェ推理日記』『あめっこ』『誓い』『水の泡 ~死を受け入れるまで~』『花はこころ』を収録。

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    2016年11月14日
  • 黒い鶴

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    ほおっ。

    読み終えて2つの意味でため息をついた。


    ひとつひとつが短編とは思えない存在感。
    ジャンルでの分類など寄せつけない
    枠を超えた重厚な作品群。
    その作品の濃厚さ 質の高さに
    文庫一冊を読み終えただけとは思えない
    疲労感がたまっていたことがひとつ。

    鏑木蓮さんの作品には 実際の世界を生きる
    人間の煩悩や感情がダイレクトに再生され
    読む側の人生のどこかに 巧まずして重なる。
    登場人物の中の誰かの苦悩や感情が
    わたしの心奥の何かにシンクロしたらしい。
    その重みに反応してしまったことがもうひとつ。

    生と死が織り交ぜられ
    それが一元的な観念であるかのように迫る。

    途中で読むのをやめられないくらいの
    息詰まる感じがあって 読み通した。

    容赦なく目に飛び込んでくる現実の恐怖に
    疲労困憊したが それほどの力のある作品群。

    しかし生の喜びが心に残るものも。
    「京都ねこカフェ推理日記」
    「水の泡」
    この二編に心が少しほぐれるのを感じた。

    力のある作品と向き合う作業は
    読書の愉悦だが リアルに疲れるものである。

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    2016年11月13日
  • イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり~賢治の推理手帳I~

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    推理小説はふたつの効用がある。一つは、頭の体操のクイズ雑誌が根強く売れるように、娯楽として大きな需要があるので利益が見込めるということだ。一つは、犯人を特定するためにはその周りの風俗・社会状況を詳しく描かなければならないから、対象の周りに興味のある読者ならば格好の解説書になるということだ。

    世の中に宮澤賢治ファンは多い。かくいう私も、もう既に45年来のファンである。岡山の地から既に二回も賢治を慕って花巻を旅したし、一回は偶然、賢治の旧居前で弟の宮澤清六さんと言葉を交わしたことさえある。

    だからこそ、こういう小説には惹かれてしまうと同時に、悪態をつかざるを得ない。

    時代はまだ賢治が農学校の教師をしていた頃であり、素封家の家の恩恵を受けながらも嫌っていた時である。友人の藤原嘉藤治をワトソンにして、ホームズのように推理をする。私も泊まったことのある大沢温泉の混浴川風呂から見えた河童の話を見事に推理してゆく。いろんな細かい描写が、あゝ大正11年の花巻はこうだったに違いないと思わせてくれて、嬉しくなる。賢治と父親との微妙な関係にも異論はない。しかし、やはりどうしても賢治が殺人事件に首を突っ込むような、こんな大変なことに二度も三度も入ってゆくのが違和感あってたまらない。いくら、そこから派生した詩や短歌が、それとなく提出されようとも、賢治の作品にこれらの事件が大きく影響されなかったはずはないからだ。事件はフィクションだよと、言われようとも、賢治ファンとしては、作品を穢されたようで、やはり我慢出来ないのである。

    そういう意味では、殺人事件にもならない第一章と四章、特に一章は、良くで来ていたと思う。ただ、正直続編は読みたくはない。

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    2016年09月14日
  • 東京ダモイ

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    (「BOOK」データベースより)
    舞鶴でロシア人女性の遺体が発見された。時を同じくして抑留体験者の高津も姿を消す。二つの事件に関わりはあるのか。当時のことを綴った高津の句集が事件をつなぐ手がかりとなる。60年前極寒の地で何が起こったのか?風化しても消せない歴史の記憶が、日本人の魂を揺さぶる。第52回江戸川乱歩賞受賞作。

    乱歩賞はあまり信用しないというか、はっきりいって今後活躍が期待される新人賞ぐらいのものなので、あまり期待しすぎてはいけないと思いながら読むようにしています。
    が、これは久々に乱歩賞物読んでよかったと思わせる力量のある本でした。盛り込みは多いですが、シベリア抑留という悲劇への言及と、人間の品格みたいなものが良く書かれていて胸を打ちました。
    ただ乱歩賞という足かせによって、起承転結で結が間延びしてしまったような気がします。僕的に謎解きってがっちり書かなくても良いと思っていて、この話ならもっと人間ドラマとして押して行ったらもっといい作品になったんじゃないかと思います。
    あと、刑事と出版の人の両方が等分に役割が割り振られていて、どちらが主体がぼやけているような気がしました。これならばもっと出版の側に重きを置いた方が面白かったかなあ。

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    2016年11月04日
  • 見えない鎖

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    ネタバレ

    鏑木蓮さんの作品を読み終えて
    ほおっと息をついたのはこれで
    何度めだろう。

    ミステリーというジャンルの中で
    多くの人たちのたくさんの思いを
    ここまで丹念に解き明かしてゆく。

    その筆力にいつものめり込んでしまう。

    作者の代わりにその水先案内を務めた
    中原の信念に胸を衝かれる。

    人の罪は消えない。誰もが悪であり
    なんらかの罪を背負っている。
    せめてその罪を積み重ねないように。

    そんな中原の正義に その行動の誠実さに
    この作品を読むことの価値があると思う。

    食と栄養が人の基本にあるなどということ
    にまで思い至らせてくれたことに…敬服。

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    2016年05月15日
  • 転生

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    美津子さんを殺害した人は序盤の方で気づいた。しかしその理由は終盤までわからなかった。いざその理由をわかると切ない気持ちに襲われる。そんな一冊。

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    2016年03月21日
  • 時限

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    [生きること]
    推理小説の中にうまく散りばめた感じ。
    龍馬さん、お龍さん、乙女さん。
    なるほど〜と、ちょっと歴史の勉強にもなった。

    生きる意味を問う前に、
    生きてることがすでに意味を持っている

    それをテーマに書かれた作品でした。

    読んでよかった作品でした。

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    2016年02月03日