御厨貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・良くも悪くも、日本の戦後史を語るうえで欠かせないナベツネの回顧録。
・特ダネを書くために、記者自ら特ダネを作ることがあるという。日ソ国交回復のきっかけとなった鳩山・ドムニツキー会談や、1955年の保守合同につながる三木武吉・大野伴睦の会談を、それぞれ新聞記者がセッティングしたというのは衝撃の事実。まさにニュースは「作られる」。
・若い頃、天皇制打倒を掲げていたにもかかわらず、「総理を含め政治家が汚れた存在であるからこそ、政治的に無菌状態の天皇が国民統合の象徴として必要なのだ」として天皇制支持に転向したが、これは大部分の日本国民の感情とも一致すると思う。
・政治家の対立は、政策やイデオロギーの違いから起こるのではなく、人間的な愛憎の感情から起こるという指摘には納得。だからこそ新聞記者は政治よりも政局のほうを好んで報道するのだと思う。
・オーラルヒストリーという手法によって、ナベツネは「喋りたくないことまで喋らされた」と言っているが、例えば「なぜ私はこんなに嫌われているのか」については一言も語っていない。つまり権力闘争についての記述が皆無。「喋りたくないこと」はまだまだ多そうだ。