あらすじ
乱歩賞作家が満を持して贈る
純文学ミステリーの最高傑作!
京都の小さな町で、遺書らしきメモとともに34 歳の女性・小倉由那の遺体が発見された。それから数日後、同じ町で心療内科を開業する本宮慶太郎のもとを、女子高生の棚辺春来が母親に連れられて訪ねてくる。彼女の不調の原因を探ろうとする慶太郎は、春来の口から由那の死に関する驚くべき疑念を聞いてしまう。摂食障害の女子高生と、命を落としたパート女性の間には何があったのか――。
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Posted by ブクログ
鏑木蓮の長篇ミステリ作品『見えない轍 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ』を読みました。
鏑木蓮の作品は昨年の7月に読んだ『白砂』以来ですね。
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京都の小さな町で、遺書らしきメモとともに34歳の女性・小倉由那の遺体が発見された。
それから数日後、同じ町で心療内科を開業する本宮慶太郎のもとを、女子高校生の棚辺春来が母親に連れられて訪ねてくる。
彼女の不調の原因を探ろうとする契太郎は、春来の口から由那の死に関する驚くべき疑念を聞いてしまう。
摂食障害の女子高生と、命を落としたパート女性の間には何があったのか―。
一人の医師が、人の心にひそむ光と影を見つめる。心療内科医・本宮慶太郎シリーズ第1弾!
乱歩賞作家が満を持して贈る純文学ミステリー!
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2019年(令和元年)に刊行された心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテシリーズの第1作です。
■プロローグ・小倉由那の日記
■第一章 動揺
■第二章 否認
■第三章 罪責感
■第四章 直視
■エピローグ
■解説 海原純子
人は誰もが、「轍」に足を取られながら生きている……本宮慶太郎シリーズ、始動! 一人の女性の死に懸念を抱いた心療内科医・本宮慶太郎は彼女にまつわる人たちの「心」の軌跡を追いかけ始める、、、
京都を舞台に、乱歩賞作家が満を持して贈る純文学ミステリの最高傑作!
心療内科の本宮慶太郎、クリニックを開業して2年経つのに患者が増えなくて経営難、妻に嫌味を言われながら他の医院でバイトをしないとクリニックの存続が厳しい……経営的にも恵まれたスーパードクターではなく、時間をかけて丁寧に話を聞くという非効率なスタイルを貫く医師を主人公にしたシリーズです、、、
そんな本宮が、複雑に屈折したエネルギーを抱えた人たちの心の謎解きをすることで事件を解決するという展開に好感が持てました……心の葛藤の伏線が複雑に埋め込まれ、ねじれたりもつれた伏線の糸を手繰っていくと、次の糸が顔を出すという展開、意外な真相、そして由那の死が複数の関係者の自立と人生の再生、新しい人生の誕生につながる結末に惹き込まれました。
登場人物の家族や人生も丁寧に描かれていてヒューマンドラマとしても愉しめましたね……面白かったです、、、
本シリーズ、ぜひ続篇も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
サスペンス。一応殺人事件なのだが、全体的に、ゆる〜く優しい雰囲気が漂っている。作者の風貌を見て「まんまじゃん!」と思ってしまった。
少し悲しくて良い話。
Posted by ブクログ
プロローグ・小倉由那の日記
動揺/否認/罪責感/直視
エピローグ
自殺とされて終わりそうな由那さんの死。母親に連れられて心療内科医の本宮のもとにやってきた女子高校生が疑問を語る。共感した本宮は調査を始める。
いくら患者さんが少ないからといってここまで関わるドクターがいるかと思いつつもいて欲しいとも思う。
少しずつ少しずつ明らかになっていく事実にほっとしつつも亡くなってしまったことが残念でたまらない。
Posted by ブクログ
心療内科医がクライアントのために事件の真相を知ろうと動くバイタリティはすごいなと感じました。
ささいなズレや欲が人を大きく狂わせてしまうこともありますが、やり直すこともできるのだと思いました。
Posted by ブクログ
心療内科医が探偵に乗り出す理屈はこじつけ
られました⇒心の問題が事件性の有無であり
患者の治療を左右する・・・なるほど、ただ
思いがけない犯人を作る作者の気持ちは分か
るけど、実際に死に至らした犯人がアソコ迄
シラを切れたのかな・・・最後の潔さと比べ
ギャップがある(´・ω・`)
Posted by ブクログ
京都の小さな街で心療内科を開業する本宮慶太郎を主人公にした新シリーズ。
事件の発端は同じ町で起きたスーパーの総菜売り場でバイトをしている女性の死。
遺書のようなものがあったことから、警察は自殺と断定するが、慶太郎の元を訪れた女子高生の患者の証言から、慶太郎が女性の真相を探っていく。
心療内科医が何のつてもないのに、患者の女子高生を救うためにお金にもならない探偵まがいのことをするのにも抵抗があるし、スーパーの食品ロス問題も大きく広げ過ぎて、ラストの回収が強引と言うか、雑と言うか、何だか残念。
同じようなタイトルの「見えない鎖」と関連があるのかと思ったが、全然関係ないらしく、新シリーズと言うのならば、その辺も気を遣って欲しいかも。
最近の作品は京都を舞台にしているものがほとんどで、それが悪い訳ではないけど、初期の頃よりも面白さが半減しているような気がする。
Posted by ブクログ
鏑木蓮『見えない轍 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ』潮文庫。
心療内科医の本宮慶太郎を主人公にした新シリーズの第1弾。またまた宮澤賢治が登場する。今回は宮澤賢治の童話が事件解決の鍵を握るようだ。
事件の真相に迫る過程に説得力が希薄で、殺人の動機もトリックも拍子抜けする感じであり、ミステリーとしての面白さは余り無い。
京都の小さな町で遺書らしきメモを残して亡くなった34歳のパート女性・小倉由那。数日後、町で心療内科医を開業する本宮慶太郎の元に母親に連れられて女子高生の棚辺春来が診察を受けに来る。
摂食障害の棚辺春来は通学中に電車から亡くなった小倉由那が電車に向かい、春来を励ますかのように手を振る姿を目撃しており、彼女が自殺するなど有り得ないと疑念を口にする。
本宮は新聞記者の光田と共に事件の真相に迫るが、次第に見えて来る小倉由那のパート先のスーパーに渦巻く黒い影……
本体価格800円
★★★