御厨貴のレビュー一覧

  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
    タイトルは「近現代日本を」であるが、内容は「近現代日本政治を」といったところ。政治家、軍人、天皇側近の日記資料がおもに紹介されている。内容は各執筆担当者の自由にかなり任されていて、史料批判中心のものや面白エピソード中心のものまでさまざま。
  • 政治家の見極め方
     政治家の生態の変遷を記した本書。

     オーラル・ヒストリー(口述歴史)に携わる著者が、その立場から生身の政治家を記している。

     結局、政治家も時代に対応せねばならず、「昔と比べ云々」等の言説は少々酷かな、とも思ってしまう。
  • NHKさかのぼり日本史(9)平安 藤原氏はなぜ権力を持ち続けたのか
    藤原氏が権力を持ち続けた理由を探る。他氏排斥と外戚化か。一千年に渡る藤原氏の存続で日本文化の重要な骨組みができたとも言える。
  • NHKさかのぼり日本史(4)明治 「官僚国家」への道
    幕府体制でもない、宮廷体制でもない、新しい国家体制を作ることを選んだ明治の先駆者たちの中の一人、大久保利通は政府と一体となった官僚組織を創出することで日本の近代化を進めることが可能となった。
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    歴史のTerning Point。なぜ日本は戦争にのめりこんで、米国を相手に戦うようになってしまったのか。精神力で国力の差が12倍ある米国に勝つと本当に思っていたのか?
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
    近現代史を日記などの史料で振り返る。日記といっても様々なものがある。事象だけを書いた日記から、他者の日記や回顧録と併読すると色々なことが明確になってきたりするという。
  • NHKさかのぼり日本史(3)昭和~明治 挫折した政党政治
    戦前は二大政党制が実現されていた。しかし党利党略にかたより軍部の進出を抑えることができなかった。その政党政治の源流をたどる。ここに現在の政党の性質の大元をみる。
  • NHKさかのぼり日本史(8)室町・鎌倉 “武士の世”の幕開け
    武士がどのようにして権力を得ていったかをターニングポイントを中心に鎌倉幕府、室町幕府について解説。公家・天皇から武士の時代へ。
  • NHKさかのぼり日本史(5)幕末 危機が生んだ挙国一致
    幕府がどのようにしてペリーの外圧に対処し、それにより、日本は明治維新への道を歩んでいくことがよくわかる。
  • NHKさかのぼり日本史(6)江戸 “天下泰平”の礎
    綱吉の治世や寛政の改革は批判的に扱われがちだが、今の日本人の道徳観を形作った、素晴らしい面があることを知れた。
  • 政治家の見極め方
    自ら筆をとって敢えて語りかけ調に書いたのか、それとも語りおろしをライターが文章化したのか? 学者だから自分で文章を書くとは思うが、オーラルを手法として宣伝する意味で、あえてインタビューされる体でやったのかも知れぬ。
    吉田茂から中曽根くらいまでの時代に比べ、今の政治家はマスコミに支配され、プレゼンやイ...続きを読む
  • 安倍政権は本当に強いのか 盤石ゆえに脆い政権運営の正体
    歴代総理との比較や現在の自民党の状況が分かり易かった。小選挙区後の党運営や議員の動きから、政治ニュースを見れば理解出来る。
  • NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”
    戦後日本史をきっちり論じる。
    岸信介や中曽根康弘のような、主義主張をもった人が、どういうスタンスで政策をすすめ、妥協せざるをえなかったのかわかりやすかった。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    立憲君主制下の君主として、ごく数回の例外を除いて明治憲法で定められた「あるべき君主像」を自らに課し、そしてそれが故に、軍部の独走を抑えられず、却って国土の荒廃と数百万の国民を犠牲においやってしまったナイーブでインテリな君主。戦争を実力で止めなかったが故に法的な責任を逃れえたが、一方で同じ理由で道徳的...続きを読む
  • 政治の眼力 永田町「快人・怪物」列伝
    90年代から現在にかけて活躍した政治家の評伝。幅広い人が扱われている。なお、筆者は政治学者であるが、時事放談のキャスターでもあり、そこでの取材を踏まえていると思われる。
    筆者の生活において、ずーっと一人の政治家と密着している訳ではないので、ここで書かれていることが外れてしまっていることもあろうかと思...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    半藤一利氏、保阪正康氏、御厨貴氏、磯田道史氏4名が『昭和天皇実録』を読んでの感想を諸々述べている本。4氏の話の中から垣間見られる『実録』の内容からはとくに「新発見」の類はないようだが、新たな史料の存在も示唆されているようで興味深い(ただし、原本の公開は難しいのかも)。

    最後に保阪氏が「「昭和天皇は...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(8)室町・鎌倉 “武士の世”の幕開け
    南北朝分裂が我が国特有の天皇を中心とした権威に
    大いなる揺らぎをもたらした
    天皇の権威の失墜は、そのもとにある公家も権威がなくなり、その庇護にあった武士も頼る者がなくなり、税金の徴収システムが綻び始めて、困窮の時代が来ます

    29.4.30再読
  • NHKさかのぼり日本史(9)平安 藤原氏はなぜ権力を持ち続けたのか
    時系列を細かく分けて、その都度、家系図を示してくれていたのがよかった。難しい言葉をほとんど使わず簡潔にまとめられていたので、とてもわかりやすかった。

    今までよくわかっていなかった、保元の乱での藤原氏の人間関係のことが明確に理解できた。同シリーズの近現代史のものも読んでみたいと思う。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    本当なら、全61巻、12000ページあるという「実録」そのものを読みたいところではありますが、さすがに躊躇してしまうので、とりあえず昭和史の研究家の何人かが語っているこの本で概略をつかんでおこうと思いました。

    ・そもそも「実録」を残すというのは、古代中国の皇帝が亡くなった時に編纂する伝統が生まれ、...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    「昭和天皇実録」の第1巻、第2巻が書店に並んだとき、思い切って買ってみようかとかなり悩んだ。でも、今後刊行される分を含めてすべてを読み通すことは難しいし、読んでも十分理解できないと思い、この種の解説本を待つことにした。
    本書で取り上げられた部分は、大方の日本人が関心を持つ部分であり、既に知られている...続きを読む